2016年10月21日金曜日

福島原発事故が起きて3年経過した2014年11月11日から11月15日の「阿智胡地亭の非日乗」の記事 その2

【原子力に反対する100個の十分な理由】、EWSシェーナウ電力会社

ドイツ南西部のシェーナウ市で、チェルノブイリ事故をきっかけに、ドイツ史上初の「市民の市民による市民のための」電力会社がつくられた。

このEWSシェーナウ電力会社が、【原子力に反対する100個の十分な理由】という冊子を、日本語訳した冊子を、ネット上に公開した。

【原子力に反対する100個の十分な理由】から、見出しを以下に一部転載します。

ウラン産出は数多くの人びとの生活基盤を破壊する。

ウラン鉱山業は癌を引き起こす。

ウラン採掘は死の大地を生み出す。

六フッ化ウランが絡む事故は破局的な大惨事を招きかねない。

原子力発電所は子供だけを病気にするわけではない。

原子力発電所は大気へ、水中へと放射性物質を排出している。

原子力発電所からの放射性廃棄物は、DNA にまで組み込まれる。

チェルノブイリの原子炉事故は数え切れないほど多くの人びとの生活を破壊した。

3 日に 1 度はドイツの原子力発電所のどこかで、「安全性にかかわる」事故・故障が発生している。

原子力発電所は十分に地震対策がなされていない。

新型の原子炉でさえ、安全でない。

単に嵐が来ただけで事故の危険性が高まる。

ドイツの原子力発電所で破局的な大災害が発生すると、それはチェルノブイリ事故よりも大きな被害が出る。

ドイツの原子力発電所における破局的な大災害発生の際には、数百万もの人びとが著しい健康被害を覚悟しなければならない。

破局的な大災害の際には、数千 km2 の区域に永続的に人が住めなくなる。

ある地域全域の数時間以内での避難は不可能である。

これまで核廃棄物はただの 1g として無害に処分されていない。

核廃棄物とは百万年にわたる放射線危害である。


日本語訳版の発行に伴い、ウアズラ・スラーデク(Ursula Sladek)女史が、EWS電力会社を代表して、下記のメッセージを日本の皆様に送っています:


日本の読者の方々に

福島の原子力発電事故は、私たちにこの冊子を日本語に翻訳することを思い立たせました。

ここに記した数多くの数値やデータは、ドイツの原子力発電所に関するものですが、事実は世界中どこでも同じです――原子力エネルギーは危険であり、非民主的で、高額で、不要なものです。

この小さな冊子が日本において、原子力に反対する市民運動に少しでも力を与え、支持するものであれば幸いです。

日本にお住まいの方で、地震に、津波に、そして原子力災害で悲惨な目に遭われたすべての方々に、私たちから心からのお見舞いを申し上げます。

自然災害による脅威は、この先も私たち人間が完全に管理することはできないでしょうが、

日本において原子力は私たち人間で終りにすることができます――
この道を進まれ、幸運を心から願っています!みなさまのことを心から想って、

ウアズラ・スラーデク(Ursula Sladek)EWSシェーナウ電力会社代表


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以下、EWSシェーナウ電力会社が設立された歴史について簡単に説明させて戴きます:

EWSシェーナウ電力会社は1、000人の市民が所有する電力会社で、ドイツのシュヴァルツヴァルト(Schwarzwald-ドイツ南西部に南北につらなる高原状の山地 )に位置する、人口2,000人ちょっとの小さな町、シェーナウにあります。

1986年、チェルノブイリ原発事故から放出された放射能雲がヨーロッパ全土をおおったとき、シェーナウに住む多くの親たちは、自分たちの子供たちの健康を憂慮しました。

そして、原子力発電に反対する行動を起こそうと市民運動を立ち上げ、「原発のない未来のための親の会」を結成しました。

まず、彼らが取り組んでいった課題は、「電力節約(省エネルギー)」でした。

彼らは他の住民たちにも「電力を節約すること」を勧めていく活動を行いました。

電力会社にも「電力節約」への協力を要請したのですが、「我々のビジネスは、電力を売ることであって、電力を節約することではないのですよ」と、簡単に拒否されてしまいました。

そこで、住民たちは「電力送電網」を自分たちのものにしていくことを思い立ったのでした。

「市民が自らの手でソーラ、風力、水力を利用して電力を生産すること、そして、それを自分たちが所有する送電網に送る込み、電力を供給すること」、これが、彼らの目指すべきゴールとなりました。

その間、送電網の所有に関する住民投票が2度あり、市民が運営するEWS電力会社は、2度とも、住民投票で勝利を得ました。しかし、電力会社からは「得票があっても、送電網の所有権は我々にあるのだ。

送電網を自分たちのものにしたいのなら、900万マルク(約4億5千万円)で売ってやるよ」との言葉がかえってきたのでした。

送電網を自分たちのものにするための資金集め市民運動が始まりました。

それから、彼らは7年間を費やして、ついに送電網を自分たちのものにすることができたのでした。

現在、ESWシェーナウ電力会社は、ドイツ全国にわたり計およそ15万の個人世帯へ電力を供給しています。

ドイツにおける電力購入は、どこから電力を買うのか、個人個人が自由に選択できるシステムになっています。

 引用元
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IT研究者の自分が子供にはスマホもパソコンも使わせない理由
竹内健
2014年11月04日 07:50

自分はエレクトロニクス・ITの研究者だけど、子供にはスマホもパソコンも使わせない理由
先日、スティーブ・ジョブズが子供には自分が開発したiPhoneやiPad、コンピュータを使わせずに「ローテクな親だった」というニューヨークタイムズの記事が話題になりました。

Steve Jobs Was a Low-Tech Parent

私もエレクトロニクス・ITの研究者ですが、自分が開発した製品を、子供たちには使わせていません。

子供たちには携帯電話は普段は持たせず、どうしても必要な時だけ、機能を通話に絞ったものを持たせています。

私が開発したフラッシュメモリによって、iPhoneやiPadが生まれました。

更に、ストレージが大容量化してデータを大量に記憶できるようになった恩恵で、以前は知りえなかった情報をネットで簡単に検索できるようになりました。

小学校などで子供たちにタブレットを配ることを推進する人は増えてきましたし、ネットで検索できる知識は覚える必要が無い、という人も出てきました。

子供にタブレットを持たせて教育するのは、おそらく途上国のように、本を一人ひとりの子供に配れない国では大変有効でしょうね。

膨大な本を配るより、タブレット一つの方がはるかに安く済むでしょう。

途上国ではインフラの整備が難しいので、例えば通信網も有線の通信網を敷くことは難しいので、有線のインフラを作らずに、無線で通信を行うという事例もあります。

このように、インフラが整っていない、財政的に厳しい人たちに対して、IT機器を使って安価に高いレベルの教育を提供することは大賛成です。

一方、日本のような先進国で、子供たちに早い時期からITに触れさせる必要性は良くわからない。

というのも、ITの発達でこれだけ膨大な情報へのアクセスができるようになって、人は賢くなったのか。

正直なところ、よくわかりません。

自分の仕事を否定するようなところもあって、つらい部分もありますが。

というのも、同じ情報に接しても、それを「白」と判断するか、「黒」と判断するかは人間だからです。

同じ情報に接していても、判断を間違ったら何にもなりません。

例えば、仕事選びで、ブラック企業という言葉が良く使われます。

霞ヶ関のキャリア官僚は寝る時間も惜しんで働いていて、勤務時間からすると間違いなくブラックです。

大学教授という仕事も、プロジェクトを増やすほど、研究をやればやるほど事務仕事が増えていくのに給料は変わらない。

起きている時間、365時間ほぼずっと仕事をしているので、ブラックといえばブラックです。

でも、物事には光と影の両方の面があります。例えばキャリア官僚であれば、在職中の拘束時間はブラックでも、民間では到底会えないような人とのネットワークが広がり、退職した後に役に立つこともあるでしょう。

つまり、在職中はブラックだけど、それも将来への投資と割り切れば、人生のトータルで見ればプラスになることもあるのです。

経営コンサルティングや投資銀行も給料は高いけれど在職中はとても苛酷な環境。将来の投資のために、数年間だけ在職している人が多いでしょう。

大学教授の場合は、何よりも自分がやりたい研究をできる、というのはお金で買えない貴重な機会なので、長時間働いていても、企業に居た時ほど苦痛には感じません。

もちろん、どう感じるかはその人の価値観によります。同じ経験をしても、白にも黒にもなりえるので、他人に強要できるものではありません。

自分が「白」と思えることでも、「黒」と感じる人に強要すると、ブラック職場になるんでしょうね。

さて、子供の話に戻すと、これだけ情報があふれているからこそ、どうやって情報を仕分けるか、何が白で何が黒か、見分ける能力こそが大切だと思うのです。

これは人工知能ではできません。正解は一つだけではないのですから。

小さいころからタブレットを持つと判断力にどのような影響を与えるかは、私はわかりません。

ただ、順序としては、① 情報を判断できる力を身につけてから、② 多くの情報に接する、べきではないでしょうか。

小学生にスマホと持たせると、自分だけでなく他人の個人情報を含んだ写真や情報をダダ漏れにしてしまった、という経験をされた方も多いでしょう。

その子の親に注意したら、親自身がなぜ悪いかわからない、、、、という経験も。

情報というのは便利なだけに、非常に危険であることを良くわかるようになる年まで子供にはアナログに生きて行ってもらうつもりです。
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イラク、「情報量が格段に少ない日本、まるで情報鎖国」、IWJ
2014/11/02 【兵庫】

