2016年10月16日日曜日

福島原発事故が起きて3年経過した2014年10月16日から10月20日の「阿智胡地亭の非日乗」の記事 その2

2014年10月18日(土)
「香港デモ封殺」から透ける、中国政府の焦り、中村 繁夫
情報操作は無理、格差是正なければ中国はもたない
中村 繁夫:アドバンストマテリアルジャパン代表取締役社長

2014年10月14日

香港の学生デモを見ていて、一瞬25年前(1989年)6月の天安門事件を思い出した。この頃は私が手掛けるレアアースやレアメタルの取引が、実は多くの香港企業を経由して輸入されていたこともあり、いまよりも香港に頻繁に出張した。

当時の当社の事務所が香港島の中心部の金融街セントラルにあったので、学生たちの座り込みを見ると、今回のただならぬ香港の様子が良くわかった。

「形だけの民主主義」に危機感、行動した香港の学生

今回の香港の学生デモは、梁振英・行政長官の辞任と真に民主的な行政長官選挙を求める学生組織を中心に開始された。参加者は一時、10万人を超えたという。

香港は1997年に英国の植民地から中国に返還された。その際、主権は中国に移されたが、中国政府は「50年間は現在の政治制度を変えない」と約束したはずだ。

つまり、香港は中国の一部だが、特別行政区として「香港特別行政区基本法」が制定されて、それに基づいて高度な自治が保障されてきたと、われわれ日本人はそれなりに信じていた。

だが、残念ながら2017年度から導入予定の普通選挙制度も、中国全国人民代表大会・常務委員会の決定のもと、形だけのものになりそうがことが判明。これに香港の学生たちは、授業をボイコットしてまで、「完全な普通選挙実施」を求めたというわけだ。

学生たちの座り込みデモに対して、香港の警察による鎮圧行為も始まった。香港の警察と言えば映画「ポリス・ストーリー」でジャッキー・チェンが扮する「正義の警官」というイメージだったが、今回の抗争で、さほど人民解放軍と変わりがないことも知った。

それはさておき、このニュースは中国の本土にどう伝わっているのか。

今や、中国ではデモは年間10万件とも、20万件ともいわれており、毎週のように各地で起きている。それを国内の治安を維持する武装警察の力で押さえ込んでいるといっても過言ではない。香港の動向が、中国の影響を与えないわけがないのだ。

わかっていた、市場経済政策の副作用

結局のところ、香港のデモは、中国では内容が偏って報道されている。

私が中国国内で聞いてみると、「香港の学生デモも、いずれは押さえ込まれるだろう」との見方をする一般人が多い。

実際、1989年の天安門事件は、中国政府にとっては、「力によって騒乱を押さえ込み、共産党一党支配を守り、その後の高度経済成長路線につなげた」という成功体験として記憶されているのが実態ではないか。

天安門事件の後、何とか民主勢力をおさえ込んだ政権側は、二つの方針を打ち出したといえる。

「愛国主義」と「市場経済政策の徹底」だ。

前者では、例えば日本を標的にした抗日戦争の画像を繰り返し流すなど、日本を悪者に仕立てあげ「洗脳教育」を本格化した。若者がたてた「愛国無罪」などのスローガンも、事実上支持した。

後者は、1992年の鄧小平の南巡講話とよばれる地方視察と遊説があまりに有名だ。民衆は本来、社会主義とは相いれないはずの市場経済政策を受け入れた。

別の見方をすれば、中国の人民は新たな共産党の政策に懐柔されてしまったわけだが、私がいいたいことは、政府もこの政策によって「貧富の差が拡大し、新たな不平不満が起こる」ことを予見していたはずである、ということだ。


当然ながら、市場経済の中では国営企業ではなく私営企業の中から大金持ちが雨後の竹の子のように生まれた。彼らは共産党の世話になっているわけではないから独立意識が強く、平気で共産党の批判をし始めたのである。

私の友人のレアメタル長者たちの一部の経営者も、政府の無為無策を激しく批判することがあった。なぜなら中央政権はスローガンばかりで、経済成長の歪みを地方政府や企業の責任に転嫁することが多かったからである。

このように、社会主義体制における市場経済主義という矛盾はどこかから必ず「歪み」が表面化し問題が起こるのは、仕方のないことだ。

香港の存在意義

さて、香港に関しては、常に別の見方がある。今回、選挙制度という政治の決定過程において「一国二制度」が揺らいでいることが白日の下にさらされたわけだが、そもそも、21世紀になってからの香港の存在意義は、実質的には「共産党幹部の裏金の蓄財のために、制度しているだけ」といってはばからない中国人も多い

ほぼすべての国営企業の支店が香港にあるが、支店の役割は、巨大な個人資産を貯め込むだけの形式的な金融機能しかない、というわけだ。

確かに最近香港に行くと、昔と比べて経済的な影響力が随分と減ってしまったと感じる。実際、香港そのものが競争にさらされたことで、今回のデモが起きている部分も否定できない。

腐敗官僚の代名詞でもある「裸官」と呼ばれている官僚たちは、自分の子弟を海外に留学させ、資産を海外にシフトさせるときに香港の機能を利用している。

中国には土地の所有権はないから、中国の富裕層は今や海外不動産を積極的に買いあさっている。中国政府も、海外不動産の所有については、いたずらに規制するのではなく、今や資源確保の一環として推奨しているくらいである。

だから中国人が銀座の土地を漁り、北海道や九州の原野とか水源や山林までも買いに来るのだ。中国人の投資家は不動産の取得を深く考えているわけではない。カネ余りで中国での不動産投資の妙味が薄れてきたから海外に進出しているだけである。

それにしても、中国に出張をして常に違和感を覚えるのは情報操作があからさますぎることだ。フェイスブックも ツイッターも ユーチューブも一切つながらない。テレビでも、都合の悪いニュースは一切といっていいほど、報道しない。

ただし、学生たちは別だ。「違法」でも、つなぐ方法を知っているので実質的には海外のネット情報は見放題である。

従って、実質的に中国のネット利用者のかなりの人数にのぼり、現在の香港のデモのニュースは、筒抜けと言ってもいいほどだ

中国国内の不動産価格の情報も、やはり海外のネット情報から一般市民はある程度わかっているようだ。命の次に大切な金銭に関する情報を隠そうとしても隠しとおせるわけがない。これも時代の流れで、ネット社会を政府が規制しようと思ってもできるものではない。

ジニ係数0.73の衝撃

7月に発表された、北京大学の中国社会科学調査センターの「中国民政発展報告2014」によると、中国では貧富の差を示すジニ係数は「0.73」というショッキングなものである。ジニ係数はゼロ以上1の数値であらわされ、1に近いほど格差が大きい。ちなみに、日本のジニ係数は0.379程度だ。

中国の国家統計局によると、2012年のジニ係数は0.474となっている。北京大学の報告は、この公式統計を大きく上回る。

もし本当に0.73程度なら、いつ暴動が起こっても不思議ではない数字ではないか。

同報告によると、中国の富裕層の1%が3分の1の富を独占する一方、最下層の3億人の人口の民衆の富をすべて合わせても1%であるという

このままの状態を放置すると、いよいよ習近平政権は、窮地に追い込まれていくといっても過言ではない。

香港から始まった今回の抗議デモは、結局のところ、形を変えて大陸でも拡大していく可能性があると考えるが、今後の成り行きを見守って行きたい。

デモ隊が幹線道再占拠 香港、混乱さらに長期化か
2014年10月18日 08時53分 東京新聞
 
 【香港共同】香港の次期行政長官選挙への民主派参加を求めるデモ隊数千人が18日未明までに、警察当局によって拠点を強制撤去された九竜地区の繁華街モンコック(旺角)の幹線道を再び占拠した。

 17日早朝に拠点を急襲し強制撤去した警察当局は同日夜、反発したデモ隊と断続的に衝突、催涙スプレーなどを使って一度は制圧したかに見えたが、多数のデモ隊に押し返された。

 強制排除に催涙弾を使用し反発を買ったことを受け、警察当局が抑制的対応を強いられていることも背景にあるとみられ、香港の混乱はさらなる長期化が避けられない情勢となった。
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「防衛協力のための指針」改定の中間報告 、いつでもどこでも米軍の指令下に
「防衛協力のための指針」改定の中間報告
地理的制約を廃止するなら安保条約改定が筋

田岡俊次 [軍事ジャーナリスト] 【第39回】 2014年10月16日

日米両政府は10月8日「日米防衛協力のための指針」(ガイドラインズ)改定の中間報告をまとめた。1960年1月に結ばれた日米安全保障条約は「日本の安全又は極東における国際の平和及び安全」を目的としているが、今回の中間報告では、従来の「指針」にあった「周辺事態」を削除するなど、地理的な制約を外し「同盟のグローバルな性質」を反映して協力範囲を拡大するとしている。

