2016年10月4日火曜日

福島原発事故が起きて3年経過した2014年08月16日から08月20日の「阿智胡地亭の非日乗」の記事 その2

2014年8月18日
「終わらぬ戦争」語り継ぐ 飯田で平和を語る、中日新聞 長野版
平和活動について発表する高校生ら=飯田市の鼎文化センターで

 次世代と戦争について考え、平和の大切さを共有しようという「ミニ戦争展 平和を考えるつどい」が十七日、飯田市鼎中平の鼎文化センターで開かれ、若者が平和について語る「ピースミーティング」があった。

 平和のための信州・戦争展飯伊地区実行委員会主催、中日新聞社後援。飯田下伊那地方の小中高生や若者が、平和学習や活動を通じて感じたことを報告した。

 松川町の松川中学校三年生は、満蒙(まんもう)開拓団や満蒙開拓青少年義勇軍について学んだ。満蒙開拓団は満州事変から太平洋戦争までの間に国策で満州(現在の中国東北部)に入植した移民。長野県は全国で最も多く、飯伊は特に多かったとされる。

 高田あゆみさん(14)は「平和に感謝し、世界から兵器や戦争がなくなることを願う」と発表。本塩竜哉君(14)も「戦後六十九年だが中国残留孤児の問題もあり、戦争はまだ終わっていない。戦争を後世に伝える使命を貫きたい」と話した。

 (石川才子)
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辺野古、海底調査に着手 沖縄知事選控え反発必至,東京新聞
014年8月18日 07時13分
辺野古沖の海上に設置された、海底ボーリング調査用の台船。奥は米軍キャンプ・シュワブ=17日午後、沖縄県名護市で

 沖縄防衛局は十七日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設先、名護市辺野古(へのこ)沿岸部の埋め立てに向け、海底ボーリング調査に使う台船を海上に設置し、海底調査に着手した。

普天間代替施設の建設に向けた本格的な海上作業の開始となる。県民の大多数が県外移設を求める中、移設問題が最大の争点となる十一月の県知事選を前に反発が強まるのは必至だ。

 準備が整い次第、埋め立て地盤の強度や地質を調べるため海底の掘削を開始する。調査の期限は十一月三十日。

 この日はクレーン車で台船を海に浮かべ、調査地点まで台船をえい航した後、固定のための支柱四本を海底に下ろした。辺野古移設反対派は海上抗議活動のため、作業現場近くまで複数の小型船を出したが、海上保安庁のボートなどに行く手を阻まれた。

 海底調査は米軍や工事用船舶以外の航行を禁止した臨時制限区域内の十六カ所で実施する。当初は二十一カ所で調査予定だったが「効率的な調査」のためとして変更した。臨時制限区域はブイやフロートで明示されており、立ち入れば日米地位協定に伴う刑事特別法の処罰対象となる。

 二〇〇四年にも辺野古沖の移設計画でボーリング調査に着手したが、臨時制限区域はなく、反対派が船やカヌーで激しい抗議活動を展開、調査は〇五年に中止に追い込まれた。今回は区域を明示することで、抗議活動を阻止する狙いだ。

 政府は一三年三月、沖縄県に辺野古沿岸部の埋め立てを申請し、仲井真弘多(なかいまひろかず)知事は同十二月に承認。政府は海底調査の結果に基づいて設計を終え、五年間で埋め立て工事などを完了、二二年度以降の普天間返還を目指す。

◆その日、沖合に「ジュゴン」

 雨上がりの深い青色の海に、浮かび上がる灰色の胴体と尾ひれ-。米軍普天間飛行場の移設先、名護市辺野古の東方約五キロの沖合で十七日、絶滅の恐れが極めて高いジュゴンとみられる海獣の姿を共同通信記者がヘリコプターで上空から確認した。

日本自然保護協会の安部真理子さんは画像を見た上で「ジュゴンで間違いないだろう」と語った。

 午後四時二十五分ごろから約十分間にわたり海面近くに浮かんだり、沈んだりを繰り返した。

ジュゴンが泳ぐ海域からわずか数キロの辺野古沿岸部には、海上保安庁の巡視船艇十五隻ほどが沖合に並ぶ。岸辺近くには、オレンジ色の正方形の台船が見えた。
(東京新聞)
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<社説>掘削作業に着手 もはや「恐怖政治」だ 蛮行中止し民意を問え、琉球新報
2014年8月18日

 住民を丸ごと、力ずくで屈服させようとする政府の意思が、これほどあらわになったことがあっただろうか。沖縄防衛局は、普天間基地移設に向け調査用の台船を名護市辺野古の海に設置し、海底掘削のための作業に着手した。

 確かに抵抗運動への弾圧は過去にも散見される。だが辺野古移設は県民の74%が反対する事案だ。一県の圧倒的多数の民意を踏みにじって強行した例が他にあるか。

 百姓一揆弾圧を想起させるが、近代以降なら「琉球処分」と「軍官民共生共死」を強いた沖縄戦しかあるまい。沖縄にしか例がないなら構造的差別の表れに他ならない。国際的にも恥ずべき蛮行だ。
 
 憲法の規定も無視

 政府に歯向かう者なら、いくらけがをさせても構わない。一連の経過でむき出しになった住民への政府の害意、敵視に暗然とする。

 中でもそうした姿勢を露骨に示したのが海上保安庁だ。「安全確保のため」と説明しているが、噴飯物だ。15日には男性を羽交い締めにして強制排除しようとした際、眼鏡が壊れた男性は目の近くを切るけがをした。経緯はどうあれ「安全確保」の名目でけがが発生したのは皮肉と言うほかない。

 政府は今回、法的根拠も不明のまま、立ち入り禁止海域を一方的に設けた。施政者による恣意的な住民の主権剥奪は、お札一つで禁令を発した江戸時代そのままだ。

 それでも足りず、今度は海保がその海域の外側でも、法的根拠も示さぬまま市民の身柄を拘束した。漁港を出港するだけで警告し、海域の外側に近づくことさえ大声で威嚇するありさまだ。

憲法は、法定の手続きを経ずに何人も自由を奪われないと定めているが、海保はその令状主義も無視している。これでも法治国家か。

住民にけがをさせることもいとわず、法的根拠が疑わしい行為を平然となす。「海の無法者」はどちらなのか。海上保安庁は、今後は「米軍基地建設保安庁」に名を改めた方がいい。

 第11管区海上保安本部が復帰後営々と努力し、かち得てきた県民の信頼を、この数日で台無しにした。海保はその現実を知るべきだ。

 それにしても皮肉な構図である。世界最強の米軍を、日本の「軍」を所管する防衛省が守る。

その防衛局を警察や海保が守り、その外周に民間の警備員がいる。それらの住民との対立を、軍事利権にあずかる人々、すなわち外交・防衛官僚は高みの見物をしているのではないか。
 
「捨て石」に似た構図

 安倍晋三首相は防衛官僚らに工事の遅れを詰問し、作業を早めるよう強く督促したという。

 首相に近い議員がかつて出した報告書がある。英国が南米でのフォークランド紛争に踏み切り、陰りが見えていた首相の支持率を急回復した経過を報告している。「遠隔地」での戦争でナショナリズムをあおり、求心力を高めた例を知っているのは間違いない。

 安倍首相は今、本土にとって「遠隔地」の尖閣をめぐり、中国との紛争も辞さない構えを見せている。その紛争に米軍を引き込もうとして辺野古新基地建設に躍起となっているようにみえる。米国のご機嫌を取るために、沖縄住民の安全と沖縄の土地と美しい自然を差し出そうとする構図だ。

 その構図は、「本土決戦」を先延ばしするために沖縄の全滅を強いた沖縄戦の「捨て石」作戦とうり二つではないか。

 今回の作業で海上保安庁はメディアの取材の船が付近海域に近づくことも制限した。政府が知ってほしくない情報は、接近すら処罰しようとする特定秘密保護法の施行を先取りしている。安倍政権は「専制国家」からもはや「恐怖政治」へと進みつつあるようだ。

 現状は仲井真弘多知事の埋め立て承認が招いた事態だが、知事選の公約に背いた承認に民主主義的正当性はない。日本が民主主義国であるなら直ちに作業を止め、11月の知事選で民意を問うべきだ。
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福島第一メルトダウンから5か月後の日刊ゲンダイ
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藤井市長を人質に籠城する検察、郷原信郎
弁護士、関西大学特任教授

2014年08月17日 13時40分 JST

藤井美濃加茂市長の収賄事件で、昨日(8月15日)、3回目の保釈請求が却下された。公判前整理手続で、中林の贈賄供述以外、すべての検察官請求書証に同意しており、もはや「罪証隠滅のおそれ」はないはず。

しかも、一昨日夕刻の、裁判官と面接した弁護士の話では、裁判官も好印象で、保釈金の話まで出たということだったので、今回の保釈は間違いないだろうと思っていた。予定の時間をかなり過ぎた時刻に出たのは、全く予想外の却下だった。

その後、今回の保釈請求について裁判官からの保釈求意見に対する検察官の意見書を閲覧し、検察が保釈に対して必死の抵抗をしていることがわかった。

これまで検察は、検察官側の立証に対する「罪証隠滅のおそれ」を主張していたが、それがなくなったことから、弁護側が予定している主張立証に関して「被告人と関係者が口裏合わせをする」などと主張しているのだ。

公判前整理手続に付された事件では、その手続の間に、主張立証を明示しておかないと、公判開始後には追加することはできない。

そのため、第1回の公判前整理手続において、弁護側が主張立証しようとしている事項を、可能な限り明らかにした。

その主張立証が「罪証隠滅」だなどと言いだしたら、公判前に主張立証を尽くさせ、公判で迅速な審理を行おうとする公判前整理手続という制度自体が成り立たなくなる。

検察は、なぜ、そんな無茶苦茶な主張までして藤井市長の保釈に反対するのか。

それは、検察が土俵際まで追い込まれているからだろう。

開示された証拠を見る限り、検察官請求証拠はあまりに希薄だ。中林の供述調書は、全く説明のつかない変遷だらけで、警察、検察の辻褄合わせの誘導が歴然としている。

しかも、中林が述べている「同席者がドリンクバーに席を立った間の現金授受」は、座ったテーブルとドリンクバーとが極めて近接している現場のファミリーレストランの状況からは、到底不可能だ。(このような全く信用性のない検察官調書の詳細な内容を、どういう経緯で入手したのかわからないが、現場の状況との不一致を無視して、詳細に掲載した新聞がある【8月13日付け朝日朝刊】。その見識を疑わざるを得ない。)