「情報量が格段に少ない日本、まるで情報鎖国」〜高遠菜穂子氏・泥憲和氏が講演、イラクの惨状を訴え日本政府の態度を批判


 「日本の外務省はイラク戦争について、いまだに『大量破壊兵器があったための戦争を(日本は)支援』と表明している」──。高遠菜穂子氏は、イラク戦争の検証をしない日本政府の姿勢、日本の報道の偏向ぶりに疑問を呈した。

 また、アメリカ帰還兵のPTSD被害や、戦死者より多い自殺者の問題、ホームレスなどになって社会復帰できない元軍人の悲劇を語り、将来、集団的自衛権の行使によって、日本でも同様の問題が引き起こされるとして、自衛隊員へのバックアップ体制を憂慮した。


 イラク支援ボランティアの高遠菜穂子氏が、2014年11月2日、兵庫県姫路市内で開催された「高遠菜穂子×泥憲和 憲法公布69年シンポジウム『武力をもたない』が一番つよいか」で講演を行った。日本とイラクとの往来を続けている高遠氏は、日本では十分に報道されない、イラク戦争後から「イスラム国(IS)」の出現に至るまでのイラク情勢、戦闘被害の現実などを生々しく語った。

 元自衛隊員の泥憲和(どろ・のりかず)氏もマスコミの偏向報道を指摘し、先日の宮中晩餐会でのオランダ国王の踏み込んだ発言を取り上げて、次のように語った。「戦時中、インドネシアにいたオランダ人女性20数人が日本軍の慰安所に連行された。白馬(しろうま)事件と呼ばれ、戦後、将校たちには死刑と懲役刑が下されている。

しかし、安倍首相が慰安婦問題を否定したことに、今、オランダは猛反発している。そういうことも含め、日本のマスコミは一切報道しない」。

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<蜂群崩壊症候群>働きバチ巣に帰らず 三浦半島で大量発生、毎日新聞
11月11日(火)22時52分配信

 神奈川県の三浦半島で飼育されているミツバチの間で、働きバチが大量にいなくなる「蜂群崩壊症候群(CCD)」と呼ばれる現象が相次いで発生している。三浦半島では、東京・銀座や横浜市など都市部のビル屋上での養蜂が話題になった影響で、専門家以外にも飼育が広がったが、2013年は100群以上が消滅。関係者から対策を求める声が出ている。

 CCDは女王バチや幼虫を巣箱に残したまま、働きバチが戻ってこなくなる現象。稲や果樹などの害虫防除に使われるネオニコチノイド系農薬(殺虫剤)やウイルス、ダニなどさまざまな原因が指摘されているが、特定はされていない。

 県畜産課によると、CCDについては国の指示で昨年5月以降、調査を開始した。それ以前は被害状況が不明だが、同課が把握している限りでは発生は三浦半島に集中しており、昨年7月には三浦市の養蜂場の1カ所で計13群のうち4群が失われた。同8~9月には横須賀市と葉山町の計6カ所133群でミツバチがいなくなり、うち98群は全滅。今年も同時期に両市町の3カ所で計44群のミツバチが巣に帰らなかったという。

 鎌倉市津西のアマチュア養蜂家、山口稔さん(72)は、テレビで銀座の養蜂を見て「買ってきた蜂蜜ではない新鮮な蜜を味わいたい」と一念発起。2年前に自宅の屋上でミツバチを飼い始めた。ところが昨夏は2群、約4万匹が失踪し、今年は8~9月末にかけ、3群計約10万匹のうち3万匹以上がいなくなった。「せっかく育てているのに残念でならない。なんとか対策を取ってほしい」と話した。

 同課などによると、県内では今年1月時点で、養蜂家218戸が1397群を飼育している。5年前と比べ、養蜂家は49戸増えたものの飼育数は277群減った。三浦半島でCCDが発生したことが影響したという。

 CCDは00年代から欧米などでも確認されている。欧州連合(EU)ではネオニコチノイド系農薬3種がCCDに影響している可能性があるとして使用を制限したが、農林水産省は「水田のカメムシ防除に有効」として使用制限には踏み切らず、水稲農家と養蜂家の情報共有の徹底などを都道府県に指導するにとどまっている。

 葉山町で養蜂園を営む県養蜂組合三浦支部支部長、石井勉さん(64)も、農薬散布が影響していると推測している。同町では夏になると海からの南風が田畑を通過し、養蜂場まで流れ込む。「風が農薬を運ぶのでは」と考えた石井さんは、被害を訴えた支部員の巣箱を、夏の一時期、南風が当たらない場所に避難させたところ、絶大な効果があったという。

 石井さんは「ミツバチが巣に帰る能力を失ってしまうということは異常で、人間にも何らかの影響が出るかも。原因と断定できないにしても、国が農薬を抑えたり別の農薬に変えたりするなどの対策を取ってほしい」と話している。【田中義宏】
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2014年11月12日(水)
福島の風景 総集編02 タイムラプス#014
Scenery of Fukushima,japan Timelapse#014 この映像を作ったのは、福島県いわき市に住む会社員、清水大輔さん(38歳)です。海外で制作された「タイムラプス」という手法の映像を見て感銘を受けた清水さんは、震災後に自分もやってみようと思い挑戦したのがきっかけでした。
タイムラプスとは、一定の間隔をあけて撮影した静止画を連続再生するコマ撮り映像の一つで、数十分や数時間の出来事をわずか数秒の映像に圧縮して見せる事が可能です。
テレビの科学番組などで、天体が一晩かけて空に軌道を描く様子や、昆虫のふ化、つぼみが開花する過程の映像などで、一度は目にした事があるでしょう。
清水さんはこのタイムラプスを用いて、福島の夜空や夜の海岸線の撮影を行うようになりました。海外のクリエイターの映像を見て研究したり、ネットで撮影技術を調べて試行錯誤しながら、週末ごとに作品作りに没頭します。また、暗い場所と明るい場所を1枚の画像に写し込むHDRという技術を組み合わせて、人間の目では見る事の出来ない幻想的な星空の作品を発表しました。
「実際にそこに存在するのに、人間の目では捉えられない色や風景があるんです。そこを可視化してくれるのが、HDRタイムラプスの醍醐味です」。
「震災を経て、これから前に向かって歩き出そうとする人たちと、ともに頑張っていきたい」それが作品作りの熱源だと話す清水さん。普段目にする地元の浜や星空が、こんなにキレイだったのかと自分自身でも驚いたといいます。
「僕の作品をみて、福島の事をもっと好きになったり、自信を持ってもらえたらいいなと思って撮影しています」。
作品を見た地元の人たちから「ありがとう!なんだか頑張れそうだ」「勇気がわいた」という感想をもらい、清水さんの希望は確信へと変わります。
原発事故の影響で、「危険」とか「かわいそう」という目でしか見られなくなった福島のイメージに疑問を持った清水さんは、この土地の持ついろんな側面や可能性に気づいてもらいたいとも考えています。
引用元
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ほんの少し前の今日あったこと。

▲天然痘ワクチン、日本上陸(1857)

▲津田うめら5少女、最初の女子留学生として米国へ留学。岩倉大使と同船。
 中江兆民も仏国留学のため同船(1871)

▲「礼服ニハ洋服ヲ採用ス」との太政官布告によって和服礼服は廃止され、役人は大礼服、通常礼服の着用が義務づけられる(1872)

▲ワシントン会議開催(1921)

▲極東国際軍事裁判で戦犯25被告に有罪判決(1948)

▲自民、社会、民主党首が初のテレビ、ラジオ討論会(1960)

▲市内電話料金が度数制)7円、公衆電話10円)から、時間制(3分)へ(1972)

▲今上天皇即位の礼(1990)

引用元
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国内自然19団体、辺野古“見直し”求める 中止含めアセス再実施も、琉球新報
辺野古新基地建設

2014年11月11日

大浦湾の環境保全を求める19学会合同要望書を県環境部(左列)に提出した(右列奥から)日本生態学会の加藤真氏、日本ベントス学会の佐藤正典氏、日本動物分類学会の小渕正美氏=11日、県庁

4千人の研究者を有する日本生態学会をはじめとする国内19の自然研究団体が連名で11日、沖縄防衛局が名護市辺野古で進める普天間代替基地建設の中止を含めた計画見直しと、環境影響評価(アセスメント)再実施を求めて国や県に要請書を提出した。

仲井真弘多県知事に宛てた要請のため、日本生態学会自然保護専門委員会の加藤真委員長(京都大学大学院教授)、日本ベントス学会自然環境保全委員会の佐藤正典委員長(鹿児島大学大学院教授)、日本動物分類学会の小渕正美理学博士が県庁を訪れ、環境部に要請書を手渡した。19もの学術団体連名による要請は異例。

 要請後の記者会見で佐藤氏は「環境アセスでは同海域や陸域で5千超の種が確認され、アセス後も新種や未記載種が次々発見されている。このことはまだ一般的に知られておらず、(埋め立てが)非常に難しい問題で切羽詰まった状況にあるとは分かるが、生物多様性は世界的な課題だ」と話し、大浦湾と河川や陸域を含む自然環境の厳正な評価と保全を訴えた。