 また日本が攻撃されていない場合でも「米軍の装備品等の防護」を自衛隊が行う方針が示されており、もしグローバルに展開している米軍艦や航空機、戦車などを防護することになるのなら、世界のどこでも戦闘に加わることになりかねない。

もしこの中間報告通りに「指針」を改定するなら、その前に安保条約の改定が必要なはずで、「集団的自衛権行使」による自衛隊海外派遣には、本来なら憲法改正が必要なはずであるのと同様だ。

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原発の本当のコストはいくらか、河野太郎
2014年10月17日 07:52

小渕経産大臣の政治資金に関して、国会でも質問が飛んでいる。

もちろん政治資金の流れにおかしなことがあってはならない。しかし、経産大臣に国会で金の話を質問するならば、もっと突っ込みどころがあるはずだ。

10月2日の参議院本会議で小渕大臣は、「原発の発電コストはその他の主要電源のコストと比較しても遜色なく低廉な電源と考えています」と答弁している。

本当にそうなのか。

10月8日の参議院予算委員会で、政府は「原発のコストについてはキロワットアワー当たり8.9円以上となっておりまして、その他の電源に比べて低廉なものと認識をしています」と答弁している。

これは福島の事故の費用が5兆8000億円であるとして計算された数字だ。2011年のコスト等検証委員会の計算である。

この計算の前提は、福島第一原発の1号機から4号機の4基を除く50基の原発がすべて再稼働され、その後、40年間稼働するというものだ。

しかし、実際の福島の事故の費用はこれをはるかに超えている。
立命館大学の大島堅一教授の試算では

損害賠償額 4兆9088億円
賠償対応費用   777億円
除染費用  2兆4800億円
中間貯蔵施設1兆0600億円
事故収束費用2兆1675億円
行政対応費用  3878億円
合計   11兆0819億円

原発の発電コストと経産省が称するものにこの費用を加えたものを、50基の原発が40年で発電する電力量で割ると、キロワットアワーあたりの原発の発電コストは9.4円になる。

さらに、これを現実的な試算に置き換えてみる。

現在、我が国にある50基の原発がすべて再稼働するものとするが、それぞれの原発は建設から40年経ったところで運転を停止するとして計算すると、11.4円になる。(大島堅一教授の試算による)

もちろん福島第一原発の5、6号機は再稼働しないし、日本原電の原子炉も再稼働できないだろう。その他にも再稼働しないものは少なからずあるはずだ。

だとすると、原発のコストはさらに高くなる。とてもじゃないが「原発の発電コストはその他の主要電源のコストと比較しても遜色なく低廉な電源と考えています」などとは言えない。

小渕経産大臣に、国会で、金の質問をするならば、まず、こっちのほうから質問するべきではないか。

ちなみに

損害賠償額 4兆9088億円 電力消費者負担
賠償対応費用   777億円 電力消費者負担
除染費用  2兆4800億円 支援機構の株の売却益を想定*
中間貯蔵施設1兆0600億円 国民負担
事故収束費用2兆1675億円 電力消費者負担
行政対応費用  3878億円 国民負担

* 国が1兆円で買った東電の株を3.5兆円で売却し、その利益2.5兆円を充当する。

事故費用のうち、東京電力が自らの利益で負担したのは、災害特別損失の10-12年度の合計額1兆259億円と新総合特別事業計画で積み増した1兆円の合計2兆259億円と原子力損害賠償支援機構への特別負担金だけだという。(大島堅一教授による)

ちなみに2013年度までの特別負担金は500億円。

引用元
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不都合な原子力を救済する?、河野太郎
2014年10月17日 17:14

経産省がやっている総合資源エネルギー調査会原子力小委員会というものがある。

この小委員会のメンバーから、運営がでたらめすぎると声が上がっている。

要するに、発電と小売りの自由化ならびに料金規制が撤廃されるとコストの大きい原発を維持できないから電力会社に補助をしてくれという電力業界からの声に呼応する小委員会だ。

補助を受ける側から直接の利害関係者をメンバーに入れてしまうだけでなく、委員が資料を配布しようとしてもそれを制限し、ビデオ中継はせず、議事録が出てくるのは一か月後、委員の発言は一人3分に制限するという昔ながらの結論ありき審議会のよみがえりだ。

電力業界が再稼働、再稼働と叫ぶのは、ひとえに再稼働しないと電力会社の経営を直撃することになるからだ。

電力会社の原子力関連資産がどれくらいの大きさになっているかみてみよう。

事業者 純資産 核燃料 原子力発電設備

北海道 1467 1296 2372 億円
 東北 5746 1535 2911
 東京 15774 7853 5920
 中部 14372 2451 1949
 北陸 3248 998 1926
 関西 12132 5290 3348
 中国 6065 1829 747
 四国 2874 1396 1048
 九州 4942 2815 2112
 原電 1645 1165 1640
 合計 68265 26627 23972

廃炉が決定すると、資産に計上している核燃料と原子力発電設備が資産から落とされるので損失が計上されることになり、電力会社によっては債務超過になるところもあった

そこで2013年10月に経産省が勝手に省令変更をして、原子力発電設備は廃止決定をしても一括償却しなくてよいことになった。

原子力発電設備を「廃止措置資産」とそれ以外にわけ、「廃止措置資産」なるものは一括償却せず減価償却してもよいことになった。

会計上、資産というものは利益を生むもののはずだが、「廃止措置資産」は利益を生むどころか、廃炉にするための費用がかかってくるものだ。

それを資産として計上し減価償却を認めるというのは、企業会計原則から逸脱したむちゃくちゃなルールで、電力会社の財務諸表はインチキだということになる。

福島第一原発の5、6号機の場合は、残存簿価1564億円のうち88%にあたる1368億円を廃止措置資産に分類された。

核燃料資産についてはこうはいかない。だから困った電力会社が経産省に泣きつき、では原子力小委員会で補助策を、ということになった。

さらに再稼働しても自由化された電力市場では原子力を維持できないと、経産省は、原子力発電の電力を固定価格で買取するか、原子力だけ総括原価を維持するかなどというむちゃくちゃな議論をしている。

原発は、バックエンドのコストを入れても安いなどとうそぶいていたのはなんだったのか。

さらに日本原電の原子力発電所が再稼働できず廃炉になると、株主であり、債務保証をしている電力会社は大きなダメージを受ける。これについても電力会社は泣きを入れている。

電力自由化を進めるといって旗を振っておきながら、原子力は別ですという経産省の姿勢では、アベノミクスの三本目の矢は的に当たらない
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大前研一、アベノミックスのメッキ剥がれとカジノの非現実な儲け説
2014/10/17 #539

~大前研一ニュースの視点~

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▼ ついに、アベノミクスのメッキが剥がれてきた
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内閣府が発表した8月の景気動向指数(2010年=100)速報値は、
景気の現状を示す一致指数が108.5と、前月に比べて1.4ポイント下がりました。

景気の基調判断は「足踏み」から4カ月ぶりに下方修正し、景気後退の可能性を示唆する「下方への局面変化」とし、増税に天候不順が重なり、景気は2月から8月まで短期の「ミニ後退」になったとの見方が市場関係者に出ています。

これまで散々と、4月から6月期は下がっていても、7月~8月には挽回すると述べていたエコノミストがいますが、現実はこの通りです。

「足踏み」から「下方への局面変化」などというのも、
単なる役人言葉で全く意味が無いと私は感じます。

天候不順の影響はあると思いますが、それよりも「心理的な」側面のほうが重要です。

国民が身構えて、消費心理が冷え込んだというのが一番大きな要因です。

アベノミクスと騒がれていましたが「結局、自分の生活がどのように具体的に良くなるのか実感できない」という人がほとんどでしょう。

おそらく今後の数ヶ月で、「アベノミクスは失敗だった」と言われる時期が来るはずです。東京オリンピックまでは首相を続けると表明していますが、安倍首相にとっては大きな逆風が吹き荒れることになります。

アベノミクスの最大の問題は、3本目の矢である「成長戦略」が全く機能していないことです。

私に言わせれば、「形容詞」が多すぎて、何ら具体性がありません。

「女性が輝ける」「若者が行きたくなる」などと耳障りのいい言葉を並べても、ただそれだけで景気は回復しないのです。


ついに、アベノミクスのメッキが剥げかけてきているのを感じます。


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▼ カジノは儲かるというのは、大きな幻想
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カジノを中心とした統合型リゾート(IR)を推進する法案を巡り、
推進派の国会議員でつくる「国際観光産業振興議員連盟」が迷走しています。