市長が保釈されたら、当然、記者会見を行うことになる。

愛知県警の取調官の「こんなハナタレ小僧を選んだ美濃加茂市民の気がしれない」「美濃加茂を焼け野原にしてやる」などの美濃加茂市民を侮辱する暴言が、市長自身の口から明らかにされるかもしれない

そして、私が初回の接見で市長の潔白を確信したように、会見での市長の姿勢、表情、態度から、多くの人が潔白の印象を強めることになる。検察が最も恐れていることは、市長が保釈によって人前に出ることになり、世論が動かされることだろう。

検察がやっていることは、「藤井市長を人質に籠城している」に等しい。人質解放は、そのまま落城につながると考えているからだろう

かくなる上は、検察官の主張立証が崩壊していることを、公判前整理手続の中で具体的に明らかにしていくしかない。

次回期日(8月19日)に向けて、主任弁護人の私を中心とする弁護団は、検察官立証を壊滅させ、藤井市長を奪還すべく、総攻撃を敢行する。

引用先
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日本経済:圧迫される家計、(英エコノミスト誌 2014年8月9日号)
働き手が不足しつつあるにもかかわらず、実質賃金は下落の一途をたどっている。

 もしアベノミクスに何らかの意味があるとすれば、それは日本に健全な経済成長を取り戻し、長年のデフレに終止符を打つという安倍晋三首相の公約だ。そのために中央銀行は伝統的な慎重姿勢を脱ぎ捨て、大量の資金を経済に送り込み、円安を促した。

 安倍氏は日本の展望に関する明るいメッセージで投資家を呼び込んだ。その甲斐あって、株式相場は安倍氏が首相の座に就いた2012年末から6割上昇し、長年低迷していた東京の不動産価格までもが上昇している。

 しかし、大量の株式を保有していない人や、東京のトレンディーな代官山周辺にマンションを所有していない人にとっては、状況はかなり異なる。

なかなか実現しない好循環

 安倍氏とそのアドバイザーたちの謳い文句は、賃金が上昇し、消費支出を押し上げ、それが今度は企業の投資を促す好循環が生まれる、というものだった。そうすれば、大当たり、日本はデフレから脱却する、というわけだ。だが、それは実現せず、1つのナゾになっている。

 その一方で、労働市場は逼迫している。その一因は、例えば建設業界などで労働力に対する強い需要があることだ。だが、急速な人口減少も影響している。現在1億2700万人を数える日本の人口は、2060年までに9000万人を切ると予想されている。生産年齢人口は毎年、およそ100万人ずつ減っていく。現在の失業率はわずか3.7%だ(スペインにとっては夢のような話だ)。


 ところが、労働市場が逼迫しているにもかかわらず、実質賃金は減り続けている(図参照)。

 5月には前年比3.8%減となり、過去数年間で最も激しい下げ幅を記録した。政府が今年の春闘で基本給を引き上げるよう、企業の良心に訴えたにもかかわらず、だ。政府関係者は役員室に入り込んで従業員の賃上げを求めた。

 政府が4月に消費税を5%から8%に引き上げた後、家計が圧迫されるだろうことは最初から分かっていた。日銀の大規模な金融緩和によって、若干インフレが進んだこともその効果を増大させる。それでも政府は実質賃金の上昇を期待していた。

 実質賃金の低下に寄与している1つの要因は、根が深い。日本の労働市場は、給料が高く、身分が保障されている正規労働者と、社会の最下層を構成している低給の非正規労働者に二分されている。6月には雇用全体に占める非正規労働者の割合が、過去最高水準に近い36.8%を記録した。

 安倍氏が政権を取ってから新たに創出された雇用の大半は非正規労働者の仕事だ。そうした人たちは通常、年次交渉の対象にならない。その多くは女性で、彼女たちは男性より稼ぎが少ない結果になる。

正社員の手厚い保護に切り込めるか?

 企業はもっと多くの正社員を採用し始めなければならない。だが、大手企業は既に、過剰な給料を得ている生産性の低い正社員を大勢抱え過ぎているとモルガン・スタンレーMUFG証券のロバート・フェルドマン氏は指摘する。いま必要なのは、非正規労働者の賃金と身分保障を手厚くすると同時に、正社員に与えられた過剰な保護措置を削減することだ。

 だが、依然として正社員がまだ労働力の大半を占める中で、そうした変革を起こすことは政治的資本を費やすことを意味する。安倍首相にその勇気があるだろうか? アベノミクスおよび日本の回復は、ここにかかっている。
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2014年08月17日(日)
空襲後の市民監視 大戦末期 15道県の検事正、東京新聞
2014年8月13日 夕刊

 太平洋戦争末期に米軍の空襲を受けた都道府県のうち、二十九道府県の検事正らが被害状況をまとめ、司法大臣に報告した文書が国立公文書館に保存されている。

うち十五道県の検事正は市民に広がる厭戦(えんせん)感や軍部への不満、流言飛語を報告しており、司法当局が治安維持名目で市民を監視していた実態を裏付けている。


 小樽商科大の荻野富士夫教授(日本近現代史)は「特高警察や憲兵だけでなく、司法当局も市民が何を考えているのか警戒していた様子がうかがえ、興味深い」と話し、検事が警察などと情報交換しながら報告書を作成したと推測している。

 保存されていたのは「昭和二十年 空襲被害状況報告」。当時、地方裁判所に所属していた検事正が終戦前後、松阪広政・司法相らに報告した文書がまとめられている。

 治安状況を報告した二十道県のうち、十五道県の検事正は、市民たちが動揺したり、戦意が低下したりしていることを伝えている。

また、左翼主義者や朝鮮半島出身者、キリスト教信者らの動向に触れているところもある。
 報告書では「和歌山方面に敵が上陸する」(松山)「海軍は前から攻撃があることを知っていた」(徳島)といったデマが流れたことに言及。

また、米軍の猛烈な爆撃や反撃できない日本軍の現状に「当然来るべきものが来たという諦観的態度を保持。復讐(ふくしゅう)心は低調のように見える」(富山)「軍部への信頼は薄い。

戦意低下の傾向がある」(札幌)と厭戦気分が広がっていたことも記されている。青森の検事正は、敗北主義的な言動の取り締まりを強化すると報告していた。

 原爆に関しては、長崎の検事正が投下三日後に詳細な報告を作成。神戸や熊本からも「原爆の惨禍が伝わり、民心が動揺している」との報告があった。

 報告書は連合軍に接収されたが、一九七四年に返還された。

 研究を続けている「春日井の戦争を記録する会」(愛知県)の金子力さん(63)は「当時の政府が市民を保護する対象ではなく、あくまでも監視する対象と考えていたことがよく分かる」と話している。
 
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生か死か、炎症と細胞死の関連判明、ハフポスト
2014年08月15日 15時41分 JST

炎症と細胞死、これらを結びつける仕組みがわかった。

細胞死を起こすような強い刺激でタンパク質分解酵素のカスパーゼ1が活性化し 、それにより炎症が引き起こされることを、東京大学大学院薬学系研究科の大学院生の劉霆(りゅう てぃん)さんと山口良文(よしふみ)助教、三浦正幸(まさゆき)教授らがマウスの細胞実験で確かめた。

多くの自己炎症性疾患や慢性炎症の治療戦略につながる発見といえる。理化学研究所との共同研究で、8月7日付の米科学誌セルリポーツに発表した。

生物が細菌感染か、損傷で組織の傷害を受けると、炎症が起こる。このとき、感染や傷害を受けた免疫担当細胞では、細胞内タンパク質複合体のインフラマソームによってカスパーゼ1が活性化され、最終的に炎症性サイトカインの分泌や細胞死に至る。この炎症性サイトカイン分泌制御の破綻は、自己炎症性疾患やがん、糖尿病といった慢性炎症が関与する病態に関わっている。

しかし、これらの知見はたくさんの細胞の反応を集団として調べたもので、カスパーゼ1を活性化した際に炎症性サイトカインを出す細胞と、細胞死する細胞とが、同じなのかそれとも別々なのかは、よく分かっていなかった。

研究グループは、細胞内のカスパーゼ1の活性化を検出できる蛍光タンパク質プローブを開発した。それを用いて、マウスのマクロファージ(免疫担当細胞)ひとつひとつが、どのようにカスパーゼ1を活性化するか、調べた。その結果、カスパーゼ1の活性化は、ひとつの細胞内では、刺激の強さに応じて連続的(アナログ)に制御されているのではなく、全か無かのデジタルな様式で決まることを突き止めた。

さらに、単一細胞からのサイトカイン分泌を可視化する技術を組み合わせて解析したところ、炎症性サイトカイン(IL1Β)の急激な放出が、カスパーゼ1活性化に続いて数秒の間に、カスパーゼ1の活性化した細胞のみで生じることを見いだした。

つまり、カスパーゼ1活性化で引き起こされる炎症性サイトカインの分泌も、全か無かのデジタルな様式で決まるのである。

研究を総合すると、カスパーゼ1には、活性化に必要な刺激の値(しきい値)が細胞ごとに存在し、この値を超える時にカスパーゼ1が活性化され、炎症性サイトカインのIL1Βを分泌することがわかった。興味深いことに、このしきい値は細胞死を引き起こすような強いものであるため、カスパーゼ1の活性化は細胞死と炎症を直接結びつけているといえる。

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止水材投入を検討 第1原発・トレンチ凍結難航で、福島民友ニュース
(2014年8月16日 )

