2016年1月22日金曜日

福島原発事故が起きた2011年3月19日から3月23日の「阿智胡地亭の非日乗」の記事

2011年03月23日(水)
[こんな論考を読んだ] 3月23日
○ 「豊かな日本」の終わり

一部引用・・

1980年代には、石油危機のあと「脱・石油」の旗印のもと、原発が推進されました。民放のローカルニュースにはたいてい電力会社がスポンサーになっていたため、反原発の番組はほとんどなく、新聞も同じでした。特に朝日新聞は、科学部の木村繁部長と大熊由紀子記者が激しい原発推進キャンペーンを繰り広げていました。社会部の記者はみんな反対派でしたが。そんな中でスポンサーのないNHKは、反原発のリーダー的存在で、私も伊方原発訴訟の一審と二審を取材して、国と反対派の討論番組をつくりました。当時は、原発をテレビで取り上げること自体がタブーで、四国電力の社長が記者会見で「NHKの番組は偏向している」と名指しで批判したこともあります。

当時も今も、原発の問題点は変わりません。原さんもいうように、軽水炉の技術的な限界による炉心溶融の可能性は否定できず、放射性廃棄物の処理と保管は数百年もかかる終わりのない作業です。NHKも「原子力」というシリーズを何回もやりましたが、結論はいつも同じで、原発事故は論理的には起こりうるが、日本の原発の安全設計は世界一なので現実的にはそのリスクは小さいということでした。

全文はこちら

日本は「核なき世界」の先導者になるべきだ

一部引用・・

我々一般人には何をすることもできない福島の事態が、現場作業員と自衛隊・警察の命を顧みない献身的な活動によって制御に成功するよう祈るしかない。が、成功したとしても、そして成功しなければなおさら、日本人の誰もが、世界の地震の2割がここで起こるというこの列島に54基もの原発を並べた中で暮らしていこうとは思わないだろう。

 推進側の論理は、まず「絶対安全」で、それで事故や異常が起これば「想定外」と言う。しかしシェルが言うとおり、自然も、その一部である太陽エネルギーも、所詮は人間にはすべて「想定外」であって、「絶対安全」など哲学的レベルから言ってあり得ない。そのような根源的な疑念を抱く人々に向かって推進側が繰り出す最近流行の搦め手は、「原発はCO2を出さず究極のクリーン・エネルギーだ」というものだ。結構じゃないか、放射能を吸い込むくらいならCO2などいくらでも吸ってやる。

 もう1つのやや旧式な搦め手は、「そんなことを言っても、原発は日本人が使う電力の4分の1から3分の1近くを賄っていて、今の便利で快適な文明生活には不可欠だ」というものだ。結構じゃないか、原発を全部止めて貰って、その是非を1万2000年間じっくり研究することにして、取り敢えずは電力消費を4分の1か3分の1減らそうではないか。

 06年度の総発電量は1兆1611億万kWhで、そのうち原発が3034億、26%を占めている。原発分を引くと、8592億で、これは1990年の総発電量8573億とほぼ同じ。何も困ることはないのではないか。もちろん、90年当時になかったか、もしくは余り普及していなくて、今は不可欠、もしくはあれば便利という電動器具はたくさんあって、携帯電話、インターネット、IHヒーター、床暖房、温水洗浄便器、電気自動車など様々だが、その中には本当は要らないもの、他に代替可能なもの、別のエネルギー源で賄えば済むものもたくさんあるだろうし、また技術的発達で急激に電力使用量を低減させつつあるものもある。と言っても、電力を使うのは主に家庭用である民生用が3分の1で、44%が産業用、24%が運輸用。運輸用は電車や新幹線など公共交通機関だから減らすのは難しいし減らさないほうがいい。とすると、家庭と産業で使用量を4分の1減らせば、ほぼ原発なしの暮らしが実現する。

全文はこちら]
 
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福島県の放射能アドバイザー山下長崎大学教授
福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーに就任した
長崎大学教授山下俊一氏が外国特派員協会で記者会見を行った。参考記事長崎大教授「健康リスクない」 福島市の空間放射線量
2011年3月21日 19時56分 福島第1原発の事故を受け、福島県が「放射線健康リスク管理アドバイザー」に委嘱した長崎大の山下俊一教授(被ばく医療学)と高村昇教授(放射線疫学)が21日、福島市内で約500人の市民を前に講演。高村教授は「福島市の現時点の空間放射線量で、健康上のリスクは全く考えられない」と語った。 山下教授は質疑応答で「洗濯物は屋内に干して」と呼び掛け、福島県産の原乳や一部の野菜の出荷制限について「政府の責任で安全宣言を出すまで待っていてほしい」と理解を求めた。 さらに「酪農は続けられるのか」との質問に「必ずできるようになる。乗り越えてください」と励ました。 質問した市内の酪農業黒沢美枝子さん(55)は「乳牛を守るため、乳を搾って捨てている。経済的不安はなくならないが、来て良かった」と、少しほっとした様子。 市内の会社員佐藤久美さん(32)も「福島出身ということで、結婚や就職で差別されるのではと心配。教授らの言葉を信じたい」と話した。 (共同)
  http://www.ustream.tv/recorded/13489249
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中国産のほうれん草を使用しております
写真のキャプションは「こんな日が来るとは思わなかった

web上でぱっと見たときは冗談かと思った・・。そうではないらしい。
「狂歌」ならぬ「狂フォト」?

給料日に月給が振り込まれない「日銭商売のアキナイ」は、停電で売り上げが落ちる中で、生活のためには使えるものはなんでも使うしかない。
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2011年03月22日(火)
現時点での「悪い方のシナリオ」 by 飯田哲也
読んでこれは専門家として覚悟を決めて発表した文書だと感じました。判断のためには、全文を読まれることをお勧めします。なぜこの結論を導いたかについてその理路が述べられています。

Ver.0
2011年3月20日
「最悪シナリオ」はどこまで最悪か

~楽観はできないがチェルノブイリ級の破滅的事象はない見込み~

    環境エネルギー政策研究所  所長 飯田哲也

結論部分を引用・・

【暫定的なまとめ】

・ 使用済み核燃料プールで燃料が溶融し,そこで原子炉臨界状態が出現するという再臨界現象はおそらくは起こらないであろう(ホウ素投入はないと安全側に仮定しても)。

・ 再臨界状態が起こるとすれば、その可能性は圧力容器内部の方が相対的に高い。ホウ素投入の効果はあるが、再臨界を抑止できると保障することはできない。

・ 仮に再臨界が起きても、核爆発のように連鎖的・爆発的に広がるのではなく、せいぜいスパイク(瞬間的な臨界超過状態)を何度か繰り返す程度ではないか。

・ その場合、周辺の放射線量(中性子、ガンマ線)は東海村JCO臨界事故のように瞬間的に高くはなっても、核爆発のように甚大な爆発被害が広がることはありそうもない。

・ 再臨界の有無に拘わらず、使用済み核燃料プールでの燃料溶融や圧力容器・格納容器における水蒸気爆発によって、これまでのベント(意図的な圧力開放)をはるかに超える放射能(核分裂生成物)の外部放出の可能性は否定できない。

・ ただし、圧力容器・格納容器の大爆発ではなく、構造上の弱い箇所の破損による瞬時放出に留まると推定される。そのため、黒鉛火災が何日も続いて放射能を大量放出したチェルノブイリ事故とは異なり、瞬時的な放出に留まると推定されるため、深刻な汚染地帯はチェルノブイリ事故よりも限定的に留まるものと推定される。

・ したがって、首都圏や仙台などの大都市の避難勧告のような事態は、おそらく避けることができるものと判断できるのではないか。

・ ただし、最悪シナリオが生じた場合に放出される放射能は、これまで一時的に放出された放射能よりも桁違いに多い可能性があるため、状況の推移によっては、現状の避難範囲(避難20km、屋内退避30km)の再検討やヨウ素剤の配布計画、広範な地域で被曝を最小限に抑えるためのマニュアルの周知徹底などが必要と考える。

  全文はこちら

●飯田哲也
NPO法人:環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長。ルンド大学(スウェーデン)客員研究員。1959年山口県生まれ。自然エネルギーや原子力などの環境エネルギー政策専門家。『21世紀のための再生可能エネルギー政策ネットワークREN21』理事など国際ネットワークも豊富。温暖化ファンドやグリーン電力などを生み出すなど、社会イノベータとしても知られる。中央環境審議会、東京都環境審議会などを歴任、2009年11月には、新政権の25%削減タスクフォース有識者委員、および行政刷新会議ワーキンググループの事業仕分け人に任命された。著書に「自然エネルギー市場」(菊地書館)、「北欧のエネルギーデモクラシー」(新評論)、「自然エネルギー市場」(菊地書館)、「グリーン・ニューディールー環境投資は世界経済を救えるか」(NHK出版)、「日本版グリーン革命で経済・雇用を立て直す」(洋泉社新書)など

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中井久夫先生 大震災
阪神淡路大震災が起きたとき、中井久夫先生は心療内科・精神科の臨床医として多くの弟子筋の医者を糾合し、被害者の誰もが多かれ少なかれ持った心の傷の治療に向かい合った。

先生と共に現地の避難所や病院で被害者の治療にあたり、たくさんの人を救った先生の仲間の中には、そのときの疲労の蓄積からか数年を経ずして若くして亡くなった医者や看護師がいる。

彼らに対する先生の鎮魂の痛切な文章は今も忘れられない。

今回の東日本大地震に関し、神戸新聞の求めに応じて書かれた文章が
掲載された。画像を2段階にクリックすると拡大します


阪神淡路大震災が起きたとき先生は、神戸大学医学部付属病院におられた。当時私も話を聞いて頂いたことがあり、大学病院で先生の教え子に一年間カウンセリングを受けた。
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アルバム、写真…思い出探しに学生ら奮闘
♪ 被災者と同じ思いの若い人たちの活動。メディアはこういうエピソードを拾ってほしい。読んで本当にありがとうと思った。

毎日新聞 3月21日(月)11時19分配信

 「思い出が詰まった大切な写真を持ち主に返したい」

300世帯以上が津波被害を受け、30人が犠牲になった岩手県野田村で、地震後に帰省した大学院生らが20日、がれきの中にあったアルバムや写真を持ち主に引き渡すボランティアを始めた。泥だらけのアルバムをめくって「うちのだ」と喜ぶ被災者もおり、周囲は笑顔に包まれた。