利用者をいったんは外国人に限定するとしていましたが、一定の要件を満たせば日本人も利用できるよう再修正する方針を決めたとのことです。

私が15年ほど前に提案したのは、米軍が所有している「横浜ノースドッグ」でカジノを開くというものです。

カジノの主催を米国ということにして、日本人の入場者はパスポートを必要とするというルールにすれば良いと提案しました。

場所としても、瑞穂埠頭・桟橋付近は、利用されていなかったので、
施設を一新してカジノを作るにはうってつけでした。

カジノを巡る問題として、パチンコと同様に、国民の生活が乱れるという懸念があります。

シンガポールのカジノでは、同様の懸念への対処として、シンガポール人はお金を払わないとカジノに入れないというルールを作っています。

日本でも見習って、日本人が気軽には入れないように課金するなどの
工夫をするべきだという意見が出てきました。

しかしこうなってしまうと、「そもそも日本でカジノを作る意味があるのか?」という話になります。

そんな話もあって、カジノ法案というのは迷走、後退しているというのが現状でしょう。

ただし私がより本質的な問題として指摘したいのは、「カジノは儲かる」というのが幻想だということです

カジノを作って経済的な効果として成功したのは、米国のネバダや香港のマカオを見ても、「他に何もない地域」です。

そのマカオでも、カジノは急失速していています。かつてはマネーロンダリングを巧みに操る中国人が大量に押し寄せていましたが、最近ではめっきり中国人が減ってしまいました。

すると、一気にカジノは斜陽産業に成り下がってしまいました。

同様の現象は、マカオに限らず、オーストラリアのケアンズやタウンズビルなど、他の場所でも見受けられます。

カジノが儲かると思っている時点で、少しズレています。

もし日本にカジノを作ったとしても、一般人の感覚で考えられないような高額なチップを賭けてくれる「おかしな中国人」が来てくれなければ上手くいきません。

地域振興に役立つなどと言われていましたが、ようやく何の関係もないと気付き始めたというところでしょう。


※この記事は10月12日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております
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野村克也の言葉から
一流は弁解せず、二流は責任を転嫁する

失敗に対して潔く責任を認め、受け入れること。

この強さと客観性が向上心につながり、自己変革のきっかけとなる。
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大人になったふたりの娘の父親として学んだ5つのこと、和田一郎
2014年10月16日 12時52分

 20代後半の娘がふたりいる。
 長女は結婚して、すでに孫もいる。
 
 僕は百貨店勤務が長く、彼女たちがまだ小さかった頃、土日や祝日は充分に娘たちと過ごす時間がなかった。

 そういう時間的な制約だけでなく、僕自身も、30近くなっても、まだまだ未熟な人間で、とても立派な父親とは言えなかった。

 長女は、口下手で本好きの僕に似た性格で、思春期になっても僕との間に大きな溝ができることはなかった。

 理由は忘れたが、なんだかの理由で部屋に閉じこもって泣き、出てこなかったことがあったが、たいてい話は通じた。

 次女は運動とファッションが好きで、本や勉強は大嫌い。思春期のころ、僕と共通の話題はほぼ皆無で、たまたま車にふたりきりになると、石のような思い沈黙が僕らの間を塞いだ。

 思春期を過ぎ、大学受験や就職、結婚などを経て、20代後半になった娘たちと僕のあいだには、もう、壁はない。

 あれほど話が通じないと思っていた次女ともツーカーになった。
 僕も、さまざまなイベントを経て、やっとまともな父親になれたのかと思う。

 その途上にいて、当時はわからなかったこと、たしかに、学んだなと思えることを、書いてみたい。

1.制約があって共に過ごす時間が少なくても、いざというときに、どれほど愛しているかを行動で示せば良い

 子供たちは、もちろん、愛情に飢えている。母親だけでなく、父親の愛情にも。しかし、愛情を示すこと、それを伝えることは、なかなか難しい。

 接客業だったので、世の中が休みで、家族で行楽に行ったりしているとき、僕はたいてい店頭にいた。嫁がその時の寂しさを今もときどき話すことがあるので、小さな娘たちも寂しかったのだろう。

 まだ小さなラブが我が家に来た時、僕がラブにばかり気を使うので、もう成人していた次女が急に泣きだしたことがある。「ラブは来てすぐにパパにこんなに愛されて羨ましい」と言って。
 
 しかし、世の中には、僕のような状況にある父親も多い。授業参観やクラブの試合にいつもいけないから、娘たちへの愛情を示せないということはないはずだ。

 結果的に、僕は、いま、こう考えている。
 何かを犠牲にして無理に一緒にいる時間を増やすことだけが、愛情を示す方法ではない。

 最も大事なことは、ここぞという時、娘たちがたいせつな岐路に立っている時、娘たちが困っている時、娘たちが悩んでいる時に、すべてを投げ出しても、助けてやるという気持ちを見せること、そういう行動をとることだと思う。

 そういう機会は多くはないが、娘たちが大人になる前に、何度か訪れるだろう。

 そして、その時に父が何を言ったか、どういう行動をしたかということは、遊園地での思い出よりもはるかに鮮烈に深く、娘たちの心に残るだろう。

2.娘に自分の理想の生き方を押しつけない

 僕は起業してしばらくのあいだ、娘たちも、自分で事業をすれば良いのにと、本気で思っていた。

 多くの父親が、自分の夢や自分の価値観を、娘や息子に押しつける。
 冷静に考えてみれば、すぐにわかる。
 自分ができたことが、娘にもできるとは限らない。
 自分のできなかったことが、娘にもできないとは限らない。
 自分の理想と、娘の理想は違う。
 世界を見ている角度が自分と、娘とは違う。
 望んでいるものが、自分と娘とは違う。
 
 父親になるということは、そんな当たり前のことを忘れさせてしまうのだ。

 そして、それに気づくことができない父親もいるほど、そのことを真に気づき飲み込むことは難しいことなのである。
 なぜなら、それを認めることは、自分の生き方を否定することでもあるからだ。
 

3.母親ともめているときは、娘の立場になって考えてみる

 母と娘の喧嘩は激烈だ。

 同姓である分、上に書いたような価値観の違いを、母親が飲み込むのが難しいからだ。

 そんな時、とにかく喧嘩が激しい時は、いったん、娘の側に立って、なぜ娘がそんな風に考えているのか、じっくり話を聞いてやったほうが良い。

 すこし距離がとれる分、冷静に話を聞くことができる。
 父親がいつも正しいとは限らないように、母親のいうことも、いつも正しいとは限らないのである。

4.世の中の厳しさとそこで生き抜く方法を教える

 この厳しい世の中を、どうやって生き抜いていくのかということを、両親は子供に教える。
 母親が教えることができるのは、女として、あるいは母としてどうやって生きるかということだ。

 そして、父親が教えることができるのは、もう少し、実際に役に立つ具体的な技術だ。

 たとえば、お金をどうやって使ったらいいのか、どうやって貯めたらいいのか、企業や法律の仕組みや、会社のなかでどうやって立ちまわったら良いのか。騙そうとして近づいてくる人たちとを見抜く方法や、事故に合わずに運転するにはどうしたらよいのか、そして、どういう男を伴侶に選べば良いかなどである。
 
 もちろん、娘たちは、父親の毎日を見ている。自営業ならその背中で教えることができることは多いだろう。
 だが、そうでなくても、父親がわざわざ教えてやるべきことは多いのである。

5.自分の弱さも不完全さも隠さない

 娘たちが父親にもっと愛して欲しいと思っているように、父親も娘たちからもっと愛して欲しいと思っている。
 そして、愛してもらうためには、立派な父親でないといけない、娘が描く父親像に少しでも近づかなければならないと思う。
 
 しかし、誰も、完全無欠な父親なんかにはなれない。
 娘たちが父親の描く理想の娘でないのと同じように、父親も、多くの欠点をもち、多くの間違いをする、平凡でとるにたらない男のひとりなのだ。

 だから、それを娘に隠す必要はない。 
 そういう自分を、あえて見せることもお互いのために、大切なことなのだ。
 
 思春期に娘たちはいったん離れて行ってしまうかもしれない。
 だが、心配する必要はない。
 やがて立派に育った娘たちは、父親のことを許し、すべてを受け入れて帰って来てくれるだろう。
 そして、ありのままの父親を愛してくれるだろう。
 
 娘の父親であるということは、間違いなく、この世界でもっとも光り輝く喜びのひとつである。
 そして、それは、思春期の断絶期間があるからこそ、さらに輝きを増すのである。

引用元
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2014年10月17日(金)
秘密保護法 欠陥は残ったままだ、東京新聞社説
2014年10月15日

特定秘密保護法の運用基準などが閣議決定された。施行は十二月十日だ。政府の裁量で秘密指定の範囲が広がる恐れなど心配の材料は尽きない。国民の「知る権利」を脅かす法には反対し続ける。

 国家機関が情報を隠したがるのは、護衛艦「たちかぜ」の乗組員の自殺事件でよくわかる。海上自衛隊内でのいじめが原因だった。訴訟で、存在するはずの文書を海自は「ない」と言い張ってきた。

 内部告発者が現れたことで、海自はついに大量の文書を提出せざるを得なくなった。今年四月の判決で、東京高裁は自殺した乗組員の遺族に対し、高額な損害賠償を支払うよう国に命じた。