東京電力福島第1原発の海側で電源ケーブルなどが通る地下道(トレンチ)の凍結止水工事が難航している問題について、茂木敏充経済産業相は15日の閣議後会見で、凍結だけで止水する現在の手法を見直し、水中で固まる液状の止水材の投入を検討していることを明らかにした。

19日に原子力規制委員会が東電の検証結果を基に代替工法を議論するが、凍結止水を断念する可能性が高まった。

 東電は4月末からトレンチ内にたまった高濃度汚染水の凍結作業を続けているが、茂木氏は会見で「なかなか凍らない」と課題を指摘した。

トレンチと2号機タービン建屋の間で水の流れがあるため十分に凍らず、東電は大量の氷とドライアイスを投入したが、効果が上がらなかった。

 トレンチ内には約1万1000トンの高濃度汚染水が残っている。東電は建屋とトレンチの接合部に凍結管を差し込み、水を凍らせて水の流れをふさいだ上で、汚染水を抜き取る計画だった。

この事故の解決が出来る能力のある東電の技術系社員はこの3年の経過を見ると、役員から中堅まで誰もいないのでは。

どんな設備も運転や保守をするのは人間だ。
原子力発電所がいざ事故を起こしたとき、それを解決できる社員がいないのに、運転を再開しようとするのはどういう神経なんだ。

民の生命と財産の安全より、経済が優先する??
2014年8月17日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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辺野古新基地:海保が航行同意書署名迫る、沖縄タイムス
2014年8月17日 08:39

 名護市辺野古の新基地建設の取材で報道機関が乗る複数の漁船の船長に対し、海上保安庁が指示に従うことを求める同意書「立入検査指導事項確認票」を提示し、署名をさせていたことが16日、分かった。

法的な拘束力のない任意の書面だが、海保の担当者は本紙の取材に「最後通告の意味がある。約束を破れば、さらなる強制的な措置を取ることもある」と説明した。(矢島大輔、城間陽介)

 また「違反行為を続けた漁船」が対象と言いながら、初めて辺野古海域を訪れた漁船も対象になっていた。

 海保の担当者は「報道機関を狙う意図はない」と話している。

 同票によると、指導事項は(1)工事作業区域には進入しない(2)キャンプシュワブ基地内に上陸しない(3)船長は乗船者の安全の確保に責任があり、自ら入水したり、乗船者を入水させない(4)現場では海保ゴムボートの指示に従う(5)工事作業船や工事警戒船に接近しない-の5項目。それぞれ「指導実施」と「船長同意」のチェック欄があり、書面の末尾に船長の署名欄が設けられている。

 海保によると、海上保安庁法第2条の「安全指導」に基づく書面。今回の海上作業の警備に当たり、指導に従わず違反行為を繰り返した漁船長が対象という。

 しかし、本紙の記者が16日朝、署名するのを確認した全国紙の取材用の漁船長は辺野古海域へは初めての航行だった。過去に違反行為がない漁船長に対しても署名を求めたことになり、現場の実態と食い違っている。

緊迫の現場、写真で紹介「辺野古2014」

2014年8月13日 11:29  沖縄タイムス

沖縄防衛局が敷いた鉄板の上から市民らを排除するため、一列になる警官隊。市民らとにらみ合いが続く=7月29日午後4時32分、名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前

 沖縄タイムスは12日から、名護市辺野古の新基地建設に伴い、キャンプ・シュワブのゲート前で連日続いている市民団体の抗議行動や、辺野古崎沖での海上保安庁の警備の様子など、28点の写真を本紙ウェブサイト「沖縄タイムス+プラス」で公開した。無料で閲覧できる。

http://www.okinawatimes.co.jp/feature/02/

その一部



海上保安庁の前線の職員たちも方や尖閣諸島で中国の漁船を入れないようにし、こなた辺野古では日本の漁船を入れないように日夜奮闘していて寝る間もない。
2014年8月17日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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【国会議員歳費】 削減、打ち切り濃厚 国民負担増尻目に、共同通信
身を切る改革、掛け声倒れ

2014/04/21 10:36
 消費税増税に国民の理解を得るため続けてきた国会議員歳費の20%削減は、期限を迎える4月末での打ち切りが濃厚になった。

増税直後だけに延長も取り沙汰されたが、自民党は消極的で他党も及び腰。国民の負担増を尻目に議員の「生活苦」を理由として、給与に相当する歳費を元に戻したい本音がのぞく。

進まない衆院議員定数削減と併せて「身を切る改革」は掛け声倒れの様相だ。

 18日の衆院議院運営委員会理事会。逢沢一郎委員長が歳費問題を念頭に議論を促したが、沈黙が続いた。削減延長を求めていたはずの公明党や野党の一部も特に発言はせず、散会した。

 自民党の石破茂幹事長は15日、「借金して事務所の運営費に回している議員も多い。生活が困窮する状況はいかがか」と記者団に述べた。

2回の期末手当を含めて現在、議員歳費の年額水準は約1685万円。削減が終了すれば約2106万円に戻る。党内では「民間に給与を上げるよう要請しているので総合的に考えるべきだ」(細田博之幹事長代行)と、賃上げの「率先垂範論」まで飛び出す。

 公明党は「議員定数削減が実現していない」(井上義久幹事長)として、削減幅を約7%に圧縮しての延長を要求。自民党は「パフォーマンス」(幹部)と冷ややかだ。

 政権与党当時に歳費削減を実現した民主党は、態度を明確にしない。松原仁国対委員長は「議員個々の問題なので丁寧な議論が必要だ」と述べるにとどめる。閣僚経験者は「誰もが歳費を上げてほしいと思っている」と本音を漏らす。

 2012年の衆院選公約で30%削減を掲げた日本維新の会も腰が定まらない。小沢鋭仁国対委員長は現行の半分の10%カットを提唱したが、橋下徹共同代表の鶴の一声で、30%削減を要求する方針を決めた。

 結いの党は、30%削減の議員立法の共同提出を日本維新に働き掛ける考えだ。消費税増税に反対する共産党は歳費に関し「検討中」(志位和夫委員長)と説明する一方、「最大の無駄遣い」(同氏)と位置付ける政党交付金の全廃を訴える。

 期限が迫っているため各党は声を上げるものの、自民党幹部は「歳費の議論はもう終わった」と語り、逃げ切り作戦の「成功」を宣言した。
(共同通信)
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出征のぼり70年ぶりに返還,NHK新潟放送局
08月16日 13時40分

太平洋戦争時にフィリピン・レイテ島で亡くなった三条市の男性に戦地に赴く際贈られたのぼりが、保管されていたアメリカから返還され、16日70年ぶりに男性の親族に返還されました。

のぼりを返還されたのは、三条市の齋藤仁さんとその家族で、16日、新潟市中央区の護国神社に引き取りに訪れました。


のぼりは、太平洋戦争の当時、戦地に赴く日本兵の活躍などを祈って贈られたもので、大きさは縦4メートル、横70センチほどあります。

保管していたのはアメリカ人の歴史研究家の男性で、東京の骨とう品店で昭和63年ごろに購入した人から譲り受け、持ち主を探していました。

その結果、のぼりに書き込まれた名前が神社の戦没者名簿の記載と一致したことなどから、三条市から出征し、70年前の昭和19年に戦死した齋藤美勇治さんのものと分かったということです。

親族によりますと、齋藤さんは、パラシュートで戦地に降り立つ陸軍の部隊に入り、フィリピンのレイテ島で戦死したということです。

受け取った齋藤仁さんは「想像以上に大きく、収入が少ない中でも頑張れという気持ちを込めて戦地に送り出した家族の思いを感じました。遺骨が帰ってきたと思って、先祖と一緒に供養していきたいです」と話していました。
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在日米軍、靖国訪問を自粛 大統領訪日前、影響懸念か、東京新聞
2014年8月17日 02時00分

 在日米軍司令部(東京・横田基地)がオバマ米大統領の訪日を控えた今年4月上旬、米軍人による靖国神社訪問について「今は望ましくない」との見解を示し、20人以上の訪問予定が取りやめになっていたことが16日、分かった。

米軍人は参拝や見学、自衛隊員との交流などさまざまな形で靖国神社を訪れているが、中韓などへの外交的な影響を懸念し、自粛したとみられる。

 米軍関係筋によると、4月上旬、20人以上の団体で靖国訪問を予定していた所属軍人に、在日米軍司令部の副司令官が「この時期の訪問は望ましくない」との見解を伝え、訪問が中止された。
(共同)
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南海トラフ地震M9級なら 東海道新幹線の線路170カ所ずれ、東京新聞
2014年8月17日 朝刊

 東海沖から九州沖の「南海トラフ」でマグニチュード(M)9クラスの巨大地震が発生した場合、東京-新大阪五百十五キロを結び一日平均四十二万人を運ぶ東海道新幹線にも甚大な影響が予想される。

政府や自治体による各地の被害想定は、路線の広い範囲で強い揺れや地盤の液状化、津波浸水に襲われる可能性があることを浮き彫りにした。

 内閣府が昨年発表した想定は、巨大地震の直後に東海道新幹線の架線や高架橋脚などに被害が生じるとしたほか、線路のずれやゆがみが静岡、愛知両県を中心に約百七十カ所発生すると推定。全線復旧に少なくとも一カ月かかり、脱線が起きれば「復旧まで二カ月を要する」と明記した。

 内閣府や各自治体の想定はそれぞれ条件が違うため単純比較はできないが、路線周辺の被害が最大となるケースを集めてみると、掛川や浜松、豊橋の各駅付近が震度7に見舞われ、新富士、静岡、三河安城、名古屋、米原各駅が震度6強などとなる。

 液状化の「発生の可能性が高い」とされたのが名古屋、岐阜羽島、米原、新大阪の各駅周辺だ。沿線も名古屋-米原間の大部分と大阪府内の広い範囲で危険性が挙げられた。地盤が大きく沈下すれば、新幹線施設への影響も否定できない。

 津波に関しては、新幹線は高架や盛り土で線路面の海抜が高い区間が多いため危険は少なそうだ。ただ、静岡県の浜名湖辺りなど路線の間近まで三~五メートルの浸水が予想される場所もある。

