2016年10月14日金曜日

福島原発事故が起きて3年経過した2014年10月06日から10月10日の「阿智胡地亭の非日乗」の記事 その2

2014年10月8日
証人尋問で「詐欺師」の本性をあらわにした贈賄供述者、郷原信郎
2014年10月04日 14:56

10月1日、2日の両日、名古屋地裁で、藤井美濃加茂市長事件の贈賄供述者中林正善の証人尋問が行われた。

この2日間の尋問で、中林の「詐欺師」たる本性が露わになったと言ってよいであろう。

1日目は、検察官の主尋問。

分厚い質問原稿をほとんど「棒読み」して質問する検察官と、よどみなく答える中林、まるで、芝居の「台詞合せ」のようだった。内容は、ほとんど、検察官調書と同じ。中林は、調書を丸暗記していたとしか思えない。

しかし、そのような「作り上げられた中林供述」ですら、その内容は、市議会議員への受託収賄の贈賄供述、市長への事前収賄の贈賄供述の体をなしていない。

そして、中林が、その「詐欺師」の本領を発揮したのが、1日目の主尋問の最後の場面であった。

検察官に、融資詐欺で勾留中に贈賄の自白を始めた理由について尋ねられ、

担当刑事から、やってしまったことは消せないけど、ゼロになって帰ろうと言われたので、心から反省しようと思いました。全部話さないと本当の反省にはならないと思ったんです。一日でも早くゼロになって社会復帰したいと思って、すべてを話さなきゃいけないと決心しました。

と話した後、何度も声を詰まらせながら、

刑事さんから「うそつき父ちゃんじゃ娘さんに顔を合わせられないぞ、なんかあるんだったら全部話をしろ。」と言われて、贈賄のことを自分の方から話そうと思いました・・・

などと、涙ながらに話したのである。

2日目の反対尋問では、弁護人の私から、まず、中林が行った犯罪の内容について確認した。

融資詐欺は、インターネットで業者に頼んで作ったハンコを使って、地方自治体の部門長や病院理事長とかの名義の文書を偽造し、架空工事をでっち上げて融資を受けた融資詐欺の被害額が数億円ある。

そして、それと同時期に、勤務先の病院で事務長の立場で合計1億5000万円を横領していた。一度途中で発覚し、それまでの横領額の一部を返済したあと、残りは分割返済することにして、そのまま病院に勤務していたが、しばらくしてまた横領を始め、年間5~6000万円ものお金を、借金の返済や、キャバクラやクラブでの豪遊代に使ったとのことだった。

これだけの多額の詐欺、横領の犯罪を立て続けに行ってきた中林が、「やったことを全部話して、反省して、ゼロからやり直そう」と考えて、贈賄の自白を行ったというのである。

そのことを確認した後、我々弁護人のほうから、中林の「詐欺師」の本性を示す「隠し玉」を突き付けた。

警察署の留置場で中林の隣の房にいたA氏が、名古屋拘置所に移監された後、まだ警察署にいる中林と文通を続けていたのだ。そのA氏は、中林の全く反省のない詐欺師ぶりに呆れ果て、美濃加茂市役所の藤井市長宛に手紙を送ってきてくれた。弁護団は、急遽、名古屋拘置所でA氏に接触し、証人尋問の前日に、中林の自筆の手紙を入手したものだった。

中林の手紙には、実は、起訴された2100万円分の詐欺以外は立件されず執行猶予になることを期待していたことが書かれていた。担当の検事からも、「絶対に藤井には負けないから、中林さん一緒に戦ってくださいね!」と言われ、良い情状を酌んでもらって、執行猶予になることを狙っていたが、藤井弁護団が4000万円の融資詐欺を告発したことで実刑が確実になったと弁護人から知らされ、落胆したことが書かれていた。

そして、中林は、自分の事件の裁判も終わっていないのに、外国人を店に紹介して上前をはねる人材派遣事業を目論み、手紙の中でA氏の内妻に資金管理の仕事を頼めないかと打診していた。

融資詐欺・贈賄で勾留中の身でありながら、抜け目なく、他人を手足に使って、いかがわしい事業を行うことを画策しているのである。

反対尋問の中で、私から、中林に、主な手紙の内容とその趣旨について一つひとつ確認した。

中林は、手紙の記載をほぼ認めた。前日の主尋問での贈賄自白の経緯について訊かれた時の涙が「詐欺師」独特の演技であったこと、そのような行為を平然と行う人間であることが、公判廷で明らかになったのである。

その後、藤井氏に現金を渡した理由、依頼の趣旨などについて訊いた。

4月2日のガスト美濃加茂店で10万円を渡した理由については、美濃加茂市への浄水プラント導入に関して、市議会議員だった藤井氏に、「議会で質問してもらいたい、役人に対して働きかけてもらいたいと思った」と述べているが、中林は、肝心の、議会での質問が浄水プラント導入にどのように結びつくのかについて全く説明できず、藤井氏に頼みたいことと市議会議員の職務がどのように関係するのかも、全くわかっていなかった。

中林は、4月25日の山家住吉店での20万円の趣旨、請託の内容についても、まともに答えられず、さらにボロボロになっていった。

1日目の検察官の主尋問に対しては、「議員のときも、今までと同様に、議員辞職後も、そのまま影響力をもって、市長になったら市長の力で導入をお願いしたい」と述べていた。

しかし、「議員のときも、今までと同様に」と言っても、市長選挙への立候補の意思を固めたというのであれば、間もなく議員辞職することになり、僅かな議員在任中も、選挙のための準備に忙殺されるのであるから、議員として浄水プラントの導入に関して何かをやってもらえるとは到底思えない。

この点について訊かれると、中林は、「これまで通りやってほしい、何か問題があった時に対応してほしいと思った。」と繰り返すだけだった。

「議員辞職後も、そのまま影響力を持って」というのも、議員辞職後に影響力があったとしても、市議会議員の職務とは関係がないので、それを期待してお金を渡したとしても、賄賂の問題にはならない。

この点について訊いても、「議員辞職後も、次回の市議選で必ず当選するから影響力が残ると言われた。」と言うだけで、答になっていない。

そして、「市長になったら市長の力で導入をお願いしたい。」と言っていることについても、市長に就任した場合に、どのようなことをやってほしいと期待していたのかを訊いても、全く答えられず、最後には、「市長として役人に働きかけてもらいたいと思った」などと、あっせんを依頼したかのように述べた(公務員たる市長に、所管部署への「あっせん」を依頼したのであれば、「あっせん収賄」の問題になるが、この場合の「不正行為のあっせん」が要件となる。本件では不正行為など検察官も何ら主張していない。)。

要するに、これらの中林の供述を前提とすると、そもそも、現金の授受の有無にかかわらず、この事件は、検察官が起訴している受託収賄、事前収賄が成立する余地がないのである。

今回の中林の証人尋問で、本件での藤井市長が有罪となる可能性は限りなく低いものになったと考えてよいであろう。残された問題は、「現金の授受」も含め、検察官の主張がすべて否定される「完全無罪」を勝ち取ることができるかどうかである。

もちろん、私は、その点についても確信を持っている。

引用元
 
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毎日母さん  西原理恵子  「ハイブリッド」

毎日新聞から引用。
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2014年10月07日(火)
防衛省 オスプレイ購入確実 ほかに採用候補なく、東京新聞
2014年10月6日 朝刊

自衛隊機となるオスプレイの同型機=山口県の米海兵隊岩国基地で

 防衛省が来年度から購入を始めるティルト・ローター機(垂直離着陸機)は米海兵隊と同じ「オスプレイ」となるのが確実になった。

募集に対し、他に採用希望がなかった。日本列島を自衛隊と米軍のオスプレイが飛び回ることになる。

 陸上自衛隊は島しょ防衛に活用するため「中期防衛力整備計画(二〇一四~一八年度)」で十七機購入する。防衛省は佐賀空港に配備したい意向だ。米海兵隊は普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)に二十四機を配備し、本土への訓練移転が始まっている。