 裁判の過程で、遺族側が求めた文書提出について、国は「訓練の状況を公開すれば、わが国の防衛活動の具体的内容を他国に知られ、欠点も明らかになる」などと述べて、応じなかった。とくに「わが国を防衛する任務に困難を来す結果を招くことは自明の理」と意見書に記してもいた。

 結果的にこれらの文書はオープンになったが、驚くべきことに、どこにも「防衛に困難を来す」事実など書かれていなかった。秘密とされていたものが、秘密にも値しないことが裁判で暴露された事例といえる。特定秘密保護法は、こんなお役所体質にさらに拍車をかけるのではなかろうか。

 官僚の裁量で秘密指定をする-、恣意(しい)性が働く点が危険といえる。運用基準では「必要最小限の情報を必要最低限の期間に限り指定する」と記された。だが、これも留意事項である。

 法本体では「国の安全保障に著しい支障を与える恐れがある情報」を特定秘密としている。「何が秘密か、それも秘密です」という状況下では、「必要最小限」という留意事項が守られるか疑わしい。「安全保障に支障を与える」という言葉が闊歩(かっぽ)し、秘密の世界を拡大してしまうのではないか。

 チェック機関として、内閣官房に「内閣保全監視委員会」、内閣府に「独立公文書管理監」と「情報保全監察室」が設けられる。
 しかし、行政機関の「長」が指定する特定秘密について、行政機関の“手足”が本当に独立して監視できるのか。怪しいものだ。

 法の成立時には多くの野党が反対に回った。国民の間にも不安が残っている。自民党総務会内でも懸念が相次いだほどだ。国会ではいま一度、法の根本から議論すべきテーマだと考える。
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<特定秘密保護法>政府の運用基準に日弁連が「異議あり!」弁護士ドットコム
安倍内閣は10月14日、「特定秘密保護法」の運用基準と政令を閣議決定し、12月10日の施行を正式に決めた。これに対し、日本弁護士連合会は村越進会長の声明を発表した。

村越会長は声明で、閣議決定された運用基準をふまえたうえで、特定秘密保護法について「秘密指定できる情報は極めて広範であり、恣意的な特定秘密指定の危険性が解消されていない」「多くの特定秘密が市民の目に触れることなく廃棄されることとなる可能性がある」などと指摘している。

そして、特定秘密保護法には「依然として重大な問題がある」とし、同法を「まずは廃止」したうえで、「国民的議論を進めていくべき」と強調している。

声明の全文は以下の通り。

秘密保護法施行令(案)等の閣議決定に対する会長声明

本日、特定秘密の保護に関する法律(以下「秘密保護法」という。)の施行令(案)及び運用基準(案)等が閣議決定された。

情報保全諮問会議が本年7月に作成した同施行令(素案)及び運用基準(素案)等については、7月24日からパブリックコメントが実施され、難解な内容にもかかわらず、2万3820件の意見が提出された。情報保全諮問会議ではこれを検討し、施行令(案)及び運用基準(案)等を作成し、9月10日に内閣総理大臣に提出した。その内容は、前記の各素案とほとんど変わらないものであった。

他方、国連人権(自由権)規約委員会は7月31日、日本政府に対して、秘密指定には厳格な定義が必要であること、ジャーナリストや人権活動家の公益のための活動が処罰の対象から除外されるべきことなどを勧告した。

当連合会は、9月19日付けで「特定秘密保護法の廃止を求める意見書」を公表し、この法律の廃止を改めて求めたところであるが、市民の強い反対の声を押し切って成立した秘密保護法には、依然として、以下のとおり、重大な問題がある。

(1)秘密保護法の別表及び運用基準を総合しても、秘密指定できる情報は極めて広範であり、恣意的な特定秘密指定の危険性が解消されていない。

(2)秘密保護法には、違法・不当な秘密指定や政府の腐敗行為、大規模な環境汚染の事実等を秘密指定してはならないことを明記すべきであるのに、このような規定がない。

(3)特定秘密を最終的に公開するための確実な法制度がなく、多くの特定秘密が市民の目に触れることなく廃棄されることとなる可能性がある。

(4)政府の恣意的な秘密指定を防ぐためには、すべての特定秘密にアクセスすることができ、人事、権限、財政の面で秘密指定行政機関から完全に独立した公正な第三者機関が必要であることは国際的な常識であるが、同法が規定している独立公文書管理監等の制度にはこのような権限と独立性が欠けている。

(5)運用基準において通報制度が設けられたが、行政組織内での通報を最優先にしており、通報しようとする者を萎縮させる。通報の方法も要約によることを義務づけることによって特定秘密の漏えいを防ぐ構造にしてあるため、要約に失敗した場合、過失漏えい罪で処罰される危険に晒されている。その上、違法行為の秘密指定の禁止は、運用基準に記されているのみであり、法律上は規定されていないので、実効性のある公益通報制度とは到底、評価できない。

(6)適性評価制度は、情報保全のために必要やむを得ないものとしての検討が十分になされておらず、評価対象者やその家族等のプライバシーを侵害する可能性があり、また、評価対象者の事前同意が一般的抽象的であるために、実際の制度運用では、医療従事者等に守秘義務を侵させ、評価対象者との信頼関係を著しく損なうおそれがある。

(7)刑事裁判において、証拠開示命令がなされれば秘密指定は解除されることが、内閣官房特定秘密保護法施行準備室が作成した逐条解説によって明らかにされたものの、証拠開示が命じられるかどうかは、裁判所の判断に委ねられており、特定秘密を被告人、弁護人に確実に提供する仕組みとなっていない。そもそも秘密保護法違反事件は必要的に公判前整理手続に付されるわけではなく、付されなかった場合には、被告人、弁護人が秘密を知ることなく公判手続が強行される可能性が大きく、適正手続の保障は危殆に瀕する。

(8)ジャーナリストや市民を刑事罰の対象としてはならないことは、国家安全保障と情報への権利に関する国際原則であるツワネ原則にも明記されており、アメリカやヨーロッパの実務においても、このような保障は実現されているが、国際人権(自由権)規約委員会からも同様の指摘を受けたことは前述したとおりである。

当連合会は、本年8月22日付けで運用基準(案)に対するパブリックコメントを提出し、法令違反の隠蔽を目的として秘密指定してはならないとしている点について、「目的」を要件にすることは不当であり、違法行為そのものの秘密指定を禁じるべきと主張した。これに対して、政府は、運用基準(素案)を修正し、行政機関による違法行為は特定秘密に指定してはならないことを明記した。

これは、今後ジャーナリストや市民が違法秘密を暴いて摘発されたときには、無罪を主張する法的根拠となりうるものとして評価できるが、本来、法や政令において定めるべきことである。

また、独立公文書管理監職は一名しかおらず、特定秘密の閲覧や秘密指定解除の是正勧告等の権限を有する者であるから、その独立性及び権限行使の的確さが強く求められるところ、どのような者が担当となるかについて政府は全く明らかにしていない。

加えて、(1)独立公文書管理監を補佐する情報保全監察室のスタッフの秘密指定機関へのリターンを認めないこと、(2)すべての秘密開示のための権限を認めること、(3)内部通報を直接受けられるようにすることなど、運用基準(素案)の修正により容易に対応できたが、これらの意見は修正案に採用されなかった。政府は恣意的な秘密指定がなされないような仕組みを真剣に構築しようとしているのか、極めて疑問である。

市民の不安に応え、市民の知る権利と民主主義を危機に陥れかねない特定秘密保護法をまずは廃止し、国際的な水準に沿った情報公開と秘密保全のためのバランスの取れた制度構築のための国民的議論を進めるべきである。

2014年(平成26年)10月14日

日本弁護士連合会

会長 村越 進
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同じ記事でも英訳と日本語では違う日本の二枚舌メディア、
新聞週間に問う(上) 問題提起避ける報道 NYT東京支局長
2014.10.15 11:34:00  神奈川新聞

 言論機関として在り方が問われる中、新聞週間が15日から始まる。従軍慰安婦と原発事故の記事を取り消した朝日新聞の問題に1カ月後に迫る特定秘密保護法の施行-。いま新聞に欠けていて、求められているものは何か。内外、新旧メディア人に聞いた。

 手にしたiPhoneの画面は英文の記事を映し出していた。

 「Ex-sex slaves in their 80’s recount ordeals with Japanese soldiers」

 直訳すれば「80代の元性奴隷が日本兵士に受けたつらい体験を語る」という意味だ。

 記事の配信元は日本の通信社。米国の有力紙「ニューヨーク・タイムズ」東京支局長のマーティン・ファクラーさんは驚いたという。「日本のメディアがここまで強い意味の文言を使った記事は見たことがない」。「慰安婦」の訳語「comfort women」ではなく、性奴隷を意味する「sex slaves」をタイトルで用い、文中では元慰安婦女性を「被害者」と明記していた。