 静岡県は被害想定で三島-静岡間で橋の落下や倒壊、津波による流失が発生して「運行に支障が生じる」と指摘。復旧には一カ月以上かかり、一カ月以内に運転を再開できる三島以東と静岡以西で折り返し運転になると予想した。

 内閣府や東京都の予測は、小田原より東京寄りの区間は最大震度5強で、架線や線路を点検できれば発生当日中にも運行再開できると見込む。
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衛星は大気汚染ガス濃度を過小評価か、ハフポスト
2014年08月15日 14時39分 JST

大気汚染ガスの二酸化窒素(NO2)の衛星観測に3~5割の過小評価があることを、海洋研究開発機構地球表層物質循環研究分野の金谷有剛(かなや ゆうごう)分野長代理らの国際研究チームが見つけた。

その原因として、大気中に共存する微小粒子PM2.5などのエアロゾルが太陽光の経路をかく乱し、地表付近のNO2を観測されないように覆い隠してしまう「シールド効果」を実証した。日本、中国、韓国、ロシアでの地上観測網のデータと衛星データを比較して検証した結果で、8月11日に欧州地球科学連合誌Atmospheric Chemistry and Physicsに発表した。

この成果で、これまで衛星データに基づいて推計された窒素酸化物の発生量見積もりを上方修正する必要性が出てきた。同時に、人間活動の地球環境への影響がこれまでの予想以上である可能性を示した。

研究チームは「衛星観測からNO2の量を導き出す際の精度を高めるには、PM2.5などのエアロゾル粒子の光かく乱効果を適切に考慮することの重要性を観測結果で初めて示した」と強調している。

続きはこちら
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ホスピスで働くのは憂鬱?、ハフポスト
佐藤由美子
全米認定音楽療法士

2014年08月17日 05時06分 JST Print Article

「ホスピスで働くのは憂鬱ではないですか?」とよく聞かれます。 私は10年間、アメリカのホスピスで音楽療法士として活動してきました。ホスピスの仕事は悲しく、憂鬱なものではないかと思う皆さんの気持ちはわかります。それは、ホスピスは「死の場所」と考えられているからでしょう。

しかし、ホスピスは場所ではありません。 ホスピスとは、末期の患者さんやその家族に提供されるケアのことです。その目的は、患者さんが安らかに尊厳を持って最期の時間を過ごせるよう、医療だけではなく、心のケアを提供することです。病気を治す事を英語で cure (キュア)といいますが、ホスピスの基本は、cureではなく、思いやること、すなわちcare (ケア)です。

ホスピスでは、死を医療の失敗とは考えません。死は誰もがいつかは経験する人生の過程です。そういった意味では、人の死を助けるのと赤ちゃんの出産を助けるのは、よく似ています。両方とも、人生に起こる自然な過程だからです。

私の友人で、救急病棟の医師をしているアメリカ人がいます。ある日彼が、週に1度出席しなければいけないミーティングについて話してくれました。そのミーティングは「疾病率と死亡率」といい、その週に病院に運ばれてきた患者さんの病気や死に関して、チームで話し合うものです。

患者さんが亡くなったケースは、また同じような事が繰り返されないように慎重に分析されます。死が防げない場合があるとわかっていても、 救急病棟で働く人々にとって死は医療の失敗なのです。

救急病棟の医師としての仕事は、ホスピスの音楽療法士としての仕事以上に、死に焦点を当てた仕事だと、私と友人は同感しました。死は自然な現象で、避けられないものです。そして時には、患者さん本人にとっては、喜ばしいことでもある場合もあります。

そういった認識をすると、ケアの焦点が死から生きることへと移行します。死を防ぐことではなく、患者さんが残りの人生をどうやって有意義に過ごす事ができるか、ということが重要になってくるのです。

ホスピスケアの焦点は生きることです。なぜなら、死にいたる過程は生きていることの一部だからです。

何年か前、50代の末期がんの女性が、亡くなる数日前にこう言いました。

「私の人生は冒険だったわ。死は私にとって、また別の冒険。私は今、新たな冒険に臨む心の準備ができているの」

人の人生の過程にこのようにして関わるということは、とても貴重で神秘的な経験です。ホスピスで働くということは、憂鬱ではありません。それどころか、生きることについてたくさんのことを教えてくれた、かけがえのない道のりであったと思います。 

引用先
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元特攻隊員の男性「今の日本の状況は、開戦前に似ている」、ライブドアニュース
一部引用・・

―しかし、手塚さんは昭和18(1943)年の10月に学徒出陣で海軍への入隊が決定する。

なぜ、海軍を選んだのですか?

手塚 当時は陸軍と海軍、どちらへ入るかを選べました。僕は兄弟がみんな陸軍に入っていて「陸軍はひどいよ。飯もまともに食べさせてもらえない」と聞いていた。何より海軍のほうがカッコいいから、海軍を選びました。―海軍に入ってから、まずどちらで訓練を受けたんですか?

手塚 横須賀の武山海兵団へ行きました。カッター(ボート)訓練をやると、手やお尻がボロボロになる。寒くて痛くて大変だった。

―海軍では飛行機の操縦員を目指したんですか?

手塚 僕は経済学部だから、主計(経理をはじめ、被服・食糧などの管理を担当する要員)になりたかった。食糧の管理をするからいいことあるんじゃないかと(笑)。でも、操縦員の適性検査に合格したから主計になれなかった。

―操縦員の適性検査はどんなことをするのですか?

手塚 360度方向に回転するイスに座るんですよ。それをグルグルと全力で1分以上も回転されてガッシャーン!と停止したら、バーン!とイスから弾き飛ばされる。この状態から1分以内に立ち上がらないといけないんです。僕もフラフラだったけどなんとか立ち上がれましたね。なかには吐いている人もいましたよ。

―操縦員に合格してしまった手塚さんは、茨城県の土浦航空隊で訓練を続けることになった。ここでの訓練はどうでしたか?

手塚 真冬でもパンツ一枚でランニングするんです。これは寒かったな。あと、電信で使うモールス信号。〝ト・ツーツー・ト・ツー〟というように記号を打つんですけど、これがなかなか覚えられない。僕は運動よりこっちのほうがキツかった。だってノイローゼになったのもいるぐらいですから(笑)。

・・・・・・・・・・中略・・・・・・・・・・

―玉音放送を聞いた感想は?

手塚 天皇陛下の声を聞くのが初めてだった。「もにょ、ごにょ、もにょ」と、何を言ってるかよくわからないですよ。「一時休戦? 負けたのか!?」。それすらもわからなかったから、仙台の駅長に確認したら「戦争が終わった」と。

―その後は、どちらへ?

手塚 原隊の谷田部海軍航空隊へ戻りました。特攻に参加できなかったから怒られると思っていたけど、上官からは「ごくろうであった!」と言われホッとした。

―谷田部に戻ってから混乱はなかったんですか?

手塚 「あれは陛下の意志じゃない!!」という血気盛んな陸軍航空隊がまず決起して、それに同調する海軍の厚木航空隊から、谷田部の上空に戦争継続を訴えるビラをまきに来ましたよ。でも、谷田部では誰も一緒に飛び立つ者はいなかった(笑)。

―最後に、手塚さんの戦争体験から、今の日本に思うことは?

手塚 今の日本の状況は、開戦前に似ていると思っています。うかうかしていると徴兵制が始まり、また若者が戦争に駆り出されるかもしれないと。

「歴史に学ばざれば過ちを繰り返す」。若い人たちには僕らの経験から歴史を学んでくれればと思っています。

全文はこちら
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メディアと原発の不都合な真実 - 上杉隆
上杉 隆さん(うえすぎ たかし、1968年生まれ) 株式会社NO BORDER代表取締役。 自由報道協会代表。「元ジャーナリスト」を自称する、 「新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか」著者>
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2014年08月16日(土)
戦後69年「戦前のにおい」 体験者、次世代へ警告、東京新聞
2014年8月16日 07時01分

 憲法九条の解釈変更で、「戦後」を支えた平和主義が揺らぐ中、十五日、六十九回目の終戦記念日を迎えた。

苛酷な戦争をくぐり抜けた体験者らは社会の空気に危うさも感じている。「戦死者を弔う方法は平和しかない」。次世代に向け、非戦を訴える声は今夏ひときわ、切実に響く。

 セミの声が鳴り響く中、多くの遺族が訪れた千鳥ケ淵戦没者墓苑(東京都千代田区)。伯父が海外で戦死した板橋区の前原隆重さん(84)は小学校に入学したころ、出征兵士を駅の広場で見送ったことを思い出す。「きっぱりと敬礼をして行く人もいたが、泣き崩れる者もいた。家族や周りの人たちも肩を震わせて泣いていた」

 集団的自衛権行使容認などの動きに「戦後十年目に『もはや戦後ではない』と言われたが、今、私ははっきりと戦前のにおいを感じる。第一歩だ。言うならば昭和十年か十五年ぐらいだ」と警鐘を鳴らす

 終戦後の食糧難の中、手に入れた米を警官に没収されないよう、かばんを抱えて歩き「犯罪者の気持ち」だった。「食うに困った経験がないから関心を持てないかもしれないが、再びそんな時代にならないよう、二度と戦争を起こさないことが大事」と若い人に伝えたい。

「こんな話をできる人も、あと五年、十年でいなくなってしまうんじゃないか」

 神奈川県大和市の金子真さん(76)は戦中、中国・上海の小学校に入学した。「日本国内ほどではなかったと思うが、富国強兵、八紘一宇(はっこういちう)と教わった」という。

 軍備を強くし、アジアを統一するという目標を、子どものころから刷り込まれた。

 特定秘密保護法などに「戦前に戻りかけている」ような不安を感じている。「国の体制や思想を統制しようという意図があるのではないか、という印象が拭えない」

     ◇

 日本武道館(千代田区)での全国戦没者追悼式に出席した東京都西東京市の自営業漆原貢一さん(78)も、解釈改憲を推し進める動きに「このままでは戦争に引きずられてしまう。