【被災地のために】いま何ができる? わかりやすく解説

 村出身の千葉大大学院生、小田洋介さん(25)らが発案した。小田さんは地震後の14日に車で村に戻った。両親や祖父母は無事だったが、自宅は1階部分が津波で激しく壊された。写真が趣味の小田さんがまず部屋から取り出したのはアルバムだったという。近所の人のアルバムを見つけて届けたところ、とても喜ばれた。道端に多くの写真が落ちているのを見た小田さんは「思い出までなくなるのは悲しい」と、中学の同級生と5人で拾い集めることに決めた。

 19日に村を歩き、がれきの中からアルバムを見つけて回った。20日は村内の路上で段ボールの上にアルバムや写真を広げ、「一時保管しています」と住民に知らせた。自宅に流れついた他人のアルバムを持ち寄る人も現れ、行方不明者の捜索にあたる消防隊員も、見つけたアルバムを「お願いします」と置いていくようになった。

 孫の写真を見つけた建設業、晴山克身さん(61)は「本当に良かった」と笑顔。小田さんは「写真を見つけた人が元気になってくれて、村が活気づいてくれたらうれしい」と話す。【堀江拓哉】
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2011年03月21日(月)
「リビアへの欧米の空爆」は「福島原発事故」が誘因。
♪中露の反対で国連安全保障委員会が静観していた「リビア革命」。
フランスとイギリスがカダフィ政権軍へ空爆を開始した。

この動きの底には「日本の原子力発電所事故」がある、という冷泉分析。

一部引用・・

 3月19日米国東部時間午後にフランス、英国、米国の三カ国は、リビアのカダフィ政権に対して、戦闘機とトマホークなどの巡航ミサイル約110発による空爆を開始しました。日本は、去る3月11日に発生した東日本大震災と東電福島第一発電所の事故という危機がまだまだ続いていますが、今回の空爆に関しては世界の政治経済にとって大きな問題ですので、この時点で要点を整理しておくことにします。

 今回の空爆ですが、次のような経緯を取りました。まず2月中旬からのリビア反政府運動の高揚ということがあり、国軍や外交官を含む多くの人間がカダフィ政権に離反したのに続いて、東部の油田地帯であり第二の首都と言って良いベンガジを反政府側が制圧、程なくして首都トリポリ以外の国土のほとんどを制圧しました。ですが、カダフィ政権側はこれに全く屈することなく、残った兵力を使用して反攻に出ています。

 具体的にカダフィは2月22日以降、航空兵力を利用した反政府側市街地への空爆、油田設備への空爆を開始しつつ、一般市民と石油産業を人質に取る構えを見せ、同時に陸上兵力を使ってジワジワと勢力の反転を図っています。反政府勢力は、リーダーの不在、装備の劣勢ということもあって、これに対抗できていないのです。
 
    ・・中略・・

そのような複雑な連立方程式の中での今回の空爆ですが、大きな背景はやはり「福島原発の事故によるエネルギー論争の中で油田爆撃を匂わせたカダフィ」を国際社会が許さなかったということだと思います。その点では、日本の情勢は世界情勢と密接に関連していることは否定できません。

2011年3月20日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
JMM [Japan Mail Media]               No.627 Saturday Edition-2

「リビア空爆と原発事故の関係をどう理解したら良いのか?」

 3月19日米国東部時間午後にフランス、英国、米国の三カ国は、リビアのカダフィ政権に対して、戦闘機とトマホークなどの巡航ミサイル約110発による空爆を開始しました。日本は、去る3月11日に発生した東日本大震災と東電福島第一発電所の事故という危機がまだまだ続いていますが、今回の空爆に関しては世界の政治経済にとって大きな問題ですので、この時点で要点を整理しておくことにします。

 今回の空爆ですが、次のような経緯を取りました。まず2月中旬からのリビア反政府運動の高揚ということがあり、国軍や外交官を含む多くの人間がカダフィ政権に離反したのに続いて、東部の油田地帯であり第二の首都と言って良いベンガジを反政府側が制圧、程なくして首都トリポリ以外の国土のほとんどを制圧しました。ですが、カダフィ政権側はこれに全く屈することなく、残った兵力を使用して反攻に出ていま
す。

 具体的にカダフィは2月22日以降、航空兵力を利用した反政府側市街地への空爆、油田設備への空爆を開始しつつ、一般市民と石油産業を人質に取る構えを見せ、同時に陸上兵力を使ってジワジワと勢力の反転を図っています。反政府勢力は、リーダーの不在、装備の劣勢ということもあって、これに対抗できていないのです。

 これに対して、オバマ政権はリビア全域に「NFZ(ノー・フライ・ゾーン=飛行禁止区域)」の設定を検討しました。ですが、これは当初は二つのグループから反対を受けました。一つは中ロの2カ国です。米国の覇権につながる問題には、とりあえずブレーキをかけるというのがこの2カ国の「デフォルト」姿勢であるわけで、それ以上でも以下でもないと思いますが、拒否権を持つ2カ国の反対で国連安保理の決議は難航しました。

 もう一つは、他でもない国内のそれも軍部の反対です。反対の理由は、巨額の財政赤字を抱えるアメリカとしては「軍事費を聖域化せず」という大規模な歳出カットを行っており、それを前提とすると「今リビアとの戦争は不可能」という姿勢です。ゲイツ国防長官はそうした前提に基づいてNFZの設定にも消極的でした。

 では、どうして今回はそうした抵抗があるにも関わらず、空爆という事態に至ったのでしょうか、その背景には日本の東日本大震災と福島第一の事故があると思います。
といっても、日本の責任で戦争が始まったのではありません。基本的には次のような四つの要素があると思います。

 まず日本の原発事故を契機とした反原発の世論の高揚により、世界的なエネルギー問題の総見直しが始まっているのは事実ですが、その渦中においても尚、カダフィ政権は「反政府派の徹底弾圧」を叫び、「大油田ベンガジの空爆も辞さない」という姿勢を改めるどころか、攻勢を強めているという問題があります。

 これを受けて、3月17日の国連安保理ではリビアへの「NFZ」設定が中ロを含む10カ国の全会一致で採択されています。これはエネルギー危機の中で油田を人質に、というカダフィの姿勢を見て、万が一実際に油田爆撃があった場合に、このままでは原油価格の急騰は避けられないという危機感の現れだと思います。ロシアは石油輸出国で実は原油高騰にはメリットもあるのですが、大統領選を控えた中で「国際社会への道義的な貢献」を見せる必要があったと見るべきでしょう。スーザン・ライス米国連大使の根回しも相当なものだったようです。

 問題はこの「NFZ」です。どうして2月の時点ではペンタゴンは消極的だったのかというと、「リビア上空は飛行禁止」という宣言は「制空権」を取らないと「全くの空疎な文言」になってしまうからです。そして制空権を取るというのは、相手の航空兵力を打倒するか、あるいはジッと構えておいて「違反したら即撃墜」とすることになるわけで、即戦争を意味するからです。

 では、どうやってこの「NFZ実施イコール即戦争」という抵抗感を乗り越えたのかというと、三つ目の要素になりますが、米国が正面に立つのではなくフランス、英国、そして有志連合としてアメリカという形で、米国が全面的に責任とコストを負うのでは「ない」スキームができたからです。フランスのサルコジ大統領は、来年2012年に二期目の選挙を控えています。ここで国際社会における存在感を見せるということは政治的に十分なメリットがあるわけです。

 オバマとしても、議会や共和党から「財政再建はどうした?」と言われてもフランスが先頭に立ったのを黙って見過ごすわけにはいかないわけで、国民に理解を訴える演説を行って有志連合に加わっています。その方法ですが、「宣言して様子をみる」曖昧な姿勢、あるいは「航空兵力を打倒する」といった乱暴な手法ではなく、「カダフィ側のレーダー施設やミサイル施設、滑走路など航空インフラの破壊」という教科書通りの手法が取られました。

 フランスを先頭に立たせた背景には、もう一つ「アメリカがアラブでの戦闘の先頭に立たない」方が得策という計算があります。アラブで何かに関与すれば、アルカイダ的なグループが怒ってテロ活動を活発化するのが怖いということ、あるいはその危険を増大させたとして国内保守派から攻撃されることなど、政治的な理由が大きいと思います。英国のキャメロン政権も、ブレア政権の「ブッシュの戦争」へのコミットに反対する世論に乗った政権ですから、アメリカ主導よりフランス主導のほうが同調しやすいということもあります。

 ちなみに、この件ではヒラリー・クリント国務長官が相当に周到な工作をしたようです。攻撃開始時点で彼女はまだパリにいました。そして実際の攻撃も、戦闘機は仏軍と英軍のみ、米国は英国と一緒に艦船から発射の巡航ミサイル攻撃を担当するという布陣をとっています。水面下で周到な準備がされていたのだと思いますが、恐らくは相当な効果があったのではないかと思われます。以降は、陸上戦闘に移行するのではなく、この空爆の効果を見極めつつ、カダフィ政権の自壊を待つことになるのではと思います。

 というわけで、現時点では「国民と石油を人質に取った凶悪犯の武器だけを破壊に成功」という理解が基本だと思います。当面はボールはカダフィの方に投げられた形です。ですから、震災の復興にあたり、東日本に展開している米軍に対して「新たに戦争を始めた血塗られた軍隊」というイメージを持つことも、震災で人命の尊さが改めて問題になっている一方で、壮大な人殺しが始まったという印象を持つことは、現時点では必要のないことだと思います。

 では、善玉の仏英米軍がこのまま悪漢カダフィを追い詰めるのを安心して見ていて良いのでしょうか? そう簡単ではありません。一つは、カダフィは本当に何でもやる危険があるということです。つまり仏英米軍に「地上戦闘の覚悟なし」と見透かして、地上で残虐なことをやるという危険です。その場合については、全く予断を許しません。一方で、カダフィ側では国連決議を受け入れて停戦に応じようとした矢先の攻撃だと主張、舌戦の方も複雑化しています。