 ほどなく合点がいった。

 通信社は国内メディア向けに日本語の記事も配信していた。タイトルは「語り続ける『戦場の性』」で、「性奴隷」「被害者」の表記は見当たらなかった。

 「同じ記事なのに英語版とは全く異なる。はっきりとした物言いを避けている。元慰安婦の証言に疑問を投げ掛けているような印象さえ受ける」

 萎縮と自主規制-。内外で使い分ける二枚舌に、日本の報道機関がよって立つ足元の脆弱(ぜいじゃく)さを再確認する思いだった。

 慰安婦を強制連行したとする「吉田証言」の記事を取り消した朝日新聞をめぐっては保守系メディアが同紙への批判を展開し、雑誌や夕刊紙では「売国奴」「非国民」という見出しが躍る。

 「本来ならば日本のメディアは今こそ慰安婦の問題について根拠のある事実を取材し、正しい情報を国民に届けなければならない」

 慰安婦問題の本質は戦時下に性的な行為を強要させられた女性がいたという点にある。それは国際的な共通認識だと強調する。だが扇情的な報道があふれ、その本質は遠くに追いやられるばかりだ。「朝日が記事を撤回したからといって世界の認識は揺るがない。海外では吉田証言は重要視されていないからだ」。もどかしそうに続けた。「正確な情報を伝えないメディアの無責任さは、国際社会からの信頼の低下を引き起こす」

 ■義 憤 

 胸に刻む言葉がある。

 「A good journalist needs a sense of moral outrage」(良いジャーナリストには正義感が必要だ)

 駆け出し時代に先輩が教えてくれた言葉だ。ピュリツァー賞国際報道部門の最終候補に残った、東京電力福島第1原発事故の報道で自身を突き動かしたのも「a sense of moral outrage」(悪への人間的な怒り)だった。

 放射性物質の拡散を予測する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算結果が事故後ただちに公表されず、住民の避難に生かされなかった。著書「『本当のこと』を伝えない日本の新聞」につづった。

 「SPEEDIデータ隠蔽(いんぺい)の事実に気がついたとき、私の胸のなかに悪への怒りが燃え盛った。その怒りが、一連の調査報道に結びついた」

 福島県南相馬市に向かうと地震、津波、原発事故で救援物資が届かない中、2万5千人の市民が孤立していた。窮状を伝えるべき日本のメディアは退避し、一人の記者も残っていなかった。それなのに放射性物質による健康被害を否定する政府や東電の発表をそのまま垂れ流していた。

 「自ら避難しておいて、なぜ安全と言えるのか。政府が安全と言っても、自らが危険と思うものは絶対に安全と書いてはいけない。国民を裏切ったメディアはメディアではない。ただのうそつきだ」

 米国ではジャーナリズムは「権力の監視者」という認識が根付いている。だから義憤は権力を持つ側へと向かい、権力が隠そうとする情報を調査報道で明るみにする記事にこそ価値が置かれる。

「日本ではスクープが重要視されるが、そのためには特ダネを提供してくれる人間、つまり当局と仲良くする必要がある。批判精神はそがれ、権力と一体化していく」

 ■責 任 

 日本の記者たちの振る舞いに強いエリート意識を感じてきた。「権力を監視する立場にあるはずの記者たちが、むしろ権力側と似たような価値観を共有している」

 背景に官僚とジャーナリストが同じパターンで生み出されている「体制」があると指摘する。「官僚も記者も東大や早稲田、慶応といった難関大学の出身者が多い」。大学で机を並べ、同じような感覚を持ち合わせ、それぞれが互いの世界で出世していく。

「官僚は貴重な情報源であるのと同時に同志意識を抱く存在なのではないか。結果、記者は国民より官僚側に立つ。『官尊民卑』の思想が心の奥深くに根を張っているように思えてならない」

 新聞にとって最も重要な財産は権力とのなれ合いとは対極にあると考える。「読者の信頼だ。読者は新聞社の情報に価値を見いだし、信頼して記事にお金を払う」

 今でも迷ったときには、自身に問い掛ける。

 「僕の両親は、何を知りたいだろうか。僕の友達は、どんな情報を必要としているのだろうか」

 市民の視点に立ち、判断材料としての情報を提供する報道機関が機能してこそ健全な民主主義は成り立つとの信念がある。

 朝日新聞の記事撤回、それに対するバッシングにあらためて思う。

「日本のメディア、さらには国自体が戦争責任という問題から目を背け、議論を避けてきた」。

慰安婦問題はその一つにすぎない。「先の戦争の責任は果たしてどこに、誰にあったのか。メディアはそういった問題提起を社会に対して投げ掛け、議論を起こさなければならない。だが、それをメディア自身が避けてきた」

 それは原発事故報道も同じだった。萎縮するメディアに自覚はあるのかと問い掛ける。

「メディアが責任を果たさなければ日本の民主主義は崩れる。正確な情報を得られない国民はベストな判断ができない。結果、健全な民主主義が機能しない。一番の被害者は日本の民主主義そのものであり、主権者である国民だ」

マーティン・ファクラー 1966年米国アイオワ州生まれ。2003年に経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルの記者として来日。09年からニューヨーク・タイムズ東京支局長。著書に「『本当のこと』を伝えない日本の新聞」(双葉社)。47歳。
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権益に固執するメディア、記者クラブが日本の情報発信を阻害する、東洋経済
2009年11月16日掲載記事。

一部引用・・

ジャーナリスト 上杉隆

 ニューヨーク・タイムズ東京支局は特派員の数を減らし、ワシントンポストは東京支局を支局長宅に移設し、ロサンゼルス・タイムズは日本から完全に撤退した。すべてここ1年で起きたことである。
欧州やアジアの新聞も同様である。今や世界中のメディアが日本から逃げ出している。

戦前からの長い期間、先の大戦の最中ですら、通信員を置き続けてきた3大米紙の日本撤退(縮小)は何を意味するのか?

それは、単に本社の経営問題だけが理由ではない。それならば、各社が厳しい財政事情の中、中国や朝鮮半島に新たに支局を開設していることの説明できない。

実は、東京支局の撤退・縮小の背景には、日本社会ではタブーとなっている記者クラブ問題が関係しているのだ。

筆者が記者クラブ問題の異常性に最初に触れたのも、実はニューヨーク・タイムズ東京支局で働き始めてからだった。海外メディアの特派員たちが、異口同音にののしる先が、日本の一流メディアだったことにまずは驚いたことを鮮明に覚えている。

普段、ユーモアたっぷりで冷静な物腰の特派員までもが、日本の同業者の話になると途端に感情をあらわにし、非難の言葉を浴びせるのだ。それは当初、不思議な光景だった。

ところがFCCJ(日本外国特派員協会)の記者たちが温度差こそあれ、一切の例外なく記者クラブを批判していることを知ると、その問題の大きさに愕然としたのであった。

私自身、それまで一流だと信じていた日本のメディアへの強烈な批判を聞いて、正直、不快に感じたものだった。だが、同業者を同業者が排除するシステムが、世界中のどこに行っても存在しないことを知ると考えが変わる。それは利害関係者でさえなければ、空想上の笑い話として片付けてしまえばいいことだった。

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江川詔子が見た前産経ソウル支局長告訴問題
【コラム 江川紹子】国家権力を行使して書き手を恫喝する韓国という国
2014年10月14日 07:09 JST

【10月14日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

■韓国は民主主義国家なのか

韓国のソウル中央地検が、産経新聞のウェブサイトに掲載されたコラムが朴槿恵大統領の名誉を毀損したとして、加藤達也・同紙前ソウル支局長を起訴した。

改めて問題のコラムを読み直したが、「この程度」の記事で国家権力を発動して、書き手に刑事罰を課そうというのは、尋常ではない。しかも、コラムの”ネタ元”となった韓国の新聞には何のおとがめもない。相手が産経新聞であることを強く意識し、慰安婦問題などを巡る韓国国内の世論と大統領の意向を忖度しての結果だろう。

果たして韓国は民主主義国家であり法治国家なのか。時計を巻き戻して、朴大統領の父親の時代の言論状況に引き戻そうとしているのではないか。そんな批判や懸念が、従来からの反韓勢力のみならず、日韓関係の修復を願っていた人々や米国など他の国々からも出てくるのは当然で、誰にとっても益のない、実に残念な判断だと言わざるをえない。

■朴大統領の男女関係

このコラムの趣旨は、旅客船セウォル号沈没の後の朴大統領の動静を巡って、かつては声を潜めてささやかれていた「下品な」ウワサが、新聞紙上にも載るなど公然と語られるようになるほど、大統領への信頼が失墜してきている、というもの。前半では国会での野党議員と大統領府秘書室長のやりとり、後半には大統領を巡るウワサが紹介されている。

その根幹部分は、韓国の朝鮮日報の記事の紹介で、衝撃的な事実やユニークな視点が示されているわけではない。
文中に紹介されたウワサは、朴大統領の男女関係について。コラムは、

