2016年10月19日水曜日

福島原発事故が起きて3年経過した2014年11月01日から11月05日の「阿智胡地亭の非日乗」の記事 その2

2014年11月02日(日)
「トモダチ作戦で被ばく」米兵による東電訴訟の継続、連邦地裁が認める、ハフポスト
The Huffington Post
2014年10月31日 17時20分 JST OPERATION TOMODACHI USS

東日本大震災で救援活動「トモダチ作戦」に従事したアメリカ海軍の兵士らが、福島第一原子力発電所の事故が原因で被ばくしたとして東京電力に損害賠償などを求めている問題で、カリフォルニア州サンディエゴの連邦地裁は10月28日、訴えを退けるよう求めた東電の主張を認めず、訴訟を継続する判断を示した。

訴訟は日本ではなく、同州の裁判所で行うことも認められた。アメリカの法律関連ニュースサイト、Law360などが報じた。

トモダチ作戦では、アメリカ海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」に乗船していた約5000人の水兵たちが、東北地方沿岸の海域で被災者の捜索や救援物資の輸送など、約80日間にわたる救援活動を行った。

しかし、東電がアメリカ軍に、福島第一原発の事故で放出された放射性物質の降下範囲などを正しく伝えなかったとして、ロナルド・レーガンの乗組員8人が2012年12月、東電に対して総額1億1000万ドル(約94億円)の損害賠償などを求める訴訟を起こした。

レーガンは現在、アメリカ西海岸のサンディエゴを母港としている。

ところが連邦地裁は2013年11月26日、この訴えを退けた。

訴訟では「東電が日本政府がアメリカに嘘の情報を提供したか」が争われたが、これが同裁判所の権限を超えたと判断されたためだ。そのため、原告の弁護士は「今後、日本政府との共謀を主張せずに東電を訴える」と述べていた。

そして2014年2月6日、原告団は提訴内容を変更した新たな訴訟を起こした。損害賠償の金額を未特定額に変更したのほか、健康診断や治療を行うための10億ドル(約1090億円)規模の基金の設立などが追加された。

その後、救援活動に参加したほかの兵士や家族も加わり、原告の数は約200人まで増加。さらに、東電だけでなく原発メーカーの東芝やGEなども被告の対象に含めることも追加で求めている。

東電は日本の裁判所で審理を行うべきだと主張したが、ジャニス・サマルティーノ判事はこれを退けた。

「日本の裁判所での審理は適切な選択肢だ」としながらも原告の健康上の理由からアメリカで行うことが合理的と判断したためだ。

また、「原子炉の破壊と放射性物質の放出は、企業の過失によって起こったもので、地震や津波によるものではない」とされ、

さらに、東電が現在、福島第一原発の周辺住民に対しても被ばくに関する同様の責任を負っていることから、原告の主張を却下するよう求める東電側の主張も退けた。

〇弁護士事務所のプレスリリース
ボナー&ボナー法律事務所

合衆国海軍兵士たちが、日本の原発企業に対する集団訴訟において重要な判断を勝ち取る

合衆国海軍兵士たちが、サンディエゴ地裁における東電に対する裁判で、重要な闘いに勝利した。 連邦判事は、兵士たちの東電に対する訴訟を、被告にGE、EBASCO、東芝、日立を含めたうえで先に進めるとの判断を示したのだ。

 200名の若い兵士たちは、2011年3月11日、日本政府が合衆国海軍に地震と津波の犠牲者たちの救援を要請していたときに、東電は福一原発の放射能汚染のレベルについて、世間と合衆国海軍に意図的に嘘をついていたと訴えている。 

7万人に及ぶと考えられる被曝した可能性のある米国人も、この集団訴訟に参加することができる。

 訴訟は、2011年3月11日の地震と津波による惨禍のあとに海軍が展開した、人道援助プログラムであるトモダチ作戦への参加に基づいている。 

訴えには、白血病、潰瘍、胆のう摘出、脳ガン、脳腫瘍、睾丸ガン、子宮不正出血、甲状腺障害、胃障害、その他青年には通常見られないさまざまな病気に対する賠償も含まれている。 健康を害した兵士たちは、悪化する体調の治療、医療によるモニタリング、医療費の支払い、彼らの子供たちの健康のモニタリング、被曝により起こった可能性のある遺伝子の突然変異のモニタリングを要求している。

22歳の水兵は、これまでに白血病と診断されており、現在失明しつつある。 彼は、裁判所への訴えでこう述べている。 「トモダチ作戦から帰った後、目がだんだん見えなくなりました。 左目は完全に視力を失い、右目もほとんどありません。

 道路標識も読めないので、車の運転もできなくなりました。 トモダチ作戦に参加する前は、両眼とも20-20(訳注:Wikipediaの『視力』の項目によると日本基準で1.0と考えられる)の視力があり、メガネをかけたこともなく、視力矯正の手術も受けたことはありません。

 家系にも、白血病はいません」。 水兵の代理人である、ポール・ガーナーとチャールズ・ボナーは、その他の原告たちも被曝による深刻な病気が進行していると主張する。 

原告たちは、世間に、連邦議会の議員、各州議会の議員、オバマ大統領に連絡し、(一)トモダチ作戦の精神を原告の放射能被害を被った兵士たちにまで適用し、助けることと(二)東電がすでに世間には露呈している過ちへの責任逃れをやめるように命ずることを、日本政府に要求するよう嘆願してほしいと考えている。 

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BREAKING:

USS Reagan sailors win a victory in court! Judge rules that lawsuit can proceed and include not only TEPCO but additional Defendants General Electric, EBASCO, Toshiba and Hitachi, the builders of the Fukushima nuclear reactors. Here's the full press release, just issued:


PRESS RELEASE FOR IMMEDIATE RELEASE
Contacts: Charles Bonner & Cabral Bonner & Paul Garner, Esq.
760.671.8183 pcg@garnerlaw.com c/o
The Law Offices of Bonner & Bonner
charles@bonnerlaw.com cabral@bonnerlaw.com
475 Gate Five Road, Suite 212, Sausalito, CA 94965
Ph: 415.331.3070; 415.601.0268; 510.213.9777
U.S. SAILORS WIN KEY COURT DECISION TO GO FORWARD WITH
CLASS ACTION AGAINST JAPAN’S NUCLEAR POWER COMPANY
U.S. Navy Sailors have won a crucial battle in the United States District Court in San Diego against Tokyo Electric Power Company, known as TEPCO. A Federal judge has ruled that the sailors’ class action law suit may go forward against TEPCO and additional Defendants General Electric, EBASCO, Toshiba and Hitachi, the builders of the Fukushima nuclear reactors. The 200 young sailors claim that TEPCO deliberately lied to the public and the U.S. Navy about the radiation levels at the Fukushima Dai-Ichi Nuclear Power Plant at the time the Japanese Government was asking for help for victims of the March 11, 2011 Earthquake and Tsunami. Up to 70,000 U.S. citizens were potentially affected by the radiation and will be able to join the class action suit.
The lawsuit is based on the sailors’ participation in Operation Tomodachi (meaning “Friends”), providing humanitarian relief after the March 11, 2011 devastation caused by the Earthquake and Tsunami. The lawsuit includes claims for illnesses such as Leukemia, ulcers, gall bladder removals, brain cancer, brain tumors, testicular cancer, dysfunctional uterine bleeding, thyroid illnesses, stomach ailments and a host of other complaints unusual in such young adults. The injured servicemen and women will require treatment for their deteriorating health, medical monitoring, payment of their medical bills, appropriate health monitoring for their children, andmonitoring for possible radiation-induced genetic mutations.
One Sailor, age 22, has been diagnosed with Leukemia and is losing his eyesight. In his declaration to the court he states, “Upon my return from Operation Tomodachi, I began losing my eyesight.I lost all vision in my left eye and most vision in my right eye. I am unable to read street signs and am no longer able to drive. Prior to Operation Tomodachi, I had 20/20 eyesight, wore no glasses and had no corrective eye surgery. Additionally, I know of no family members who have had leukemia.” Paul Garner and Charles Bonner, attorneys for the sailors, say that additional plaintiffs are continuing to come forward with serious ailments from radiation.
The sailors would like the general public to contact their members of Congress, locally elected officials, and President Obama and implore them to tell the Government of Japan to (1) apply the principles of “Operation Tomodachi” to the Plaintiff-victims and help these U.S. Sailors; and (2) tell TEPCO to stop shirking responsibility for their publically acknowledged wrondoings.
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東電の廃炉工程に見る「東電には無能力技術者たちしかいない」事実
核燃料取り出し遅れ 東電追認 実体なき「廃炉工程」鮮明

2014年10月31日 朝刊


 東京電力福島第一原発の廃炉をめぐり、東電は30日、早ければ2017年度前半にも始める予定だった1号機プールからの使用済み核燃料取り出しを、2年遅れの19年度に見直すことを明らかにした。

原子炉内に溶け落ちた核燃料の取り出しも、早ければ20年度前半に始めるとしていたが、5年遅れの25年度開始に見直す。

 計画を前倒しにすることはあったが、遅らせるケースは初めて。

 原因の一つは、原子炉建屋を覆うカバーの解体作業が当初の計画より半年以上遅れているため。当初は既存のカバーを改造して使用済み核燃料を取り出す計画だったのを、カバーを撤去し、専用の骨組みを建屋上部に新設するよう変更したことも大きい。

さらに、溶けた核燃料の取り出しに向けては、使用済み核燃料の取り出し用に造った骨組みを撤去し、別の専用の骨組みを設置し直すためという。

 東電の廃炉担当者は「デブリ(溶融した核燃料)の状況がよく分からない中、デブリの取り出し設備を設置するのは困難。手戻り(作業のやり直し)につながる。それぞれ専用の設備を造ると、当面は遅れるが、着実に作業を進められる」と強調した。

 三十~四十年間で廃炉を実現する方針は変わらないという。


◆日程偏重で現場しわ寄せ

 東京電力が、初めて時期の遅れを認める形で福島第一原発の廃炉工程を見直す。これまで工程表通りに作業を急げ急げの号令ばかりで、現場は違法な長時間労働をはじめ苦しめられてきた。「廃炉まで三十~四十年」の宣言にこだわらず、現実に合わせた見直しは当然といえる。

 実際のところ、廃炉への具体的な道筋は見えていない。炉がどう壊れ、溶けた核燃料はどんな状況なのかも分かっていない。

 特に溶けた核燃料の取り出しには、格納容器ごと水没させ、強烈な放射線を遮ることが不可欠だが、注水した冷却水は漏れ続けている。容器の補修のためロボットを使った調査が続けられているが、漏れ場所は特定できていない。取り出しの工法も決まっていない。

 国と東電が公表している工程表は、あたかも時期が来れば作業が進むような印象を与えるが、実際に根拠がある部分は少ない。検討中のものがほとんどだ。

 それにもかかわらず、現場には工程表通りにやることを最優先するよう指示が飛ぶ。福島第一の作業員の一人は「現場には、一日も工程から遅れるなと強いプレッシャーがかけられている。福島第一は初めての作業が多く、悪天候で遅れることも多い。工程を守れと言われても、現場が苦しくなるだけ」と訴えた。

 そんな現場の苦労にもかかわらず、三十日の国と東電の工程表をめぐる会合では、せっかく現実に合わせた見直しをしたのに、前倒しをするよう国側から注文がついた。(原発取材班)
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廃炉工程短縮検討を 県が東電に3項目申し入れ、福島民報
2014/11/01 10:50

東京電力福島第一原発1、2号機の廃炉計画見直しを受け、県は31日、東電に対して、廃炉工程短縮の検討などを申し入れた。

 申し入れは3項目。廃炉工程については安全・安心を大前提に短縮を含めた検討を求めた、溶融燃料(燃料デブリ)の現状把握などに世界の英知を結集するほか、全体工程の具体的かつ分かりやすい提示を要望した。

 申し入れは県庁で行われた。長谷川哲也県生活環境部長が、住民の帰還への影響も想定されるとして、東電福島第一廃炉推進カンパニーの増田尚宏最高責任者に、申し入れ事項の順守を求めた。

 増田最高責任者は「安全を最優先に、申し入れ事項を守りたい」と述べた。

 東電の廃炉計画見直し案では、1号機は使用済み核燃料プールからの燃料取り出し開始が、現工程から2年遅れて平成31年度前半になる。

溶融燃料の回収開始は5年遅れの37年度前半にずれ込む。

5年遅れになっても誰も責任を取らなくてもすむ、上の人間にとてもやさしい日本国というシステムがある。

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サンゴ密漁か 上空から多数の漁船確認、NHKNEWSweb
11月1日 18時12分

サンゴ密漁か 上空から多数の漁船確認

小笠原諸島の沖合で、中国漁船が貴重なサンゴを密漁しているとみられる問題で、漁船は活動する海域を伊豆諸島にも広げていて、1日、上空からの取材でも多数の漁船が確認されました。

海上保安庁では、警戒に当たる海域を広げるなど態勢を強化して、監視や取締りなどの対応に当たっています。

小笠原諸島沖ではことしの9月以降、中国から来たとみられるサンゴ漁船が多く確認され、日本の領海で違法に操業したとして中国人船長が逮捕されるなど、サンゴの密漁が懸念されています。
海上保安庁によりますと、先月30日は、小笠原諸島沖で48隻が確認されたのに加え、新たに伊豆諸島の鳥島と須美寿島の周辺海域でも164隻が確認され、活動する海域が北に広がっていることが分かりました。

NHKは1日、このうち伊豆諸島沖の状況を小型ジェット機で上空から取材しました。

正午すぎには、鳥島の北およそ10キロの日本の領海内で、60隻から70隻ほどの漁船が確認され、船体に「CHINA」という文字が書かれた船や中国の国旗とみられる赤い旗を掲げた船も見られました。
また、甲板に立った数人の船員が、青色の網のようなものを海に垂らして作業している様子も見られました。

海上保安庁では、中国漁船が増加し、活動する海域も小笠原諸島から伊豆諸島まで広い範囲にわたることから、警戒に当たる海域を広げたり巡視船の数を増やしたりして態勢を強化して、監視や取締りなどの対応に当たっています。
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座談会 「女性活躍」の違和感 なぜ?、毎日新聞
 2014年10月31日 東京夕刊

 女性が活躍できないよりは、できる社会の方がいい。でも、安倍晋三内閣に女性活躍担当相が置かれ、「女性活躍推進法案」が閣議決定されても、「女性活躍」という言葉に違和感を感じてしまうのはなぜ? 