 もう一つは、「民衆革命」の問題はリビアだけではないという点です。現時点で親米政権のバーレーンとイエメンが「流血の弾圧」を続けており、リビアとは別の展開となっています。別というのは、特にイエメンの場合は政権側が「親米・反アルカイダ」であることが批判の理由であり、アメリカとして革命側を100%支持できないこと、バーレーンも万が一湾岸ドミノなどが発生してサウジが動揺すると大変なことになるからです。

 ですからオバマとしてはエジプトやリビアの「善なる民衆革命」を支持しつつ、後は沈静化をというやや虫のいいことを考えているわけで予断を許しません。一方で、ここのところ人気凋落の甚だしいペイリンは、イスラエルを訪問してネタニヤフ首相と会談して、米国とイスラエルの結束をアピール、暗に「オバマの民衆革命支持は米国益に反する」というメッセージを出しているのです。

 そのような複雑な連立方程式の中での今回の空爆ですが、大きな背景はやはり「福島原発の事故によるエネルギー論争の中で油田爆撃を匂わせたカダフィ」を国際社会が許さなかったということだと思います。その点では、日本の情勢は世界情勢と密接に関連していることは否定できません。

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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家。ニュージャージー州在住。1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学大学院(修士)卒。著書に『9・11 あの日らアメリカ人の心はどう変わったか』『「関係の空気」「場の空気」』『民主党のアメリカ 共和党のアメリカ』などがある。最新刊『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』(阪急コミュニケーションズ)

○「 多国籍軍、爆撃を続行=カダフィ大佐は徹底抗戦」
2011年 3月 21日 10:02 JST
こちら

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阪神大震災と異なる情報のやりとり
阪神大震災を体験した1995年には、震災情報や行政の支援体制などはテレビ/ラジオと新聞を通じて知るしかなかった。

16年後に起こった今回の大陸プレートのズレによる大災害では、情報伝達の手段方法が格段に多様化した。

それらのツールにのって流れる情報量は膨大だが、二つの課題が見える。

一つは大半のクニタミには当たり前でも、情報のやりとりから漏れている高齢者や、ツールを持たない階層のデジタルデバイド。

もう一つはまき散らされる情報の真偽を見分ける「自分の物差し」を持っているかどうか、あるいは持つようにトライしているかどうか。

何が正しくて何がデマかをその時点で仕分けるのは難しい。
しかし出来る限り自分で読み取るしかない。自分の友人・知人とも連携しながら。

 今自分が一つのヒントにしているのは、その記事が一次情報なのか
加工(編集)情報つまり伝聞情報なのか。

流している人や組織が「寄らしむべし知らせるべからず」の官庁系かどうか。

官僚上がりの政治家や評論家のブログを読んでいると、政府を巧妙に攻撃しながらも、官僚や中央官庁の「この期におよんでの不作為」については、官邸主導のため手も足も出ないなどとさりげなく弁護している人が多い。読んで行ってあれっ奇妙な話の展開だと思い、その場で検索すると前歴がすぐわかるのがネット時代の有難さだ。

 今回の災害は地震と津波の被害をもたらしただけでなく、破損した原子力発電所による放射能被害という初めての事態を招いた。

それらの情報、状況は前には共有されていなかった、携帯やツイッターなどのソーシャルメディアで瞬時に世界に伝わっている。

【ソーシャルメディアが果たす機能

Twitterを含むソーシャルメディアは今回、以下の4点の役割を果たしたと思います。
1. 情報共有
中央発表だけでない多元的で多面的な情報の共有
2. 権力監視
政府、関係機関、放送局に対する国民監視のプレッシャー
3. 国際発信
世界に対するリアルタイムの情報発信
4. 気分の醸成
国難に立ち向かう国民全体の一体感の創出
】・・引用元こちら

地球上がこういうメディア状況になっているということに一番疎いのが、東京電力であり、中央官僚だ。そして情報流通業である日本の大手新聞社とテレビ局だ。

今回の大災害は彼らに一番大きな変化を求めているが、かっての歴史を見ても、中からの改革というのはあったためしがない。

あるとすれば、これからソーシャルメディアが持つ機能がフルに動き出し、外から大変革を迫れるかどうかしかない。

いずれにせよどんな状況になっても、糸井重里が言うように【「じぶんのリーダーは、じぶん」ですから、危険をともなうことについても、最後はじぶんがジャッジしてください。】ということは変わらない。

どこかに凄い親分さんがいてはって、私のような三下奴にああせえこうせい言うてくれはるのが一番楽でええんやが・・。難しい渡世になってしもたもんや。

☆10:57追記 こんなエントリーがあった。

「原発事故報道に見た日本のマスコミの姿勢」こちら

「関東大震災は新聞業界を大きく変えた。今回も変わるだろう」
こちら
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2011年03月20日(日)
佐藤康雄東京消防庁警防部長と隊長たち
 口ごもることなく、きびきびと、しかも聞き取りやすい音量で喋る人物がテレビ画面に映っていた。

字幕を見ると、福島原発の3号機の放水作業の総指揮を執った
佐藤康雄東京消防庁警防部長」だった。

彼の部下が実行した作業を時系列に沿って、開始から終了まで丁寧に
目に見えるように説明していく。実に小気味がいい。

実務に精通している人だけが自然に醸し出す自信と余裕。

今度の原発事故関係でテレビに現れた日本人の中で、瞠目すべき人が
初めて現れたような気がした。こんな指揮官が日本にはまだいるのだと、
おおげさかもしれないが何かジーンときながら説明を聞いた。

事故が起きた時点で、今回出動した放射能火災に備えた特別チームに
必ず出動命令あるべしと想定したこと。

出動が確定する前に、すでに河川敷で特殊車両の3方式について、それぞれ実地訓練を行っていたこと。

机上計画を立てたうえで、現地での臨機応変対応あるべしの心構えで臨んだこと。事実、実際の作業は想定外のことが起こったこと。すなわち津波で構内道路が荒れていて、特殊ポンプ車もホースも想定ルートを通すことが出来ず、屋外の人手の作業が増えてしまったこと。

たんたんと語っている中に、部下が全身に浴びる放射能を、規定の範囲以下で作業をさせるかに、いかに腐心したかを浮かび上がらせていく。

下手をしたらこの二つの隊の精鋭40名の生命を危険に晒す・・。

両サイドに座った二人の隊長の話も聞きながら、
「職務に対する責任感、使命感」「組織の規律」「隊員の士気」
という抽象語を具現化、体現化している人たちが、今まさに目の前にいるんだと強く、強く思った。

彼らの全身が発する雰囲気は、いざ火災現場に出れば、消防隊員は常に生と死が隣り合わせの職場ということから来るのだろうか?
 まことに見事な職業人がいることを教えてもらった。

我が命令を部下に一切の疑点なく周知徹底する。それが出来ないことには火消しのカシラにはなれないしなってはいけない。そうでなければ火事を消すことは出来ないし、部下を殺すかもしれない。
 
彼らの会見場における、あの見事な挙措はこの会見だけのものではなく、そういう職場の職業人が自ずと24時間身につけているのだろうと感じた。

 佐藤総指揮官は朝家を出て勤務についてから、福島への出動命令を受けたので、(二人の隊長も部下たちも)奥さんには「福島へ出動することになった」とメールで連絡したそうだ。

奥さんからの返事がまたいい。「日本の救世主になってね」と。

最悪のケースを常に想定して家から旦那を送り出す奥さんたちがいる
職業。あまり気が付かなかったが、そういう職業は結構あるのだと思った。

 胸がいっぱいになりながら説明を聞いたが、記者会見の最後が最悪だった。

記者クラブの記者の質問

「あのぅ・・、今のお気持ちを教えてください」

「今ぁ、何が一番したいか教えてください」

ガクっと倒れこみそうになった。

 坊やたちの腑抜けた質問に怒りもせず、真面目に答える3人の消防署の大人たち。

質問力に報道記者の存在価値がかかっている。
こんな記者たちはもういらない。

 余談ながら、大手メディア業界には40代、50代のベテラン記者と言うのはいないのだろうか。世間の会社なら部課長クラスがビジネスの前面に出ている。その分野の経験と勉強に裏付けられた突っ込みのある質問をして欲しい。20代、30代の薄くてステレオタイプの質問では、とてもじゃないが、読者の知りたいことを聞き出すことは出来ない。

ホント、質問の相手は真央ちゃんでも石川クンでもないんですが・・・
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大阪地裁は大阪地検の拘留請求を却下  かってないこと。
♪村木訴訟で冤罪を作っても懲りない大阪地方検察所。それに反して本来のあるべき裁判所の機能を果たしている大阪地方裁判所。大阪地裁の担当判事は法曹ムラでの自分の地位に関し、もうとっくに出世を諦めた?から怖いものがないらしい。おそらく現在の判事の80%はこういうまともな判断をする判事だろうと思う(思いたい。)

警官暴言被害者の勾留請求を却下  大阪地裁
2011.3.15 19:46 MSN産経ニュース

 大阪府警東署警部補、高橋和也被告(35)=脅迫罪で公判中=から任意の取り調べで暴言を受けたとされる会社員、岡本和真容疑者(35)=強要未遂容疑で再逮捕=について、大阪地裁(遠藤邦彦裁判長)は15日、「本来の目的を逸脱し、不当に拘束しようという疑いがある」として、検察側の勾留請求を却下する決定をした。

 岡本容疑者は10日に強要未遂容疑で再逮捕される前に窃盗罪で起訴されていたため、弁護人は15日、地裁に保釈を請求。決定に対し「妥当な判断」とコメントした。

 決定理由で遠藤裁判長は、在宅起訴にとどまった高橋被告との対応の違いや、高橋被告の初公判翌日に最初の逮捕があったことにも触れ「本件での勾留は不利益が大きく、相当ではない」と指摘した。

 再逮捕容疑は平成21年12月11日~翌年2月21日、財布をなくした府内の20代の女性に面会を迫るメールを5回送ったとしている。

「こうなるまでに、

大阪地検(より正確に言うと大阪区検)が、暴言警察官を脅迫罪で略式命令請求

大阪簡裁が、略式不相当と判断し、大阪地裁へ移送

大阪地裁で暴言警察官の第1回公判が行われ、その当日に、被害者が逮捕(窃盗罪)