〈そのウワサは「良識のある人」は、「口に出すことすら自らの品格を下げることになってしまうと考える」というほど低俗なもの〉

としながら、その一部をチラリとばらして見せる。この辺りには、対象の大統領が独身の女性であるがゆえの、性的のぞき趣味も感じる。

日本では、女性政治家に対するセクハラ発言がようやく問題にされるようになってきた。これまで取り上げられなかったのは、政界を日常的に取材し伝えるマスメディアの記者たちに、女性の政治家に対する「早く結婚しろ」とか「産めないのか」などといったヤジが、セクハラであり問題だと受け止める感覚が欠けていたからでもあるだろう。

■産経新聞も品格を下げた

問題となった産経コラムの筆者も、そうした古いタイプの記者のような気がする。文中でウワサを紹介しているくだりには、情報通のセクハラ親父が、仕入れたネタを飲み屋で得意げに開陳しているような下卑た雰囲気すら感じてしまう。ストレートニュースではないとはいえ、真偽不明のこの手のウワサをここまで具体的に書いたことは、朴大統領を傷つけただけでなく、産経新聞が「自らの品格を下げること」にもなったのではないか。

産経新聞や加藤・前支局長には、そういう視点で、今一度コラムを見直してもらいたい。

なので、朴大統領が報道によるセクシャルハラスメントとして問題提起をしたり、産経新聞に抗議をしたのであれば、話の展開は違ったものになっただろう。だが、国家権力を行使して書き手に懲罰を加えようというのは、それとは次元の違う問題である。

前述のように、このコラムは、大統領の信頼性や影響力の低下をテーマにしていた。今回の起訴は、外国人記者が大統領のリーダーシップに疑問を投げかける記事を書くと、刑事訴追を受ける可能性がある、という恫喝とも受け取れる。

民主主義国家の礎石ともいえる言論・表現活動に対する権力行使は、できるだけ抑制的であるべきだ。ましてや、大統領は「公人中の公人」であり、最大の権力者。批判や非難は甘受すべき立場であるし、事実と異なる報道には、反論や抗議をする機会はいくらでもある。

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国会質問も議員立法も質問主意書もない「オールゼロ議員」、64人全氏名を公開!
国会の中には、質問も議員立法も行わない「オールゼロ議員」がいる

NPO法人「万年野党」では、国会議員の国会での活動をデータを元に公表しようと、『国会議員三ツ星データブック』を発行しており、この事については、これまでも、コラムに書いてきた。

我々が、そもそもこの様に国会議員の活動データを集積しようと思ったキッカケは、「任期中に1度も質問しない議員が、それなりにいる」という事実からだった。国会議員の中には、この国会質問を1回もしないどころか、議員立法も質問主意書も1回も提出しない、「オールゼロ議員」ともいえる議員がいる。

今回は、こうした議員にスポットライトを当てて紹介していく事にしよう。

質問数ゼロ、議員立法ゼロ、質問主意書ゼロの上、さらに大臣、副大臣、政務官、補佐官、議長、副議長、委員長といった要職についていない議員を「オールゼロ議員」とした

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アメリカ軍も67年前から普天間の危険性を認識していた
47年に普天間の危険性認識 米陸軍、不使用を要請

2014/10/16 18:39 【共同通信】

 【ワシントン共同】沖縄にあった琉球米陸軍司令部が1947年、海兵隊移管前で休止状態だった普天間飛行場(現在の沖縄県宜野湾市)について、稼働すれば近接する陸軍基地の拡張予定地に「危険と不快な騒音」が生じるとして、陸軍の航空部門(現空軍)による使用を控えるよう要請していたことが16日、秘密指定を解除された米公文書で分かった。

 沖縄が米国の施政権下にあった70年近く前から、米軍が普天間の危険性や騒音の問題を認めていたことを裏付ける貴重な史料といえる。関東学院大の林博史教授と沖縄県恩納村・村誌編さん室の清水史彦氏の研究で明らかになった。
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後手後手の経産省 送電網不備、4年前に認識、毎日新聞
クローズアップ2014:再生可能エネルギー制度、抜本見直し 
2014年10月16日 東京朝刊

 経済産業省は15日、総合資源エネルギー調査会新エネルギー小委員会(委員長・山地憲治東京大名誉教授)で再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)の抜本的な見直しに向けた検討を本格的に始めた。

九州電力など電力5社による再生エネの新規受け入れ停止で、再生エネ事業者には混乱が広がっており、経産省は早急な対策を迫られている。再生エネの導入推進に伴う国民負担をいかに抑制するかも大きな課題で、政府の再生エネ拡大への姿勢が問われることになりそうだ。【中井正裕、安藤大介、寺田剛、遠山和宏】

 「太陽光発電を抑制しなければ、他の再生エネの導入に支障をきたす」「再生エネ受け入れ停止は制度の信頼を揺るがす」。この日の委員会では、FITの見直しを求める意見が相次いだ。

 再生エネを巡っては、北海道、東北、四国、九州、沖縄の電力5社が新規受け入れを停止。6月時点で認定を受けた再生エネは全国で計7178万キロワットに達し、電力5社は認定を受けた再生エネの電力が大きすぎて、電力供給が不安定になり停電になる懸念もあると説明している。

 再生エネの導入拡大には、(1)送電線を整備し余った電力を他地域に流す(2)蓄電池に蓄える(3)再生エネの出力を抑制する−−などの対策が必要となる。こうした対策を組み合わせれば、再生エネの電力が大きくなっても受け入れ拡大は十分可能だ。実際、太陽光と風力の発電の割合が10%を超えるドイツやイタリア、25%に達するスペインでは欧州域内で電力の過不足を調整することで安定供給を実現している。

 しかし、経産省や電力会社の対応は後手に回った。経産省の研究会は2010年、太陽光発電が1000万キロワットを上回ると蓄電池の設置や送配電網の強化が必要と指摘していた。だが、今年6月に太陽光が1000万キロワットを大幅に上回ることが確実となるまで具体的な対応をとってこなかった。

 対応の遅れについて経産省は「設備が太陽光に偏重しているほか、将来的に国民負担が重くなる可能性があり、制度の見直し抜きに送電線の増強に踏み切れなかった」と説明する。経産省の試算では、今年6月までにFITの認定を受けた再生エネがすべて稼働した場合、買い取り費用が年間2兆7018億円に達し、平均的な世帯の電気料金に上乗せされる負担額は月935円となる。再生エネの導入を拡大するために送電線を増強すれば、国民負担はさらに増える。

 このため15日の委員会では、国民がどの程度の負担を許容できるかをアンケートなどで調査する案が示された。また、買い取り価格を抑制するために認定に入札制度を導入し、コストの安い再生エネを優先的に導入することも検討。風力や天候に左右されない地熱を推進し、太陽光偏重を是正することも課題に挙がった。

 経産省は年内に一定の結論をまとめ、年明け以降にスタートする来年度の買い取り価格の議論に反映させたい考え。だが、再生エネを含む将来的な電源比率の目標を示す「エネルギーミックス」策定の議論は「原発が実際に再稼働するまでは、原発の目標が示せない」(経産省幹部)ために進んでいない。再生エネの導入目標が原発比率に左右される懸念があり、「再生エネの推進に向けた対応も難しい」(同)との声も上がっている。この日の委員会では「制度の問題が再生エネバッシングにつながることを懸念する」「原発にもコストが掛かっている」などと原発依存への回帰をけん制する意見も相次いだ。

 ◇電力5社受け入れ停止、事業者ら混乱 「まるで闇討ち」

 電力5社の再生エネの受け入れ停止は、再生エネ事業者や自治体に混乱を巻き起こしている。「なぜ6月に現状を把握しながら発表しなかったのか。即時中断とは、まるで闇討ちだ」。九州電力が今月1日に福岡市内で開いた説明会では、非難が相次いだ。

 福岡県飯塚市の再生エネ事業者は、長崎県佐世保市に約3万平方メートルの土地を購入し、出力2000キロワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)計画を進めていた。同社幹部は「鹿児島県で予定していたメガソーラー事業を九電に勧められて九州北部に移した。今さら九州全域で中断するといわれても」と頭を抱える。

 10キロワット以上の太陽光パネルを設置した新居の棟上げを終えたばかりという中年男性は「売電収入を見込んで住宅ローンを組んだのに、九電も住宅メーカーも責任をとってくれない」と声を荒らげた。

 長崎県五島列島の北端にある佐世保市の宇久島では、京セラなど大手企業5社による世界最大級のメガソーラー計画が進んでいた。島の4分の1に太陽光パネルを敷き詰め、海底ケーブルで九州本土に電力を売る予定だったが、計画の行方は不透明に。過疎の進む宇久島では150人の雇用を生むはずだった計画への期待は高く、島内の建設会社社長の赤木幸徳さん(61)は「若者が去る現状を変えたい」と計画実現に望みを託す。