 加藤氏は「資源のない日本が世界に誇れるのはサンゴ礁生態系をはじめとする海の生物多様性だ」と強調、特にいい状態で残された生物多様性が陸と海で連続してつながる大浦湾を「日本の宝」と称し「日本政府が行っている辺野古埋め立てという愚行は世界の宝をつぶそうとしている。ジュゴンが残るかどうかは沖縄の未来の象徴だ」と力を込めた。

 防衛省、沖縄防衛局、環境省には要請書を郵送した。
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随意契約で不適正な手続き73% 大阪市交通局、東京新聞
2014年11月11日 13時22分

 大阪市交通局の調達課が2013年4月以降に発注した随意契約、1335件のうち、手続きが不適正だった疑いのある事案が約73%の980件に上るとの調査結果を11日、市契約管財局が明らかにした。

 市契約管財局は市各局に対し、契約について契約事務審査会での調査・審議や、随意契約の結果公表を定めている。だが審査会で調査・審議をしていない事案が715件、契約結果を公表していない事案が613件あった。

両方に該当する事案もあるため、合計しても980件にはならない。
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浜岡再稼働条件 川勝知事「11市町同意必要」、静岡新聞
(2014/11/11 06:50)

                                       浜岡原発の周辺11市町

 中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の将来的な再稼働について、川勝平太知事は10日の定例記者会見で、少なくとも同原発周辺の11市町と県の同意が条件になるとの認識を初めて明らかにした。

11市町は重大事故への備えが求められる原発から31キロ圏にある。立地自治体だけが再稼働に同意した九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)のケースより厳しい条件を示した。

 川勝知事は、国内で初めて原子力規制委員会が新規制基準への適合を認め、立地県・市が再稼働に同意した川内原発の事例から「今回明らかになったのは、安全を徹底的に検証することと、再稼働には同意が必要であること」と指摘した。

 その上で、浜岡原発周辺では地元4市(御前崎、牧之原、掛川、菊川)に加え、緊急防護措置区域(UPZ、31キロ圏)にかかる5市2町(磐田、袋井、島田、藤枝、焼津市、森、吉田町)が中電との安全協定締結を目指していることを踏まえて「4市の協定と近い内容になる可能性がある。

そうすると11市町の同意がなければ動かせないことになる」と説明。「UPZの自治体は備えをしなくてはならない地域。差し当たってこの方たちをしっかり入れる」と述べた。

 一方、川内原発については「安全性に関して火山の問題が指摘され、同意に関して(川内原発のUPZ)30キロ圏の住民の意向が無視されたという意味では、見切り発車の面がある」と指摘し、「私どもは見切り発車をしない」と強調した。
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大間原発、20年12月の完工を計画、河北新報
2014年11月12日水曜日

 電源開発(Jパワー)が、青森県大間町に建設中の大間原発(改良型沸騰水型軽水炉、出力138万3000キロワット)に関し、2020年12月の工事完了を計画していることが11日、分かった。

同社幹部が13日に地元町村や県を訪れ、完工時期や安全対策を説明する。

 Jパワーは当初の計画で運転開始を14年11月としてきたが、東日本大震災で工事を中断後、「未定」に変更。14年度の供給計画でも未定とした。

 地元への説明などを踏まえ、年内にも原発の新規制基準を満たすかどうかの適合性審査(安全審査)を原子力規制委員会に申請する方針。申請すれば、規制委が建設中の原発を審査する初のケースとなる。

 北村雅良社長は先月末の記者会見で、申請に向けて、耐震設計の前提となる最大想定の揺れ(基準地震動)を現在の450ガルから引き上げる考えを表明している。

 大間原発はウラン燃料を使う通常の原発と異なり、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使える世界初の軽水炉。建設工事は08年5月に始まり、震災による中断を経て12年10月に再開した。

 公表している工事進捗(しんちょく)率は37.6%。原子炉、タービンの各建屋は地下部分を造り終え、地上1階床面部分の工事が進んでいる。

 大間原発をめぐっては、津軽海峡を挟んだ北海道函館市がことし4月、国やJパワーを相手に原子炉設置許可の取り消しや建設差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こしている。
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電優位の連携続く/第14部東北電の難路(3)協調/神話の果てに、河北新報
東北電が再稼働を目指す東通原発。稼働すれば電力の半分は東電に送られる=青森県東通村

<「請求はポーズ」>
 「東京電力に1回目の賠償請求を行う」。東北電力の海輪誠社長はことし3月の記者会見で、用意した文書を淡々と読み上げた。

 金額は1億7000万円。内訳は東電福島第1原発事故に伴う事業所の移転費用などだった。今後、営業損失を追加で求める可能性もある。
 原子力災害では、東北電も被害者となった。福島県内の電力需要の1割程度を喪失。事故に伴う損害賠償支援機構への負担金も2013年度までに223億円に上る。

 賠償請求は同業者間の対立を思わせるが、東北電内は「請求はポーズにすぎない」との見方が支配的だ。社員の一人は「東電はこれからも重要なパートナーであり続ける」と断言する。

<経営基盤支える>

 一枚岩を誇る業界内でも、2社は密接な協力関係で知られる。1958年に「電力の広域融通」を掲げたのを機に、発電プラントの共同開発で歩調を合わせてきた。

 元役員は「供給エリア(東北6県と新潟県)に東電の発電所が造られることへの抵抗感もあった。解決策として有効な手法だった」と明かす。

 東北電は60年代初めに経営難に陥り、国会で東電との合併論が噴出する事態を招いている。協調による投資コストの圧縮は、避けられない選択だった。

 豊富な資金を誇る東電にしても、電源開発の適地不足は深刻な問題だった。業界のリーダーとして東北電を援護射撃する意味合いもあった。
 東北エリアの共同開発のプラントは計13基まで増えた。東北電の女川、東通、東電の福島第2、柏崎刈羽の各原発も含まれる。

ただ、実態は東電の方がはるかに多くのメリットを得てきた。
 東電の2原発から東北電が受け取るのは出力110万キロワット分。一方の東電は女川、東通原発に加え、原町火力からも融通を受ける。自前で備えた発電所などを加えれば、東北エリア内の供給力は2510万キロワットに達した。

 「転出超過」の電力が、首都圏の膨大な需要を賄う。東北が東電の経営基盤を支えてきたのは紛れもない事実だ。

<挑戦せぬ雰囲気>

 協力関係は、次元の異なる局面でも作用した。
 その一つが情報収集だ。国の方針などを探るため、東北電による東電参りが慣例化してきた。経済産業省や国会との強力なパイプには、太刀打ちなどできなかった。

 「東電はエネルギー政策を左右できるほどの存在。困ったら頼る。貴重な情報源でもあった」と元執行役員が明かす。

 「電源開発」という名の土地貸しと情報の偏在からは「東電優位」の連携の実相が浮かび上がる。「東電にはかなわないし、挑戦もしない雰囲気が根付いている」。平然と語る社員の口ぶりに、両社の関係が変わる兆しは見えない。
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パネル2枚目取り外し 第1原発、飛散防止効果確認へ、福島民友ニュース
2014年11月11日 

 東京電力は10日、福島第1原発1号機の建屋カバー解体に向け、屋根部分のパネル6枚のうち2枚目を試験的に取り外した。屋根面積の3分の1に当たる長さ幅14メートル、長さ約42メートルが開いた状態となり、これまで建屋内部に散布した放射性物質の飛散防止剤の効果を確認する。

 東電によると、取り外し作業は午前7時15分ごろに開始。大型クレーンでパネルをつり上げ、同8時30分ごろに作業を終えた。作業に伴い敷地境界付近の放射線量に変化はなかった。県も作業に立ち会い「放射性物質の飛散がないことを確認した」としている。

 建屋カバーの屋根部分は幅約7メートル、長さ約42メートルのパネルを6枚並べた構造で、取り外し作業は中央部の2枚で完了。1枚目は10月31に取り外し、飛散防止剤を追加散布していた。

今月末ごろまで放射性物質の飛散がないか観測機器を使って監視を続ける。問題がなければ、いったんパネルを戻し、来年3月から本格的な解体工事を始める。
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黙とうささげ 追悼 松代大本営地下壕 着工70年、信濃毎日新聞
11月11日(火)

着工から70年を迎えた松代大本営地下壕入り口脇の平和記念碑に献花する参加者=11日午前11時50分、長野市松代町

 太平洋戦争末期、国家中枢を移す目的で長野市松代町に建設が進められた松代大本営地下壕(ごう)は11日、着工から70年を迎えた。地下壕周辺では複数の市民団体などが建設作業で亡くなった人を追悼する集いをそれぞれ開き、黙とうをささげた。

 市民団体「松代大本営追悼碑を守る会」は地下壕の入り口脇に立つ「朝鮮人犠牲者追悼平和祈念碑」前で、最初の発破作業が行われた午前11時11分に出席者約50人が黙とう。塩入隆会長(80)は「この工事と無謀で理不尽だった戦争を語り継ぎ、若い人たちにも正しい歴史観を伝えたい」とあいさつした。