被害者の起訴後、今度は強要未遂罪で逮捕、勾留

という経過をたどっていて、その上で、この勾留却下決定ですから、異例づくめの特異な経過をたどる事件と言えるでしょう。

被害者側が問われている、窃盗罪、強要未遂罪が、どこまで実態のあるものなのか、証拠を見ていないので何とも言えませんが、大阪地裁は、上記の記事にあるように、暴言警察官の初公判当日に当初の逮捕が行われていることや、あれだけの暴言を吐きまくりながら警察官は在宅捜査、「被害者」側は逮捕、勾留を繰り返しているという偏頗な取り扱いに、よほど腹を据えかねたものと見えます。通常、裁判所が、こういった理由で勾留を認めないことは、まずないだけに、捜査機関の捜査の進め方に、裁判所がかなりの不信感を持っていることは間違いないでしょう。

大阪地検については、貧すれば鈍する、という言葉を思い出しました。健全な知恵が出なくなり、ますます追い込まれつつあるということでしょう。」

括弧内はこちらから引用。
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2011年03月19日(土)
恐怖を煽らない、異なった立場の人を攻撃しない
♪糸井重里のブログで頭の整理が出来ました。

一部引用・・

いまのぼくの個人的な傾向としては、
「脱原発の立場なのだけれど、恐怖を煽らない」
という考え方の人と、
「異なった立場の人を攻撃しない」
というような姿勢の人の意見を重視しています。
「ほらみたことか!」という人の意見については、
あとでその人の言う通りになったとしても、
ぼくは選びません。
こういうときには、今回一貫してとっている
「右往左往するのではなく、右往で判断を止める」
という考え方です。

ですから、もちろん、
「わたしは納得できない」「おおいに反対です」
という考えがあることも承知しています。
何度も言っているように、
「じぶんのリーダーは、じぶん」ですから、
危険をともなうことについても、
最後はじぶんがジャッジしてください。

全文はこちら
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福島・双葉病院「患者置き去り」報道の悪意
☆NHKや朝日新聞など大手メディアの報道とは真っ向から食い違う。東京のオフィスにいる大手メディアの「正義の味方」であるデスクたちにとって、連日の災害報道の中で、この出来事がいかに毛色の変わったおいしい食材だったかが透けて見える。

地震と津波と東京電力に蹂躙され、双葉病院のスタッフは大手新聞とテレビに存在の最後の止めを刺されそうだ。

こんな報道をするくらいなら東京電力の会長社長とロングインタビューをして、この事態をどう解決する積りかを聞き、それを掲載・報道したらどうかと思う。

 また、報道するネタがないなら、こんな時だから新聞の一部が白紙のまま、テレビの画面がざーっと白く流れていいのではないだろうか。


医師・看護師は患者を見捨てたりしていなかった。

福島県大熊町の「双葉病院」で、医師・看護師が患者を見捨てて逃げていた、という報道がなされていたが、実際には現場の状況は大きく異なることがわかった。これは、病院関係者の家族によるツイートもあり、また後発の報道でも(見出しは悪意あるものの)内容的には「患者を置き去りにして職員だけが逃げた」というような悪評を完全に否定するものとなっている。

現地での直接取材はかなわないが、当事者のツイートなどを「Togetter - 「福島・双葉病院「患者置き去り」報道に関する情報」」にもまとめてみた。若い人なので表現が至らないところもあるようだが、その趣旨を酌んで以下、簡潔に状況をまとめてみたい。

少なくともマスメディアは名誉回復を全力で行なうべきだと思う。
•asahi.com(朝日新聞社):患者避難、医師ら付き添わず 21人死亡の双葉病院 - 社会
•東日本大震災:福島・避難の高齢者14人死亡 救助時、患者のみ82人--入院の病院 - 毎日jp(毎日新聞)「医師、職員らは不在」
もともと福島県による発表を受けて横並びの報道がなされたものだが、福島県の訂正発表を受けて、一部の報道は現在削除されている。
•時事ドットコム:「避難時に院長いた」=福島県が訂正発表
しかし、訂正後も病院関係者を非難する論調が残っているものが多い。読売の報道では、本文で事実が明らかになっているものの、タイトルが名誉を損なうものとなっている。また、河北新報は古い情報のまま、非難口調をさらに強めている。
•福島・双葉病院、患者だけ残される : 医療ニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)
•河北新報 東北のニュース/院内に高齢者128人 医師ら置き去り?避難指示の双葉病院:3月18日の訂正後の報道にも関わらず「県の担当者は「なぜ入院患者だけがいたか、現段階では分からない。避難する中で混乱が起きることはあるが、もし高齢者だけを置いて避難したとしたら許せない」と話している」とさらに煽る文章となっている。
このような状況の中、最初の報道をそのまま受けて双葉病院の職員が逃げたかのように思ったままの人も少なくないと思われるので、簡潔にまとめておきたい。
双葉病院で起こったことのタイムライン


以上、報道ならびに関係者のツイートに基づくまとめにすぎないことはご了承いただきたい。(@supergirl5jrhさんの追加ツイートに基づき15:50追加・修正あり)
•2011年3月11日14時46分:大地震発生。
◦福島県大熊町・双葉町にある福島第一原発が緊急停止。
◦福島県大熊町の双葉病院と介護老人保健施設ドーヴィル双葉で患者・職員が孤立。福島第一原発から約3キロ離れている。
•3月12日5時44分:福島第一原発の避難指示の区域を、これまでの半径10キロメートルに拡大。双葉病院・ドーヴィル双葉が避難区域に含まれることとなった。
◦午前:大熊町役場まで双葉病院スタッフが患者を搬送したが10分後には双葉病院に戻された(理由は不明)。
◦昼休み:外出した双葉病院スタッフが、防護服を着た誘導者に対して「なぜ双葉病院は誘導しないのか」ときいたところ、「いやもう誘導したはずです」と回答。そこで初めて双葉病院の患者が避難していないことが判明した。そこで急遽バスが派遣されることとなった。
◦14時すぎ:大熊町役場が福島交通の大型バス5台を派遣したが、患者・搬送者・護送者を乗せることができなかった。また、救援に来たバスは普通の大型バスであったため、車いすや寝たきりの患者は搬送できなかった。
◦15時36分:福島第一原発第1号機で水素爆発。残された人たちは被爆した。
•3月14日昼前:自衛隊が同病院への救助に到着。患者・施設入所者130人を救出。その他、自力で脱出した人もいた。患者98人と院長ら職員4名、警察官が残り、自衛隊が再び救援に来るのを待つ。
◦二度目に自衛隊が来るという時間になっても来なかった。
•3月15日午前1時ごろ:一緒に残っていた警察官から避難するよう求められ、院長ら職員4人は患者を置いて、警察官とともに隣の川内村に避難した。そこで合流した自衛隊と共に病院に向かおうとしたが、避難指示の対象地域のため、自衛隊だけで向かうことになった。院長は「日付が変わり、警察官から避難を求められた。どうすることもできなかった」と述べている。
◦午前7時:中野寛成国家公安委員長は15日の閣議後会見で、午前7時現在「(退避指示が出されている)20キロ圏内では、15日午前7時現在で、病院にいる96人を除いてほとんど完了している」と述べた。 防衛省によると、陸上自衛隊が陸路で96人をいわき市の避難所に移送する予定。(人数が食い違っているが報道ママ)
◦午前から午後:自衛隊が残された患者を搬送(第2回・第3回)。この際「病院関係者の付き添いはなかった」と福島県が発表し、「患者を見捨てて置き去りにして逃げた」という趣旨の報道が流れる原因となる(各報道機関横並びで福島県発表のみを報道)。搬送中・搬送後に計21人の患者が亡くなった。
•3月17日:双葉病院主任が父だという@supergirl5jrhさんがツイッターで報道に反論するツイートを開始。夜、福島県が「避難時に院長いた」と訂正発表。
•3月18日:院長への取材内容が報道され始める。
(報道の数字が混乱していて、合計数がなかなか合わないが、これらは追って整理されるものと思う)

以上の流れをもう少し簡単にまとめると、「自衛隊が来るが、寝たきりや車いすの患者が搬送できず、一旦戻る」→「2度目の救援が来ない」→「一緒に残っていた警察の指示で職員が川内村に避難」→「自衛隊と一緒に病院に戻ろうとする」→「避難地域なので一緒に行けない」→「自衛隊だけが救援に」→「2・3回目の搬送の際、病院関係者は誰も現場に居なかった」→「職員が患者置き去りで逃げたと報道」という流れになる。

これでは「職員が患者を見捨てて逃げた」とは絶対に言えない(警察の指示でやむなく避難させられたのであって、再び)。こんな報道をされたら、一生懸命がんばっていた職員に対する名誉毀損にしかならないと思う。

このような報道被害が繰り返されないよう強く願う。

本文はこちらから引用。

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茨城県にも避難民がいる
長塚智広:競輪選手・アテネオリンピック銀メダリスト

 東日本大地震から1週間が経ちました。被災者の皆さまには心からお見舞いを申し上げます。

 東北地方の被害状況はとてつもないものであり、メディアでも沢山報道されています。しかし、福島県に隣接する茨城県北部の情報はほとんど報じられていません。知り合いから、県北がひどい状況である事を聞き、何とか状態を知りたいと、県北の市議に地震直後から連絡を試みていました。17日になって、やっと高萩市議に連絡が通じ、街の状況を知ることができました。議員の名前は伏せます。

 高萩市はいわき市から約50キロ南下したところにあり、福島との県境は北茨城市、その下が高萩市です。

 被災直後の高萩市の避難民は5000人いましたが、大勢は家に戻り現在では500人まで減っているそうです。

 避難所では市の手厚い保護で食料等は足りているものの、自宅に待機している人には食料、水、燃料が全く供給されない状態です。

 北茨城に公立病院はあるものの、かねてよりの医者不足もあり、患者が殺到して医者には疲労の色が濃く見えるそうです。

 特にインスリンと、透析の設備がないために、患者は遠く離れた日立、水戸まで行かなくてはならないとの事でした。しかし、街では燃料が枯渇しています。日立までは20キロ、水戸までは50キロもあり、そこまで歩いていくことは困難です。「町のガソリンスタンドにガソリンが入った!」の情報が流れても、あっという間に売り切れ、店まで行ったものの帰るガソリンがなく車を捨てて帰る人もいるらしいです。