社会学者で詩人の水無田気流さん(44)、反貧困ネットワーク世話人で作家の雨宮処凜さん(39)、政治学者の岡田憲治さん(52)が語り合った。【まとめ・小国綾子、写真・武市公孝】

 ◇自己責任、さらに重く−−詩人・社会学者、水無田気流さん

 ◇切り捨てられた思いがする−−作家・雨宮処凜さん

 ◇「本音は経済成長」見える−−政治学者・岡田憲治さん

 −−「女性活躍」という言葉に、違和感があるという声が出ています。

 水無田 女性に目が向いた点は評価すべきですが「女性活躍」の語には違和感を覚えました。総務省の「社会生活基本調査 生活時間に関する結果」をみると、外で働くだけではなく家事や育児など無償労働を含む労働時間の合計は女性の方が男性よりも長く、逆に睡眠時間は短い。学校のPTA活動などを通して地域社会に貢献しているのも主に女性です。

 一方、年間を通じて給与所得がある女性でも、その約7割が年収300万円以下です。つまり、女性はすでに活躍しているのに、社会がその活躍に見合う評価をしてこなかった。社会の側の問題が大きいのに、「女性活躍」なんて言われると「女性が自己責任でもっと頑張れ」と言われた気がします。

 雨宮 最初に「女性活躍」と聞いた時、すごく変だなと思いました。「男性活躍」なんて言葉、使わないじゃないですか。「男性が輝く」とも言わないでしょう。

 岡田 「男女平等参画担当大臣」でいいのに、なぜ「女性活躍担当大臣」にしたのか。そこを考える必要があります。安倍首相や有村治子・女性活躍担当相は、選択的夫婦別姓に反対するなど、復古的な家族観を持つ政治団体、日本会議のメンバーです。

有村さんは妊娠中絶にも反対。安倍政権の多くの閣僚が3年抱っこし放題、内助の功で家庭を守るといった古い家庭のイメージを抱いている。「女性活躍」と整合性がない。そこがうさん臭いんです。

続きはこちら


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米軍レーダー、飛行制限始まる 京都・京丹後、京都新聞
2014年11月01日 23時32分

 米軍経ケ岬通信所(京都府京丹後市丹後町)で12月にもXバンドレーダーが本格運用されるのに伴い、通信所の日本海側上空で1日、航空機の飛行制限が始まった。ドクターヘリ運航や海難救助の緊急時を除いて、飛行すると処罰の対象となる。

 飛行制限空域は半径6キロ、高度6千メートルの半円柱状で国土交通省が設定した。Xバンドレーダーは弾道ミサイルを探知、追尾する際に、レーダー照射で強力な電磁波が発生し、航空機の計器を誤作動させる恐れがある。違反した乗組員は50万円以下の罰金となる。

 緊急時に米軍に停波を要請する手続きは、防衛省や京都府、地元消防などの関係機関が検討を重ね、防衛省や府を通さずに要請者が直接、電話とファクスで要請することで合意した。

 米軍は10月21日にレーダーの搬入を終え、今月中に仮運用するとみられる。同通信所は近畿地方で唯一の米軍基地で、Xバンドレーダー設置は米軍車力通信所(青森県つがる市)に続いて2基目。
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日本の教員たちはブラック文部省に雇われている?
そこが聞きたい:世界一多忙な日本の教員 増田修治氏
毎日新聞 2014年09月10日 東京朝刊

 ◇業務多く、絶対数不足−−NPO法人「日本標準教育研究所」理事、白梅学園大教授・増田修治氏

 国際的な調査で、日本の中学校の教員は世界一多忙であることが明らかになった。なぜそれほど忙しいのか。NPO法人「日本標準教育研究所」理事の増田修治・白梅学園大教授(56)に現状や状況改善への提言を聞いた。【聞き手・三木陽介】

−−6月に公表された国際教員指導環境調査(TALIS)=1=の結果、日本の中学教員の多忙ぶりが突出していました。

 中学校だけではありません。日本標準教育研究所は一昨年から今年にかけて全国の小学校教員延べ1500人にアンケートをしました。法令上の標準勤務時間は8時間半ですが、平均勤務時間は11時間18分、「過労死ライン」といわれる12時間以上は約3割に上りました。学校にいる間は休憩時間もほとんどありません。

授業の合間の休み時間も生徒指導などに追われますし、多くの先生が帰宅後も仕事をし、約7割が平均月2・2回の休日出勤をしています。「結婚して続けられる仕事ではない」という女性教師の声もありました。寝袋持参で学校に泊まり込む先生もいます。危機的状況です。


−−なぜそこまで多忙なのですか。

 授業以外の仕事が多いのです。その典型が事務作業です。国や県による実態調査への回答が年間200件に上ることもあると聞きます。同じいじめの調査でも国と県と市町村から別々に来ることもあるそうです。私が現役の教員だった7年前より明らかに増えています。

会議も多い。放課後は全教職員が参加する職員会議に学年会議、教科別の主任会議や生徒指導など校務分掌ごとの会議もあります。小規模校だと兼務も多いので、会議が終わったらもう夜8時ということも珍しくありません。形式だけになっている会議も少なくないのですが。

−−状況改善にはどうしたらいいのでしょうか。

 事務作業の効率化や会議の見直しは当然必要ですが、やはり教員の数を増やすべきです。財務省は「子供が減っているのだから教員も減らすべきだ」としていますが、実態が見えていません。貧困率が上がり、家庭の経済格差が子供の学力格差に深刻な影響を及ぼしています。

発達障害で特別支援が必要な子供もクラスに6%程度います。難しい家庭背景を抱えた子供も増えています。貧困、虐待、ギャンブル依存、家庭内暴力。我々の教員アンケートで悩みを挙げてもらったところ、上位三つは「自分の時間が持てない」「保護者との関係」「特別支援が必要な子への対応」でした。学級規模の上限を現行の40人から引き下げ、30人以下に改めるべきです。

 先生たちの意識改革も必要です。どうしても先生というのは自分で何でも抱え込んでしまいがちです。例えば、年度が変わって受け持つ学年が変わる時に後任に教材を引き継ぐだけでも負担はかなり軽減されます。教員が働きやすい環境作りなど校長ら管理職のマネジメント力を向上させる必要もあると思います。