 NPO法人「松代大本営平和祈念館」と市民団体「松代大本営の保存をすすめる会」は、同市松代町清野の同館建設予定地で集いを開き、出席者20人余が「千の風になって」を合唱。同法人の花岡邦明理事長(63)は「長野市は地域の大事な戦争遺跡を後世に生かすべきだ」と強調した。

 地下壕をめぐっては今年8月、「住民及び朝鮮人の人々が労働者として強制的に動員され」などと記されていた説明板の「強制的に」の記述に、市がテープを貼って読めなくしたことが判明。市は検討の結果、「多くの朝鮮や日本の人々が強制的に動員されたと言われている」などと表現を改めることを決め、近く看板を手直しする方針だ。

 この問題をめぐって各団体は、それぞれアピール文を採択。守る会は表記を元に戻した上で、工事について調査する検討会をつくることを、同NPO法人などは「史実に基づいた表記にする」ことを、それぞれ市に求めていく姿勢を示した。
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原発再稼働と「廃炉要請」がなぜ同時期に 政府と電力会社の思惑とは?、ザ・ページ
 国際環境経済研究所所長・澤昭裕
THE PAGE 11月11日(火)16時3分配信

関西電力は、福井県にある高浜原発の3、4号機の再稼働に向け、規制委の審査を申請している。一方、9月には、関電は福井県にある美浜原子力発電所1、2号機の廃炉を検討していることが明らかになった。

再稼働に向けた動きと廃炉の検討が「同時期に」進んでいることを受け、メディアでは、「再稼働にむけた政府と電力会社の駆け引きだ」「政府は電力会社に対し、交換条件として廃炉の検討を迫っている」との見方もある。いったい、この動きをどう見るべきか。電力事情に詳しい国際環境経済研究所所長・澤昭裕氏に聞いた。

----------------
 11月7日、九州電力の川内原子力発電所1、2号基について、伊藤鹿児島県知事が再稼働やむなしとの判断を示し、再稼働に向けての地元合意が整った。今後、次の再稼働の舞台は関西電力高浜原子力発電所3、4号基に移る。

再稼働と廃炉の引き換え?

 これに先立つ10月17日、小渕前経済産業大臣が辞任の直前に、電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)と会談し、報道によれば「来年4月から7月に延長運転の申請が必要な7基(関西電力美浜原発1、2号機(福井県)、同高浜1、2号機(福井県)、中国電力島根1号機(島根県)、九州電力玄海1号機(佐賀県)、日本原電敦賀1号機(福井県))について、取り扱いの考え方を早期に示してほしい」(10月18日産經新聞)と述べたとされる。
 
 こうした動きが重なったことから、政治的に不人気な再稼働に向けての環境を作るために、経済産業省が電力会社に廃炉の早期決断を求めているのではないか、それに対して再稼働できなければ電気料金値上げに追い込まれる電力各社は、渋々ながら廃炉の検討に入ることを了承したという構図だろう、という見方をする向きがある。

しかし、実態は、こうした「経済産業省と電力会社の駆け引き」といった見立て(9月17日ダイヤモンド・オンライン)のように単純ではないだろう。

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福島原発事故当時の官邸の緊迫した状況を振り返る,IWJ
2014/10/29

元内閣広報室審議官・下村健一氏が福島原発事故当時の官邸の緊迫した状況を振り返る~第5回チバレイ・ウガヤの言論ギグ!

この日のゲストは、東日本大震災発生当時、内閣広報室審議官を務めていた慶応義塾大学特別招聘教授の下村健一氏で、首相官邸の内部から見た福島原発事故当時の緊迫した状況を語った。


記事目次

「日本の最も権威ある原発専門家3人が「ただ地蔵のように並んで座っていた」

「原発事故に関する情報を「隠せるほど知っていたら、どんなにいいだろう」

「誤算だったのは、こんな状況でもみんな(原発事故)を忘れていく」


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2014年11月11日(火)
「古里喪失訴訟」 東電と国、争う姿勢、河北新報
2014年11月11日火曜日 

 東京電力福島第1原発事故で福島県から宮城県などに避難し、古里を失ったり、死の恐怖を感じたりして精神的苦痛を受けたとして、男女58人が東電と国に慰謝料など計24億4760万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、仙台地裁であり、東電と国はともに請求の棄却を求めた。

 東電は「請求された損害分も原子力損害賠償紛争審査会の中間指針が定めた慰謝料に含まれている」と反論した。国は「東電に対し、国がどの法令に基づき、どのような規制をすべきだったのかを明確に主張してほしい」と述べた。

 避難者側は地裁に「古里喪失の実態を把握するため、早期に現地を視察してほしい」と求めた。

 阿部利一さん(66)は意見陳述で「福島第1原発は安心・安全だと聞かされてきたのに裏切られた。故郷を失い、悲しく、無念だ」と話した。

 閉廷後、避難者側は宮城、福島両県の避難者計23人が来月にも追加提訴すると明らかにした。

 訴えによると、2011年3月11日の東日本大震災当時、58人は南相馬市と福島県双葉、富岡、浪江3町で生活していた。原発事故後に岩手、宮城両県に避難した。
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首相「村山談話の継承」を表明 習氏、「歴史直視」要求、東京新聞
2014年11月10日 19時44分

 【北京共同】安倍晋三首相は10日昼(日本時間午後)、中国の習近平国家主席と北京で開いた会談で「安倍内閣は歴代内閣の歴史認識を引き継いでいる」と述べ、過去の植民地支配と侵略を認めた1995年の村山富市首相談話を継承する考えを伝えた。

習氏は「歴史を直視して未来に向かうことが重要だ」と強調。

安倍政権による集団的自衛権の行使容認などを念頭に「慎重な安保政策」も求めた。

 両首脳は東アジアの安定化に向けた協力で一致。

約25分間の会談では(1)国民の相互理解推進(2)経済関係の深化(3)東シナ海での危機管理対応―でも合意した。

東京新聞社説

3年ぶり首脳会談 日中改善の歩み着実に

2014年11月11日

 約三年ぶりに実現した日中首脳会談。両国政府は「外交的成果」を誇るのではなく、真の関係改善に向けて、着実に歩を進める転換点とすべきだ。

 安倍晋三首相と習近平国家主席との初めての会談である。両国首脳による会談は、いずれも前任者の野田佳彦前首相と胡錦濤前主席による二〇一一年十二月以来だ。

 今回の会談は実現直前まで、日程や会談形式をめぐる両政府間の調整が続いた。握手を交わしながらも緊張した両首脳の表情は、一九七二年の国交正常化以降、「最悪」とされてきた今の両国関係を象徴しているようにも見える。

◆「異なる見解」に知恵

 日中両国は今や、米国に続く世界第三、二位の経済大国である。「一衣帯水」の隣国でもある大国同士の緊張状態が長引けば、アジア・太平洋地域の安全保障や世界経済にとって、深刻な懸念材料となることは避けられまい。

 首脳会談が実現したからといって、関係が一気に改善するわけではない。重要なことは、緊張緩和に向けて両国が粘り強く話し合いを続けることだ。首脳会談を継続的な対話へと発展させてほしい。

 振り返れば関係悪化への決定的な転機は日本政府が一二年九月、有効に支配する沖縄県・尖閣諸島の国有化に踏み切ったことだ。
 領有権を主張してきた中国側は激しく反発し、公船の日本領海侵入や海・空軍による挑発的行動、尖閣を含む東シナ海上空への防空識別圏設定など、緊張を高める行動をとり続けた。首脳会談の開催も、領有権問題の存在を日本側が認めることを条件としてきた。
 今回、会談実現にこぎ着けたのは、両政府の合意文書に、双方が尖閣諸島など東シナ海で「近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識」との文言を盛り込んだためだ。
◆不測の事態を避けよ
 これまで私たちは、尖閣諸島が日本固有の領土であることを前提に、外交上の「係争地」に位置付けるなどして対話のテーブルに着き、紛争防止の枠組みをつくる必要性を訴えてきた。
 合意文書の表現は対話の窓口を開くための知恵と評価したい。
 首脳会談では尖閣問題への言及はなかったが、両国の主張がぶつかり合う状況に変わりはない。
 中国側には、現状変更を意図した一方的行動や海空軍による挑発的行動などを慎むよう求めたい。日本側にも緊張をいたずらに高めないような配慮が必要だ。
 首脳会談では日中の艦艇、航空機間で不測の事態を避けるための「海上連絡メカニズム」の構築も再確認した。福田康夫内閣当時の〇八年に合意したものの、棚上げ状態になっているものだ。
 首相の要請に、習主席は「すでに合意はできている。事務レベルで意思疎通をしたい」と応じた。不測の事態を招かぬよう、合意の実現を急ぐべきである。
 もう一つ、中国側が対日批判を強めていた背景には、安倍首相の歴史認識問題がある。
 首相が習主席に対し、「歴代政権の歴史認識を引き継ぐ」と表明したことは、歓迎したい。
 日本の首相は「植民地支配と侵略に対する痛切な反省と心からのおわび」を表明した「村山談話」の重みを忘れるべきではない。
 習主席は「歴史問題は十三億人の国民感情の問題だ」と述べたものの、昨年十二月の首相靖国参拝には言及しなかったという。抑制的な姿勢を示したのだろう。
 極東国際軍事裁判(東京裁判)のA級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社への参拝は軍国主義礼賛と受け取られかねない。
 国の命による戦死者を指導者が追悼し、慰霊するのは当然の責務だが、近隣諸国に無用な懸念を与えないためにも、靖国参拝を控える「戦略的忍耐」も必要だ。
 ただ、中国側も「歴史カード」を対日けん制や国内求心力を高める政治的材料として持ち出す姿勢を改めるべきである。
 中国側には「日本の譲歩」を強調した報道もある。中国指導部が国内世論工作のために外交的勝利ばかりを演出するなら経済大国にふさわしい態度とは言えまい。
◆不戦の精神を次代へ
 今回の首脳会談は、日中共同声明などに盛り込まれた「不戦の精神」を未来に継承し、「戦略的互恵関係」の原点に戻る、双方にとって有益な一歩である。
 政治が冷え込んでも中国からの観光客数は今年、過去最高の二百万人台と予想される。民間や経済の交流が本格回復するよう、両国指導者は政治力を発揮すべきだ。
 アジア太平洋経済協力会議(APEC)が開かれている北京は、「APECブルー」(中国紙)というほど澄んだ青空ではないが、首脳会談開催で、日中関係改善の曙光(しょこう)が差しているようでもある。