 国にも支援を要請しているものの、茨城県北の情報が少ないために、市議から情報を上げてほしいと言われ、上げても進展がないとのことです。道路が寸断され、燃料がなく公用車も動かないから、町の情報を知らせることが出来ません。ホームページは更新できるものの、高齢者でネットを使える人は多くありません。町には自衛隊も来ているそうですが、町の情報を流してくれないので、住民は今どういう状態にあるのか? 今後の展望はどうなるのか? ということについて何も分からず絶望の中にいます。自衛隊もどういう状況にあるのか把握できていないのかもしれません。

 高萩市には、いわき市や北茨城市からも避難民が来ているようですが、受け入れ態勢は整っていません。茨城県の避難所はつくば市にある洞峰公園ですが、県北から100キロ以上離れています。

 携帯電話はソフトバンクが1日前に復旧。ドコモ、AUも移動車が来るので間もなく復旧するそうです。

 住民は、「とにかく燃料と水が欲しい」と言うそうです。電気は復旧しているので電気を使う暖房器具のある家庭は何とかなっているようですが、石油ストーブしかいない家庭はこの寒さで大変です。高齢者は特に大変です。

 町の商店は昨日でほぼ在庫がなくなり、営業もできず、商品がいつ入るかも分からないそうです。

 市では緊急災害用の備蓄食料を今配ろうか、数日あけて配ろうかを検討中だそうです。それが切れたら食料もなくなります。。。

 茨城にも避難民がいることを皆さんに知っていただきたい。少しでも早く支援の手が差し伸べられることを心から願っています。

from MRIC

2012年3月19日発行 JMM [Japan Mail Media]                 No.627 Extra-Edition6 から引用。
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2016年1月20日水曜日

福島原発事故が起きた2011年3月12日から3月18日の「阿智胡地亭の非日乗」の記事

2011年03月18日(金)
福島原発、国内最悪の深刻度5に スリーマイルと同水準
2011/03/18 21:48 【共同通信】

 東日本大震災による東京電力福島第1原発の事故で、経済産業省原子力安全・保安院は18日、1~3号機の事故の深刻さを示す国際評価尺度(INES)を、8段階のうち3番目に深刻な「レベル5」にすると発表した。

 1999年の東海村臨界事故を超える国内最悪の評価で、原子炉圧力容器の底に燃料が溶け落ちた米スリーマイルアイランド事故(79年)と同レベル。世界最大級の原子力事故となった。

 菅直人首相は同日夜の記者会見で「予断を許さない状況を脱却できる方向へ全力を挙げている」と強調した。

 保安院によると、炉心の冷却機能が失われた1~3号機で3%以上の燃料が損傷したことや、発電所外へ放射性物質の放出が続いていることから、レベル5と認定した。これまで1号機の事故を、東海村事故と同じ「レベル4」と評価していた。

 第1原発では18日午後、高層ビル火災などに使われる特殊車両を持つ東京消防庁のハイパーレスキュー隊が放水を準備。

 枝野幸男官房長官は記者会見で、18日に実施された自衛隊の消防車両など7台による3号機の使用済み燃料プールへの放水について「プールに水が行っているのは間違いない」と述べた。ただ保安院は「周辺の放射線量はわずかに減っているが、放水の効果とはまだ言えない」としている。

 また東電は、外部からの送電線を同原発に引き込む作業を続けた。1、2号機には19日に接続、3、4号機への接続作業も進めている。ただ原発側の設備点検などが必要で、外部電源から供給された電力で機器を動かすには、さらに時間がかかる見込み。

 東電などによると、18日も2、3、4号機で燃料プールからの水蒸気とみられる白煙のようなものを確認。特に3号機で激しく、プールに残る水の量が少ないとみられる。
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スリーマイル島事故とは   大前研一(元原子力研究者)
福島第一原発で何が起きているのか――米スリーマイル島原発事り状況は悪いこちら
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村上龍の東北関東大震災に関する発言 NYタイムス掲載
危機的状況の中の希望

村上龍

先週の金曜、港町・横浜にある我が家を出て、午後3時前、いつも行く新宿のホテルにチェックインした。普段から私はここに週3~4日滞在し執筆活動やその他の仕事をしている。

部屋に入ってすぐに地震が起きた。瓦礫の下敷きになると判断し、とっさに水とクッキー、ブランデーのボトルをつかんで頑丈な机の下にもぐりこんだ。今にして思えば、高層30階建てのビルの下敷きになったらブランデーを楽しむどころではないのだが。だが、この行動によってパニックに陥らずにすんだ。

すぐに館内放送で地震警報が流れた。「このホテルは最強度の耐震構造で建設されており、建物が損傷することはありません。ホテルを出ないでください」という放送が、何度かにわたって流された。最初は私も多少懐疑的だった。ホテル側がゲストを安心させようとしているだけではないのかと。

だが、このとき私は直感的に、この地震に対する根本的なスタンスを決めた。少なくとも今この時点では、私よりも状況に通じている人々や機関からの情報を信頼すべきだ。だからこの建物も崩壊しないと信じる、と。そして、建物は崩壊しなかった。

日本人は元来“集団”のルールを信頼し、逆境においては、速やかに協力体制を組織することに優れているといわれてきた。それがいま証明されている。勇猛果敢な復興および救助活動は休みなく続けられ、略奪も起きていない。

しかし集団の目の届かないところでは、我々は自己中心になる。まるで体制に反逆するかのように。そしてそれは実際に起こっている。米やパン、水といった必需品がスーパーの棚から消えた。ガソリンスタンドは枯渇状態だ。品薄状態へのパニックが一時的な買いだめを引き起こしている。集団への忠誠心は試練のときを迎えている。

現時点での最大の不安は福島の原発だ。情報は混乱し、相違している。スリーマイル島の事故より悪い状態だがチェルノブイリよりはましだという説もあれば、放射線ヨードを含んだ風が東京に飛んできているので屋内退避してヨウ素を含む海藻を食べれば放射能の吸収度が抑えられるという説もある。そして、アメリカの友人は西へ逃げろと忠告してきた。

東京を離れる人も多いが、残る人も多い。彼らは「仕事があるから」という。「友達もいるし、ペットもいる」、他にも「チェルノブイリのような壊滅的な状態になっても、福島は東京から170マイルも離れているから大丈夫だ」という人もいる。

私の両親は東京より西にある九州にいるが、私はそこに避難するつもりはない。家族や友人、被災した人々とここに残りたい。残って、彼らを勇気づけたい。彼らが私に勇気をくれているように。

今この時点で、私は新宿のホテルの一室で決心したスタンスを守るつもりでいる。私よりも専門知識の高いソースからの発表、特にインターネットで読んだ科学者や医者、技術者の情報を信じる。彼らの意見や分析はニュースではあまり取り上げられないが、情報は冷静かつ客観的で、正確であり、なによりも信じるに値する。

私が10年前に書いた小説には、中学生が国会でスピーチする場面がある。「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」と。

今は逆のことが起きている。避難所では食料、水、薬品不足が深刻化している。東京も物や電力が不足している。生活そのものが脅かされており、政府や電力会社は対応が遅れている。

だが、全てを失った日本が得たものは、希望だ。大地震と津波は、私たちの仲間と資源を根こそぎ奪っていった。だが、富に心を奪われていた我々のなかに希望の種を植え付けた。だから私は信じていく。

翻訳は「タイムアウト東京」による。



March 16, 2011
Amid Shortages, a Surplus of Hope

By RYU MURAKAMI
 Yokohama, Japan

I  SET out from my home in the port city of Yokohama early in the afternoon last Friday, and shortly before 3 p.m. I checked into my hotel in the Shinjuku neighborhood of Tokyo. I usually spend three or four days a week there to write, gather material and take care of other business.


The earthquake hit just as I entered my room. Thinking I might end up trapped beneath rubble, I grabbed a container of water, a carton of cookies and a bottle of brandy and dived beneath the sturdily built writing desk. Now that I think about it, I don’t suppose there would have been time to savor a last taste of brandy if the 30-story hotel had fallen down around me. But taking even this much of a countermeasure kept sheer panic at bay.

Before long an emergency announcement came over the P.A. system: “This hotel is constructed to be absolutely earthquake-proof. There is no danger of the building collapsing. Please do not attempt to leave the hotel.” This was repeated several times. At first I wondered if it was true. Wasn’t the management merely trying to keep people calm?

And it was then that, without really thinking about it, I adopted my fundamental stance toward this disaster: For the present, at least, I would trust the words of people and organizations with better information and more knowledge of the situation than I. I decided to believe the building wouldn’t fall. And it didn’t.

The Japanese are often said to abide faithfully by the rules of the “group” and to be adept at forming cooperative systems in the face of great adversity. That would be hard to deny today. Valiant rescue and relief efforts continue nonstop, and no looting has been reported.

Away from the eyes of the group, however, we also have a tendency to behave egoistically — almost as if in rebellion. And we are experiencing that too: Necessities like rice and water and bread have disappeared from supermarkets and convenience stores. Gas stations are out of fuel. There is panic buying and hoarding. Loyalty to the group is being tested.

At present, though, our greatest concern is the crisis at the nuclear reactors in Fukushima. There is a mass of confused and conflicting information. Some say the situation is worse than Three Mile Island, but not as bad as Chernobyl; others say that winds carrying radioactive iodine are headed for Tokyo, and that everyone should remain indoors and eat lots of kelp, which contains plenty of safe iodine, which helps prevent the absorbtion of the radioactive element. An American friend advised me to flee to western Japan.

Some people are leaving Tokyo, but most remain. “I have to work,” some say. “I have my friends here, and my pets.” Others reason, “Even if it becomes a Chernobyl-class catastrophe, Fukushima is 170 miles from Tokyo.”

My parents are in western Japan, in Kyushu, but I don’t plan to flee there. I want to remain here, side by side with my family and friends and all the victims of the disaster. I want to somehow lend them courage, just as they are lending courage to me.