−−少子化で学級規模は自然と小さくなるのではないですか。

 財務省の試算では、少子化によって教員1人あたりの児童生徒数は2016年に小学校で16・8人、中学校で13・5人になるそうですが、それはあくまで平均値です。都市部では35人以上の学級はまだまだあります。これからは知識の詰め込みではなく、課題解決型学習や自ら学ぶ「主体的学び」といった新たな指導方法が求められています。

今はいい高校、いい大学に入れば将来が約束されるという時代ではありません。小学校の高学年くらいになると、児童たちになぜ学ぶのか実感を伴って理解させないと、授業についてきません。教師が一方的に話す一斉授業はもう通用しないのです。でも肝心の先生にそうした新しい指導方法を身につける余裕がないのが現状です。

−−国際教員指導環境調査では、日本の先生は自己肯定感が低いという傾向も表れました。

 かつては職員室で教員同士が指導法を教え合ったり、愚痴を言い合ったり、ほめあったり、という雰囲気がありましたが、今はそれどころではありません。こうした「同僚性」の喪失も背景にあると思います。毎年、精神疾患で休職している先生は5000人前後にも上ります。

その一方で、学校に次々と新しい課題が持ち込まれ、小中学校では道徳が早ければ15年度から、小学5、6年生では英語が18年度からそれぞれ段階的に教科化される見通しです。教員はこうした新教科の指導方法を身につける必要があります。

休日をつぶして自己研さんを積んでいる先生も少なくありません。国は子供のために良かれと思っているのでしょうが、基盤となる指導体制が追いついていないのです。

−−文部科学省は教員の負担軽減のため、来年度から「チーム学校」=2=という方針を打ち出しました。

 専門家が一体となって諸問題に取り組もうということです。専門的な知見を持った人材が学校に入ってくること自体は良いことです。ただ、そうした人たちと打ち合わせをする時間が必要となり、さらに多忙となることは避けねばなりません。

 ◇聞いて一言

 増田教授によると、最近は教職課程を修了しても教員を志望しない学生がどの大学でも増えているらしい。「きつい」勤務実態を知り、敬遠してしまうのだという。

都市部では、団塊世代教員の大量退職で採用を増やそうとしても志望者が集まらず、採用試験の倍率が15年前の3分の1程度の3倍台というケースも出ている。教員の質低下が懸念されるし、何よりも直接影響を受けるのは子供たちだ。教員の置かれた環境を改善しない限り、この「負」の流れを止めることはできない。

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 ■ことば

 ◇1 国際教員指導環境調査

 経済協力開発機構(OECD)が2013年に34カ国・地域の中学校教員を対象に実施。日本は、1週間の勤務時間が最長の53.9時間で平均(38.3時間)の1.4倍だった。事務作業の時間(5.5時間)は約2倍。課外活動指導(7.7時間)は3倍超だった。

「生徒に勉強ができると自信を持たせることができるか」との問いに、「非常によく」と「かなり」を合わせて「できている」としたのは約18%で、平均(86%)を大きく下回り、日本の教員の自信のなさが浮き彫りになった。

 ◇2 チーム学校

 いじめ、不登校、貧困、暴力行為、発達障害など学校が直面する課題に、教員だけではなく各分野の専門家が「チーム」となって対応しようという考え方。メンバーは、社会福祉士など福祉の専門家、スクールソーシャルワーカー、特別支援教育のための看護師らが想定されている。

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 ■人物略歴

 ◇ますだ・しゅうじ

 1958年生まれ。埼玉県の公立小学校で教員を28年務めた後、白梅学園大准教授を経て現職。専門は教師教育論・臨床教育学。

社説:国際教員調査 先生たちは忙しすぎる

毎日新聞 2014年06月26日 02時32分

 まじめで向上心に富むが、教室外の仕事にも追われ、受けたい研修もままならない。学習指導の効果にもなかなか自信が持てない。

 経済協力開発機構(OECD)が34カ国・地域の中学校を対象に実施した比較調査では、こんな日本の教員像が浮かぶ。

 多くの教員は忙しすぎる。政府は義務教育6・3制の見直しなど、学制改革に乗り出すが、成否は直接授業や指導を担う教員にかかる。子どもとより長く向き合い、時間と力を注げるようにしたい。

 比較調査で際立っているのは、勤務時間の差異だ。全体平均で週38.3時間に対し、日本は53.9時間に上る。その中で、部活動など課外の指導は平均の3倍以上に当たる7.7時間となっている。

 各種書類や報告書づくりなど事務作業も簡単ではない。立て込むと、子どもたちの顔より、パソコンの画面と向き合っている方が長くなる日さえあるという。授業準備、教材研究もおろそかにできない。

 多岐にわたる校務に追われると、いじめなど、迅速さと細心の注意を要する問題に対応しきれない恐れもある。本末転倒だ。

 昨年、大津市の中学生自殺をめぐって、第三者調査委員会は、問題の背景の一つに教員の忙しさを指摘した。「選択と集中」で業務に優先順位をつけ、行事なども選別、さらには教育委員会が出す学校への依頼文書などを精選するよう求めた。

 今回のOECD調査ではこんな傾向も出ている。「特別な支援を必要とする生徒への指導能力」などが備わった教員が足りない、と感じている割合が日本では高いのだ。背景には、業務の多さ、勤務時間の長さが挙げられている。

 また日本の教員には、指導効果への自信のなさも目立つ。高い目標を持つが、時間を取って資質や技能向上の研修を十分に受けにくい実情が反映している可能性があるという。

 学制改革を論議してきた政府の教育再生実行会議は、近く報告を出す。例えば、目玉の一つ、小中一貫校の制度化は、小学校6年・中学校3年の区切りを弾力化し、独自のカリキュラムも組む。教員にも幅広く多様な力が求められ、大学の養成課程や免許制度にも変革が必要だ。

 教員の多忙解消策は既に各地の学校や教育委員会に取り組み例が見られるが、国全体として、可能な事務の外注化、共同化などを徹底すべきだろう。定数増も不可欠だ。

 それは単に「負担軽減」のためだけではない。それにより、教育力を向上させ、子どもたちに接する時間を増やすことこそが、今後の教育改革の土台になるからだ。
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リスクにさらされる年金、細野豪志
衆議院議員

2014年10月31日 16時57分

株価が上昇している。GPIFによる年金運用について、国内株式比率を増やすとの新聞情報が影響しているようだ。国民の年金が、株価対策に使われる流れが加速している。

国民の財産である国民年金・厚生年金の積立金は、現在127兆円あり、独法であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用している。

この運用は、国民の財産を守るために、長期的な観点から安全かつ効率的に運用することが大前提であるのは当然のことであり、安全資産とされている国債中心に運用がされている。これまでの運用実績もまさに安全な運用とは何かを示している。

現在、安倍内閣はこの運用を大いなるリスクに晒そうとしている。

すなわち、国債で運用していた資産を、目先の株価対策のためとすら考えられるような形で、株式に大量投入しようとしているのである。127兆円の年金は、例えば2%でも株式に投入されるだけでも2.6兆円の株価対策になる。