国民が巻き添えになる」と危機感を持つ。一九四五年三月の東京大空襲で父母と幼い弟妹三人を亡くした。新潟に疎開していた漆原さんは九歳にして独りぼっちになり、声も涙も出なかった。

 福島県会津若松市の来栖会津子(えつこ)さん(70)は、生まれる前に父が出征しフィリピンで戦死。名前には「会津のような平和な世の中に生きられる子どもになるよう」という父の願いが込められている。

今の政治の動きは「戦没者たちの声を聞いているようで、聞いていない」と感じる。「弔う方法は、平和であることしかないんです」

     ◇

 東京都台東区の浅草寺。夕闇の本堂に戦没者らを慰霊する灯籠の炎が揺らいだ。同区の吉田郁子さん(77)は盛岡市出身。

女学生の姉二人は、過酷な軍需工場勤務で病死。家業の酒店が焼け、心労がたたった母も終戦翌年に亡くなった。「若者は危機感を持って、戦争をなくそうと声を上げてほしい」
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驚くほど自然。ある専業主「夫」の人生、東洋経済
「男女平等」も「女性の社会進出」も関係ない?
治部 れんげ:ジャーナリスト、編集者2014年8月14日

ニッポンの夫婦が“変異”している? 「夫は外で働き、妻は家庭を守る」など今や昔。

この連載では「産後クライシス離婚」から「イクメン幻想」まで、刻々と変化する現代の夫婦たちを、女性・夫婦問題に詳しいジャーナリストの治部れんげさんが追います。共働き、主婦家庭、主夫家庭……それぞれの夫婦は今どうなっているのか?

専業主夫として家庭を切り盛りする、宮本一嘉さんの生き方とは?
抽象的な言葉は一度も出てこなかった。

男女平等、妻のキャリア、女性の社会進出……筆者があえて質問したとき以外、これらの言葉が、宮本一嘉(かずよし)さんから発せられることは、なかった。ワークライフバランスすら、出てこない。

宮本さんは現在、専業主夫である。大手メーカーのIT部門で働いていたが、退職し3年前に家庭に入った。1日のスケジュールを尋ねると、「考えてみると、ずっと子どもの送迎をしてますね」。宮本さんには長男(9歳)、次男(6歳)、長女(4歳)の3人の子どもがいる。

朝はバスに乗って幼稚園児の次男を送っていく。4歳になったばかりの長女は宮本さんと1日、近所の公園や児童館、自宅などで一緒に過ごしている。次男の幼稚園が終わるのは、週2回は11時半、週3回は13時半。午後帰りの日はお弁当を持って行く。そして午前帰りの日は、幼稚園近くの公園や児童館で娘さんを遊ばせながらお迎えまでの2時間ほどを過ごす。

長男は小学校高学年。夕方は3人の子どもたちそれぞれ、習い事の送迎。かなり忙しそうだ。

取材は次男の幼稚園送りが終わった後、近くのカフェと公園に移動しながら行った。「パパ、抱っこ」「パパ、公園行こう!」と娘さんが元気にかわいらしく話しかける。鉛筆を削ろうとすると、宮本さんはすかさずバッグからビニール袋を出して削りくずを受け止める態勢に。

すべてが自然。育児をメインにやっている、主婦も育休中の女性も男性も、きっとこんなふうに過ごしているだろう。

夫婦は大学のサークルで知り合い、交際4年で結婚した。妻いわく、結婚に「これという決め手はありませんが、あえて言うなら4年間お付き合いして、この人以上に合う人はいないと感じたから、でしょうか」。いかにも自然で飾らない。

共働きから、夫が「主夫」を選ぶまで

ライフイベントとそれに伴う夫婦のありようの変化についても同様で、「なぜそうしたのか」という問いがばからしく思えるほどだ。

第1子が生まれたときは妻が最初の半年、宮本さんが次の1年、育児休業を取得した。妻の復帰時期は仕事の都合で決まった。宮本さんの育休は勤務先で数人目。「男性の育休は、僕が初めてではなかったですね」。

育休を取った理由は「せっかく生んだので、できるだけ長く、より身近に観察したかったからです。観察の醍醐味は、子どもの成長の過程を見られることだという。“成長”でなく“その過程”であることに注目したい。「たとえば立った瞬間だけでなく、何度も失敗してもめげないところまで見られるのが楽しい」。

その後、夫婦で相談し、長男は幼稚園に行くことになった。当時、通っていた保育園は園庭が狭く、お散歩コースにも問題があった。


「活発に動き回る長男が育つのに十分な環境と言えない状況にありました。一方で幼稚園の充実した環境に引かれました」

幸い、第2子、第3子の産休・育休を使って、幼稚園の送迎は妻がしばらくの間、できた。

その後、共働きは厳しいと夫婦で判断し、宮本さんが家庭に入ることになった。理由は「子どもの成長していく様子をより身近に見たかったから」。共働きから片働きに変わった理由も、夫のほうが家庭に入った理由も、「仕事」や「キャリア」ではなく「子ども」由来であるのが特徴だ。

共働きから片働きへ、保育園から幼稚園へ、という変化を見て、宮本さんの育児観は伝統的なものと思う人がいたら、それは大きな間違いだ。本連載を始めた動機のひとつである「産後クライシス」について聞くと、思いがけない答えが返ってきた。

「日本の大多数は産後クライシスみたいな感じだと思うのですが……」と水を向けると「え! そうなんですか!」と驚かれた。それは、宮本さんが育児にコミットしているからではないでしょうか……と尋ねる必要もなく、こんな説明が続いた。

「僕は主夫歴3年以上ですが、幼稚園でもお父さんの送りが増えています。今年10歳になる長男が保育園に通っていたおよそ8年前から、送迎にお父さんが増えてきた感じがありました。だから、産後クライシスがそんなに多いとは思えないんですよね……」

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<終戦記念日>戦車に「肉弾特攻」、下っ端兵士は骨も残らず、毎日新聞
8月15日(金)15時0分配信

 ◇大阪の89歳渡部さん「悲惨さ、忘れない」

 満州(現中国東北部)の静かな平原。爆音とともに、戦車から上がった黒煙。大阪市北区の渡部(わたなべ)清数さん(89)は69年前の光景を今でも鮮明に覚えている。

終戦直前、満州に侵攻した旧ソ連軍の戦車に、日本軍は爆薬を詰めた木箱を抱えて突撃した。「自分の足で走って戦車に体当たりする。

かっこいいなんてものじゃないです。そんな悲惨な特攻があったことを忘れないでほしい」。69回目の終戦記念日。渡部さんは次世代に託すために記憶の糸をたどりながら語った。【遠藤孝康】

【ビジュアル年表】真珠湾攻撃、東京大空襲、原爆、玉音放送…69年前の日本を振り返る

 現在の韓国・釜山(プサン)で生まれ、高等小学校を卒業して関東軍測量部に志願した。当時14歳。厳しい規律の中で軍国主義をたたき込まれた。1945年2月、20歳を前に徴兵検査に合格し、軍属から軍人に。配属されたのはソ連との国境を守る部隊だった。

 8月9日未明、ソ連軍は国境を越えて満州に侵攻した。渡部さんらの部隊は国境付近の虎林(こりん)市の郊外で陣地を作って待ち構えたが、下った命令は「部隊の主力は後方へ退却。残る部隊で侵攻を食い止めよ」。渡部さんら約150人が陣地に残った。

 だが、戦車を連ねるソ連軍に、渡部さんらの歩兵部隊が太刀打ちできるはずもなかった。そこで上官が命じたのは、約10キロの爆薬が詰まった木箱を抱えて戦車に体当たりする「肉弾特攻」だった。「これでお母さんともお別れだな。それでも戦車1台やっつけられたら軍人として本望だ」と思った。

 平原の小高い丘から先陣の攻撃を見守っていると、「ボーン」という爆音とともに戦車の近くで黒煙が上がった。「やったぞ」と思ったが、煙が消え、現れたのは何事もなかったかのように動き始めた戦車だった。突撃した兵士の体は消えていた。後に続いた数人の兵士は体当たりできずに狙撃された。

 渡部さんも爆薬を抱えて丘を駆け下り、木陰に伏せた。「だが、それ以上は前に進めませんでした。少しでも動けば弾が飛んでくるんですから」。それからの数分間は記憶がない。徹夜が続いて疲れ切っており、伏せたまま眠りに落ちたのだと思う。目が覚め、陣地へ戻った。責められると思ったが、意外にも「よく戻ってきた」と言われた。

 数日後、戦争は終わった。渡部さんらは捕虜となり、シベリアへ送られた。3年間の抑留生活。十分な食料もないまま、農業や森林伐採の労働に駆り立てられた。帰国後は、シベリアで患った結核で6年間の入院生活を強いられた。渡部さんは「死ぬか生きるかギリギリの線だった。僕は生きる側の方に針が振れただけだ」と言う。

 近年、特攻をテーマにした映画や書籍が話題を呼ぶが、渡部さんはこう言う。「戦車1台壊すためにキャタピラー(走行用ベルト)めがけて体ごと突っ込む。骨も残らないです。下っ端の兵はそういうふうに死んでいった。それが戦争です。僕たちは敗戦の上に立ち、平和をつくっていかなければならない」

 ◇関東軍

 日露戦争後にロシアから租借権を得た遼東半島先端の関東州と、南満州鉄道の権益を保護するため、日本は関東都督府を設置。その陸軍部隊が1919年に独立し、関東軍となった。

31年には満州事変を起こして中国東北部を占領し、翌32年、満州国を建国した。建国後は関東軍も首都の新京(現在の長春)に司令部を置いた。45年8月の旧ソ連による参戦で壊滅的な打撃を受け、戦後は将兵の多くがシベリアに抑留された。
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慰安婦報道 自民議連が経緯調査へ,NHKNEWSweb
8月15日 17時49分

自民党の議員連盟は、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡って朝日新聞が一部の記事を取り消したことを受けて緊急総会を開き、今後、朝日新聞の関係者から話を聞くなどして一連の報道の経緯を調査していくことを確認しました。