And, for now, I want to continue the stance I took in my hotel room: I will trust the words of better-informed people and organizations, especially scientists, doctors and engineers whom I read online. Their opinions and judgments do not receive wide news coverage. But the information is objective and accurate, and I trust it more than anything else I hear.

Ten years ago I wrote a novel in which a middle-school student, delivering a speech before Parliament, says: “This country has everything. You can find whatever you want here. The only thing you can’t find is hope.”

One might say the opposite today: evacuation centers are facing serious shortages of food, water and medicine; there are shortages of goods and power in the Tokyo area as well. Our way of life is threatened, and the government and utility companies have not responded adequately.

But for all we’ve lost, hope is in fact one thing we Japanese have regained. The great earthquake and tsunami have robbed us of many lives and resources. But we who were so intoxicated with our own prosperity have once again planted the seed of hope. So I choose to believe.

Ryu Murakami is the author of “Popular Hits of the Showa Era.” This article was translated by Ralph F. McCarthy from the Japanese

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2011年03月16日(水)

16日現在の参考情報  
福島原発、最悪「レベル7」も 米シンクタンク指摘

  記事はこちら

福島原発事故の真相     ジャーナリスト 広瀬隆

  記事はこちら
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1945年3月17日神戸大空襲
66年前の3月17日、神戸市西部はアメリカ空軍による一般市民無差別大量殺戮の焼夷弾絨毯爆撃を受けました。何次にも亘って投下された焼夷弾の下には名もない多数の一般「くにたみ」がいました。画像は「神戸大空襲」のHPから引用。

アメリカ空軍からみた『神戸空襲の意味』


神戸は、日本で六番目の大都市、人口約100万人、日本の主要港である。造船所群は、船舶建造と船舶用エンジン製造能力の面で日本最大の集中地域。

神戸で、本州の西端からの山陽本線と大阪・東京への東海道本線とが連結している。

鉄鋼、鉄道車両、機械、ゴム、兵器などの基幹産業施設は、神戸の輸送活動と密接に関連して立地している。

神戸を通過する国道は、市中の密集区域を通過している。

攻撃目標として選定された地域は、1平方マイルあたりの人口密度が平均10万人以上、高度に密集した市の中心部である。

§「米軍資料による神戸大空襲」のHPはこちら

一部引用・・

 1995年1月17日、神戸をマグニチュード7.3の都市直下型地震が襲った。阪神・淡路大震災と名付けられた大災害に見まわれたのである。しかし、神戸はその50年前の1945年、マリアナ基地からのB29部隊による激烈な爆撃を受け、一面の焼け野原となった。1945年の戦災と1995年の震災、いずれも、神戸市民にとっては、神戸の街を壊滅させた歴史に残る大事件であった。

 震災復興の過程で、年配の市民は戦災と重ね合わせながら、「あの災害からも立ち直ったのだから」と想いをいだいたという。戦災とはどのようなものだったのか。神戸の市民にとって、一体どのような体験だったのか。戦後60年余を経て、戦災体験を持つ世代はだんだん少なくなってきている。現在平穏に暮らす街には、その悲劇の記憶の面影はない。そこで、あの大空襲を考える手がかりを提供するのがこのホームページ作成の目的である。

 これまで市民は、受けた惨禍について、体験者の視点から戦災を語り継いできた。しかし、空襲をした側の資料は、市民は簡単にみることができない。そこで、大空襲の全体を明らかにする意味から、これに加え、今回アメリカ軍資料に基づき、神戸への爆撃の有様を把握できるようにした。いつ、どこから、何機の攻撃機が、どのような爆弾を、どれ位の量、投下したのか。当時、被害をうけた神戸市民が、知り得なかった情報である。航跡図の記録からは、マリアナ基地(サイパン、グアム、テニアン島の基地の総称)から、日本本土までまっすぐに伸びたルートの途中に、硫黄島があり、その硫黄島の攻防の時期によって、ルートを変更した様子がうかがえる。空海救助図に記されたルート途中の海軍艦艇や救援機の哨戒図は、出撃の度に、陸海両軍が協同して、爆撃機の遭難への備えをおこなっていることを示している。爆撃の結果は、想定された爆撃目標地域の被災面積であらわされている。
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冷泉(アメリカ在住)レポート から
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 ■ 『from 911/USAレポート』               第503回
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「東日本大震災を見つめるアメリカ(その3)」

 アメリカは週明けの月曜日を迎えました。これまでの各局も「ぶっ通し」の報道体制でしたが、各テレビ局のエース級のキャスターが日本に入り、現地からの報道を開始したために報道の視点がグッと近くなり、「人ごとではないが外国の惨事」というトーンから「現在進行形の<私たちの悲劇>」というニュアンスに変わっています。
一言で言えば、様々な意味で感情的になってきているように思います。

 NBCは朝の『トゥディ』というニュース番組のメイン・キャスターの一人、アン・カリーをはじめとして4名以上の記者が入っていますが、中でもアン・カリーは甚大な津波被害を受けた南三陸町から生中継を行い、被害の状況を詳しく伝えていました。彼女は、海軍軍人のお父様に帯同して幼少期を佐世保で育っており、お母様が日本人の日系二世ですが、日本語でコミュニケーションしながら、それを極めて的確な表現で伝えていました。

 それはNBCの『ナイトリー・ニュース』という夕方のニュースでしたが、キャスターのブライアン・ウィリアムスが「これだけの被害に見舞われても日本人が冷静だというのは驚き(サプライズ)ですよね」と呼びかけると、カリーは「私は日本で育ったので驚きません。でも、今回は、インタビューすると多くの人が微笑みながら応対してくれながら、目には涙を浮かべているんです。これは私には初めての経験です」と述べていました。その後のウィリアムスの表情は崩れそうでした。

 カリーが南三陸町に取材に入ったのは、キャノン・パーディさんという行方不明の米国人を探すためでした。彼女はALTとしてこの地の中学校で英語を教えており、任期を終わって一旦帰国したものの、教え子達の卒業式に是非参列したいと日本に戻って、南三陸に着いたその日に津波に襲われていたのです。通信手段のないまま、アメリカの家族は消息が確認できずにいたのですが、カリーはツイッターを駆使して彼女を避難所で探し出したのでした。番組の中では、衛星回線を使ってアメリカの家族と無事を喜び合うパーディさんのドラマが紹介されていました。

 実はこうしたALTの被災者というのは何人もあるようで、各局が避難所などで取材をしていますが、「自分は一緒に被災した人たちの支援をしたい」と言うアメリカ人も多いようで、それに対して「本当は帰ってきて欲しいけど、きっとそう言うだろうと思っていました」という留守家族の声なども紹介されています。

 CNNは人気キャスターのアンダーソン・クーパー、医療評論家で全米で最も有名な脳外科医であるサンディ・グプタ、そして社会派の記者ソリダート・オブライエンが主として宮城県から福島県を精力的に取材しています。クーパーも「大地震、大津波、原発事故と三重の大災害に見舞われながら、これだけ礼節が保たれ平静だという
のは驚嘆するしかないです」と述べ、特に「非常用給水に長蛇の列を作っていた人達が途中で水が無くなってしまって、今回はダメだとなった時にももらえなかった人が誰も叫んだり暴れたりしなかった」シーンは衝撃だったと言っていました。

 募金活動も力が入ってきています。14日の晩のCNNにはアメリカ赤十字のゲイル・マクガワンCEOが小野洋子氏(ジョン・レノン夫人のヨーコ・オノ)と一緒に出演して、日本向けの募金を募ってました。小野洋子氏は「私は日本で戦災にあって、東京が焼け野原になったのを経験していますが、日本人は何もかもを失っても団結して苦難を乗り越える人々だと思います。でも、そのためには支援も必要です」と訴えていました。

 こうした報道の結果、アメリカ人は、ある意味で、日本人の喪失感や苦闘を自分のことのように経験しようとし、経験しつつあるのですが、そうした感情的なリアクションは別の形でも出ています。それは原発問題に関する議論です。一言で言えば「これだけ用意周到でテクノロジーの進んだ日本でも問題が起きるのだから」という理屈
で、「アメリカの原発も総見直しが必要」というエモーションがじわじわと増大しているのです。

 NBCのブライアン・ウィリアムスによれば日本は「ハイパー・プリペアード・カントリー」つまり「超用意周到な国」であるという表現を使い、今回の福島第一原子力発電所の事故に関しても極めて同情的でした。これほどの惨事にも関わらず、情報の錯綜に関する批判はあっても、事故を起こしたことへの批判はほとんどありません。
そうした認識が、逆に「日本でもこうなったのだから」原発一般が心配だというムードになっているのです。アメリカの月曜日は、日本への同情、賞賛、そして原発一般への不安感という「感情論」に覆われていたと言えるでしょう。

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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家。ニュージャージー州在住。1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大
学大学院(修士)卒。著書に『9・11 あの日からアメリカ人の心はどう変わった
か』『「関係の空気」「場の空気」』『民主党のアメリカ 共和党のアメリカ』など
がある。最新刊『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』(阪急コミュニケーションズ)
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原子力発電所の立地から見ると原発に「想定外」はない
Halimaoさん  「想定外」に関するメールありがとうございました。

1)いろんな大学や研究機関の御用学者がお役所に協力して、教授や学者の権威を利用し、大新聞やテレビを使って高速道路は全ての危険に対応できる安全設計になっていると言って来ました。
 日本の構造設計はアメリカの高速道路の基準とは違ってもっと厳しいと。

阪神大震災で高速道路の高架が落ちた時、権威ある土木系の教授たちは、「今回は想定外の地震だった」と言いました。

これは設計者や学者からするとある意味当然のことです。

なぜなら、設計はすべてある想定の条件を前提にして行うからです。その条件とは異なる事態が生じたときは「想定外」です。

でも一般の我々はそういうふうには受けとめていません。エライ学者さんたちが大丈夫というのだから安心だと思ってきました。

そして中央官庁の官僚たちはそれを十分に利用します。

「原子力発電所を日本に造るに当たり、こういう地震を技術者に
想定させて設計したが、これを越える規模の地震が起きたときは
重大な事故が起こりうる
」と決して彼らは言いません。

東大の原子力専門の学者や先生方がこう言っているから大丈夫だと大手メディアに言わせてきました。

そう言わなければ、ただでさえ強い住民の反対を押し切って、日本で原子力発電所の建設はできないからです。

2)ところで、その結果として建設された原子力発電所は、大都市圏の近くには立地していません。

原子力発電所が官僚や東大の原子力学科の御用学者が言うように本当に安全なら、東京電力の原子力発電所は東京都庁やTDLのすぐ隣りに建設しても良かったと思います。

しかし官僚も学者も、地震国日本では想定レベル以上の地震が起こりうることを当然知っている。

沖縄にある米軍基地と同じでしょう。危険が生じる可能性がある施設や設備は、自分たちが暮らす都会地から遠いところに置く。

ある意味、自分を含めて都市圏の住人はその恩恵をこうむってきた。
そんなことは知らなかった?自分には関係ないと思っていた?