 防衛省は機種選定をめぐり、航空機メーカーや商社などに採用希望を募ったところ、米国防総省の下部組織「相互防衛援助事務所(MDAO)」がオスプレイを提案した。垂直離着陸機「AW609」を開発中のアグスタウエストランド社(伊)は名乗りを上げなかった。

 防衛省は性能、価格などを検討し、十一月までに正式に採用を決定する。機体価格は未定だが、購入を決めたイスラエルの場合、教育・訓練費、シミュレーター費などを含め一機約二百億円となっている。

 オスプレイは開発段階で墜落事故が相次ぎ、三十人が死亡した。米海兵隊が実戦配備後も事故が続き、一日(日本時間)もペルシャ湾で強襲揚陸艦から発艦した機体が一時的に動力を失い、乗員二人が脱出、一人は救出されたが、一人が死亡した。 (編集委員・半田滋)

あーぁ・・・
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ナショナリズムの奇妙な復活、 Financial Times
一部引用・・

ナショナリズムが復活している理由

 こんなに多くの経済的、技術的な力が反対方向に作用している時に、奇妙にも世界的にナショナリズムが復活している理由は何なのか?

 1つの答えは、グローバル化の予言者たちが恐らく常に、残存するナショナリズムの力を甘く見積もっていたということだ。空港のラウンジや国際会議で時間を過ごせば、ほとんどの人は特定の場所に根差した生活を送っているということを簡単に忘れてしまう。

 実際、方向感覚が曖昧になるグローバル化の効果によって、恐らく人々は、共通の言語であれ、互いに共有する歴史であれ、より地域的もしくは国民的な物事の中に安心感と意味を探すようになる。2008年の経済危機の後は、グローバル化と国際金融に対する疑念も大きく高まった。

 貧困と戦争は、特に欧州と中東の比較的安全な地域に流れ込む難民の大量移動をもたらしている。集団移住や難民危機ほど、国境の永続的な重要性を人に意識させるものはない。移民に対する反発が、フランスのFNやスウェーデン民主党、英国独立党(UKIP)のようなナショナリスト政党の台頭の中核を成してきた。

 最後に、そして恐らく最も危険なことに、国際秩序が新たに不安定になったという感覚がナショナリストの感情を煽っているのかもしれない。国や分離主義の運動が、これまで眠っていた自分たちの計画を推し進める機会を見いだすからだ。

 プーチン氏は過去に何度もソ連崩壊について残念そうな言葉を口にしてきたが、今では、それについて何らかの手を打つだけの強さがあると感じている。

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日本の劣化が止まらない。

「日本の劣化」、安倍政権が加速させている
笠井潔×白井聡、『日本劣化論』延長戦(前編)
東洋経済オンライン編集部 2014年09月25日

なぜ東京でオリンピックをやるのか? 安倍改造内閣は女性が活躍? 集団的自衛権でイスラム国掃討に駆り出される? 親米保守はどこまで地に堕ちた? 

いま、日本の劣化の勢いが止まらない。戦後日本が抱えた様々な矛盾のツケがついにふりかかってきたともいえるだろう。作家であり、思想史を踏まえた評論活動をしてきた笠井潔さんと、昨年『永続敗戦論』で話題になった若き政治学者の白井聡さんによる対談本『日本劣化論』(ちくま新書)の延長戦。9月9日、丸善丸の内本店にて開催。
オリンピックは誰が望んでいるのか

白井:『日本劣化論』が出たのは7月ですが、この本のための対談をしたのは1月末でした。ですので、それ以降も次々と新しいファクターが出てきています。なので、ここでは、その延長戦をやっていければ、と思います。

さて、このイベントは丸善丸の内店の10周年記念でして、ちょうど10年前に何があったかというと、アテネオリンピックがありました。最近、ネットでみて愕然としたんですが、アテネオリンピックの競技施設が10年経って、廃墟になっているんですね。たとえば野球場とか、ススキがはえて、スタンドとかもボロボロで完全に廃墟と化しています。

これをみて、不吉だなと思うは、予定されている東京オリンピックです。もうあと6年後に迫っています。これについて疑問に思うのは、新聞やテレビなど大きなマスコミで、東京オリンピック反対を正面から訴えている会社はひとつもありません。これもひとつの劣化ではないでしょうか。

笠井:東京オリンピックに誰も反対しないのは、日本の劣化を憂慮している人たちがオリッピックをやれば、劣化をとめられるんじゃないかと思っているからでしょう。

新橋駅あたりの街頭インタビューで、サラリーマンが景気をよくしてほしいというけど、その具体的中身は一向に不明なんです。こういった人たちがオリンピックを望んでいる。オリンピックに賛成している読者が多くいれば、マスコミも商売ですから反対しにくいのではないでしょうか。

白井:3.11の津波の大損害、福島の原発事故が本質的には収束していない状況で、オリンピックというお祭りをやっている場合かというのが普通の発想だと思うんですが、そうはなっていない。建設業界からは、資材や人材をとられるため、東北復興に悪影響を与えていると聞こえてきます。こんなことをやっていいのか、できるのかという感覚にとらわれます。

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美濃加茂市長贈収賄疑惑、実況見分しないまま突っ走った検察
江川紹子の「事件ウオッチ」第13回
参考人失神、実況見分せず、調書を“作文” 【美濃加茂市長収賄疑惑】でまたも当局が暴走
文=江川紹子/ジャーナリスト

 検察は、現厚生労働省事務次官の村木厚子さんを巻き込んだ郵便不正事件から、いったい何を学んだのだろうか? ――最年少市長として知られた岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長が、災害対策用の雨水浄水プラントの導入をめぐって現金合計30万円を受け取ったとして、収賄などの疑いで起訴された事件の裁判が9月17日に始まったが、早くも捜査の問題点が見え始めている。

●“犯行現場”の実況見分を怠った検察

 検察側の主張によれば、藤井市長は市会議員だった頃に、業者からの依頼を受けて市にプラント導入を働きかけ、2回にわたって賄賂を受け取ったという。一方、藤井市長は初公判で、現金の授受について「一切ありません」と無罪を主張。さらに、「市にとって有意義な事業であると考え活動をしていたもので、業者に依頼を受けたから動いたのではありません」と述べ、請託の存在も否定した。

 検察側冒頭陳述によると、現金の授受は1回目がファミリーレストラン「ガスト」美濃加茂店で10万円、2回目が名古屋市内の炉端焼き店で20万円となっている。ところが、犯行現場であるはずの、この両店の店内の状況を明らかにする実況見分を捜査期間に行わないまま、検察は藤井市長を起訴した。

 弁護側は、当然、実況見分調書が作成されているものと考え、公判前整理手続の中で証拠開示を求めた。そこで、実況見分が行われていないことが明らかになった後、裁判所の示唆もあり、ガストについては8月25日、炉端焼き店については初公判直前の9月9日になって、ようやく実況見分が行われた。そのため、炉端焼き店の実況見分調書は、公判前整理手続が終了するまでには証拠請求できなかった。

本来、公判前整理手続が終わってから、証拠を後出ししてはいけないことになっている。この場合は、弁護側が同意したこともあって、「やむを得ない事由により公判前整理手続で証拠請求できなかった証拠」として採用された。