 振り返れば関係悪化への決定的な転機は日本政府が一二年九月、有効に支配する沖縄県・尖閣諸島の国有化に踏み切ったことだ。

 領有権を主張してきた中国側は激しく反発し、公船の日本領海侵入や海・空軍による挑発的行動、尖閣を含む東シナ海上空への防空識別圏設定など、緊張を高める行動をとり続けた。首脳会談の開催も、領有権問題の存在を日本側が認めることを条件としてきた。

 今回、会談実現にこぎ着けたのは、両政府の合意文書に、双方が尖閣諸島など東シナ海で「近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識」との文言を盛り込んだためだ。

◆不測の事態を避けよ

 これまで私たちは、尖閣諸島が日本固有の領土であることを前提に、外交上の「係争地」に位置付けるなどして対話のテーブルに着き、紛争防止の枠組みをつくる必要性を訴えてきた。

 合意文書の表現は対話の窓口を開くための知恵と評価したい。
 首脳会談では尖閣問題への言及はなかったが、両国の主張がぶつかり合う状況に変わりはない。

 中国側には、現状変更を意図した一方的行動や海空軍による挑発的行動などを慎むよう求めたい。日本側にも緊張をいたずらに高めないような配慮が必要だ。

 首脳会談では日中の艦艇、航空機間で不測の事態を避けるための「海上連絡メカニズム」の構築も再確認した。福田康夫内閣当時の〇八年に合意したものの、棚上げ状態になっているものだ。

 首相の要請に、習主席は「すでに合意はできている。事務レベルで意思疎通をしたい」と応じた。不測の事態を招かぬよう、合意の実現を急ぐべきである。

 もう一つ、中国側が対日批判を強めていた背景には、安倍首相の歴史認識問題がある。

 首相が習主席に対し、「歴代政権の歴史認識を引き継ぐ」と表明したことは、歓迎したい。

 日本の首相は「植民地支配と侵略に対する痛切な反省と心からのおわび」を表明した「村山談話」の重みを忘れるべきではない。

 習主席は「歴史問題は十三億人の国民感情の問題だ」と述べ
たものの、昨年十二月の首相靖国参拝には言及しなかったという。抑制的な姿勢を示したのだろう。

 極東国際軍事裁判(東京裁判)のA級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社への参拝は軍国主義礼賛と受け取られかねない。

 国の命による戦死者を指導者が追悼し、慰霊するのは当然の責務だが、近隣諸国に無用な懸念を与えないためにも、靖国参拝を控える「戦略的忍耐」も必要だ。

 ただ、中国側も「歴史カード」を対日けん制や国内求心力を高める政治的材料として持ち出す姿勢を改めるべきである。

 中国側には「日本の譲歩」を強調した報道もある。中国指導部が国内世論工作のために外交的勝利ばかりを演出するなら経済大国にふさわしい態度とは言えまい。

◆不戦の精神を次代へ

 今回の首脳会談は、日中共同声明などに盛り込まれた「不戦の精神」を未来に継承し、「戦略的互恵関係」の原点に戻る、双方にとって有益な一歩である。

 政治が冷え込んでも中国からの観光客数は今年、過去最高の二百万人台と予想される。民間や経済の交流が本格回復するよう、両国指導者は政治力を発揮すべきだ。

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)が開かれている北京は、「APECブルー」(中国紙)というほど澄んだ青空ではないが、首脳会談開催で、日中関係改善の曙光(しょこう)が差しているようでもある。
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安倍・習会談、中国ではどう報道されているか

習・安倍会談、中日関係の悪化に終止符
戦略的互恵関係確立は依然として“茨の道”

――在北京ジャーナリスト 陳言

一部引用・・

 日本問題の専門家の論考が掲載されたのは10日からだ。なかでも、中国人民大学東アジア研究センター長の黄大慧教授の論考は、中国の学者の意見を代表するものだろう。黄教授は安倍政権が中日関係の改善に向けて動き出した要因を、次のように分析している。

 第一に、「地球儀を俯瞰する外交」は、わざと近隣諸国を見て見ぬ振りをして、中国・韓国・ロシアとの関係を悪化させ、今は改善の時期に来ているという。

第二に、アメリカの意向だ。日本が領土問題と歴史問題であまりにも中国と鋭く対立することは、「アジアシフト」を進めるアメリカの東アジアでの戦略を撹乱するために、日本に「圧力」をかけた。

第三に、日本は世界で広まりつつある東アジアでの“トラブルメーカー”というイメージを変えたいということだ。第四に、アベノミクスを成功させるためには、中国を含む外部の力が必要だということだ。

 中国では「日本が譲歩した」という主張しか存在しない。7日に合意した4項目の合意文書には、靖国参拝については具体的に触れていない。

これは中国が譲歩している証拠であるが、研究者も含めて、それについては触れる勇気はないのだ。

「今、日中間は戦略互恵関係というより戦術互損関係になっている」。5月に自民党の高村正彦副総裁は、日中友好議員連盟を率いて中国を訪問する際、こう懸念を中国に伝えている。

合意文書や首脳会談の意味についての議論は、これから行われるだろうが、少なくとも10日の習・安倍会談は、国交正常化以来の最悪の状態から脱却する契機となり、「戦術互損関係」から脱却するきっかけになったことは間違いない。

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両国の“余裕のなさ”が問題表面化の原因 、朱建榮
島には蓋、靖国は周恩来ロジックの認識を
——東洋学園大学教授インタビュー
ダイヤモンド・オンライン編集部 【第9回】 2014年11月6日

いよいよ11月10日から、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が中国北京で開催される。日中両国は最悪とまで言われる関係を改善するため、安倍晋三首相と習近平総書記の首脳会談開催を調整しているが、本稿執筆現在でも開催されるかは不透明だ。

この機会を逃せば、今後、日中関係は改善のきっかけすら見出せなくなる危機的な状況に陥るという声も漏れる。両国間にある問題をどう乗り越え、関係改善へ進めばいいのか。朱建榮・東洋学園大学教授に話を伺った。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

冷戦終結で問題が表面化
日中関係は倦怠期


しゅ・けんえい
東洋学園大学人文学部教授、学習院大学で政治学博士号を取得。専門分野は中国の政治外交史。1957年生まれ。中国上海市出身。華東師範大学卒業後に来日し、東京大学非常勤講師、東洋女子短期大学助教授を経て、現職。

主な著書に『毛沢東の朝鮮戦争――中国が鴨緑江を渡るまで』『江沢民の中国――内側から見た「ポスト鄧小平」時代』『胡錦濤対日戦略の本音――ナショナリ ズムの苦悩』『中国で尊敬される日本人たち:「井戸を掘った人」のことは忘れない』など。

――この2年間の日中関係は国交正常化以降、最悪の状態だと言われます。両国間にある主な問題は尖閣諸島(中国名:釣魚島)を巡る領土問題と、歴史認識問題の2つであると指摘されています。この2年間の両国関係をどう見ていますか。

 確かに首脳が一度も会っていないし、相互訪問をしていません。それに各レベルでの交流もストップしていて、島の問題によって緊張も高まりました。そういうことからすれば、1972年の国交正常化以来、最悪だということは言えます。

 2つの個別の問題は置いておいて、そもそも日中は国交正常化前まで、互いによく知らなかった。あったのは、相手に対する好奇心や憧れだった。戦争を経て、お互いに歩み寄ったわけですが、この期間は夫婦で言えば、恋愛期間と言えます。結婚まではお互いに良いところだけを見るもの、悪いところはある程度目を瞑るものです。