被災者の人たちは一切言っていませんが、放射能にさらされている彼らから見れば、経産省の官僚も東大の教授連も東京電力の役員も、今回の事故が起きてから、それらのエライさんや組織のことをネット上で怒りまくっている都市圏の住民も、「ちょぼちょぼの同罪」。そういう面があります。

遠く離れた孤島に住んで自給自足で生きない限り、人は今回のように気が付かないうちに他人の犠牲の上に生きている。なんか辛いものがありますが一面の現実です。

つまり、私が原子力安全・保安院や東京電力の現在の対応ぶりを口を極めて批判しても、被災地の方々からすれば、目くそが鼻くそを笑っている・・。そう見られて当然の現実もあります。

多くの人が今回のような事故を想定して、日本では原子力発電所は作ってはいけないと言ってきました。しかし現在、下のリストのような原子力発電所が日本にあります。

この時代に生きるということは、他人事というのはもう何もないのかも知れませんね。

【北海道】
・ 泊発電所
   北海道電力

【青森県】
・ 大間原子力発電所(建設中:2012年3月運転開始予定)
   電源開発

・ 東通原子力発電所
   東北電力

・ 東通原子力発電所(計画中・着工前:2017年3月運転開始予定)
   東京電力

・ 六ヶ所再処理工場
   日本原燃

【宮城県】
・ 女川原子力発電所
   東北電力
【福島県】
・ 福島第一原子力発電所
   東京電力   
・ 福島第二原子力発電所
   東京電力
    
・ 浪江・小高原子力発電所(計画中・着工前:2020年度運転開始予定)
   
【新潟県】
・ 柏崎刈羽原子力発電所
   東京電力
   
【茨城県】
・ 東海第二発電所
   日本原子力発電
  
【静岡県】
・ 浜岡原子力発電所
   中部電力
    
【石川県】
・ 志賀原子力発電所
   北陸電力
   
【福井県】
・ もんじゅ
   日本原子力研究開発機構
    
・ 敦賀発電所
   日本原子力発電
  
・ 美浜発電所
   関西電力
   
・ 大飯発電所
   関西電力
   
・ 高浜発電所
   関西電力
    
【島根県】
・ 島根原子力発電所
   中国電力
    
【山口県】
・ 上関原子力発電所(計画中・着工前:2018年運転開始予定)
   中国電力
   
【愛媛県】
・ 伊方発電所
   四国電力
  
【佐賀県】
・ 玄海原子力発電所
   九州電力
   
【鹿児島県】
・ 川内原子力発電所
   九州電力

○ 原子力発電所の立地情報はこのサイトから引用しました。
日本の原子力発電所の沿革 wikipediaから引用

1945年8月、第二次世界大戦敗戦後、日本では連合国から原子力に関する研究が全面的に禁止された。しかし1952年4月にサンフランシスコ講和条約が発行したため、原子力研究は解禁されることとなった[1]。

日本における原子力発電は、1954年3月に当時改進党に所属していた中曽根康弘、稲葉修、齋藤憲三、川崎秀二により原子力研究開発予算が国会に提出されたことがその起点とされている。この時の予算2億3500万円は、ウラン235にちなんだものであった[2]。

1955年12月19日に原子力基本法が成立し、原子力利用の大綱が定められた。この時に定められた方針が「民主・自主・公開」の「原子力三原則」であった[3]。そして基本法成立を受けて1956年1月1日に原子力委員会が設置された[4]。初代の委員長は読売新聞社社主でもあった正力松太郎である[5]。正力は翌1957年4月29日に原子力平和利用懇談会を立ち上げ、さらに同年5月19日に発足した科学技術庁の初代長官となり、原子力の日本への導入に大きな影響力を発揮した。このことから正力は、日本の「原子力の父」とも呼ばれている。

1956年6月に日本原子力研究所、現、独立行政法人日本原子力研究開発機構が特殊法人として設立され、研究所が茨城県東海村に設置された[6]。これ以降東海村は日本の原子力研究の中心地となっていく。

1957年11月1日には、電気事業連合会加盟の9電力会社および電源開発の出資により日本原子力発電株式会社が設立された[7]。

日本で最初の原子力発電が行われたのは1963年10月26日で、東海村に建設された実験炉であるJPDRが初発電を行った。これを記念して毎年10月26日は原子力の日となっている[8]。

日本に初めて設立された商用原子力発電所は同じく東海村に建設された東海発電所であり、運営主体は日本原子力発電である。原子炉の種類は世界最初に実用化されたイギリス製の黒鉛減速炭酸ガス冷却型原子炉であった。しかし経済性等の問題[9]によりガス冷却炉はこれ1基にとどまり、後に導入される商用発電炉はすべて軽水炉であった。

近年は老朽化で運転を終えた原子力発電所の処置の問題に加え、二酸化炭素排出削減策として既存原子力発電所の延命の方針が打ち出されており、2010年3月に営業運転期間が40年に達した敦賀発電所1号機をはじめ、長期運転を行う原子炉が増加する見込みである事から、これらの安全性の維持が課題となっている[10]。

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日本の今後の経済を見る-海外の金融人の一例
いかにして日本の経済は復興するか
by Mohamed El-Erian(世界最大の債券ファンドPIMCOのCEO)

日本から届く悲惨極まりない報告の数々は、金曜日に日本で起こった破壊的な地震と津波が引き起こした悲劇の深刻さの、ほんの一部を見せているに過ぎない。

日本は直ちに膨大な人的被害に焦点を充てるという、当然の措置を取った。世界中の人々が多くの命が失われたことに深く胸を痛め、日本の復興の努力が実を結ぶようにと祈っているが、それと同時に日本経済のダメージの度合いや復興とリハビリ計画に注意が向けられ始めている。

原子炉にまつわるリスクも含め、未だ高度な不確実性は認められながらも、他国の経験を踏まえると、日本経済の見通しは以下の5点に集約されると考えられる。

日本の経済成長率は、復興活動による急激な上昇の前に、自然災害直後の余波からまずは低下するであろう。

サプライチェインに支障が生じ在庫が減少するために、物資不足と非常に低い水準からの急激なインフレが一時的に生じるであろう。

財政赤字と公的債務額は、歳入が失われることに加え、より重要な点として緊急財政支出が増えることで、相応に増加するであろう。

政策金利はゼロ水準に張り付いていることから、中央銀行は、追加的なクレジットと流動性ファシリティの用意を含め緩和的な金融政策を取るだろう。

そして最後に、日本国には、日本国民が海外で保有している分を含め、マネーの本国への帰還が起こるであろう。

日本は裕福な国であり、比較的低い金利で借金することも可能だ。それゆえ、この悲惨な自然災害から経済的に立ち直る能力を、日本は間違いなく有している。
 さらに言えば、非常に良好な回復シナリオの下では、金曜日の恐ろしい衝撃は、政界内の協調をもたらし、過去20年に渡る失望的な経済パフォーマンスを覆すためのカタリストにすら成り得るだろう。事実、高レベルで持続性のある成長が長期に渡って継続することこそ、日本国の公的なダイナミクスに対処するために必要な鍵なのだ。

日本経済が素早く立ち直ってくれることを望んでいるのは日本人ばかりではない。世界のどの国もその気持ちは一緒だ。多くの国々が既に、機材、マネー、ボランティアといった形で多額の寄付を通じ復興に向けた支援を供出し始めている。

この国際リアクションは、人間が持つ最も崇高な感情のひとつ、エンパシー(他人の気持ちや感情を理解できること)に突き動かされている。とはいえ、そこには自己利益という要素も含まれている。日本は世界で最も大規模な経済のひとつだ。世界貿易や国境を越えた資金フローの場において、日本は重要な役割を果たしている。また多国間の政策審議では日本の声は影響力を持つ。

システム全体で重要度の高い日本という国が経済再生を果たすことには、世界は共通の関心がある。日本が良好な状態でいてくれることは、グローバル経済が力強い成長を遂げ、多くの職を生み出し生産性を高めることに繋がるからだ。そして、人間の最も根源的な部分において、私は、真に恐ろしい悲劇に襲われた日本のすべての人々の無事を願ってならない。

いまは大きな痛みに包まれ、不確実性にかく乱されている日本。しかし、この胸が張り裂かれるような悲劇も、まもなく、多くの奇蹟のような救出ストーリーと日本社会の完全再生にとって替わられますよう、お祈りしています。

翻訳はMurray Hill Journal(こちら

  原文

FT.comから引用:


How Japan’s economy will eventually rebound
By Mohamed El-Erian


Published: March 14 2011 12:37 | Last updated: March 14 2011 12:37

Highly distressing eyewitness reports and deeply disturbing images shed only partial light on the magnitude of the tragedy inflicted on Japan by Friday’s devastating earthquake and destructive tsunami.

Japan’s immediate focus is on the enormous human suffering, and rightly so. As people around the globe join Japan in being saddened by the loss of so many lives and in praying for the success of rescue efforts, attention also turns towards the extent of the damage to the economy and its reconstruction and rehabilitation plans.

While there is still considerable uncertainty, including on account of nuclear reactor risks, the experience of other countries suggests that the economic outlook will be dominated by five factors.

Japan’s economic growth rate will fall in the immediate aftermath of the natural disasters before rising sharply due to reconstruction activities.

Disruptions to supply chains and the loss of inventories will cause shortages and inflation to spike temporarily from very low levels.

The fiscal deficit and public debt will rise meaningfully due to lost revenues and, more importantly, emergency spending.