これは東証の一日の取引額に等しい。安倍内閣は、これを現行の12%から25%以上に引き上げる、すなわち15兆円を超える国民財産をリスクマネーに投入して、株価の下支えをしようとしている。

しかしながら、リスクに晒される年金に関して、国民に対しての説明がなされていない。どの程度のリスクか。先に示した図を見れば一目瞭然だが、更に言えば、今後リーマンショック並の事象が生じた場合には、25兆円を超える損失を出す可能性すらある。

25兆円の損失は1年間の保険料収入に匹敵する。国民が一年間納付した保険料が、一瞬にして消え去るのである。このような事態が起こった場合、保険料を上げるか、給付を下げるという選択肢をとらざるを得ず、いずれにせよ国民にしわ寄せが生ずる。

塩崎厚生労働大臣は、このような重大なリスクに対する説明責任を一切果たしていないどころか、大臣着任前に約束していた「リスクをとるだけの責任体制を構築することが大前提」との約束すら反故にしようとしている。

私は、昨日の予算委員会で、塩崎大臣にそのことを問うた結果、責任体制の構築と運用改革は一体のものであるとの回答があったが、現実には、年金をリスクに晒す動きの方が先行しているようだ。

年金受給者がリスクを負って、株式保有者が得をするような形をとることは、年金運用の目的をはき違えており本末転倒である。国民の財産である年金に対して、かつて自民党政権は、グリーンピア・サンピア問題や「消えた年金問題」と立て続けに引き起こすなど、重大な失政を繰り返してきた。今回の問題は「第3の消えた年金問題」となりうる重大な問題であり、ただちに止めなければ、未来への世代に対して重大なリスクを残すことにほかならない。

私たち民主党は、年金を守るために、戦いぬく。

引用元
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検察が世論の受けを狙うのは昔から、小渕氏後援会収支不明問題
落合洋司弁護士のブログから引用。

<東京地検>小渕氏後援会を捜索 前中之条町長宅も
2014-10-30

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141030-00000027-mai-soci

支援者向けに開かれた観劇会の収支などの実態を解明するには関係資料を押収して精査する必要があると判断した模様だ。

観劇会の収支を巡っては、小渕優子後援会と「自民党群馬県ふるさと振興支部」の政治資金収支報告書に、2010年と11年の収入が約740万円と記載される一方、支出には計約3400万円が計上されるなど、収支が大きく食い違っている。12年には観劇会が開かれたものの収支の記載がなかったことが分かっている


法務・検察当局は、かつて、ロッキード事件で田中角栄元首相を起訴したことで、その後、長く、田中氏に近い、親しい人物を法務大臣に次々と送り込まれ、田中氏、旧田中派に対しては、散々苦しめられてきたという苦い思いを抱き続けてきている面があります。

だから、偏頗な立件、処理をする、というわけではないとしても、旧田中派である小沢氏、さらには故人とはいえ旧田中派の小渕元総理の実娘がこうして捜査対象になっていることに、長い怨念の歴史を感じさせるものがあります。

かなり早期に、こうして捜索が入った背景には、事件として見所がある、事件性が高いと特捜部が見ているということがあると思われますし、任意で資料提出を求めていては重要証拠が廃棄、隠匿される可能性が高いと特捜部が見た可能性が高いでしょう。

法務・検察は、政治とは無関係と言いつつも、常に政治との「間合い」を注視しているものですから、前法務大臣が失脚し現法務大臣も、かつての「親田中派」のような手強い人物ではなく就任早々で慣れていない、安倍内閣が不祥事で揺れていて余裕が失われている今は、捜索に打って出るチャンスと見た可能性もあると私は推測しています。

群馬という、かつては、中曽根、福田、小渕が並び立って熾烈に争っていた地で、世の中の政治改革の流れに何周も周回遅れの政治資金取扱が行われていた可能性もあり、大量の押収資料の分析により、例えば猪瀬東京都知事が不明朗な資金提供を受けたことが発覚して失脚したように、思いがけない事実が浮上する可能性もあって、当面、事態から目が離せないという印象を受けるものがあります。

女を輝かせようとした安倍内閣の思惑が、自民党の暗部に光を当てる形になって、違った意味で違ったものが輝きつつあることに、政治は一寸先が闇、ということを感じます。

引用元

元特捜部検事の見立てには経験者でなければわからない分析が有る。
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黒田総裁は天才かつ秀才だが、間違っている 、東洋経済
なぜ無意味な金融緩和をするのか?
小幡 績:慶應義塾大学准教授

一部引用・・

しかし、記者の側は、いつもと違った。知的レベルで圧倒されている記者たちは、おそるおそる質問し、黒田氏が高笑いするたびにびくつき、自信満々に全くそんなことはない、と答えられると、それで萎縮してしまい、質問が途絶えてしまうような場面も散見されていた。これまでは。

昨日は違った。記者たちも馬鹿ではない。経済学がわかっていなくとも、黒田氏に議論で論破されようとも、何かがおかしい、と質問を浴びせ続けた。一昨日まで、日本経済は順風満帆と言っていたのに、この豹変ぶりは何事か。何が変わったのか。こういう認識に変わったのはいつだったのか。

市場を見てもサプライズだったことは明らかだが、市場との対話に失敗したと言えるのではないか。次々浴びせられる質問は、黒田氏よりも非常にまっとうで、素直で素朴な疑問で、それゆえに力があった。

デフレマインドとは何か

黒田総裁は、記者たちの質問にどう答えたか。本質的には、デフレマインドの脱却。これが最優先であり、これの確実な達成にやや懸念が出てきたので、なんとしてもそれは押し戻す。そのためには、先手必勝。やるときは一気にやり、逐次投入しない。昨年4月の緩和は成功だし、そこで流れは完全に変わったが、ここで戻されてはいけないので、とどめを刺すために、デフレ脱却を確実にする。こういうことだった。

「ところで、デフレマインドってなんですか?」

私が記者会見で質問ができたならば、こう聞きたかった。デフレマインドとは何だろう。日本経済悲観論からの脱却。悲観論に基づく、縮小均衡に陥った株価と日本経済を、この落とし穴から引きずり出す。悲観マインド、縮小均衡、悲観均衡からの脱却。それならわかる。そして、100%賛成だ。

昨年4月の異次元緩和はこれに成功した。私は手段には反対だったが、結果的な悲観論からの脱却の成功は素晴らしかったと思う。そして、アベノミクスも、異次元緩和も、そこで役割を終えたのだ。

もはや脱却するものはなにもない。

悲観論から脱却した現在、必要なことは、日本の構造問題の解決だ。経済成長が必要ならば、それは短期的な景気対策ではなく、長期持続的な成長を供給サイドから作り出す政策だ。もはやマインドの問題ではない。そして、インフレ率が1%か2%かは関係ない。