 両店は、検察側の主張によれば、まさに犯行現場。そこでの言動について、関係者の供述が信用できるのかを確認するうえでも、現場の客観的な状況を確かめ、記録しておくことは、基本中の基本だろう。こんな基本的な証拠を後出ししなければならないとは、実に恥ずかしい話ではないのか。

 実際、贈賄を認めている業者側の供述と現場の状況がそぐわない点も出ている。

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中国の旦那衆にとって香港の学生運動は獅子身中の虫
【加藤嘉一「中国民主化研究」揺れる巨人は何処へ】

香港「占中」の“北への波及”を恐れる中国政府
強硬姿勢は真の民主主義と自らの退路をも潰す


9月28日以来、中国の国慶節(10月1日)を挟んで、香港の中心部で“反中デモ”が続いている。英国、米国政府が声明を発表するなか、中国政府は内政問題だという公式見解を示している。民主化という視角から、香港情勢はどう影響するのだろうか。  こちら

【上久保誠人のクリティカル・アナリティクス】

香港デモは譲歩を引き出せなくとも大きな意義
 中国共産党が目指すのは日本の「自民党」か


香港で民主化デモが続いているが、中国政府がそれほど大きく譲歩する可能性はほとんどない。だが、今回の香港民主化デモが無意味なものとなるかといえば、筆者はそうは思わない。必ず、中国の将来に重大な意義を持つものになると考える。  こちら
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【特定秘密保護法施行へ】、共同通信

 秘密指定の量産に懸念 政府、丁寧な手続き演出


 安倍政権は1日、国の機密漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法を12月10日に施行する方針を固めた。国民の「知る権利」を損なう懸念が指摘される中、法的期限の2日前に施行日を設定し丁寧な手続きを演出したものの、法律そのものや運用基準の抜本修正は見送っている。行政機関が思うままに秘密指定を量産する懸念は消えない。

 世耕弘成官房副長官は1日の記者会見で「法律で決まった内容に沿い、粛々と進めたい」と述べ、法施行に向けた手続きが最終段階に入ったとの認識を強調した。

 秘密保護法をめぐっては、昨年の国会審議で当時の森雅子内閣府特命担当相が答弁の撤回や修正を繰り返し「国民の不安感を増長させた」(政府関係者)。最終的に自公両党で法案を強行採決した結果、内閣支持率は10ポイント程度下がった。

 政府は法施行までの手続きに「細心の注意」を払う必要があると判断。法運用の在り方を有識者が議論する「情報保全諮問会議」の議事の一部公開や、1カ月間実施したパブリックコメント(意見公募)を受けた運用基準案の微修正など、独善的な色合いを薄める姿勢をアピールしてきた。

 ただ秘密保護法自体は成立後に変更がなく、近く閣議決定する運用基準と政令も7月に政府が初めて示した素案と大差ない内容になる見通しだ。

 法運用では、政府内に新設する二つの監視機関には十分な独立性があると言えず、強制力もないため、チェック機能の実効性に疑問が付きまとう。恣意的な運用を阻止するため秘密指定を扱う官僚らの告発を受け付ける内部通報制度も、通報者の保護措置が不十分との見方がある。
 
2014/10/02 12:25
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福島民友ニュース,原発廃炉作業に違法派遣容疑で暴力団幹部を逮捕
2014年10月7日 

 東京電力福島第1原発の廃炉作業に、国から派遣業の許可を得ず作業員を派遣したとして、いわき中央署と県警組織犯罪対策課は6日午前8時10分ごろ、労働者派遣法違反の疑いで本籍いわき市、住所不定、暴力団幹部、自称無職佐川勇気容疑者(30)を逮捕した。

 逮捕容疑は3月下旬ごろから4月中旬ごろまでの間、自身が経営する同市の労働者派遣会社で雇った男性労働者6~7人を無許可で県内の知人の会社に派遣、第1原発で汚染水タンクのパトロールなどに従事させた疑い。

同署によると、作業員は佐川容疑者が経営する派遣会社に雇われたとされていたが、会社は登記されておらず実態はなかった。作業員らは友人や知人からの口伝えで派遣会社の存在を知ったという。
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あまり長く居座りすぎると水は澱む。理研野依理事長批判記事

堕ちた「ノーベル賞受賞者」野依良治――理研「長期支配」で汚れた晩節  選択。

一部引用・・

 しかしこれが奏功し、野依氏は翌年空席となった理研理事長に滑り込んだ。名大というお山の大将ではなく、日本の科学界トップになったのだ。某国立大学教授の一人は、「野依氏の行動は功罪併せ持つ」と断ったうえでこう語る。

「野依氏は稀有な人材。過去のノーベル賞受賞者であれだけ政治的な動きができる人はいなかった。そのことが日本の科学界にもたらしたものもある」

 理研理事長となった野依氏は、政府委員なども精力的に務めて、予算獲得に邁進する。それは理研だけでなく、科学界全体が恩恵を受けた。民主党政権時代に理研のスーパーコンピューター「京」が事業仕分けの対象になると、他のノーベル賞受賞者を引き連れて会見し、舌鋒鋭く批判した。この国立大学教授は「これまであんなことをできる発信力を持った科学者はいなかった」と振り返る。

 この過程で、野依氏は徐々に科学界の「聖域」となり、表立って物申す人間がいなくなった。西日本のある研究者は、STAP細胞問題が起きた後、知人にこうメールした。

「野依帝が堕ちた」

 STAP細胞騒動でも、科学界のドンとなった野依氏らしいエピソードがある。

 六月五日、論文共著者の若山照彦山梨大学教授は埼玉県和光市の理研本部にいた。若山氏は翌日に会見を予定しており、小保方氏から渡されたSTAP細胞とされる細胞の解析結果を公表するつもりだった。

それを察知した理研から呼び出されたのだ。その場で若山氏は野依理事長から詰問された。会議室には理事全員と若山氏の元上司、竹市雅俊CDBセンター長もネットを通じて参加していた。

「記者会見でなにを発表しようというのか」

 野依氏は決して内容を知りたいわけではなかったのだろう。若山氏は解析結果を詳しく説明したが、最終的には会見を延期するように伝えられただけだった。要は「理研の前で余計なことをするな」と恫喝したのだ。

全文を読む

読売新聞の渡辺読売新聞グループ本社会長・主筆は最高権力者になってから野依さんよりも遙かに長くその席に座っている。

渡辺を批判した清武元読売社員は・・

清武の乱(きよたけのらん)とは、2011年11月11日に起きたプロ野球チーム「読売ジャイアンツ」(以下「巨人」)の運営会社「株式会社読売巨人軍」球団代表清武英利による、同社取締役会長渡邉恒雄への告発に関する問題である。

清武はこの問題を理由に、同月18日読売巨人軍におけるすべての職を解任されている。
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2014年10月06日(月)
「憲法9条」を持つ日本国民にノーベル平和賞を。阿智胡地亭は署名済みです。
発信者
「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会 Executive Committee for “The Nobel Peace Prize for Article 9 of the Japanese Constitution”


【ノルウェーのオスロ国際平和研究所(PRIO)のノーベル平和賞予測「憲法9条持つ日本国民」について】  引き続き署名拡散にご協力お願いいたします。

「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会 Executive Committee for “The Nobel Peace Prize for Article 9 of the Japanese Constitution”
2014年10月6日 ― ご賛同くださっている皆様へ

たくさんの皆様のご賛同・ご支援・ご協力を心から感謝申し上げます。

10月3日に更新されましたノルウェーのオスロ 国際平和研究所(PRIO)のノーベル平和賞予測に関連するニュースを、微力ながらわかる範囲でインターネットから集めてみましたのでご覧いただければ幸いです。 
(閲覧できる日数制限などがあるかもしれませんのでご了承ください。)

関連ニュースサイト

● ノーベル平和賞に「憲法9条持つ日本国民」予想
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141004/k10015113791000.html
NHK - ‎2014年10月3日‎
来週、ノーベル平和賞が発表されるのを前に、予想を行っているノルウェーの研究所は、ことしの受賞候補として戦争の放棄などをうたった憲法9条を持ち続ける日本国民など5つの候補を挙げました。 これは毎年、平和賞の予想を行っているノルウェーの「オスロ平和研究所」が3 ...