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小泉純一郎の講演動画「いまこそ、原発ゼロを」
小泉純一郎「いまこそ、原発ゼロを」 講演@城南信用金庫 「原発推進者が言っていることは、全部嘘!」 小泉純一郎・元首相は都内・城南信用金庫にて2014年10月22日に催された自然エ­ネルギーに関するイベントに参加し、冒頭で挨拶した。
都知事選の細川護煕・元首相が敗れたことについて「まったくめげていない」と語った小­泉元首相は原発再稼働が検討されていることについて,p> 「(核のゴミの)最終処分場の場所が未だに決まっていない。自治体が手をあげないから­、政府が決める……といっている。決まるわけないじゃないですか。再稼働させる(とい­うが)、これからゴミが増えるという状況で、どうして自治体が協力すると思いますか。­もうこれ以上増やさないという前提で、最終処分場なり中間貯蔵施設なりを決めるという­ハッキリした政治の方針を出さないと、国民は協力してくれない」
と述べ、反対の意志を表明した。
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川内原発の再稼働、鹿児島県知事が同意 地方への差別じゃないか、毎日新聞
2014年11月10日 東京夕刊

 ◇机上の避難計画のまま強行先例に?/周辺自治体住民に怒り

 福島の惨事から3年8カ月、再びこの国は原子炉を動かすことにした。新規制基準の下での「第1号」が鹿児島県の九州電力川内原発だ。住民の不安と反対をよそに、薩摩川内市に続き、県が原発再稼働に同意した。住民の胸に去来するのは何か。現地を歩いた。【吉井理記】

 錦江湾のど真ん中で、桜島が噴煙を上げる。鹿児島市街はこの日も火山灰で煙っていた。2009年から活発化し、毎日のように小噴火を繰り返している。

 灰が舞う中、伊藤祐一郎知事が再稼働に同意した7日、鹿児島県庁前で再稼働に反対する住民ら約400人が抗議集会を開き、「再稼働を許さないぞー」としきりにシュプレヒコールを上げた。だが、もはやあきらめムードが漂う。10月から座り込みを続けてきた住民も「今日で撤収です」と力ない。

 「原発事故は立地自治体だけでなく、その周辺の自治体をも破壊することは福島を見れば明らかです。なのに再稼働の地元同意は、県と薩摩川内市だけに限られている。同じリスクを共有する周辺自治体の住民の声は考慮せずにゴーサインを出した。こんな横暴、乱暴はないのに怒りの声が形にならない……」。ため息をつくのは鹿児島大非常勤講師、杉原洋さん(66)だ。地元紙・南日本新聞の元記者で、1979年から2年間、運転前の川内原発を取材した。

 再稼働の「同意対象」がどこまでなのか法律の定めはなく、事実上各電力会社の裁量に委ねられている。川内原発の場合は県と薩摩川内市以外の自治体は、避難計画策定が義務づけられる緊急防護措置区域(UPZ、原発から30キロ圏内)にあっても発言権はない。

 川内原発の場合、このような自治体は8市町ある。姶良(あいら)市議会は「再稼働に反対し、川内原発の廃炉を求める」意見書を、いちき串木野、日置両市議会は自らも「同意対象」に加えるよう伊藤知事に求める意見書を可決した。だが、ほかの市町ではこうした動きはない。そればかりか、8市町の首長からは「再稼働やむなし」の声ばかりが聞かれる。

 杉原さんが薩摩川内に赴任した年に起きたのが米スリーマイル島原発事故。だから当時は周辺自治体も反対の声が強かった。それでも84年の運転開始時には原発の安全性を疑う声は聞かなくなった。

 「『のど元過ぎれば……』という側面もあるのでしょうが、むしろこれは構造的な問題です。県知事や国に逆らえない、田舎の事情があるんです」と嘆息した。

 事情とは何か。


 唯一、市全域がUPZ内にあるいちき串木野市を訪ねた。今年6月、再稼働に反対する住民団体が、約3万人の人口の過半数、1万5464人の署名を集めて市に提出した。市民が不安視するのは事故が起きた際の避難だ。薩摩半島の付け根にある同市は、原発事故の際は南東方向にある鹿児島市や南九州市などに避難することになっている。

 しかし統計上、いちき串木野市は原発のある北西からの風が吹く日が多い。つまり南東方面ならどこに避難しても原発の風下にあたるから、放射性物質にさらされる危険があるのだ。さらに避難にはマイカーを使うことになっているが、逃げ道となるのは普段から混雑する片側1車線の国道や県道だけ。

 「周辺の自治体の避難計画はどこもそんなものばかり。まともに避難ができない以上、再稼働など言語道断なのですが、市は疑問や反対の声を上げるのを避けている」と首を振るのは、昨年11月の市議選で「再稼働反対」を掲げて初当選した田中和矢さん(62)だ。

 同市の今年度当初予算約154億円のうち、市税など自主財源は28%の43億7000万円。

7割以上が地方交付税や県や国庫からの支出金などの依存財源だ。「市は国・県の電源立地交付金約9000万円を受け取っています。財政事情が厳しいから、市は絶対に手放せない。反対なんてとんでもない」

 県・国の補助金がつく公共事業も多いから「ご機嫌」を損ねたくないし、特に今は県や国が自治体の予算要望をヒアリングする時期で、なおさら反対しづらい。九電は九州に本社がある企業のうちで断トツに売上高が大きく、「地元経済にマイナス」の懸念も強い。

 田中さんは旧ソ連チェルノブイリ原発事故の時も「日本の原発は安全」と信じていた。「それがあの事故です。『こりゃ大変なシロモノを故郷に造らせてしまった』と怖くなりました。僕は自民党に近いつもりですが、原発政策だけは認めない」

 県の事情も似たりよったりだ。今年度予算7882億円のうち国庫支出金などの依存財源は約7割に上る。

ちなみに同県で公選された戦後の知事7人のうち、現知事を含め実に6人が旧自治省などの中央官僚からの転身組だ。

 政治的事情もある。ある自治体の公明党関係者は「結局は党本部の意向に従うしかないが、再稼働に賛成した公明党県議も内心は納得していないし、有権者に説明できないと困り果てていたんです。一部の自民党県議も『よりによって何で東京は我々を一番手にしたんだ、基地を押し付けられる沖縄と同じだ』とぼやいていたらしい」と明かす。

 杉原さんが付け加える。「より中央から遠く、より弱い県や自治体にしわ寄せがくる『差別構造』としか言いようがない。政府が川内原発を再稼働第1号に選んだのも、東京から遠く国民の関心も低いから、としか思えない。


鹿児島だけの問題ではないんです。全国の人が声を上げなければ、より弱い地域・人が犠牲になる構図はなくなりません。それほど『安全』と言うなら、東京に原発を造ってほしいのですが」

 川内原発を皮切りに、避難計画が現実的かどうかなど関係なく、全国で原発が動き出すのだろう。

 ささくれた心を癒やしたくて、田中さんの案内でいちき串木野市の山奥にたたずむ鎮国寺を訪ねた。脱原発を志す人々が「心のよりどころ」として全国から会いに来るという住職の村井宏彰さん(65)がつぶやく。

 「原発で潤う人はいるのでしょう。でも子々孫々にまで災いを及ぼすかもしれない原発を、今、この時代しか生きない私たちが『お金がもうかるから』という理由だけで動かして本当にいいのですか」

 山の向こう、遠く川内原発が見えた。この国の人々すべてが考えねば、と思う。
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日韓首脳がAPEC夕食会で会話 慰安婦協議の継続で一致、共同通信
2014/11/11 01:42

 【北京共同】韓国大統領府報道官は、北京で開かれているアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の10日の夕食会の席で、朴槿恵大統領が安倍晋三首相と会話を交わし、旧日本軍の従軍慰安婦問題などを話し合う日韓の外務省局長級協議を進めていくことで一致したと明らかにした。聯合ニュースが報じた。

 安倍氏と朴氏が会話を交わすのは今年3月にオランダ・ハーグで行われた日米韓3カ国首脳会談以来。

 報道官は、両首脳は夕食会で偶然席が隣になった機会に「多様な懸案」について意見を交わしたと述べた。

当然ながら両国は事前に席について打合せを行い、合意したのだろう。
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原発事故で放出の放射性セシウム 特定の鉱物中に,NHKNEWSweb
11月11日 5時33分

東京電力福島第一原子力発電所の事故で放出され、周辺の土壌にとどまっている放射性セシウムの多くが、特定の鉱物の中に存在していることを、東京大学などの研究グループが解明し、除染作業の効率化などにつながることが期待されています。

福島第一原発の事故で放出された放射性セシウムは周辺の土壌を汚染し、事故から3年半余りがたった今も、どのような形で存在しているのか、はっきりとは分かっていません。

こうしたなか、東京大学大学院の小暮敏博准教授らの研究グループは電子顕微鏡を使い、放射線を出す粒子をより細かく検出できる方法を開発し、事故後に福島県飯舘村から採取した土を調べました。

その結果、原発事故で放出された放射性セシウムの多くは、風化黒雲母と呼ばれる鉱物の粒子の中に含まれていることが分かったということです。

この鉱物は、福島県東部の地質である花こう岩が風化してできるもので、福島県内の森林や水田などの土壌の中の放射性セシウムの多くは、この黒雲母の中に存在している可能性が高いということです。

今回の成果について、小暮准教授は「放射性セシウムがどのように存在しているか、原発周辺の実際の土壌から解明できたことは重要だ。放射性セシウムの除去技術などの開発に役立つことが期待される」と話しています。
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宗教、戦争、そして残虐行為、ハフポスト