 再生エネを福島原発事故からの復興の柱と位置付ける福島県も2040年に県内エネルギー需要の100%以上を導入する計画だが、見通しが立たなくなっている。

 経産省は専門家会合で年内をめどに電力各社の受け入れ可能量を算定し、追加受け入れを求める考えだ。再生エネの導入拡大には送電網の増強が必要となるが、多額の費用がかかるため電力各社は「負担について国の議論を注視したい」(九電幹部)と慎重だ。
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国にはしごを外された福島県大熊町
筆洗  東京新聞コラム

2014年10月17日

福島県の大熊町は、福島第一原発が立つ町。今も一万八百人の町民全員が、避難生活を強いられている。事故から三年半がたち、町は最近ようやく、復興整備計画を書き上げた

▼その目玉の一つは、再生可能エネルギーの活用だ。汚染された農地に、太陽光の発電所を造る。電気を東北電力に売って、利益を「植物工場」の運営に充てる。密閉した施設で野菜を作れば、汚染の心配もない。町民が安心して働ける場をつくる。それが、復興の一歩だ

▼政府は今年四月に決めた「エネルギー基本計画」で<福島の再生可能エネルギー産業拠点化>という目標を掲げた。国の方針にもかなう復興計画を手にして、大熊町の職員らは「やっと、復興の兆しを見いだした」との思いだったそうだ

▼だが東北電力が「もう再生可能エネルギーの買い取り契約は結べない」と言いだした。経済産業省は、再生可能エネルギー拡大の柱となる制度を、抜本的に見直すと言いだした

▼日本の太陽光や風力への依存度は、欧米に比べ著しく低い。優れた技術力はあるのに、それを生かすための政策が朝令暮改では、思い切った投資のしようもない

▼国策で造られた原発の事故で、大熊町は汚された。再出発のための針路図も国の手で消されるのか。町の職員は「国にはしごを外されてしまって、つかまるところがない。涙が出そうです」と言葉少なだ。
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欧米メディアではなく日本の元シリア大使からの[イスラム国」情報
2014/10/11 「イスラム国」はなぜ中東を席巻したのか “報道されない中東の真実”について、元シリア大使・国枝昌樹氏に岩上安身が聞く

一部引用・・

 シリアとイラクで版図を拡大し続けるイスラム系武装集団「イスラム国」。米国が8月8日からイラク国内で、さらには9月23日からシリア国内で空爆を開始するなど、状況は混迷の度を極めている。報道によれば、現在、「イスラム国」はシリアとトルコの国境に位置する要衝アイン・アル・アラブ(クルド名「コバ二」)への侵攻を続けていると伝えられている。

 この「イスラム国」に関しては、欧米を中心に多くの若者が戦闘への参加を志願していることも特徴的だ。日本でも、10月6日、「イスラム国」への参加を計画していたとして、北海道大学の学生が、「私戦予備および戦闘の疑い」で、警視庁公安部に身柄を拘束された。

 「イスラム国」はなぜ、これほどまでに勢力を拡大したのか。そして、そのことが、中東情勢にもたらす意味とは何なのか。元シリア大使で、シリアで独自取材を行った成果をまとめた著書『報道されない中東の真実~動乱のシリア・アラブ世界の地殻変動』を発表した国枝昌樹氏に、岩上安身が話を聞いた。

記事目次

なぜ、多くの若者が、「イスラム国」に惹きつけられるのか
「イスラム国の戦士と結婚したの」という電話が突然かかってくるケースも
イスラム国はどのようにして生まれ、勢力を拡大したのか
2011年3月18日、ダラア市でのデモの真相~自然発生的なものではなく、人為的なものだった
120人もの治安警察官が殺害される 「民主的なデモ隊がやることか」?
イスラム国とトルコの関係~「コバニの丘」の謎
「寝ているだけで毎年5兆円の金が入ってくる」金満国家・カタールの思惑
”日本版PMC”湯川遥菜氏の拘束事件について 「欧米とは文脈が違いすぎる」

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【香港デモ】警察官がデモ参加者を連行、殴る蹴るの暴行、動画
抗議行動が続き、催涙スプレーなどを使った強制排除も始まった香港。 そんな中、15日朝には6人の警察官がデモ参加者を連行し、殴る蹴るの暴行を加える様子をカメラが捉えた。
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2014年10月16日(木)
建屋カバー取り外し8か月遅れ、NHK福島放送局
10月16日 07時03分

放射性物質の飛散を防ぐための福島第一原発1号機の建屋を覆うカバーの解体をめぐり東京電力は、今月22日から安全に取り外すための予備調査を始めることになり、カバーの解体は、当初よりも8か月遅れの早くても来年3月の開始になる見通しを明らかにしました。

これによって、1号機の廃炉工程への影響が懸念されます。


福島第一原発1号機では、燃料プールの使用済み核燃料を平成29年度から取り出すことを目指していて、取り出しに向けて建屋を覆うカバーを取り外し、水素爆発によって発生したがれきなどの撤去作業を行う計画です。

当初、カバーの取り外しはことし7月から始める予定でしたが、去年、3号機で行われたがれきの撤去の際に、放射性物質を含んだちりなどが周辺に飛散していたことがわかり地元の自治体を中心に不安の声があがり、計画の見直しが求められていました。

その結果、まず安全性を確認するための予備調査を行うことになり、東京電力は、カバーの解体を調査の結果を踏まえて、当初よりも8か月遅れの早くても来年3月の開始とする新たな計画をまとめました。

予備調査は、今月22日から開始し、カバーの屋根に穴をあけて、ちりが舞わないよう飛散防止剤をまいた上で、今月中にもカバーの一部を取り外し、周辺への影響を確認するということです。

東京電力は、「現時点で1号機の燃料取り出しの予定に変更はない」としていますが、カバーの解体の遅れによる1号機の廃炉工程への影響が懸念されます。
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新疆ウイグルやチベットより暴力はややましだが北京政府の対香港本番はこれから
学生側に負傷者多数 香港デモ 警官の暴行 市民衝撃

2014年10月16日 東京朝刊

【香港=白石徹】香港警察は十五日、行政長官の民主的選挙を求める学生デモ隊と衝突し、公務執行妨害などの容疑で四十五人を逮捕し、警官四人が負傷したと発表したが、学生側にも多数の負傷者がいることが明らかになり、同日開会した立法会(議会)の民主派議員や大学生連合会(学連)は激しく非難。

「非暴力主義」を貫く学生に対する警官隊の暴力は市民の反発も呼び、占拠活動の行方をより複雑にしそうだ。

 香港の地元テレビは十五日未明、警官隊が催涙スプレーや警棒を使って約千人の学生デモ隊を強制排除するニュースを報道。

その後番組は、警官六人が後ろ手に縛ったデモ隊の男性一人をビルの物陰に連れ込み、殴った後に何度も蹴り上げる暴行シーンを放映し、市民に大きな衝撃を与えた。

 民主派議員は「不当な暴力は絶対に許されない。公正な調査をして処罰すべきだ」と主張。学連は「香港政府は真の普通選挙を求める学生に対し、公権力による暴力で応えた」との声明を発表し、先月二十八日に八十七発の催涙弾が使用されたことをあらためて批判。

さらに「警察は占拠地内での暴力団による横暴な行為を許容しながら、学生には警棒を乱打している」と訴え、警察責任者らの辞職を求めた。
 学生デモ隊による占拠運動は十八日間続き、アドミラリティ(金鐘)にある政府庁舎前の広場は簡易テントで埋め尽くされたままだ。

授業をボイコットし寝泊まりする学生らの疲労の色も濃くなっているが、今回の警官による「暴行事件」は学生側の強い反感を買い、占拠活動の収束をより困難にするとみられる。

 香港医院管理局は十五日、未明の衝突で二十人のデモ隊学生らが診察を受け、占拠運動が始まってから累計で二百八人を診察したことを明らかにした。

今回の騒動を奇貨として、中南海(北京中央)は香港が中国本土の制度で統治できるまで徹底的に弾圧するのは間違いない。

この日を見越して香港で生まれた財閥の主たちはその財産を既に欧米に移している。

街中で殴るのも殴られるのも香港人の若者。暴力による排除を指示する幹部は本土の人間。同じ構図は沖縄にもある


香港官邸前で再び衝突 警官3人負傷、2人逮捕
2014年10月16日 11時02分 東京新聞

 【香港共同】香港中心部アドミラリティ(金鐘)にある行政長官弁公室(官邸)前で16日未明、数百人のデモ隊が幹線道を占拠しようとして警官隊と衝突し、警官隊が催涙スプレーを使って阻止した。

15日未明にも現場の道路を一時占拠したデモ隊を警察が強制排除したばかりで、2日連続の衝突となった。

 15日の強制排除の際に、無抵抗の民主派男性が複数の警官に殴る蹴るの暴行を受け、デモ隊の反発が高まっていた。警察は16日の衝突で3人の警官が負傷し、2人のデモ参加者を逮捕したことを明らかにした。
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米、19年普天間運用停止に反対 日本の一方的発表に不満、東京新聞
2014年10月16日 02時01分