● 【ノーベル賞】憲法9条が平和賞の有力候補に浮上 オスロ国際平和研究所が予測
http://www.huffingtonpost.jp/2014/10/03/nobel-peace-prize_n_5930714.html
ハフィントンポスト - ‎2014年10月3日‎
10月10日、2014年のノーベル平和賞が発表される。毎年受賞予測を発表しているノルウェーのオスロ国際平和研究所(PRIO)は3日、「憲法9条を保持する日本国民」を最有力候補に挙げた。他にも、エドワード・スノーデン氏や、ロシアの新聞「ノーバヤ・ガゼータ」など合計5つの ...

● 「日本国憲法9条保持」が有力候補-ノーベル平和賞予想
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NCUHY36KLVRD01.html
ブルームバーグ - ‎2014年10月3日‎
10月3日(ブルームバーグ):今年のノーベル平和賞では、日本国憲法に基づく平和主義の堅持に向けた取り組みや、貧困問題に熱心に取り組んできたフランシスコ・ローマ法王などが受賞者予想の有力候補に挙がっている。 ブックメーカーや調査機関によれば、レイプ被害者の ...

● 【2014年ノーベル賞週間】憲法9条保持の日本国民との予想も 村上春樹氏に注目
http://www.47news.jp/47topics/e/258051.php
47NEWS - ‎19 時間前‎
【ロンドン共同】今年のノーベル賞発表が6日の医学生理学賞を皮切りに始まる。10日発表の平和賞の候補は史上最多の278で、戦争放棄を定めた憲法9条を保持してきた日本国民を最有力視する予想も。文学賞候補の村上春樹氏(65)をはじめ、科学分野でも日本人受賞の ...

● ノーベル平和賞予測、「憲法9条保持する日本国民」浮上
http://www.asahi.com/articles/ASGB376G1GB3UHBI02C.html
朝日新聞 - ‎2014年10月3日‎
10日にノルウェー・オスロで発表される2014年のノーベル平和賞の受賞予測に、「憲法9条を保持する日本国民」が浮上した。受賞予測を毎年発表している民間研究機関、オスロ国際平和研究所(PRIO)が3日、ウェブサイト上の予測リストを更新し、それまで「欄外」だった「 ...

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日本語ネット署名はこちらから。
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御嶽山噴火 登山客「前兆はなかった。ここで死ぬのかと思った」(14/09/27)
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朝日問題を新聞の役割を考える契機に、江川 紹子
2014年9月30日 19時25分

朝日新聞が、激しい非難を浴びている。誤報そのものの重大さに加え、訂正も読者への謝罪も遅れ、池上彰さんのコラム掲載を取りやめるなど、同社の対応は何から何まで拙かった。厳しい批判は当然だろう。

同社は、原発事故調査委員会による吉田昌郎・元福島第一原発所長の聞き取り調書(吉田調書)についての誤報は同社第三者機関「報道と人権委員会」に、慰安婦問題に関しては別に第三者委員会を立ち上げて検証すると発表した。

問題の原因はつながっているのでは?

だが、2つの問題を切り離して別々に検証するというのはいかがか。時期もテーマも別の記事だが、原因は共通しているように思える。慰安婦問題に関しては「戦争責任及び戦後責任の追及」、吉田調書については「反原発」という、朝日にとっての「正義」が、報道の背景に見える。

記事作成に関わる人がみな、事実を「正義」の眼鏡を通して見ていたのではないか。そのうえ、「正義」を担う自信とプライド、それに間違いを認められると「正義」そのものが傷ついたり後退したりするという懸念もあって、間違いを素直に認められずにいたのではないか。

同紙にとっての「正義」は、「戦争責任及び戦後責任の追及」と「反原発」だけではないだろう。この2つのテーマで、問題の根が共通するとすれば、他のジャンルにおける「正義」が関わる報道でも、同じような間違いをしたり、する可能性がある、ということになりはしないか。

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明白な危険の範囲「まさに明白」 首相、不明瞭な答弁、東京新聞
2014年10月4日 朝刊


 安倍晋三首相は三日の衆院予算委員会で、集団的自衛権を行使するかどうかの判断基準になる「新三要件」のうち「国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」の「明白な危険」の範囲に関し「明白な危険とは、まさに明白だ」と述べた。

首相は集団的自衛権をはじめ政権の重要政策に関し「丁寧な説明をする」と口にするが、現実は伴っていない。首相の言葉を考察した。
 (木谷孝洋)

 予算委で「明白な危険」の範囲を質問した民主党の枝野幸男幹事長は「あいまいだ」と追及。だが、首相は「(要件は)結構厳しい。あいまいではない」と取り合わなかった。

枝野氏は「明白な危険の範囲がどこまでか全く答えがない」と批判し、政府の判断次第で歯止めなく広がっていく恐れがあると指摘した。
 首相の言葉は丁寧さが足りず、国民を説得しようという姿勢が感じられないことが多い。

 安倍政権が七月に集団的自衛権の行使容認を閣議決定してから、初めて迎えた本格的な国会。当然、行使を認める必要性などが論戦の大きな焦点になる。

 しかし、首相が九月二十九日に行った所信表明演説に「集団的自衛権」の文字はなかった。民主党の海江田万里代表が各党代表質問で「議論拒否の姿勢だ。国民に丁寧に説明すべきだ」と求めると、首相は「議論拒否の発想はない」と反論しながら、行使容認を反映させた関連法案に関し「膨大な作業のため、少し時間がかかる」と述べるにとどめるなど、必要性の詳しい説明はなかった。

 先の訪米での国連総会一般討論演説では、持論の「積極的平和主義」について「人間を中心に据えた社会の発展に骨身を惜しまなかったわれわれが獲得した確信と、自信の、おのずからなる発展の上に立つ旗」とだけ説明。海外での自衛隊の活動拡大という重要な意味には触れなかった。

 論理より感情に訴える面も目立つ。

 集団的自衛権の必要性を唱えた五月の記者会見が典型例。邦人輸送中の米輸送艦を守れるようにすべきだと訴え、赤ちゃんを抱いた女性や少女の絵を掲げ「船に乗っているお母さんや多くの日本人を守ることができない」と力説した。

 式辞では真意を疑われるケースもあった。

 首相が八月、広島市と長崎市の平和式典で行ったあいさつは、冒頭と末尾が昨年と酷似していて「コピペ(文章の切り貼り)」と指摘された。長崎市のあいさつは、核廃絶など政府の取り組みを説明する部分まで、三日前の広島とほとんど同じ表現。長崎市民が今年、初めて聞いた言い回しは皆無に近かった。
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日中首脳は危機感共有と危機回避へ備えるべき、茅原郁生・拓殖大学名誉教授
日中間に衝突回避、紛争拡大防止システムがない
2014年10月6日

 かやはらいくお
1938年生まれ。山口県出身。防衛大学校(6期)卒。62年陸上自衛隊幹部任官、陸幕情報幕僚、連隊長、師団幕僚長等を経て、91年防衛研究所で文官研究職に転官(元陸将補)、同研究部長を経て99年3月に定年退官。

この間、67~69年拓殖大学へ国内留学、76~78年 外務省(中国課)出向、97年 英ロンドン大学客員研究員など。99年4月に拓殖大学国際学部教授。専門は現代中国の政治・国際関係・安全保障。国際協力学科長、大学院:安全保障専攻主任教授など兼任、2009年 に定年退職。