これは黒田氏自身も言っていたことだ。異次元緩和により、日本経済の問題が需要サイドの問題から供給サイドの問題にあることが明らかになった。つまり、短期の需要不足の問題に覆い隠されていたが、量的質的緩和により、それが払拭されたために、日本経済の真の問題は潜在成長力の低下であり、構造改革などによりこれを高めなければならないと言っていた。財政政策ももちろん、構造改革が必要で、消費税引き上げは必要だと言っていた。

そして今回、日本経済は景気が悪化したわけではない。順調だ。依然、潜在成長率を実際のGDP増加率は上回っている。物価は1%まで上昇率は低下したが、依然として流れが崩れたわけではない。日本経済は何の問題もない。こういうとらえ方だった。

では、なぜ追加緩和が必要なのか。それは、景気刺激策ではない。需要喚起でもない。それは、ひとえにデフレマインドの脱却が完全に達成されずに、もとに戻ってしまうリスクがわずかながら出てきたからということだ。そして、彼の言うデフレマインドとは、期待インフレ率の低下に他ならない。それに尽きるのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、インフレ率の低下は、原油価格およびその他資源価格などの下落によるものだという認識を示した。そして、コスト安は長期的にはインフレをもたらすが(景気が良くなることにより)、足元ではデフレとなるので、これと断固戦わないといけない。そして、為替を意識したものではなく、国内経済のことだけを考えて緩和をした、と主張した。

しかし、この緩和によって起こることは、急激な円安と、ETFなどの購入による株価暴騰だ。それらは、円安、コスト高で苦しむ中小企業、消費者をむしろ苦しくする。そして、それは認識していると黒田総裁は述べた。それにもかかわらず、思い切った、そしてこの先は何も要らないぐらいの大規模なモノを行った。そういうことになる。

これらをまとめれば、黒田総裁は、何が何でも足元のインフレ率を上げないといけない。それは、期待インフレ率を2%にして、2015年以降のインフレ率2%達成を確実にするためだ。そう考えているらしい。何よりも、期待インフレ率2%が重要なのだ。これには円安によるコストプッシュインフレによるモノだろうが、需要増による短期景気過熱によるインフレだろうが、何でもかまわない、それは関係ない、という認識のようだ。期待インフレ率2%が最優先なのだ。

これは間違っていないか。実体経済は二の次で、期待インフレ率を維持することが最優先というのは、どんな経済学からも、実務の立場からも出てこないはずだ。つまり、彼は実体経済をわかっていないか、重要度が低いと思っているのだ。昨日の記者会見からの結論だ。

私の誤解であることを願いたい。

引用元
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2014年11月01日(土)
進む円安 物価高騰懸念 日銀、追加緩和を決定、東京新聞
2014年11月1日 朝刊


 日銀は三十一日、金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和を五対四の賛成多数で決めた。年に約六十兆~七十兆円増やしてきた世の中に出回るお金の量を、国債の買い入れを増額することなどで約八十兆円に拡大する。

会合後の記者会見で黒田東彦(くろだはるひこ)総裁は「デフレ脱却が遅れるリスクを未然に防ぐため」と理由を説明した。
 
 この日の東京株式市場は追加緩和を好感し日経平均株価の終値が前日より七五五円五六銭高い一万六四一三円七六銭に上昇。約七年ぶりの高値を付けた。ニューヨーク外国為替市場でも一時、約六年十カ月ぶりの円安水準となる一ドル=一一二円台をつけた。

 四月の消費税増税後、生産や消費が伸びを欠く中で安倍晋三首相は十二月に消費税再増税の是非を判断する。黒田氏は会見で「影響を与えるつもりはない」と話したが、追加緩和は景気刺激策の「先手」を打つ形となった。

また政府はこの日、厚生年金と国民年金資産を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の国内株式への投資配分を引き上げる方針を表明。政府・日銀が株価と景気の回復に連携して取り組む姿勢が鮮明になった。

 日銀が追加の金融緩和を決めたのは昨年四月に大規模な金融緩和を導入して以来、初めて。銀行などから買い入れる長期国債を年約五十兆円から約八十兆円に増額。株価指数に連動する上場投資信託(ETF)の購入額を年一兆円から年三兆円規模へ、上場不動産投資信託(J-REIT)を年三百億円から九百億円へといずれも三倍に増やす。品薄になっている短期国債の買い入れは減らす。

 今回の会合で日銀は経済・物価情勢の展望(展望リポート)をまとめ、消費税増税分を除く二〇一五年度の消費者物価指数の上昇率見通しを前年度比1・9%から1・7%に下方修正。だが、黒田氏は2%の物価上昇率の目標に変更がないことを強調した。

副作用 消費者・中小直撃も

 日銀が追加の金融緩和を決めたことで、三十一日の東京外国為替市場では一気に円安ドル高が進んだ。円安は海外での売り上げ規模が大きい大企業には増益につながる利点が見込める一方、海外との取引がない中小零細企業や家庭には輸入品などの物価上昇で負担が増えるリスクをもたらす。

金融緩和が物価上昇をもたらすだけで、賃金アップや経済成長につながらなければ、消費者の生活は厳しくなるばかりだ。

 追加緩和を受けて三十一日の東京外国為替市場の円相場は一時、一ドル=一一一円台半ばを付けた。輸出増による利益アップが期待できる国内の自動車メーカー首脳は「一一一円台は心地よい水準」と話す。

 だが、円安を喜ぶ声ばかりではない。東京都などで食品スーパー十四店を展開するさえき(東京都国立市)の担当者は「(国産の)卵や牛乳も(輸入飼料の値上がりで)じわじわ仕入れ価格が上がっている」と明かす。

 東京都内の三十代の主婦は「内容量が減った食品も多い。さらに消費税率が10%になったら主婦は泣きます」と訴えた。

 東京都大田区の町工場は原材料費などの高騰に危機感を抱く。大手メーカーの下請けで金属部品を加工する神代(かみしろ)工業は電気代に加え、金属の研磨に使う中国製の砥石(といし)の値上がりに悩む。

皆方一義(みなかたかずよし)社長(55)は「メーカーから受け取る工賃は上がらず、原材料費が値上がりすれば経費増を下請けがかぶらねばならない」と語った。

 さらに自動車業界からも過度な円安を懸念する声が出てきた。富士重工業の吉永泰之(よしながやすゆき)社長は三十一日「懸念しているのが個人消費が盛り上がらなくなること。車の販売にも影響が出る」と話した。

 JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳(しげみよしのり)氏は企業が生産拠点を海外に移す動きを強める中では「円安は輸出拡大を呼び込まず物価上昇の可能性を高める面の方が大きい。さらに進行すれば景気回復に水を差しかねない」と指摘した。 (景気取材班)
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中国残留邦人2世:日本語能力に大差 国支援の有無影響、毎日新聞
2014年11月01日 07時00分

 国内に住む中国残留邦人2世の日本語能力について、国費による帰国者(国費2世)と私費での帰国者(私費2世)の間に大きな差があることが神戸大大学院の浅野慎一教授(社会環境論)の調査で分かった。

読み書きが「十分できない」との回答は、国費2世の38%に対して私費2世は76%に達し、会話でも同様の傾向がみられる。日本語教育など自立支援が国費2世にしか認められていない影響とみられ、就労状況にも反映している。