 周りを住宅地に囲まれた沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場

 政府が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の運用停止について2019年2月までの実現を目指すと9月に発表したことに対し、米政府が今月2日の日米協議で「空想のような見通しだ」と反対を表明したことが15日分かった。

米側は、同県名護市辺野古に建設される代替施設完成の時期を考えると「最も早くて22年」としている。米政府当局者が明らかにした。

 同当局者によると、日米外交・防衛当局の協議機関「日米合同委員会」が2日、都内で開かれ、米側は「19年2月の運用停止という一方的発表に驚いた。米側と調整もなく発表したことは迷惑で、米国を困った立場に追いやる」と述べた。(共同)

完全な51番目の州になれていないということ?不思議な話だ。
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藤井美濃加茂市長事件、検察には「引き返す勇気」はなく驀進するのみ。
郷原信郎 の今日のツイッター。

今日は、藤井美濃加茂市長事件の第5回公判、検察官が請求した「苦し紛れの証人」2人の尋問。昨日、検察官が出してきた意見書を見る限り、「引き返す気」は全くないようだ。⇒【藤井美濃加茂市長事件、検察にとって「引き返す最後の機会」】 http://bit.ly/1qlw1NK (続く

続き)検察改革で打ち出された「引き返す勇気」に、かすかに期待していたが、空しかった。

特捜部長以下の問題に矮小化できた大阪地検不祥事とは違い、今回は、「検察の組織として対応」が問われる。

ここまで来ると、もはや、誰にも、ブレーキをかけることはできないようだ。
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世襲議員のからくり (文春新書)/文藝春秋と言う本が5年前に出ている
【世襲議員のからくり】小渕優子経産大臣 迂回献金、無税相続、差額買収
2014-10-16

5年前の本ですが、きょう発売の週刊新潮の「小渕大臣政治資金規正法違反?報道」のベースかも。

あるいは、毎日新聞の記事とは金額も中身もぴったし合っています。

週刊文春の連載が元だったのですが、思えば当時は大変でした。
しばらく永田町で冷たい視線を浴び続けることになります。


小渕氏資金管理団体:不透明支出、5年間で1000万円超
毎日新聞 2014年10月16日 08時01分(最終更新 10月16日 12時04分)

小渕氏の資金管理団体の領収書には「ベビートドラー」や「ストール」、「売場 ハンドバッグ・雑貨」などの記載がある。(画像の一部を処理しています)

 政治資金でベビー用品や化粧品、著名デザイナーズブランドまで−−。

小渕優子経済産業相の資金管理団体は政治活動との関係が薄いとみられる領収書を添付し、政治資金として計上していた。不適切・不透明な支出は、実姉の夫が経営する服飾雑貨店への支出分を含めると、2012年までの5年間で1000万円を超えている。【杉本修作】

 ◇事務所費でベビー用品/組織活動費でネギ

 毎日新聞が情報公開請求で入手した小渕氏の資金管理団体「未来産業研究会」の領収書や政治資金収支報告書などによると、同団体は09年、本来は事務所の維持に充てる「事務所費」として、ベビートドラー(乳幼児向け用品)3点と化粧品、ストールの計約4万5000円を支出していた。

 また、政治活動に充てる「組織活動費」として、著名デザイナーズブランドへの支払い計3件119万円余▽下仁田ネギの送料や品代計4件261万円余−−などを計上。銀座の百貨店の「子供・玩具売り場」への支出計5件15万円余(うち1件1万円余は事務所費に計上)のうち4万1580円は、11年12月24日のクリスマスイブに支払われていた。

 組織活動費の支出先はほかにも、女性用肌着売り場や婦人靴・バッグ売り場、紳士服売り場など多岐にわたる。さらに、銀座の百貨店や同店「お得意様営業課」に支払った計14件429万円余と、銀座の高級装飾品店への計10件46万円余については、領収書のただし書きがいずれも「品代」とだけ書かれ、使途が明らかにされていない。

 ◇元首相の残した1.2億円引き継ぐ

 小渕氏は元首相の父恵三氏が2000年に死去し後継候補となり衆院議員に当選、同年に恵三氏と同名の資金管理団体「未来産業研究会」を新たに設立。恵三氏の資金管理団体は解散し、残金1億6000万円のうち1億2000万円が、別の二つの政治団体を迂回(うかい)して小渕氏の未来産業研究会に引き継がれた。

 未来産業研究会の繰越額のピークは06年末の1億6610万円。その後、繰越額は減少し、11年末は6457万円。12年分の収入は2505万円で、内訳は政治資金パーティーの2016万円と寄付の489万円で大半を占める。
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イスラエル人とユダヤ人の概念を押さえる一つの説
「分裂主義」を象徴、イスラエルの不気味さ
スコットランド、スンニ、シーア・・・世界は分裂期へ

イアン・ブルマ :米バード大学教授/ジャーナリスト

2014年10月05日 東洋経済

イスラエルの政策に批判が出ると、イスラエル政府と西側諸国のイスラエル支持者らは反ユダヤ主義だと非難する。その主張は不正確で虫のいいところもあるが、間違ってはいない。

確かに、ガザ地区におけるイスラエルの残虐行為に対する欧州の世論は、中東の他の地域でイスラム教信者同士が繰り広げている、もっと凄惨な暴力への批判よりはるかに厳しい傾向にある。

イスラエルは「こちら側の一員」

そうなる理由は、イスラエルが西側政府に支持されており、米国国民が納めた税金から多額の援助を受けているからだ。イランのイスラム教指導者やシリアの悪党の行動を変えることはできないが、イスラエルは「こちら側の一員」なのだ。

もちろんイスラエルを過剰に非難する姿勢や、その暴力とナチスの大虐殺との安易な比較の背後には、罪の意識を払拭したい下心も見え隠れする。ユダヤ人への虐待を欧州全体が過去数十年にわたって恥じてきた歴史の中で、人々はようやく「ユダヤ人も殺す側に回ることがあるじゃないか」と、どこか喜びにも似た感情をもって指摘する機会を得たのだ。かっこ悪い部分もあるかもしれないが、必ずしも反ユダヤ的であるとはいえない。

ユダヤ人とイスラエル人が一緒くたにされるとき、反シオニズムは反ユダヤ主義へと醜く変貌する。

最も悪質な反シオニズムは、イスラエルと米国を世界の2大悪ととらえる左派の人間に見られる。金融危機やウクライナにおける暴力など、諸悪の根源が米国のあしき力だと信じる人間は、米国のあらゆる政策の背後にイスラエルや、果てはユダヤ団体の黒い圧力を疑いがちだ。


不健全なユダヤの影響と米国をつなげる考えは、本来、典型的な右派の概念だ。

ユダヤ人は国家への忠誠心がなく、排他的な根なし草的とされていたし、米国内の移民社会は本質的に根なし草だと見られていた。20世紀初頭の欧州の右翼国家主義者の観点では、ユダヤ人に支配された英米の資本主義は、民族と土地を結ぶ神聖なつながりを壊すものだった。

もしすべてのユダヤ人がアラブ人の抑圧に加担したのであれば、欧州に限らず世界のどこであろうと、ユダヤ人への攻撃は容認され、むしろ積極的に奨励すべきといえたかもしれない。

だが、西側諸国でそのような考え方をする人間は少数だと私は思う。大学にいたり、ブログを書いたり、生粋の反ユダヤ主義のイスラム過激派と一緒にデモに参加していても、社会の主流からは程遠い。

イスラム教は欧米に対する最大の脅威?

意外なことに、イスラエルの最も熱烈な支持者の一部は現在右派に見ることができ、極右にさえ存在する。

また、けっこうな数が、極めて反ユダヤ的な背景を持つ政党に所属している。イスラム教に対する敵意もその一因だ。

欧州の右翼の大衆主義者は、イスラム教を欧米に対する最大の脅威と考えている。イスラエル政府が厳しい手段でアラブ人を制圧していることを、彼らは当然称賛する。

だがイスラエルも、1948年の建国からの輝かしい数十年以降、大きく変化した。

建国当初は、ポーランドやロシアの社会主義者によって運営される進歩的な国家として欧米左派から称賛された。

だが、今日のイスラエルのリーダーの言動は、古い欧州の反ユダヤ主義者を連想させる。

今支配的なイデオロギーは、武力的な色合いの強い一種の民族的な国家主義だ。現在のイスラエル支持者が反自由主義的であっても、何ら不思議ではない。

彼らは現在の世論を左派の反シオニストたちよりも強く反映している。

今、世界は分裂が進み、人々は不安に駆られてより小規模で防衛的なアイデンティティを受け入れている。スコットランド、カタロニア、スンニ、シーア、クルドなどだ。

戦後初期の国際主義の理想は急速に崩壊し、国や民族、宗教をベースとした部族感情が空白を埋めている。その世界市民主義(cosmopolitanism)が理由で軽蔑された人々が建国した国民国家のイスラエルが、この不気味な傾向の象徴となっているのは実に皮肉なことである。

(週刊東洋経済2014年9月27日号)
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