同年6月に名誉教授。現在は、防衛省オピニオンリーダー、日本防衛学会理事、日本安全保 障・危機管理学会・中国部会座長など。防衛省情報本部、幹部学校などの講師。内外情勢調査会、外務省などにも出講。著書に『中国軍事大国の原点―鄧小平の軍事改革研究』(蒼蒼社、2012.3、第24回 アジア・太平洋賞受賞)など著書多数。

 日中関係は今、厳しいせめぎ合いの中にあり、両国で新政権が発足して2年近く経過しながら首脳会談さえ開かれていない。そこには政治・外交面の“冷たい関係”に加えて両国のナショナリズムが関わり、国民意識の面でも相手に好感を抱かない回答が両国で90%を越える状態にある。

 日中間では関係改善を求める動きがありながら相互に不信感が残り、摩擦の接点である東シナ海でも危険な事態が繰り返されている。

 このような事態を踏まえて、日中首脳会談の開催可能性についての環境条件を探り、さらに、開催された場合はどのようなテーマが考えられるのかについて、安全保障の観点から検討してみたい。

日中両国の緊張状態は二国間の問題を超えている

 今日の日中間の軋轢は、2011年9月11日に野田前政権による尖閣諸島一部の政府買い上げに中国が反発したことに端を発した。反日行動は中国各地で大規模デモの勃発や尖閣海域での国家海洋局公船による領海侵犯の反復など緊迫した状況となり、緊張事態は今日も続いている。

 この間に中国では国家海警局の新編など体制強化が進み、大型公船が投入されるなど緊迫度はいっそう高まり、領海侵犯も脱稿前までにすでに延べで96回に及んでいる。現に9月10には海警船4隻の久場島沖への領海侵犯があり、尖閣海域での中国漁船の操業は増加傾向にある。

 さらに東シナ海での緊張事態には軍事力も関わり始めている。2013年1月には東シナ海で中国海軍のフリゲート艦がわが護衛艦に射撃管制用のレーダーを照射するという危険な行為があった。また同年秋に、中国は尖閣諸島を含む東シナ海上空に防空識別圏を設定し、14年5月27日からは東シナ海上空を飛行中の海空自衛隊哨戒機に対して、中国のSu27戦闘機などが30mまで接近するという危険でルール違反の行動が繰り返されている。

 このような国際法や国際慣例を無視するような中国の挑発的な行動は、日米安保条約に関わって米国を巻き込み、二国間の問題を超えてきた。実際、本年4月のオバマ大統領アジア歴訪時には、尖閣諸島有事に日米安保条約第5条の適用が明言されている。

 もう1つの日中間の懸案は2013年暮れの安倍晋三総理の靖国参拝である。靖国参拝が中国によって歴史問題に連動・拡大され、問題を複雑にしている。

 さらにこの問題はポツダム宣言受諾やサンフランシスコ条約による戦後秩序への挑戦と位置づけられ、国際的な運動にまで拡大されている。また、歴史問題という共通点から中国と韓国の連携強化が進み、近隣外交を阻害する事態になっている。同盟国である米国からも、中韓両国との改善を要請されているが、まったく進んでいない。

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ヘイトスピーチはいすれ虐殺につながる
時代の正体(32)ヘイトスピーチ考 地方議員の務め(下) 言葉の力を信じて発信

2014.10.05  神奈川新聞

国はヘイトスピーチを規制する法律をつくるべきだ-。東京都国立市の市議会が人種差別を禁じる法整備を求める意見書を国に提出した。提案者の上村和子市議(59)は「誰もが安心して暮らせるよう、地域から声を上げていくのは当たり前で、地方議員の務め。ほかの地方議会にも続いてほしい」と話す。

 国連の人種差別撤廃委員会がヘイトスピーチを規制するよう日本政府に勧告したのは8月下旬。意見書提出に迷いはなかった。

 「ヘイトスピーチは人権侵害であり、差別は表現の自由には当たらない。国連の勧告はまっとうなもの。意見書だって特別な内容じゃない。マイノリティーが安心して暮らせなければ、誰もが安心して暮らせるまちにならない」

 上村さんが案文を練り、議長を除く市議20人のうち19人が署名欄に名前を連ねた。「私は1人会派だが、自民も公明も共産も関係なく賛同した。少子高齢化を迎え、誰もが社会的弱者になり得る時代、国立市が『誰も排除しないまちづくり』を掲げていることもすんなり採択できた背景になった」

 それが必ずしも当たり前ではないと、すぐに気付いた。ヘイトスピーチ規制を求める「全国初の意見書」とNHKで報道されるや抗議の電話が市役所にかかってくるようになる。3日間で50件。過去にない事態だった。

 予感はあった。

 弁護士の師岡康子さんを講師に「ヘイトスピーチとは何か」と題した学習会を公民館で開いたのは、その1カ月前。裁判で不法行為と認定された京都朝鮮第一初級学校への差別街宣を収めたDVDを見た。「ゴキブリ朝鮮人は朝鮮半島へ帰れ」「保健所で処分しろ」と叫ぶ男たちの姿に上村さんは思った。

 「一部の過激な人がやっているといった遠い世界の話ではない。問題はこれを許容する社会か否か、だ。差別を下支えする空気にこそ目を向けなければ」

 ■殺すを止める 

 抗議する人が意見書の全文に目を通しているようには思えなかったが、ほとんどが「特に在日韓国・朝鮮人(コリアン)への人種差別的デモ・集会をする団体によるヘイトスピーチのまん延」という一文に怒りをぶつけてきた。

 自宅にもかかってきた。受話器を取ると女性だった。

 「在日は日本の国旗を侮辱して、従わない。もっと好かれる努力をすべきだ」と言う。上村さんが友人として知る在日コリアンからは遠く離れた在日像。少なくとも死ね、殺せというのは問題ではないかと聞き返すと「嫌われても仕方ない。在日は税金を払っていないじゃないか」と脈絡なくまくしたてた。

 「在日の人も税金は納めている。議員である私が言っても、この女性は一円も払っていないと言い張る。税金を払っている自分は被害者だ、と」

 いわゆる「在日特権」としてインターネット上に流布し、ヘイトスピーチの現場でもよく聞かれるデマ。事実無根のうそをうのみにし、自らを虐げられた位置に置き、一方的に憎しみを肥大化させていく人たち。上村さんはゆがんだ被害者意識の背後に差別を正当化する蔑視の闇をみる。

差別されて仕方のない在日が優遇されているのが許せない、という非常に激しい感情だ」

 そして思った、という。「この人は時代が時代になれば在日コリアンを殺すだろう。人を殺すには、殺せる自分にならないといけない。ヘイトスピーチを許容するということは、在日は差別されようが、何を言われようが、何をされようが構わないということだ。いま語られているのは、殺すための理由なのだ」

 安倍政権による集団的自衛権の行使容認に危機感を覚え、地方議員の一人として異を唱えてきた。戦争ができる国への歩みはしかし、足元の地域から始まっているのかもしれないとさえ思う。

 ■人の心動かす 

 蔑視に基づく「在日はわきまえろ」「好かれる努力をしろ」の叫び。「つまり日本人に同化しろと要求している。そう言う人はその場の空気にすがるように合わせて生きているのだろう」。いまに生きる人々の悲鳴に聞こえなくもない。「誰かに死ね、殺せという人は自分の命を慈しむこともできないだろう」