 終戦前後の混乱で中国に取り残された残留孤児や婦人ら(1世)が永住帰国する際、20歳未満・未婚の子供は国費での同伴帰国が許可され、自立支援も受けることができた。しかし、これに該当せず、1世が私費で呼び寄せた子供らは一切支援を受けていない。

 浅野教授は大阪、兵庫など6府県の20〜60代の計54人を調査。国費2世16人、私費2世33人の他、1世が中国で死去し2世だけで来日した5人(統計外)からも話を聞いた。

 その結果、国費2世は日本語会話も比較的堪能で「全く問題がない」「日常は困らない」が計88%。私費帰国2世は逆に「日常も困る」「ほとんどできない」が計61%だった。

 就労状況については、私費2世の42%が「無職・失業中」。就労者の多くは単純作業に従事し月収10万円未満が31%だった。一方、職に就いていない国費2世は25%。ただ正規雇用は19%にとどまり、69%が「経済的に苦しい」と回答した。

 浅野教授は「中国残留邦人支援法を改正して、就職や年金など2世に対する公的支援策を拡充すべきだ」と話す。【桜井由紀治】
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図書館のこと、立ち読みの客 書店員はどう考えている?BLOGOS
10人の書店員に聞く<書店の謎>

知っているようで知らない書店のことについて、全国各地の書店員さんが顔出しで回答する「10人の書店員に聞く<書店の謎>」。今回は、ときにライバル視されがちな図書館、質問の多かった立ち読み客への印象について答えていただきました。

図書館がなければいいと思いますか? (東京都 50代 男性)

内田剛(三省堂書店神田神保町本店)

 あった方がいいと思います。本との出会いの場は、家庭、学校、図書館、本屋などさまざまです。活字離れのいま、こうした場所を増やしていくことが肝心。個人的にも幼稚園のときに母に連れられて通った図書館が、記憶の残る本との出会いの風景です。本に触れる機会がなければ、本好きは生まれませんので。

高橋佐和子(山下書店南行徳店)

 書店員になる前は、図書館ばかり利用していました。本を買うような自由になるお金も持っていませんでしたし、学生時代は、図書館にいると何となく落ち着いたものです。図書館も書店も違う働きを持っていると思うので、どちらも充実している街が私は好きです。どちらが欠けても困ります。互いに関わり合えたらもっと素敵だと常々考えています。

ハタキで追い払うのは昭和のマンガの世界
 続いて、何人もの方から質問をいただいた立ち読みについて。

書店を図書館のように利用し(無料で本が読める)、何時間も滞在し、書籍を購入しないお客さんに対してどう思いますか? (兵庫県 40代 女性)

内田剛(三省堂書店神田神保町本店)

 なるべく速やかに買ってください、と念じるしかありません。立ち読みのお客様をハタキで追い払うのは昭和のマンガの世界です。いまや立ち(座り)読みでも書店に来てくださるのはありがたいこと。買っていただないのは商品か書店に魅力が乏しいから、かと。ただしあまりにも長時間で他のお客様にご迷惑がかかると判断したときは、お声かけさせていだだくこともあります。

高橋佐和子(山下書店南行徳店)

 小売業なので、お客様のご購入なしに、お店は成り立たないと思っています。数回、立ち読みをされているときは、「気分転換かな」とか「悩まれているのかな」と思います。毎日毎日何もご購入されない方がいらしたら、お顔を覚えるので時間を計ってお声かけさせていただくと思います。

例えば、立ち読みをされる方がデパートのお惣菜売り場で働いていて、「美味しそう」と選びながら喜んでいる人の顔を見るのが好きだとします。けれど、毎日試食だけして帰られたら、「こちらの接客が良くなかったかな」「買って帰りたいと思ってもらえないのかな」と感じるように思われます。

洋服屋さんでしたら、毎日試着だけして帰られたら何となく悲しい気持ちになりませんか? 気に入ったものがあったら購入しようと思われている方は、伝わるものです。

入店したら絶対に購入して欲しいとは思いません。しかし、「立ち読みばかりしていて申し訳ないな。あのドラマが面白かったから次はこちらで購入しよう」という気持ちが一人一人にあるかないかで、小売業の人たちの意識も大きく変化するように思います。何時間も滞在してくださるのは居心地が良いということなので嬉しいです。

しかし、生活を担っている人が働いているのだという意識が少しでもあったら本屋だけではなく小売業全体が活気を見せてくれるように思います。閉店を経験しているので、長くなってしまいました。これを読まれている方々に何かが伝わることを願っています。

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「生きるための仕事」か「仕事のために生きる」のか――浦島花子が見た日本、ハフポス
大藪順子 フォトジャーナリスト、元全米性暴力調査センター名誉役員
メール
2014年10月28日 21時13分 JST JAPAN CROWDED TRAIN

人は「生きるために仕事をする」のか「仕事のために生きる」のか。

満員の通勤電車に乗ることが増えた最近、行き交う人たちの疲れた顔を眺めては、そんなことを思ってしまう。

今の日本社会には、労働者の権利というコンセプトが欠けている。労働者権利の認識が多くの人々に根付いていれば、ブラック企業を許す社会ではないはずだ。

21世紀にもなって「残業代ゼロ政策」を打ち出すことで、国の首相自らが、人権に対する意識の薄さを堂々と知らしめたのには驚かされた。

こんなにも一生懸命働いている国民に対して、どうやったらあんな失礼なことが言えるのだろうか。

いや、もともと日本の政治で権力を握りやすい人たちは、安倍総理をはじめ、経産相を降りた小渕氏も、その後釜の宮沢氏も、元権力者の子孫たちなのだから、あくせく働く雇われ者たちの気持ちがわからないのも当然かもしれない。

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「イスラム国」との戦いが我々に示す 戦いは始まればエスカレートするもの、田岡
田岡俊次 [軍事ジャーナリスト] 【第40回】 2014年10月30日


「イスラム国」の台頭とそのイラク、シリアでの支配地域の拡大に対し、当初オバマ米大統領は不介入の姿勢を示した。だが6月になって「300人以下の軍事顧問をイラクに派遣」と発表し、8月にはイラク領内の「イスラム国」拠点に航空攻撃を開始、9月にはシリア領内の「イスラム国」拠点への航空攻撃、軍事行動を拡大せざるをえなくなった。

10月にはついに「地上部隊を出すか否か」が米国内で議論の焦点となった。戦いは一度始まると、国の指導者には不本意でも、エスカレートしがちなことを歴然と示す例だ。日本が集団的自衛権行使で自衛隊を海外に派遣するか否かや、尖閣諸島での日中対立を考える際にもこれを「他山の石」とし、常にエスカレーションの危険性を勘定に入れる必要があることを我々に示している。