朝日新聞は、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡る自社のこれまでの報道を検証する特集記事を掲載し、この中で「慰安婦を強制連行した」とする日本人男性の証言に基づく記事について、「証言は虚偽だと判断した」として記事を取り消しました。

これを受けて自民党の議員連盟「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」は、党本部で緊急総会を開き、会長を務める古屋国家公安委員長や、下村文部科学大臣、稲田行政改革担当大臣らおよそ40人が出席しました。

この中で、古屋氏は「議員連盟として、日本の名誉を回復するためにどう取り組むのかを考えたい」と述べました。

また、出席者から「朝日新聞の関係者を国会に招致し、長年記事を取り消さなかった理由を問いただすべきだ」という意見や、「従軍慰安婦の問題を巡る河野官房長官談話を再検証すべきだ」という意見、それに「教科書から従軍慰安婦の記述を削除すべきだ」といった声が相次ぎました。

そして議員連盟は、今後、朝日新聞の関係者から話を聞くなどして一連の報道の経緯を調査していくことを確認しました。

ようやく朝日新聞が「吉田証言」を虚偽と認めた。
しかしそれ以上でも以下でもない。

従軍慰安婦の存在は水木しげるの「総員玉砕せよ」などの戦記だけでなく、多くの元兵隊が「チョーセンピー」のことを語っている。

自民党の議員連盟「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」が居丈高に鬼の首を取ったように吠えたてる話ではない。

それにしても[戦争を知らない子供達]であるこの自民党議員たちが思い込んでいる日本の戦争史認識の偏りぶりは恐ろしい。
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<戦没者230万人>6割「餓死」の学説も 無謀な作戦が惨劇招く、毎日新聞
8月15日(金)10時33分

 日本は15日、69回目の終戦記念日を迎えた。日中戦争や太平洋戦争で亡くなった軍人・軍属は、政府見解によると約230万人。

その内訳は不明確な点が多く、「6割が餓死した」との学説もある。

兵站(へいたん)を軽視した無謀な作戦がこうした惨劇を招いたとして、昭和史の著作が多い作家の半藤一利氏(84)は「軍の指導者たちは無責任と愚劣さで、兵士たちを死に追いやった」と指弾している。

 総務省、厚生労働省などによると、1937~45年の戦没者230万人を戦死、病死などの死因別に分類した公的な記録は存在していない。終戦前後の混乱時に多くの資料が失われたことや、敗戦で記録を残すのが難しかったことなどが影響している。

 歴史学者の故・藤原彰氏(一橋大名誉教授)は旧厚生省援護局作成の地域別戦没者(1964年発表)を基礎データに独自の分析を試みた。著書の「餓死した英霊たち」(青木書店)で、全戦没者の60%強、140万人前後が戦病死者だったと試算。さらに「そのほとんどが餓死者ということになる」と結論づけた。

 個別の戦闘ではある程度のデータが残っている。「戦史叢書」(防衛庁防衛研修所戦史室編さん)によると、「ガダルカナル島の戦い」(1942年8月~43年2月)では、日本陸軍3万1000人のうち約2万人が戦没。その約75%、約1万5000人が栄養失調症、マラリア、下痢、かっけなどによる死者だったという。

 そうした日本軍兵士の生死を左右したのは「生きて虜囚の辱(はずかしめ)を受けず」の一節で知られる「戦陣訓」だった。太平洋戦争開戦前の1941年1月に東条英機陸相(当時、後に首相)が全軍に示達し、降伏は不名誉なこととされた。

 勝利か、しからずんば死か--。「皇軍」の兵士たちは文字通り、そうした状況に追い込まれた。戦死を免れても、補給を断たれてしまっては餓死するしかない。大本営参謀らのエリート軍人について、半藤氏は「緒戦の勝利におごり、自己の実力を省みず、攻勢の限界線をはるかに越えた」と戦略上の失敗を指摘したうえで、「人間をまるで、将棋の駒のように扱った」と批判している。【高橋昌紀/デジタル報道センター】

戦没者230万人:兵士を「駒」扱い 愚劣な軍事指導者たち 半藤一利さんインタビュー
2014年08月15日  毎日新聞

はんどう・かずとし 1930年、東京生まれ。東京大文学部卒。「文芸春秋」編集長などを経て作家に。「昭和史」で毎日出版文化賞特別賞。近著は「日露戦争史」1~3巻

 「戦没者230万人」という数字を、私たちはどのように読み解けばいいのだろうか。昭和史の著作が多い「歴史探偵」こと作家の半藤一利さん(84)に聞いた。【聞き手・高橋昌紀/デジタル報道センター】

          ◇

 戦前の日本は近代国家の体をなしていなかった。「戦没者230万人」という数字はそのことを端的に示していると思います。国民を戦地に送り込むならば、国家は責任を負わなければなりません。

いつ、どこで、どのように戦没したのか。確実に把握していなければならない。ところが、「戦没者230万人」という大枠のみが残り、具体的なデータは部分的にしか残っていません。厚生省(当時)は戦後、戦域別で戦没者数を算出しましたが、そこまで。死因までは分類できていない。

230万人というざっくりとした数字も、私は過小評価ではないかと疑っていますよ。

 詳細が分からないということは道義的にはもちろん、軍事的にも非常に問題があります。前線に送り込んだ部隊のうち、戦闘に耐えうる兵士は何人なのか。あるいは戦傷、戦病者は何人いるのか。

正確な戦力を測れずして、作戦を立てることはできません。そもそも、前線に送らなければならない武器弾薬、糧食、医薬品などを算出するためにも、絶対に必要です。それができていなかったのではないか。

 兵站(へいたん)を軽視した、あるいは無視したのが日本軍でした。「輜重(しちょう)が兵隊ならば チョウチョ、トンボも鳥のうち」というざれ言があります。輜重とは兵站部門のことです。

そもそも、陸軍参謀本部や海軍軍令部のエリート将校にとって、兵卒はしょせん、1銭5厘(当時のはがき代)で集められる存在。

作戦時には3日間分のコメ6合など25キロの荷物を背負わせ、前線へとおっぽり出した。

食糧がなくなれば、現地調達しろと。降伏はありえないのだから、負け戦になれば玉砕しかありえません。敗残兵の消息など気にもとめなかった。

 これに比べ、米国の手厚さは語るまでもないでしょう。あるエピソードがあります。ブッシュ元大統領(第41代ジョージ・H・W・ブッシュ、第43代大統領の父)は戦時中に小笠原諸島の父島沖で撃墜されました。

元大統領は救助されましたが、この時に捕虜になった同僚がいました。戦後、米軍の調査団が父島を訪れ、彼が埋葬された墓地を掘り返したんです。すると、遺骨の首は切断されており、日本軍に処刑されたことが明らかになった。一兵士に対するまで、その死をないがしろにしない。国家としての責任を果たしているんですね。
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凍結止水断念の恐れ 第1原発トレンチ、作業完了できず、福島民友ニュース
2014年8月15日

東京電力福島第1原発の海側で電源ケーブルなどが通る地下道(トレンチ)の凍結止水工事が難航している問題で、東電は14日、氷とドライアイスの投入を続けてもトレンチと2号機タービン建屋の接続部の汚染水が完全に凍結していないと明らかにした。

原子力規制委員会から指示された今月中旬までの凍結完了の達成が事実上不可能となった。

 東電は、19日に開かれる規制委の会合で検証結果を報告するが、専門家には実効性を疑問視する意見が根強く、凍結止水の断念を迫られる可能性が出てきた。

 凍結止水は、接合部付近の汚染水を凍らせて水の流れを止め、トレンチ内の汚染水を抜き取るのが目的。東電は「水温を5度まで下げられれば約2週間で凍る」と想定。7月下旬から今月13日までに氷約307トンとドライアイス約2.1トンを観測用の穴から投入した。
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「わだつみ」木村久夫処刑 「体面上又旅団長救うため」、東京新聞
2014年8月15日 朝刊

国立公文書館に残る司令部中佐の証言記録

 戦没学徒の遺稿を集めた「きけ わだつみのこえ」の中でも感動的な遺書を書いたことで知られる陸軍上等兵・木村久夫(一九一八~四六年)が処刑される原因となったスパイ容疑者の取り調べを命じた司令部付陸軍中佐の証言記録が、国立公文書館に保管されていることが分かった。

中佐ら軍幹部は戦犯裁判で虚偽供述をしたが、その理由を「軍の体面上又旅団長を救うため」と証言。トップを守るための偽証が、木村ら末端の兵らの処刑につながった可能性がある。 (加古陽治)

 この証言記録は「英シンガポール法廷事件第十一号 カーニコバル島民スパイ処刑事件資料」。出所した元戦犯からの聞き取り調査の一環で、一九五七年に青森県弘前市で法務省の担当者がインタビューした。

 中佐は「事件の真相」として、軍需米を盗んだ島民の家屋付近で「対空信号器具と思わしきもの」を発見し、取り調べで「大規模な間諜(かんちょう)(スパイ)団」について供述したため本格的な捜査を始めた、と証言。取り調べの結果、陸軍部隊が三回に分けて八十三人の島民を処刑したと述べた。

 中佐は、スパイ容疑者に対して「裁判は行われなかった」とした上で、シンガポールで行われた戦犯裁判の弁護対策として「日本軍の体面上又旅団長(司令官の斎(いつき)俊男少将)を救うため軍律裁判を実施したることとし」たと証言。口裏を合わせて裁判で虚偽の供述をしたのは、トップの命を守るためだったと答えた。

 戦犯裁判ではうその供述が通り、軍律裁判が行われたと認定された。一方で、取り調べの際の拷問により島民に死者が出たことが厳しく追及され、調べにかかわった木村ら末端の兵ら五人が絞首刑に処せられた。「睾丸(こうがん)をあぶったらどうじゃろ」などと無理な調べを指示した中佐は懲役三年、参謀は無罪だった。