 地方議員だから、地域で生活に困窮した人たちと向き合う。老いや病気、失職をきっかけに転落はたやすい。

 「自分こそは多数派だという幻想にとらわれている人がヘイトスピーチに走るのだろう。誰もが社会的弱者になり得るし、自分も少数派だと自覚できれば助け合い、支え合うことができるのに。しかし、落後の不安が逆の方向へ駆り立てている」

 では、どうすれば。

 いま、恐怖感がある。

 「ヘイトスピーチをする一団が自分のところにも来たらどうなるだろうと考えるようになった。マイクの大音量に一人でも反論できるだろうか。だが、不安だからこそ発言を続けなければいけないと思う。そうして共感する仲間を一人でも増やしていくしかない」

 言葉で人の心を動かすのが政治家の仕事だから、その力を信じる。

 「意見書を出し、抗議を受け、問題の深刻さが見えてきた。思っていた以上にこの意見書には意味がある。だから、国会議員には重く受けてほしい」。そして、呼び掛ける。「意見書に限らなくてもいい。ほかの地方議会でも同じ思いを持つ議員に出てきてほしい」

〈ヘイトスピーチを含む人種及び社会的マイノリティーへの差別を禁止する法整備を求める意見書〉

 国連人権差別撤廃委員会は8月29日、日本政府に対して、ヘイトスピーチ(憎悪表現)問題に「毅然(きぜん)と対処」し、法律で規制するよう勧告する「最終見解」を公表しました。

 日本が1995年に加入した「人種差別撤廃条約」では、参加国で差別が行われていないか、一定の期間を置きながら、国連の人種差別撤廃委員会が審査してきました。

 今回の「最終見解」は、日本への審査の総括として、同委員会が8月29日に採択したものです。最終見解は、日本のヘイトスピーチの状況にも言及しており、特に在日韓国・朝鮮人(コリアン)への人種差別的デモ・集会をする団体によるヘイトスピーチの蔓延(まんえん)や、政治家・公人によるヘイトスピーチが報告されたことや、メディアでのヘイトスピーチの広がりなどについて、懸念が表明されています。さらに、そうした行為が適切に捜査・起訴されていないことも、懸念点だとしています。

 こうした懸念状況に対して、最終見解は、ヘイトスピーチを規制するための措置が、抗議する権利を奪う口実になってはならないと指摘するとともに、「弱者がヘイトスピーチやヘイトクライムから身を守る権利」を再認識するよう指摘しました。

 そして、人種及び社会的マイノリティーへの差別的な表明や差別的暴力に断固として取り組むことや、メディアのヘイトスピーチと闘うため適切な手段をとること、そうした行為に責任のある個人・団体を訴追したり、ヘイトスピーチをする政治家・公人に制裁を科すことなどを、政府に勧告しています。

 一刻も早く人種差別撤廃委員会の31項目の勧告を誠実に受けとめ、ヘイトスピーチを含む人種及び社会的マイノリティーへの差別を禁止する新たな法整備がなされることを、国立市議会として強く求めます。

【神奈川新聞】
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一見「理想の彼」なのに女性をボロボロにする男の特徴、ハフポスト
2014年10月04日 15時22分 JST

一見すると仕事ができ、自立していて、女性に人気のある「理想の彼氏」。そんな男性と交際を始め、最初は順調だったのに、数ヶ月を過ぎたあたりから「彼は本当に私を愛しているの?」と悩み始め、辛い日々が続く......。こんな恋愛を経験したことはありませんか?

恋愛に悩みはつきものですが、このような男性の中には、あなたを不幸のどん底に陥れる「吸血男子」が潜んでいることがあります。それは「回避性依存症」傾向のある男性です。

回避性依存の傾向がある男性と交際すると、いつも「彼に愛されているか分からない」という不安に駆られ、常に彼との関係に悩むことになります。彼の回避性依存症が重症の場合は、DVやモラルハラスメントのような言動をすることも。そんな回避性依存症の男性の特徴や見抜き方について解説します。

■回避性依存症とは?

回避依存症とは、一言でいうと、「他人と親密になることを回避する」ことです。自信満々に見えても、本当は寂しがり屋で、「人と親密になり、その人から捨てられるのが怖い」という弱さや、「相手の要求に応えきれないのではないか」という不安が心の奥底に潜んでいます。そのため、人と親密になるのを避けてしまうのです。

しかし一方で、「自分を好きでいてくれる人」「必要としてくれる人」を強烈に欲しています。相手を自分に惚れさせることに快感を覚え、相手を「落とす」ために気を引く行動をマメに行うため、最初は「理想の彼」に思えます。回避性依存症に「モテる人が多い」のはこのためです。

■回避依存症の4タイプ

回避依存症の人は、相手が自分に惚れ込むと、途端に「捨てられる恐怖」から逃れるため、問題行動を起こすようになります。回避性依存症には、以下の4タイプがあると言われています。

(1)独裁者タイプ

上下関係を作り、自分の思い通りに相手をコントロールしようとします。何かにつけて相手の自己評価や自尊心を下げるようなことを直接的、間接的に伝え、相手に「私は価値のない人間だ。この人がいないと生きていけない。」と思いこませ、離れられなくなるように仕向けます。これが暴力によって表現された場合はDVとなります。

心理学者である伊藤明氏の著書、『恋愛依存症』によると、独裁者タイプの行動例として、以下のようなものが紹介されています。

・突然テレビの上を指でなぞり、指に少しでもホコリが付くと、「お前は掃除すらちゃんとできないのか?」などとなじる

・牛乳をコンビニエンスストアで買ったレシートを持ち出し、スーパーで買うよりも数十円高いことを「浪費をしている」と非難する

・その他、料理や洗濯、しゃべり方、人付き合いの仕方など、何から何まで細かく口出しし、悪い点を指摘する

・反論をすると家の中のものを破壊するか、相手が謝るまで口をきかない

・しかし自分のことは全て棚に上げており、家事などは何もせず、浪費する

このタイプは、言葉や態度、身体的な暴力など、あらゆる手段で上下関係を作り、相手を支配しようとします。

(2)搾取者タイプ

相手の罪悪感に訴えて、相手からお金や労力、セックスなどを搾取します。独裁者タイプが「相手を支配」しようとするのに対し、搾取者タイプは「相手を利用」しようとするのが特徴です。

差別されて仕方のない在日が優遇されているのが許せない、という非常に激しい感情だ」

 そして思った、という。「この人は時代が時代になれば在日コリアンを殺すだろう。人を殺すには、殺せる自分にならないといけない。ヘイトスピーチを許容するということは、在日は差別されようが、何を言われようが、何をされようが構わないということだ。いま語られているのは、殺すための理由なのだ」

 安倍政権による集団的自衛権の行使容認に危機感を覚え、地方議員の一人として異を唱えてきた。戦争ができる国への歩みはしかし、足元の地域から始まっているのかもしれないとさえ思う。

 ■人の心動かす 

 蔑視に基づく「在日はわきまえろ」「好かれる努力をしろ」の叫び。「つまり日本人に同化しろと要求している。そう言う人はその場の空気にすがるように合わせて生きているのだろう」。いまに生きる人々の悲鳴に聞こえなくもない。「誰かに死ね、殺せという人は自分の命を慈しむこともできないだろう」

 地方議員だから、地域で生活に困窮した人たちと向き合う。老いや病気、失職をきっかけに転落はたやすい。

 「自分こそは多数派だという幻想にとらわれている人がヘイトスピーチに走るのだろう。誰もが社会的弱者になり得るし、自分も少数派だと自覚できれば助け合い、支え合うことができるのに。しかし、落後の不安が逆の方向へ駆り立てている」

 では、どうすれば。

 いま、恐怖感がある。

 「ヘイトスピーチをする一団が自分のところにも来たらどうなるだろうと考えるようになった。マイクの大音量に一人でも反論できるだろうか。だが、不安だからこそ発言を続けなければいけないと思う。そうして共感する仲間を一人でも増やしていくしかない」