かつてCIAがISISに武器供与

 2011年に始まったシリア内戦で、米国はトルコ、サウジアラビア、カタールなどイスラム・スンニ派諸国と共に、シリアのアサド政権打倒を目指し、反政府軍を支援してきた。当初はシリア軍から離反したスンニ派将兵が主体の「自由シリア軍」に援助をしたが、これは住民の支持が低くて士気も振るわず弱体化し、反政府勢力の主力はアルカイダに属する「ヌスラ戦線」や、あまりの残虐、悪辣な行動が一因でアルカイダから破門された「イラク・シリアのイスラム国」(ISIS)などイスラム過激派武装集団に移った。

外国から供与された資金、武器、車輌もそれに流れることが多く、米中央情報局(CIA)がISISに武器を供与し、ヨルダンで訓練している、との報道も米英で出た。

 米国の予想に反し、アサド政権は倒れず、主要都市を次々と奪回し平定を進めた。「自由シリア軍」は弱体化し、「ヌスラ戦線」はアルカイダ系、クルド人はシリア政府に懐柔されたから、CIAなどがシリアで支援する相手としては「反アルカイダ」のISISしかなかったのだろう。

 これで戦力を強め、戦闘経験を積んだISISは砂漠が広がるシリア東部のユーフラテス川沿いの地域やトルコとの国境地帯を支配し、昨年12月30日からイラクに侵攻、1月8日に首都バグダッドの西約50キロのファルージャ(人口32万人)を占拠した。

だが、この時には米国政府はほとんど関心を示さず、メディアでも注目されなかった。米軍はすでに2011年12月にイラクから撤退を完了しており、失敗したイラクのことは考えたくもなかったろうし、ISISをなかば味方のように見ていたのだ。

 ところがISISは6月6日、イラク北部で大攻勢に出てイラク政府軍2万人以上を潰走させ大量の重装備を捕獲、9日に油田地帯の中心地モスル(人口66万人)を占拠、急速に南下して11日にはバグダッドの北約150キロのティクリートを制圧した。ISISは首都に西と北から迫る形勢となっただけでなく、米国石油企業が進出しているイラク北部のクルド人地域の油田地帯を脅かすことになったため、米国では俄かに関心が高まった。

不介入から空爆までの経緯

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リベラルなものへの総攻撃、青木理
2014年10月26日
出版部会10月例会 慰安婦問題と朝日バッシング/青木理さんが講演 リベラルなものへ総攻撃=橋詰雅博

◇歴史修正主義に屈した朝日  国益語る読売・産経、劣化甚だしい

 JCJ出版部会の10月例会は「慰安婦問題と『朝日』バッシング」と題した講演会を10日(金)夕刻から、岩波セミナールームで開いた。講師を務める予定だった元共同通信論説副委員長の藤田博司さんが急逝(享年77)したため、ジャーナリストの青木理さんがピンチヒッターとして講師を引き受けた。

ちなみに藤田さんと青木さんは共同通信OBで、青木さんにとって亡くなった藤田さんは大先輩にあたる。もう一人の講師は月刊誌「創」編集長の篠田博之さん。

 まず青木さんが新聞界を俯瞰する立場で講演した。

 「メディアの記者と誤報はつきもの。私は共同通信時代を含め25年ほどジャーナリズムの世界で生きてきたが、今まで数々の誤報をしてきた。バレなくてよかったと胸をなでおろした大誤報もあった。

原稿の締め切りに追われる記者は事実の断片をかき集めて原稿を書くので、取材不足による誤解や間違いが生じやすい。私が尊敬する共同通信の大先輩の斎藤茂男さん(故人)は「事実が私を鍛える」とおっしゃったが、この意味はそうしたミスを修正して原稿を書くことで自分自身が鍛え上げられていくのだということです。

誤報が相次いだ朝日新聞は記者がそうした自覚に欠けていた部分があり、メディア人として批判されて当然。

ただし、今の『朝日』バッシングは異常だ。日本を代表する新聞の朝日への攻撃は、リベラルなものに対する総攻撃の仕上げではないかと思う。戦後69年目の歴史的な大事件であり、強い危機感を抱く」

 青木さんは今の新聞メディアの潮流と、なぜ朝日が慰安婦報道を検証したか、などを以下の五つに分けて次のように報告した。

◇二つに割れた大手新聞メディア

 チェック派の朝日、毎日、東京に対して読売、産経が応援団。日経はケースにより使い分けた。ナベツネの影響下の読売が応援団にカジを切ったことで新聞界への影響が大きかった。

特に自分たちのメシのタネを奪う特定秘密保護法に賛成に回った読売の転向は重大。分裂した中央の新聞メディアは深刻な状況だ。

◇朝日が慰安婦報道を検証した理由

 信用できない吉田証言を一度整理したかった。朝日の編集局トップは報道局長(編集部門)と編成局長(マネジメント部門)の2人体制で、両人ともソウル支局長経験者。

韓国の内情を知っていたこともあった。右翼の街宣車が東京本社に来て批判するなど右派の攻撃が激しく、また読売と産経が朝日追及キャンペーンをやるという情報も入った。

こうした理由から、検証記事が紙面に掲載されたわけだが、結局、慰安婦 問題を否定する歴史修正主義勢力に朝日は膝を屈したというのが私の見解です。

政権応援団新聞が「国益」を語る異常

 木村伊量社長記者会見の翌日の9月12日付産経1面に掲載された「国益を損ねた」という見出しを見て目が点になった。

読売は同日付社説で国益を大きく損ねたと書いていた。メディアは政府の失政や歴史の負、社会のゆがみなどを記事にして問題提起する。

たとえ一時的に国益を損なっても権力を監視するのがジャーナリズム。

吉田調書記事への批判は構わないが、「国益」を持ち出す産経と読売は劣化している。 排他主義をあおっている。

◇吉田調書報道と官邸の思惑

 吉田調書記事のあの見出しについて、朝日編集部内では「角度をつけすぎた」と言われている。平たく言えばインパクトの出しすぎということです。

しかし、未曽有の福島第1原発事故の実相を伝えた調書の記事(5月に掲載)は大スクープ。慰安婦検証報道の後の8月中旬から下旬にかけて産経と読売が約3カ月後に吉田調書を報じた。

朝日にもうひとつ打撃を加えるため、朝日嫌いの首相官邸筋がリークしたと思う。

政府HPでの調書公開は9月11日。朝日の木村社長の記者会見の日。

調書を隠し続けた民主党と自民党の両政権への批判はかき消されてしまった。この騒動に安倍政権の“影”が絡みついている。

◇「千載一遇のチャンス」と拡販に走る読売

 読売は自社が慰安婦報道をどう伝えたかをPRしたカラーパンフレットを200万部印刷。朝日読者を奪取する「千載一遇のチャンス」と東京本社が檄を飛ばし、これを全国有力販売店に配布した。

 これが報道機関のやることだろうか。読売の振る舞いは新聞メディアの長期低落傾向に拍車をかける。自分で自分の首を絞める行為。読売のやり方は企業倫理にも反する。末期状態にジャーナリズムは突入している。
   なお講演会への参加者は120人を超え、立って聴く人が出るほどでした。

*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2014年10月25日号2面

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