 旅団長の斎少将は弁護人の反対を押し切って証言に立ち、すべて自らに責任があると供述。責任者として銃殺刑に処せられた。

 架空の軍律裁判をめぐっては、木村の上官で陸軍大尉だった故鷲見(すみ)豊三郎氏が五一年に著した手記(「或(あ)る傍観者の記録」として夕刊文化面で連載中)で、自分が提案したと述べているが、詳しい理由は明かしていない。

 同じく木村の上官で海軍主計少佐だった故小倉慶治氏は、法務省調査に「処刑を実行した多くの兵たちを救うと考え」たと理由を説明。「それで、(処刑される兵らが)この程度にとどまった」が、過酷な取り調べに焦点が当たり「木村上等兵らは刑が重くなった」と証言。

うその供述がなければ木村が死刑にならなかった可能性を示唆している。

<カーニコバル島事件> 京都帝国大生の陸軍上等兵・木村久夫が駐屯していたインド洋アンダマン・ニコバル諸島のカーニコバル島で戦争末期に起きた住民殺害事件。島民が信号弾を打ち上げて英国側に情報を知らせたとするスパイ容疑が浮上。

木村らが取り調べた結果、インド人医師を中心とする「スパイ組織」が「解明」され、裁判抜きで少なくとも81人が処刑された。取り調べ中に亡くなった住民を含めると、関連する死者は85人以上に及ぶ。供述以外の証拠は薄く、スパイ事件は虚構だった可能性もある。
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敗戦から69回目の夏、日本人は安全保障について戦後最大の転換点を迎えた、内田樹
終戦記念日に

敗戦から69回目の夏、日本人は安全保障について戦後最大の転換点を迎えた。

7月1日の閣議決定によって、集団的自衛権行使が容認され、この69年間わが国の平和を守ってきた憲法九条が事実上廃棄されたのである。

エール大学のブルース・アッカーマンはこれを日米関係の重大な変質を意味するものだと解した。そして、ヘーゲル国防長官が安倍の「大胆にして、歴史的、画期的な決定」に「強い支援」を約束し、「アメリカが二世代にわたって支持していた日本の憲法秩序を否定した」ことに疑念を呈している。

「安倍の決定がアジアの自由民主主義の未来に与える破壊的衝撃(devastating impact)」を勘案すれば、これはホワイトハウスが扱うべき事案でなければならない。にもかかわらず、オバマとケリーが中東問題に忙殺されて、この重大な閣議決定についての評価を国防総省に丸投げしてしまったことをアッカーマンはきびしく批判している。(The World Post, 15 July)

私はこの記事を興味深く読んだ。アッカーマンが言うように、たしかにこの件をアメリカ政府はかなり軽く見ていると思ったからだ。

この閣議決定は戦後日本の政体を基礎づけてきた憲法秩序を否定するものであり、それは日米関係の「画期的な」転換をも意味したはずなのだが、大統領は副補佐官を通じて「強く支持する」というコメントを出しただけで、それ以上の関心を示さなかった。

この関心の低さに私はむしろ興味を持った。

安倍政権のいう「集団的自衛権」なるものは別に日本政府の軍事的フリーハンドを意味するものではない。これから先、日本軍はアメリカ軍との共同行動にいわば「下働き」として帯同するだけのことである。

日本軍がアメリカの事前許諾なしに「密接な関係にある国」(そんなものアメリカ以外にどこにあるのか)のために軍事行動を起こす可能性はない。

日本がアメリカの属国であるという事実は国際社会においてはすでに周知されているが、閣議決定はこれからは軍事的にも属国として働くつもりであると宣言した。

アメリカ大統領がこれに対して「はい、どうも」以上の感動的なコメントをするはずもない。

国内の世論の熱の低さもそう考えると腑に落ちる。

「アメリカと一緒」ということは、戦時作戦統制権は米軍司令官に属するということである。

いつ、どこで、誰と、どのような戦争をするかについての決定権は日本政府にはない。

権限がないなら責任もない。戦地でどのような非道なことが行われようと、それは「日本の与り知らぬことである。文句があったらアメリカに言ってくれ」で言い抜けられる、日本人の多くはたぶんそう考えている。

どうせ「戦争の主体」にはなりたくてもなれないのだ。

これは先の戦争指導部の人々のありように酷似している。彼らは戦争の主体であることを否認した。

丸山眞男はこう書いている。

「わが国の場合はこれだけの大戦争をしながら、我こそ戦争を起したという意識がこれまでの所、どこにも見当たらないのである。何となく何物かに押されつつ、ずるずると国を挙げて戦争の渦中に突入したというこの驚くべき事態は何を意味するか。」(『現代政治の思想と行動』)

戦犯たちは口々に「自分自身は開戦に反対であった」と証言した。

キーナン検察官の最終論告にいわく。

「二十五名の被告の全ての者から我々はひとつの共通した答弁を聴きました。

それは即ち彼等の中の唯一人としてこの戦争を惹起することを欲しなかったというのであります。(・・・)彼等は他に択ぶべき途は開かれていなかったと、平然と主張致します。」(同書)

こんなSF的想像をしてみる。

安倍政権の集団的自衛権容認がきっかけになり日本が「次の戦争」に巻き込まれた。

戦後、その戦争犯罪が裁かれたとき、出廷した日本政府の要人たちは口を揃えて「我々は戦争を惹起することを欲しなかった」と証言した。

「だが、アメリカに追随する他に択ぶべき途は開かれていなかった」。

日本人が69年間抑圧し続けてものが姿を現わしたとき、それはもう「二度目は笑劇」で済ますことはできないだろう。


引用先
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徴兵制の覚悟あるか、村上誠一郎
平和どこへ:集団的自衛権・私の意見 衆院議員・村上誠一郎さん
2014年08月14日 毎日新聞

 ◇徴兵制の覚悟あるか--村上誠一郎さん(62)

 憲法9条の解釈変更により集団的自衛権の行使を容認した安倍晋三内閣の閣議決定は、立憲主義と三権分立に反する「禁じ手」。

だから私は自民党で唯一反対を表明した。集団的自衛権とは、同盟国が攻撃された際に戦争をすること。9条をどう読んでも、それは認められない。どうしてもというのなら、9条を改正するしかない。

それに、憲法の最終的な解釈権は内閣ではなく司法にあるはずだ。

 これが前例になると、法の安定性が覆され、法治国家の崩壊につながる。国民主権や基本的人権など絶対に変えてはならない理念まで恣意(しい)的に変更される危険も生じる。

 安倍首相は「国際情勢の変化」を強調する。しかし集団的自衛権がなければ日本の安全が保たれなくなる具体的な例は全く示されていない。安全保障政策とは本来、敵を減らし、味方を増やすことだ。

安倍首相はその努力をせず、周辺国を刺激するような言動が目立つ。アベノミクスの成功には日中、日韓の経済交流も大事なのではないだろうか。

 集団的自衛権の行使を米国が要請すれば、日本は断れないだろう。テロの標的になる危険性も高まる。自衛隊員の募集が困難になれば、徴兵制も視野に入る。その覚悟が政治家と国民にあるのか。9条に関わるような重要なテーマは腰を据えて議論し、最終的には国民の判断に委ねるのが民主主義だ。国民が十分に理解する前に通すというやり方は間違っている。【聞き手・一條優太】=随時掲載

==============

 ■人物略歴

 ◇むらかみ・せいいちろう

 1986年に初当選し、9期目。小泉純一郎内閣で行政改革担当相。現衆院政治倫理審査会長。
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移民が多すぎる?!、ハフポスト
クローデン葉子
ロンドン在住 建築インテリアデザイナー

2014年08月15日 17時58分 JST

ハフィントンポストに少し前のブログ『すでに少子化問題は手遅れだけど - 1』が転載されました。

"安倍政権が「50年後に人口1億人維持」を掲げ、その目玉が少子化対策"

聞こえはいいけど、今の出生率1.4を15年間で2.07に引き上げる、という歴史上誰も成し遂げたことがない目標なんですが・・・
と書いたところ、さっそく移民に関していくつかコメントを頂きました。

私たちの場合、子どもを育てる場所として多文化に寛容でない都市は考えられませんが、改めて周りを見渡してもいかに外国生まれの人が多いことか、移民なしの生活は考えられません。

家の改装を頼んだビルダーはセルビア人、毎週家の掃除してくれるクリーナーはブルガリア人、クリーニング屋はインド人、夫が行く散髪屋はポーランド人、近所の美味しいテイクアウェイは中国人経営の中華とタイ人経営のタイ料理。

ワーキングクラス(ブルーカラーの労働者階級)だけではありません、アッパーミドルクラス(プロフェッショナル職)もそうで、ビジネススクール同級生の友人のほとんどは国際結婚(少なくともどちらかが外国人、参考:『移民X世代』)、息子たちが通うナーサリー(保育園)も半数がバイリンガル家庭(イスラエル・ギリシャ・オーストラリア・南アフリカ・フランス・リトアニア・フィンランド etc.)。

ところが、最近イギリスでも「移民の数があまりにも多すぎる」と声をあげる人が多くなってきました。

ニューズウィーク日本版:移民問題が「タブー」でなくなったわけ

人口約6千3百万人の国で13%(約790万人)が外国生まれ、ロンドン(人口1千万人)では3分の1以上が外国生まれです。 

イギリス人の4分の3が「移民の数を減らすべき」と答えた、いうアンケート結果も出ています。

とりわけ高技能移民を多く惹き付けることに成功しているイギリスのような国では、移民がもたらす経済効果は広く知られている、と思いたいところですが、誰もが統計やデータで判断するわけはなく、扇情的に利用されやすいトピック。

最近、BBCで"Too Many Immigrants?"(移民が多すぎる?)と題したとても面白いドキュメンタリーが放送されました(2話完結)。

 ロンドンを舞台に移民5組と移民反対派の市民5組を引き合わせて1週間お互いの生活や仕事の様子を見せ合って話し合い、最終的に移民は英国にメリットをもたらすかそれぞれが判断を下す、というもの。