 言葉で人の心を動かすのが政治家の仕事だから、その力を信じる。

 「意見書を出し、抗議を受け、問題の深刻さが見えてきた。思っていた以上にこの意見書には意味がある。だから、国会議員には重く受けてほしい」。そして、呼び掛ける。「意見書に限らなくてもいい。ほかの地方議会でも同じ思いを持つ議員に出てきてほしい」

〈ヘイトスピーチを含む人種及び社会的マイノリティーへの差別を禁止する法整備を求める意見書〉

 国連人権差別撤廃委員会は8月29日、日本政府に対して、ヘイトスピーチ(憎悪表現)問題に「毅然(きぜん)と対処」し、法律で規制するよう勧告する「最終見解」を公表しました。

 日本が1995年に加入した「人種差別撤廃条約」では、参加国で差別が行われていないか、一定の期間を置きながら、国連の人種差別撤廃委員会が審査してきました。

 今回の「最終見解」は、日本への審査の総括として、同委員会が8月29日に採択したものです。最終見解は、日本のヘイトスピーチの状況にも言及しており、特に在日韓国・朝鮮人(コリアン)への人種差別的デモ・集会をする団体によるヘイトスピーチの蔓延(まんえん)や、政治家・公人によるヘイトスピーチが報告されたことや、メディアでのヘイトスピーチの広がりなどについて、懸念が表明されています。さらに、そうした行為が適切に捜査・起訴されていないことも、懸念点だとしています。

 こうした懸念状況に対して、最終見解は、ヘイトスピーチを規制するための措置が、抗議する権利を奪う口実になってはならないと指摘するとともに、「弱者がヘイトスピーチやヘイトクライムから身を守る権利」を再認識するよう指摘しました。

 そして、人種及び社会的マイノリティーへの差別的な表明や差別的暴力に断固として取り組むことや、メディアのヘイトスピーチと闘うため適切な手段をとること、そうした行為に責任のある個人・団体を訴追したり、ヘイトスピーチをする政治家・公人に制裁を科すことなどを、政府に勧告しています。

 一刻も早く人種差別撤廃委員会の31項目の勧告を誠実に受けとめ、ヘイトスピーチを含む人種及び社会的マイノリティーへの差別を禁止する新たな法整備がなされることを、国立市議会として強く求めます。

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ついにFC2に法のメスが!>公然わいせつほう助容疑、BLOGOS
弁護士 紀藤正樹 Masaki kito2014年10月02日 00:03

 大阪のネット会社「株式会社ホームページシステム」に家宅捜索

ようやくですが、2014年9月30日は、インターネット史上、ある意味で、歴史的な日となったので、記録しておきます。

FC2は、表向きは、ネバダ州に本社を持ち米国人が代表者とされ、米国に企業があることを理由に、ネット上では、日本法を無視した、わいせつだけでなく、名誉き損・プライバシー侵害なども含めて、何でもありの状態の、言わば「表現の自由万能論」教団と化していたのですが、ついにこの「FC2」に、法のメスが入ろうしています。

実質的な代表者は日本人で、ロサンゼルスに住み、この間、摘発逃れをしてきましたが、京都府警サイバー犯罪対策課など5府県警の捜査は、どこまで伸びるのでしょうか。

以下の毎日新聞の記事によると、「FC2は、2000万人の視聴者を抱える大手動画サイトで、1999年に設立。運営法人は米ラスベガスにあるとされる。府警は、ホームページシステムが事実上運営するダミーの法人とみて捜査を進める方針」だとのことです。

捜査の結果次第では、名誉き損やプライバシー侵害の被害者にとっては、朗報です。

捜査の進展を大きく期待しています。

ところで、実は、このFC2の会社の実態は、既にその一部がwikiでも明らかにされています。

wikiによると、

「運営会社=FC2は米国法人とされているが、2006年の雑誌『Yahoo! Internet Guide』5月号に掲載された代表の高橋理洋のインタビュー記事によると、2006年時点では兄の高橋理洋と弟の高橋人文の2人が中心になって運営がされており、正社員は17名で、ほかに非常勤スタッフが約30名いるとしている。Webサービスのアクセス数の95%は日本からである。広告代理店は株式会社ホームページシステムである。」とされています。

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続報真相 米軍飛行場辺野古移設 菅さん、これでも「過去の問題」?、毎日新聞
特集ワイド:
2014年10月03日 東京夕刊

 終わったハナシ、らしい。

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古沖への移設問題のことだ。県知事選(30日告示、11月16日投開票)を前に菅義偉官房長官は「過去のもの」と切り捨て、争点にならないと強調するのだが、本当にそうか。安倍晋三首相の言葉によれば「沖縄の方々の気持ちに寄り添う」政府の姿勢を確かめるべく、現地を歩いた。

 東京から南西に約1600キロ。本州では秋の気配が色濃いのに、沖縄は気温30度超。日光が脳天と肌を焼き、セミの声が耳を打った。

 9月下旬、名護市辺野古の米海兵隊基地「キャンプ・シュワブ」。ゲート横では日よけのテントの下で、名護市内外の住民ら約30人が座り込んでいた。水に浸したタオルをかぶり「基地建設反対」のプラカードをひらめかせ、ゲート前の国道を行き交う車にアピールする。少し距離を置いて、ヘルメットに防護服姿のガードマン20人ほどが座り込みには無関心なふうを装い、国道を見つめていた。

 その辺野古を9月17日、菅官房長官がヘリコプターで視察した。「下界」で座り込みをしていた住民たちに聞くと、口々に「菅さん? いつ来ていつ帰ったか、分からないぐらいさ。ヘリの音がして『ああ、来たのかねえ』と思ったのも一瞬。すぐ消えた」「空から見て、いったい何が分かるのかね。地べたを歩いて初めて、海を埋めてここに基地造っていいか悪いか、分かるんさ」。琉球新報によると視察時間は5分、らしい。

 昨年12月、仲井真弘多(ひろかず)知事(75)が辺野古沖の埋め立て工事を承認した。このまま移設が進むかと思いきや、今年1月の名護市長選では移設反対を掲げた稲嶺進市長が再選。9月7日に投開票された名護市議選でも反対派が過半数を占めた。足元から「移設ノー」ののろしが上がる中、迎えるのが知事選である。

 その菅氏、3選を目指す仲井真氏に対抗して、移設反対を掲げる元自民党県連幹事長の翁長(おなが)雄志・那覇市長(64)が知事選出馬を表明した9月10日に「(仲井真氏が)承認し、それに基づき粛々と工事している。この問題は過去のものだ」と発言した。安倍政権にとって、辺野古移設に問題は存在しない、ということか。

 ◇沖縄のことは沖縄で決める

 「あまりに県民をバカにした発言です。僕はこのままではもう沖縄は独立するんじゃないかと。少なくともそういう方向に県民が向かっていることは間違いない」

 過激な革新系ではない。沖縄自民党の長老格が実に暗い声でそうつぶやくのだ。那覇市の隣、南風原(はえばる)町。仲里(なかざと)利信さん(77)は県議会議長や党県連顧問を務めた沖縄保守政界の重鎮である。8歳で経験した沖縄戦。本島北部の壕(ごう)で日本軍に「毒入りおにぎり」を渡され自決を迫られ、壕から逃避中には弟を栄養失調で失った経験がある。

 「県民にとって基地ほど重いものはない。本土政府が何と言おうと、各種の世論調査で県民の7割が辺野古移設に反対しているんですよ。それを『過去の問題だ』という。こたえましたよ、精神的に。我々の民意など関係ない、ということですな。ならば我々もあなた方の都合など関係ない、沖縄のことは沖縄で決める。そう思うのは自然でしょう」。基地問題の資料がうずたかい応接間で、仲里さんの声が高くなった。