引用元

マイケル・ブレナー ピッツバーグ大学 国際関係学教授


投稿日: 2014年11月03日 15時16分 JST 更新: 2014年11月03日 17時55分 JST FASCISM

現在、「イスラム国」によってイラクやシリアで行われている残虐行為は、改めて宗教と組織だった暴力行為との関連性についての疑問を呼び起こしている。

また、イスラム教が暴力行為と特に親和性があるのかという疑問も投げかけている。イスラム国の過激派が、彼らの仲間であるアルカイダのように、自らを厳格なイスラム原理主義者のサラフィスト(サラフと呼ばれる初期イスラムの時代を理想とするサラフィー主義の一派)と名乗ったときから、彼らの目的はイスラム教社会の純潔を回復することにあり、偽りの信者や異教徒と手を結ぶ不信心者を破壊することにあると言われている。その結果、イスラム教が暴力行為と関連性がある、あるいは暴力行為を推進しているといった主張が展開されるようになっている。

特に、イスラム国について報道されている内容を踏まえると、後者の疑問は重要な疑問であると言える。しかしながら、その疑問自体が極めて表層的な考え方に基づいていると言える。なぜなら、思い起こせば、どのような宗教も信仰の名のもと、残虐行為を行ってきた歴史があったからだ。

例えば、第1回十字軍のとき、1098年の厳しい冬の時期にシリア北西部の都市マアッラで行われた攻防戦で飢えた兵士が人肉食を行った。1099年の夏には、エルサレム奪還のためにユダヤ人やイスラム教信者を虐殺した。また、キリスト教のカタリ派がローマ・カトリック教会から異端のらく印を押され大量虐殺された例など枚挙にいとまがない。

また、古代ユダヤ人が、神であるヤハウェの指示のもと、エリコの街中のすべての老若男女(と獣)を殺した行為も、彼らが選ばれた民であることを確信させるために行われた(旧約聖書、申命記6:21)。

伝統的なユダヤ教の普遍的な人道主義が出現するのはもっと後のことで、パリサイ派がイエス・キリストを十字架刑に処した時代には存在しなかった。しかし、イエス・キリストもまた、パリサイ派の中でかなりの急進派でもあった──結局、彼もすべては神によって救済されるというメッセージを他のユダヤ人に伝えた一人のユダヤ人に過ぎなかった。また、仏教でさえ、時には血塗られた剣を握る行為を容認しており、ミャンマーやスリランカにおける証言者が存在している。18世紀のアユタヤ王朝建国はビルマ人仏教徒によるタイへの侵略の結果である。ヒンズー教も同様で、1947年のインド・パキスタンの分離独立、2002年のグジャラート州の暴動は記憶に新しい。また、自死によるテロという手法が近年起こったきっかけもヒンズー教徒からなる「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE。当初スリランカからの分離独立を目的に設立されたヒンズー教を標榜する組織)であった。実際には何百人ものテロリストが自爆攻撃を行い、1991年にはインド首相ラジブ・ガンディーがLTTEの女性による自爆テロで死亡した。ラジブ・ガンディーが狙われた理由は、仏教徒であるスリランカ政府がヒンズー教であるタミル地方の反乱を鎮圧しようとしたことを、インド政府が支持して介入したためであった。

どの宗教がより暴力的で、どの宗教がそうではないかということを論ずるのは非常に興味がそそられる。しかし、実際にどの宗教がより暴力的かと論じる行為は、より大きく、また重要な質問をないがしろにしてしまう。その重要な質問とは、宗教や主義主張の異なる者を虐げるように人々を動機付けることができるのは、宗教やその宗教に対する信仰心なのか、または、あるいは独善的なイデオロギーなのか、いったいどちらなのかというものである。しかしながら、宗教とは、そもそも世俗的で極端なイデオロギーの1つの例である。また、20世紀には世界全体に壊滅的な影響を及ぼした(実際には非宗教的な)ナチズムと共産主義(レーニンと毛沢東によるものとでは種類はやや違うが)が存在した。ナショナリズムというのも暴力的な考えを組むイデオロギーとなっている。ナショナリズムは基本的に「自分」と「他人」との区別を設けることを強調している。「自分/他人」、「良い/悪い」という二元性を包括する考え方は興奮状態を生じさせやすく、人道主義という概念にとって致命傷となる。

これらの非宗教的な運動には明確な特徴がある。

・信奉者、集団主義者の共同体への情熱的な忠誠心を呼び起こす。

・個人を集団行動に組み込み、個人の行動を支配したり、忠誠心を試したりする。

・超自然現象を求めずに宗教的な感情を喚起させる。

・他人への敵意をあおる。

ファシズムは宗教的かつ文化的な境界をも超えた政治的なイデオロギーであった。イラクとシリアのバース党はこのタイプである──全く世俗的でもあり、明らかに非宗教的だった。サダム・フセインのいかなる行いもイスラム教の名のもとには行われてはいなかった。すなわち、フセインとオサマ・ビンラディンはお互いに嫌悪していた(それはディック・チェイニー元アメリカ副大統領の利己的な妄想とは関係なく)。サダム・フセインの思想はナショナリズムとファシズムと宗教の混合物であった。スペインのフランコ将軍によるファランヘ党の台頭も同様である。第二次世界大戦では実に様々な残虐行為を人々は目にすることになった。ハンガリー、ルーマニア、クロアチア、スロバキアなどでもファシズムによる同様の残虐行為が行われた。これらの国々のうち、ルーマニアの場合はキリスト教正教徒によるものだったが、残りの国々は過激なカトリックだった。スロバキア大統領でもあったヨゼフ・ティソはカトリック神父であり、ユダヤ人の死の収容所送りを教皇に強く訴えた。レバノンのファランジスト党(ファランヘ党)もキリスト教、ナチズム、ファシズムに大きく影響を受け、レバノンの独立を目指した。過激なナショナリストのアイデンティティーは、神聖な本質を帯びるようになる一方、それぞれの民族の「神」への様々な信仰の範囲で、「悪」である他人を特定するものであった。神聖化された宗教も世俗的なイデオロギーも(ナチズムとファシズムを除いて)もう1つ注目に値する特徴を持っている。両者とも信奉者へ輝かしい未来への約束を提示していることだ。一般的に、宗教というもの全般では輝かしい未来への約束は人類すべてに約束されている。また、共産主義も同様であった。宗教は「祝福された来世」を約束し、世俗的なイデオロギーは「地上での楽園」を約束している。さらに、多くの宗教が「慈悲の心」、「平和」、「良い行い」は、たとえ完全な報いが来世にやって来るとしても、この世の苦しみを軽減することができると伝導している。この考えは倫理基準、例えば、誠実な信仰心と信念を含んでいる。こうした基準は組織的な暴力行為はもとより、個人の暴力について著しく道義に反すると禁じている。

(しかしながら)暴力放棄の厳しい道徳基準が信仰者同士のコミュニティーでは適応される一方、非信仰者に対しては適応されないという対比が生じ、それは満足のいく形で解決されない矛盾を生み出してしまった。例えば、キリスト教徒にとってイエスの教えはいかなる戦争と暴力も非難しているように見受けられる。しかし、歴史はそのようなイエスの教え通りにいかなかった。歴史を振り返ってみると、(戦争や暴力行為に加担しなければならないという)政治的圧力が、絶対的な(戦争や暴力行為に参加すべきではないという)個人の倫理観に優先されてきた。「シーザーのものはシーザーに」というイエスの言葉は税金の支払い義務を説いている以上に、神に対する務めと世俗の支配者に対する務めをともに行うべきであることを意味する。また、聖職者の階級制を導入し、(厳格な規律の)教会を作り、キリスト教がローマ帝国によって容認されたことで、世俗社会と神聖社会とがお互いに分離できないくらい相互依存することになった。また、神学の面においてはキリスト教が旧約聖書を受け入れたということは、唯一の神であるヤハウェの精神と平和主義者であるイエスの信仰との融合を意味することにもなった。

支配と抑圧を行う精神は、新約聖書の「ヨハネの黙示録」として5世紀初めに持ち込まれたものである。パトモス島のヨハネによって書かれ、ヘブライの預言書を非常に啓示的なものにした。これに沿って、アメリカの福音派で上院議員のテッド・クルーズはイスラエルによるパレスチナ攻撃を肯定的に捉えている。彼は「プロテクティブ・エッジ作戦(ガザ侵攻の作戦名)」を「ハルマゲドン(世界の終末)」のきっかけとして解釈している。この「ハルマゲドン」とは、古代ユダヤによって預言されている通り、直にキリストの復活に向けた最後の審判が起こり、その次にキリスト教信者の永遠の救済をもたらし、さらに反抗したユダヤの人々やキリストを拒絶した人々を破滅させるだろうとみなされている。(ヨハネはイエスこそが長く待たれたヘブライ人にとっての「メサイア(救世主)」であり、抑圧者であるローマや全ての邪悪なものを滅ぼすと論じた。最後の審判の日に、その試練を乗り越えた者は王座に「神の子」のとなりに座ることができ、祝福されるとする。)(新約聖書:3.14-22)

イスラム教典はこのような経典の民の流れを受け継いだ矛盾や、コーランやハディス(イスラム教に則った生活様式)自体が持つ矛盾もはらんでいる。従って、暴力や信者の取り扱い、また同時に、信仰しない者の取り扱い──良性のものから有害と思われるものまで、広範囲にわたって、多種多様な行動の正当性をその中に見出すことができるのである。