1. 「移民が仕事を奪った」と考える建設業のイギリス人若者と10年前にポーランドからやってきて土方から這い上がり今は大工業を経営するポーランド人

2. 強固に移民反対派の元裁判所書記官イギリス人とフィリピンから介護分野の高技能移民としてやってきたフィリピン人

3. 過去2年間無職の若者イギリス人とカフェ店員フランス人

4. 「移民が自分たちの住むコミュニティーを崩壊させた」と考える年金暮らしの老夫婦イギリス人と外国人向け語学学校を経営するパキスタン人夫婦

5. 「現代の移民は英国社会に溶け込もうと努力していない」と考えるインド系イギリス人(移民2世)と8人の子どもを抱える元難民のソマリア人

自分のスキルと労働市場が求めるものがミスマッチしていることに気づかず怠惰な就職活動を行っているイギリス人(24歳)に、「やる気があればロンドンには仕事なんていくらでもあるわよ」と就職活動の仕方を教える22歳のフランス人(彼女が住むのは19人が住んでいるシェアハウス!)。

「移民が無料の国民医療制度(NHS)にタダ乗りしているのではないか?」という質問に対し、「1人の移民にかかる医療費は平均的なイギリス人より少ない。 移民は働きに来ているので若いし、一般的なイギリス人より健康的な生活をしている。 国の医療予算を圧迫しているのは高齢化」と語る専門家。

「VISAの制限で年に3万ポンド以上稼いで税金納めないと国に追い返されるんだから必死で働いて税金を納めている」と語るパキスタン人夫婦。

とーっても面白かったです。 YouTubeに両エピソード載っているので、ぜひ誰か訳してください~(英国在住者はBBC iPlayerでも見られます)。

日本における移民論って移民の多い社会を経験したことない人が想像で感情論を語っている気がするのですが、「移民が多い街(3分の1以上)で暮らすイギリス人がどんな現実問題を心配していて、実際に移民の生活を知るとどういう反応を示すのか?」という近未来を見るような視点で見るととても面白いと思います。

引用先
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漂流する米独の『同盟関係』-スパイ事件で深い亀裂(2)、リベラル21
ドイツの米国離れ顕著に 国際枠組みの変化も 

中田 協 (ジャーナリスト)

     ▼『ドイツ国民と社会は知る権利を持つ』

 アメリカ人は、盗聴事件で自分に形勢不利とみると、「ドイツ人はナイーヴで世間知らずだ」と反論したがる。冷めた眼のグーグル会長にもそれがある。ナイーヴ論は手詰まり状態から逃げだすためのある種の“駆け込み寺”と見られなくもない。公平に見て、真相究明を求めるドイツの要請を全くかえりみず、訪米の諜報専門家の調査団を“手ぶら”のまま門前払いする手口はどう見ても褒められたものでない。

 ドイツ政府はこれまでに何度も米国に質問状を送付した。ベルリンでは、連邦議会に調査委員会が設置された。また憲法裁判所の在るカールスルーエでは、連邦検事総長が二重スパイ事件の発生で、正体不明のNSA職員(逮捕済み)に対する捜査手続きを整えた。

だが、結果は“なしのつぶて”だった。“ドイツ人ナイーヴ論”はこうした事実を完全に無視している。政府も議会も憲法裁も、『米政府からの回答は期待できない』という見解で一致した。スノーデン文書の明らかにする内容についても、『関係文書をドイツ側に送付する』との約束は履行されず、同盟関係の透明性など放置されたままだ。

この傲慢さは、まさに“帝国的”という形容詞そのものではないか。米独の同盟の透明性を確保するために、約束の履行を米政府に迫ってきたドイツのジャーナリズムは、NSAによる『情報監視』の実態を(メルケルの携帯盗聴、二重スパイの捜査など)を,解明すべきだと主張し、事実上の共闘を進めている。

NSAの元職員、エドガー・スノーデンが暴露した(2013年6月)NSA極秘資料をこの際全て、ドイツの実情に合わせて照合する作業を再度行うべし、と主張してきた。

「何故こんなことが可能になったのか」を、人々に分かり易く説明するのが政府、マスコミ、科学者の義務であるとの観点からの立場からの報道である。『ガラス繊維ケーブル』を電話線につないで情報データをこそげ取るという最先端技術への挑戦も辞さない決意表明だ。その中でデア・シュピーゲル誌は次のように結論した。

 『ドイツ国民と社会は、ドイツの国内で全米安全保障局(NSA)が行った事の全容を知る権利を持つ。関心のある全ての人は、アメリカの諜報機関が何故ドイツ国内で活動できたか、そして、如何にして、アメリカの諜報当局とドイツの情報当局とが協力したかのような感じを与えるようになったかを(註 二重スパイ事件のこと)、さらにまた「ガラス繊維を使って電話線に盗聴器をつなぐ」技術で、NSAとドイツの情報局が協力したと見られるようになったかを、全ての人がはっきりと知るようにすべきである』

続きはこちら
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世界トップ企業の経営陣から見えてくる 男女格差の現実、HBR
一部引用・・

米国では上位100社の経営委員会のメンバー1164人のうち、男女比率はいまだに男性83%、女性17%である。これらの女性の3分の2(65%)は、人事や広報宣伝、法務といったスタッフ部門/サポート部門を担っている。

ライン部門や事業部門を担うのはわずか35%にすぎず、過去3年にわたってこの構成比は大きく変わっていない。

 一方、ヨーロッパの企業は、一部の国ではクオータ制(女性役員の割合を、2020年までに40%以上にするよう企業に義務づける欧州委員会の動き)、あるいはその脅威の影響で取締役会のバランスには前進が見られるが、経営委員会のバランス是正はいまだ進んでいない。

経営委員会に女性が2人以上いるヨーロッパ企業は、3分の1に満たない(29%)。しかし、2011年の20%よりはよくなっている。女性のCEOは1人もいない。上位100社の経営委員会を構成する1025人のうち、男性が圧倒的多数(89%)を占め続けているのが実情だ

。女性11%のうち、過半数(58%)がスタッフ部門かサポート部門にいる(米国の65%より少しだけよい)。

アジアの企業は、欧米企業に比べてはるかに後れをとっている。アジア(オーストラリアを含む)のトップ企業はいまだに男性の独壇場である。大多数(89%)の企業は、経営陣に女性が2人未満しかいない。経営委員会のメンバー1099人のうち、96%は男性だ。わずかにいる42人の女性のうち3分の2は、スタッフ部門を担っている。

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ウイグル人のイスラム信仰を抑圧しすぎる中国、田中 宇
一部引用・・

中国はこの10年あまり、上海協力機構を結成するなど、ロシアや中央アジア、インド、パキスタン、イランなど、西アジア諸国との関係を強めている。

今後、中国と西アジア諸国との経済関係がさらに強まるだろう。この構図において、新疆は地理的な中心である。中国政府はこうした流れの中で、新疆の経済インフラを整備したり、内地の漢人の新疆への移住を奨励する政策をとっている。

それ自体は、長期的に、中国や周辺諸国の発展につながるものだ(交通網とエネルギー関連をのぞくと、短期的には成果を上げていないインフラ整備が多いが)。

 しかし、今回の記事に書いたように地元の詳細を見ていくと、多くの矛盾があることがわかる。

一つの問題は、中国共産党内部の、あまりにひどい腐敗だ。これは、漢人の経済技能を抹消しようとした毛沢東の政策から180度転換するために、手段を選ばずに金儲けすることを黙認したトウ小平の改革開放政策の負の面として、この30年来、起きている(共産党も国民党も腐敗まみれになった歴史から考えると、漢人が金儲けに貪欲すぎる民族だからと考えることもできなくないが)。

共産党幹部が企業からキックバックをもらう見返りに不正に利権を与え、地元の市民や村人の農地や家などの生活権が奪われることは、中国の内地では、30年前から頻発している。新疆では、00年の西部大開発以来、ひどくなった。

 新疆を含む中国では今、党内の最強の権力集団である江沢民ら「上海閥」を含む、共産党幹部の腐敗を強く取り締まろうとしている習近平に対する評価が高い。腐敗取り締まりは江沢民や胡錦涛の時代にも行われてきたが、成果は今一つだった。

習近平による取り締まりが意外にうまくいけば、新疆で党幹部がウイグル人農民から土地や水を奪って漢人企業に与える腐敗も、ひょっとすると取り締まられるかもしれない。

 新疆では、内地よりも大きな「民族問題」が、問題に加わる。中国政府は建国以来、少数民族を大事にする政策として、ウイグル人に対し、ウイグル語の教育や放送を提供している。それ自体は良いこととされているが、ウイグル人の多くは漢語(中国語)が不得意で、進んだ技術を持った漢人企業への就職は困難だ。

ウイグル人の中には、子供の就職を考えて、小学校から漢語で勉強させる人もかなりいる。南新疆では、ウイグル人の多くが農民だ。漢人が市民の8割を占める新疆の省都ウルムチでは、多くのウイグル人が、小規模な商店を自営すること以上の経済拡大が難しい。西部大開発で漢人が新疆に大挙して流入する中で、多くのウイグル人が貧困層からはい上がれないでいる。

(中国のイスラム教徒の中でも、回族など漢語を母語とする人々は、当局とほとんど摩擦がない。回族は、経済的にもうまくやっている)

 南新疆では、共産党幹部の腐敗、ウイグル人の民族問題に加えて、イスラム教に対する抑圧がある。

抑圧の根幹には、共産党が「無神論」で、イスラムを含む宗教を迷信とみなして蔑視していることがある。イスラムは世界的な宗教であり、メッカ巡礼などを通じて、南新疆のウイグル人は自分たちの宗教的な誇りや正当性を感じている。

イスラム教は、コミュニティの結束力に依拠する宗教で、イスラムのコミュニティは外部から弾圧されるほど、モスクを中心に結束を強めて対抗し、全員が命がけで戦う。当局がモスクを閉鎖したら暴動が起きるのは当然だ。イスラムは、弾圧されるほど強くなる宗教だ。

ウイグル人のイスラム信仰を弾圧して宗教色を薄めて、漢人の世俗的な文化に同化しようとする共産党の政策は成功しない。

全文はこちら
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