 もともと辺野古移設には賛成だった。政府が移設候補地を辺野古としたのは1996年、橋本龍太郎内閣の時だ。市街地にある普天間飛行場は最も危険で、移設は急務だと感じた。わだかまりはあったが、他の選択肢もなかった。当時の橋本首相や梶山静六官房長官、後を継いだ小渕恵三首相や野中広務官房長官が繰り返し沖縄を訪れ、「ヘリ視察」はおろか、現場を歩いて党県連幹部や名護市長に頭を下げる姿が印象に残った。

 何より決め手となったのは「辺野古基地の軍民共同利用」「米軍の基地使用期限は15年間」という方針だった。「移設に賛成したのは、豊かとは言えない名護市など北部の経済振興に、返還後の基地を活用するためです。それなのに……」。やがて方針は立ち消え、辺野古には「強襲揚陸艦が接岸可能」「2本の滑走路」など、普天間以上の基地とする計画が次々に明らかになった。しかも米軍には辺野古を返還する意思はない。「結局、自然を壊して新基地を一つ、沖縄に押し付けるだけか、と裏切られた思いでした」

 2012年の衆院選で、沖縄選出の自民党国会議員4人はいずれも「県外移設」を掲げたが、後に公約を撤回した。昨年末には県外移設を訴えていた仲井真氏までも辺野古移設に転じた。経緯を巡り、今もさまざまなうわさが飛び交う。

 仲里さんは公約撤回を批判して党顧問をやめ、さらに今年1月の名護市長選で党方針に反して稲嶺市長を支援し、自民党を除名された。「沖縄が基地を引き受けているから日本の防衛費は今の水準で済んでいる。本来なら毎年十何兆円もかかるでしょう。それを何だ。現実に座り込みをしている住民がいるのに『過去の問題』? 本土の皆さんは分からんだろうが『これ以上、本土に都合良く利用されてたまるか』というぐらい、県民は怒っているんです」

 仲里さん宅を辞し、那覇市街を歩いた。週末の繁華街「国際通り」は歩行者天国。観光客がひしめき、路上では女性歌手が「東京ブギウギ」を歌っていた。

 近くの飲食店で移設容認派の県議に会った。「党本部が移設推進で固まっているから、勝手なことは言えないが……」と前置きしながらも、政府へのいらだちを隠さない。

 「『過去の問題』じゃないだろ、勘弁してよ、というのが正直なところ。仲井真さんだって県内移設は本当は嫌だし、基地を歓迎する県民はいませんよ。それでも18年間、動かなかった普天間問題を何とかしようと、つらい決断をしたんです。それなのに当の政府が後ろから鉄砲撃つようなマネして……」

 翁長氏擁立に動いたのは那覇市議会の自民党市議たちだ。県議は「基地問題だけではない。例えば県連中枢の役職につけない地方議員、特に那覇市議の不満が(反仲井真氏側に回った)背景にあるんですよ」と明かした。

 ちなみに仲井真氏は9月25日の県議会で「辺野古も争点の一つ」と答弁し、菅官房長官ら政府の認識と異なる立場を強調した。「名護市長選や市議選で移設反対の民意が示されたんだから仲井真さんの答弁は当然です。でも一方で普天間飛行場周辺の住民の苦しみもあるし……同じ沖縄人が、基地を巡って対立するのは悲しいですよ。独立論? 気持ちは分かるが、反対です。私は日本人です。何より国からのお金が入らないと沖縄は干上がってしまう」

 ◇あいまいにはもうできない

 そのお金、安倍政権は沖縄県に21年度まで毎年3000億円の「沖縄振興予算」を約束した。辺野古移設を容認した事実上の見返りだ。

 14年度分は民主党政権時代の12年度から約500億円上積みされた3460億円。だが実は1800億円ほどは学校耐震化や那覇空港滑走路整備、不発弾処理など、国の本来の事業や全国どこでもやっている事業だ。県庁前で移設容認派の団体が「振興予算で沖縄は大発展」とうたったチラシを配っていた。

 この「振興予算」に複雑な思いを抱くのが那覇市議の仲松寛さん(51)だ。約10年間、自民党県連事務局長を務めた若手の代表格だが、やはり辺野古移設に反対し、除名された。「例えば国が瀬戸内海に橋を架けたり、本土の道路や空港を整備したりするのは周辺自治体が米軍基地を引き受けたからですか? 国土発展、国民の利便性向上に財政支出するのは政府の当然の責務でしょ? それを沖縄では基地受け入れの取引材料にされる。だから沖縄の人の心は政府から離れ、独立論が出てくるんです」と苦い顔をした。県内では昨年、地元大学教授を中心に「琉球独立」を考える学会が設立された。

 沖縄の主要産業の一つは観光だ。辺野古のある北部は美しい自然が残り、観光客の人気が高い。その辺野古の海を埋めていいのか、そもそも辺野古でなければいけないのか、何より沖縄に基地が必要なのか--。「私は保守政治家で日米同盟堅持派です。でもこうした疑問を、もうあいまいにできない。本土と沖縄の関係を見直すためにも、知事選で民意を明らかにして国と向き合いたいのです」

 仲井真氏は自民党の全面支援を受けるが、移設反対の声もある公明党県本部の態度は不透明だ。翁長陣営は都市部の保守層や労組・革新系が推す「保革連合」で、公明票を取り込めるかはやはり見通せない。前衆院議員の下地幹郎氏(53)は県民投票で移設の是非を問うとし、民主党県連代表の喜納昌吉氏(66)は党本部方針に反して埋め立て承認の撤回を打ち出す。

 「沖縄の気持ちに寄り添う」のなら、知事選で示される民意を無視することは許されないはずだ。【吉井理記】

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120年ぶり! 民法大改正の深層、 週刊ダイヤモンド編集部

知らなきゃ損するサラリーマンの法律入門

【14/10/11号】 2014年10月6日

 日清戦争が終結した翌年の明治29(1896)年に産声を上げた民法。

それから120年の時を経て、契約ルールを定めた部分が大幅に改正されることとなった。8年間にわたって議論されてきた民法の実質的な改正案がようやく固まったためだ。

市民生活の最も基本的なルールを定めているだけに、その影響は大きく広範囲に及ぶ。

 都内に事務所を構える弁護士の男性は9月初旬、ある資料を食い入るように読んでいた。

 資料のタイトルは、「民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案」。2006年に法務省が、民法の全面的な改正を打ち出して以降、実に8年余りの歳月を経て、ようやく固まった実質的な民法改正の最終案だ。

 実はこの弁護士、ある金融機関からセミナーの講師を依頼されていた。その名も「民法改正が与える影響について」。金融機関の取引先を集めて、民法改正の中身を詳細に解説するというものだ。

 弁護士の元には、こうしたセミナーの依頼が地方の経済団体や大学などから相次いでおり、その準備に追われていたのだ。

 まさに民法セミナーの〝花盛り〟ともいうべき状況がやって来そうな様相だが、それには理由がある。

 民法の改正をめぐっては、最終案に至る過程で議論が紆余曲折、昨年3月に公表された「中間試案」からも大きく変わっており、簡単には理解できないからだ。

 そのため、冒頭の弁護士も資料と格闘しながら、一言一句、変更点などをチェックしていたというわけだ。

 では、どうしてそんなに議論が混乱したのか。

 そもそも日本の民法はルールを重視し、それに基づいて契約の有効性を判断する「大陸法」がベースとなっており、ルールがない部分については判例を積み重ねる形で対応してきた。

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