***

一方で、現代に目を転じてみよう。例えば20世紀の歴史を振り返ってみると、宗教以外のイデオロギーが発端となって大勢の人々が殺されてしまった。この宗教以外のイデオロギーの違いが原因で殺された人々の数は、過去何世紀もの間に宗教観の違いで殺された人々の数と比べると、比較にならないほど多い。そして、現代社会の暴力行為や殺人に対する宗教がもたらしている影響は極めて限定的であるといえる。では、多くの人々が抱いている誤解、つまり私たちは狂信的な宗教による暴力の時代を生きているという考え、は何が原因で生まれてきたのか。私は次の2つの要因があると考える。1つ目が、自らの主義主張を押し通すために、テロ行為を行うイスラム社会での急進的な原理主義者の台頭である。2つ目が、その動きと極めて対照的に、宗教的な要因が発端となって(少なくとも西側諸国同士では)武力衝突をするような状況が西洋社会の民主主義国家(こうした国家の多くが非宗教的であるということとも相まって)から消滅してしまったことである。つまり、西洋社会の民主主義国家の多くが非宗教的であるが故に、宗教の影響を多分に受けやすい社会や国々、特にイスラム教世界、を非難しがちであり、そうした社会や国々を理解する上で大切な宗教を理解するのが極めて難しくなってしまったという状況である。言い換えると、サラフィスト、自分達の祖先、そしてアメリカの極端な福音派も西洋社会の民主主義国家に住む人々にとっては同じように理解し難いのであり、理解しようともしないのである。

(なぜ西洋社会の民主主義国家の人々にとってそれが難しくなったのかというと)第二次世界大戦後の西ヨーロッパ諸国は宗教的、国家主義的、政治的なすべてのイデオロギーを排除してきたため、その結果、政治への関心も薄い社会へと変容していったからである。つまり、ヨーロッパが歩んできた歴史に対抗して18世紀後半にアメリカが建国されたのであれば、西ヨーロッパ諸国は20世紀半ばに自らの歴史から解き放たれることに成功した。言い換えるならば、20世紀前半に起こった二度の大戦を経て、欧州の人たちの思考様式や行動様式は根本から変わってしまったのである。

そして、自由解放とは感情的、哲学的、知的な側面においてそれまでの政治活動の重要な要素から距離を置くということを意味した。国際政治では、(いわゆる軍事力や国力)を競い合うような権力政治が過去の物となり、また、国内政治では、イデオロギー基づく政党間の競争が無くなった。つまり、今日見られるヨーロッパ社会(特に西ヨーロッパ)はそういった過去を乗り越えて変化した結果、今の状態にあるということである。結果、ナショナリストの情熱や、イデオロギーが持つインスピレーション、「我々」と「彼ら」といった境界性を引きたくなるような衝動や欲求、そのような物が全てなくなってしまった。

こうした社会の人々は、平和的で、物質至上主義的な生活様式が好ましいものであると考えている。結果、(バルカン半島にあるような)情熱的なナショナリズムや、宗教とどのように渡り合うかという点に極めて苦労している。この点を理解するに当たって、ヨーロッパとアメリカとを比較対照することは極めて有効である。なぜなら、アメリカも西ヨーロッパ諸国と似た側面も存在するが、しかし、いくつかの点で大きな違いが存在するからである。具体的には、一般的にアメリカ人は西ヨーロッパの人々と比べて、より宗教的であり、ある意味ではクリスチャン・サラフィストとも言うべき原理主義的な信仰心を持った人々も存在する。また、西ヨーロッパの人々と比べてより公然とナショナリスティックであり、国内に絞った話か外国との戦争かという点は置いておいて、暴力行為に対してより理解がある。しかしながら、こうしたアメリカ人の特徴は互いに関係はあるものの、因果関係が存在するという訳ではない。

つまり、宗教やナショナリズムよりも、戦略地政学的な現実や歴史が軍事介入・軍事行動にアメリカが比較的積極的であることの背景である側面が多分に強い。また、軍事行動の結果生じるアメリカ人や外国人の戦死者数に対して寛容である点については、1813年以外に他の国からアメリカ本土を攻撃されたことがないという事実や、軍事介入の結果多くのケースにおいてアメリカの勝利に終わっているという事実や、アメリカは人類発展の為の先導者・指導者でありその為に自己犠牲も厭うべきではないという使命感の存在が要因として考えられる。

このユニークな国民性はアメリカの外交政策において、理想主義と現実主義という2つの対立軸を持つ考え方を生み出した。そして、この2つの考え方は「対テロ戦争」において、極めて多面的な介入を海外で行うことに当たって必要となる国内世論の支持を維持することに大きく貢献した。具体的には、アメリカは同時に世界の警察官や立法府や司法部門としての役割を果たしてきた。一方で、その過程で、多くの人々を結果として殺しているし、それらのほとんどが罪のない人々であったことも事実である。また、緻密な拷問プログラムの存在が証拠であるように、意図的に残虐行為を犯した過去もある。しかし、こうした負の側面はアメリカ人の深層心理に影響を与えていないように思え、道徳的優越感、アメリカの行動は正しいという信念といった自己認識は依然として根強く残っている。

この現象はイデオロギー的な側面からは説明しきれるものではない。特定の宗教への信仰も先述した行動を説明できるものではない。もちろん、ナショナリズムも多少は影響を及ぼしているかもしれないが、アメリカの西部開拓時代における領土の拡大を正当化する思想として有効であったアメリカのマニフェスト・デスティニー的な考え方は、もはや有効な精神的な支柱とはなり得ない。しかし、こういったアメリカの歴史的な経緯によって、他国が行うとその道義性を非難するような行動を自らが取っても平然といられるような精神状態を構築することができた。

武力行使に対する一見矛盾するようなアメリカ人の精神状態は、アメリカが武力行使を行う際に次の二点に留意することによって、許容できるレベルに保たれている。第一に、徴兵によって構成する軍隊ではなく、志願制に基づいた所謂プロの軍人によって構成する軍隊によってのみ武力行使を行うことで、戦争行為を一般社会から縁遠いものに保つことができる。つまり、軍隊に志願しなければ、個人レベルに視点を絞ると、アメリカの武力行使のプロセスに参加することを避けられるということである。第二に、ハイテク兵器を多用することで、軍事行動において不可欠となってしまう攻撃相手を殺害するという行為が(軍事行動に参加する兵士の精神に与える影響を)抑制できるということにある。具体例を挙げて説明すると、ネバダ州のエアコン付きの作戦室から遠隔操作によって無人軍用機を飛ばして敵を攻撃することと、アフガニスタンのある村の郊外への陸上部隊の攻撃に参加し、タリバン兵の喉を切って殺害する行為は全く異質な行為であり、裏を返せばアフガニスタンに出向いて、軍事行動に参加し、自らの手で人を殺害するという行為がいかに兵士に及ぼす精神的な影響が大きいかということも言える。また、こうした軍事行動がどのように報道されるかは、世論形成にも影響を与えている。例えば、アメリカの対テロ戦争時、戦死者や軍事行動によってアメリカ兵や敵兵が死亡する場面を捉えた写真や動画がアメリカの一般人の目に触れることは極めて限定的だった。また、ベトナム戦争遂行時はアメリカ側が敵側に行っていた拷問を捉えた写真はほとんど一般人の目には触れることなく、CIAが大半の写真を処理していた。

従って、プロパガンダの目的でイスラム国によって公表された人質の斬首映像は極めて大きな精神的なインパクトをアメリカの一般市民に与えた。その結果として、こうした残酷な行為をサラフィストの教義と結びつけて連想する一方、こうした残虐な行為はイスラム教の教義全体と関連しているという誤った認識を持ってしまうということも起きている。その為、イスラム教徒は我々が決してしないような残虐な行為を行うものであるという誤った認識を持つに至っている。

しかし、そのイスラム教徒ではなく、キリスト教徒である我々アメリカ人も広島や長崎において数多くの無実の一般市民を殺戮したというのも、また事実である。もしも、その場において原爆投下によって窒息し、焼き焦げにされ、放射線を浴び、ぼろぼろになった人々の惨状を捉えることができた写真家がいたとして、その写真をイスラム教徒やキリスト教以外の宗教を信仰する人々が目にしたら、彼らはキリスト教に対してどのような印象を持ったであろうか。忘れてはならないことであるが、ガザ地区に侵攻したイスラエル軍によって殺害されるか重傷を負ってしまった無実の一般市民の惨状や、キリスト教に限らず多様な宗教を信仰する人々が存在するアメリカによってその惨状を引き起こしたイスラエル軍の侵攻がほぼ容認されていたという状況も世界は目の当りにしたのである。そういったことを踏まえると、どの宗教の名において残虐行動が取られたかという視点が、その残虐行為について考察するに当たって違いをもたらすとは考えにくい。

もちろん、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教といった多種多様な宗教はお互いに影響を与えるものである。したがって、その行為の背景に宗教の影響が全くないとは言えない。しかし、特定の犯罪行為の責任を特定の宗教に向けるべきではない。より責めるべきは、我々の人間性である。もしくは、矛盾し、欠点だらけの我々人間を創造した父なる神を責めるべきである。

このブログはハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

翻訳:森田一成

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