The central bank will ease monetary policy which, given policy interest rates floored at the zero bound, will involve the provision of extraordinary credit and liquidity facilities.

Last, the country will receive transfers from abroad, including the repatriation of funds held outside the country by Japanese residents.

Japan is a rich country that is also able to borrow at relatively low interest rates. As such, it definitely has the ability to rebound economically from these horrible natural disasters. Moreover, in a really good recovery scenario, Friday’s dreadful shock could even be a catalyst for internal political unity and for overcoming what has been two disappointing decades of economic performance. Indeed, a prolonged period of high and sustained growth is key to Japan’s handling of its domestic public dynamics.

The Japanese people are not alone in hoping for a rapid economic recovery. The rest of the world is with them. Governments and individuals in several countries are already mobilising to help Japan via large donations of equipment, money and volunteers.

This international reaction is driven by one of the noblest of all human feelings, that of empathy. Yet there is also an element of self interest. Japan is among the very largest economies in the world; it plays an important role in global trade and cross border financial flows; and its voice is influential in multilateral policy deliberations.

The world has a shared interest in the economic recovery of this systemically important country. The good health of Japan is central to a robust global economy that generates lots of jobs and enhances productivity. And, at the most basic human level, we wish for the well-being of all those in Japan who have been affected by a truly horrible tragedy.

May the heartbreaking human tragedies soon give way to many stories of miraculous rescues and the full recovery of a society that, today, is being subjected to enormous pain and disrupting uncertainties.

The writer is chief executive of Pimco

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2011年03月15日(火)

福島原発事故の今後 いくつかの予測
MITの研究者Josef Oehmenと元原子力技術者の大前研一の発言が引用されている。

池田信夫  「危機は避けられたか」     こちら
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放射能被曝に関する基礎的情報
専門家の解説です。

Vol.64 緊急被ばくの事態への​対応は冷静に

一部引用・・

3月11日の大地震により、福島県の東京電力福島原子力発電所で放射性物質の放出という深刻な事態が発生した。マグニチュード9.0という大地震と津波による悪夢のような大災害の現実に対して被害者の救出が全力で行われている。

一方、原発事故も大きく報じられているが、国民が放射線被ばくについて不安が強いという現実に対して上 昌広編集長の依頼で、13日14時現在までの情報をもとに放射線被ばくについての基本的な考え方を報告し、冷静な対応を期待したいと思う

全文はこちら
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2011年03月14日(月)

14日午前11時ごろ福島第一原発3号機で水素爆発
福島 3号機爆発で11人けが

3月14日 13時14分 NHKニュース

14日午前11時1分、東京電力福島第一原子力発電所の3号機で爆発が起きて煙が大量に上がり、原発の作業員と自衛隊の隊員のあわせて11人がけがをしたということです。経済産業省原子力安全・保安院では、12日の1号機に続いて水素爆発が起きたとみて、原発から半径20キロの中に残っているおよそ600人の住民に対して屋内退避を指示しました。これまでのところ、敷地周辺の放射線の値に異常な上昇はなく、原子炉を覆う格納容器の健全性は保たれているとみられています。

14日午前11時1分、福島第一原子力発電所の3号機から爆発音がして大量の煙が上がりました。これについて、経済産業省原子力安全・保安院では、水素爆発が起きたものとみています。東京電力によりますと、この爆発で東京電力の社員4人とや協力会社の従業員3人、それに自衛隊の隊員4人のあわせて11人がけがをしました。詳しいけがの程度などは分かっていません。福島第一原発から半径20キロには、病院や施設などにいる615人の住民が残っており、原子力安全・保安院は、屋外にいる人に対し、できるだけ早く建物の中に入るよう屋内退避を指示しました。このうちのおよそ100人は、20キロの外に避難するために施設を出たということで、残るおよそ500人についても、圏外に避難させるかどうか検討しています。

 枝野官房長官は、記者会見で「3号機の格納容器は爆発のあとも内部の圧力が保たれているほか、施設周辺で観測された放射線の値も比較的低いことを考えると、爆発によって放射性物質が外部に大量に出ていることは考えにくく、格納容器の健全性は保たれている」と説明しました。水素爆発は12日、福島第一原発1号機でも起きて、建屋の上部が吹き飛びました。3号機でも原子炉の水位が下がり、燃料棒が露出したため、水蒸気と反応して水素が大量に発生したことが分かっており、水素爆発の起きることが心配されていました。


福島第一原発3号機で水素爆発 屋内待避呼びかけ

2011年3月14日13時22分 asahi.com

 東日本大震災で被害を受けた東京電力の福島第一原子力発電所(福島県大熊町)の3号機で14日午前11時ごろ、大きな爆発が起きた。経済産業省原子力安全・保安院によると、水素爆発が起きたことを確認した。保安院は、原子炉が入っている圧力容器、それを覆う鋼鉄製の格納容器のいずれも、損傷した可能性は低いとみている。保安院は、20キロ圏内にいる住民に建物内に避難するよう要請した。東電によると、少なくとも11人が負傷しているという。

 今回の爆発は、12日に1号機で建屋が吹き飛んだ爆発と同種とみられる。枝野幸男官房長官は14日午後0時40分からの記者会見で「格納容器の健全性は維持されていると思われる」とした上で、周辺の放射線量のデータに大きな変化は確認されておらず、「放射性物質が大量に飛び散っている可能性は低い」と述べた。

 同原発で運転中だった1~3号機は地震後、原子炉を冷やす緊急炉心冷却システムが停止。3号機では、炉内の圧力や水位が不安定な状態が続き、燃料棒が一時露出するなどして爆発をしやすい水素が発生していたとみられる。13日午後からは、炉内に海水を注入して冷却を試みていたが、その最中に爆発は起きた。

 12日に1号機で起きた爆発では、損壊は原子炉建屋にとどまり、格納容器と圧力容器に異常は確認されていない。保安院は、今回の爆発も原子炉建屋にとどまっているとみている。

 保安院によると、20キロ圏には、少なくとも約600人の住民がいるとみており、屋内への避難を要請した。

 東電によると、圧力容器、格納容器とも壊れていないことを確認しているという。周辺で中性子線は確認されていないとしている。

 原子炉は、内側から圧力容器、格納容器、原子炉建屋の「壁」で守られている。ただ、圧力容器や、格納容器が壊れると、チェルノブイリ事故に匹敵する重大事故となる。

◎原子力資料広報室のサイト  こちら

*「原子力資料広報室」はNPO法人。
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福島第一原発3号機の水素爆発

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広報機能ゼロの原子力安全・保安院と東京電力

東日本大地震の被災状況を知るにつれ言葉がありません。
神も仏もないものか・・と思います。

そんな中、原子力関係官庁や電力会社の広報の劣悪さには心底驚きました。

彼らはこれまで庁内、社内にある記者クラブの記者だけを相手に文書を配布することだけが「広報」だったということのようです。

TVで見る彼らには、記者の向こうに需要者と「くにたみ」がいて、
そのエンドユーザーや顧客に知らせるという意識が全くない。

マイクの音声不良で何を喋っているのかわからないのに、出席している記者も弱弱しく聞こえませんと発言するが、全く無視。
 
記者クラブ制度を使って大手メディアを抱き込んでなあなあで来たことも一目瞭然だ。大手新聞やテレビの記者連からこれではわかりませんとクレームが出たこともないのだ。

計画停電の文書は汚いワープロで作成され、書かれている地区割り停電計画は地区が一部重複していて、肝腎の家庭の主婦や小商いの店主が知りたいことは一向にはっきりしない。

前日の21時すぎにそんな状態で、明朝6時20分から停電するという。

まさに「お役所仕事」!!の典型。

民間人に突如、明日は仕事を休め、学校にいくな!って指示するか?
また日銭稼ぎの商いで生きている人たちのことなんか無視もいいところのお役人様の発想だ。

現場で必死に活動や作業をしている官の現場の方々と比べ、オフィスで仕事をする一握りの役人さんや、お役所仕事丸出しの電力会社のエライさんたちのいい加減さが際立った昨夜だった。

これはまさに「人災」もいいところだ。

今回の原子力発電所の事故で、経済産業省の中に「原子力安全・保安院」という特別な組織があることを知った。

その長にいる責任者は私はまだテレビでも見かけないので、経産省のHPでどんな方がこの重要な職責を担っておられるのか、見ました。

トップページ > 経済産業省について > 幹部 > 原子力安全・保安院 >

原子力安全・保安院長 プロフィール

薦田 康久(こもだ やすひさ)

生年月日
昭和28年2月12日

学歴
昭和50年3月 東京大学工学部電気科卒業

主な職歴
昭和50年4月 通商産業省入省
平成元年7月 工業技術院総務部次世代産業技術開発官
平成4年6月 資源エネルギー庁公益事業部ガス保安課長
平成6年7月 エネルギー総合工学研究所副主席研究員海外電力調査会ワシントン事務所
平成8年9月 資源エネルギー庁公益事業部技術課長
平成9年7月 資源エネルギー庁公益事業部電力技術課長
平成11年7月 工業技術院総務部研究業務課長
平成13年1月 産業技術研究所研究業務室長兼独立行政法人設立準備本部長
平成13年4月 産業技術研究所経営部長
平成13年4月 産業技術研究所企画本部副本部長兼業務推進本部副本部長
平成14年7月 原子力安全・保安院審議官(核燃料サイクル担当)
平成16年6月 大臣官房地域経済産業審議官
平成17年9月 原子力安全・保安院審議官(原子力安全・核燃料サイクル担当)
平成19年7月 原子力安全・保安院長
最終更新日:2008年9月17日

われわれ「くにたみ」はこの人に放射能災害事故の今後を託すことになります。薦田さん本当に頼みます。

そして最高責任者として一度広報の場に出てきてください。
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2011年03月13日(日)

海外への地震情報発信
英文による Live Blogは こちら

またDaily JCJのサイトによると、

日本を襲った東北、関東、太平洋大地震は世界中のメディアがトップニュースで伝えている。CNNはテレビ朝日の特別番組をそのまま流しながら、大阪支局のポーラ・ハンコック記者が速報を流し続けている。またBBCのワールドニュースもNHKの特番を流しながら東京支社のデイビッド・チェックマン記者が生放送を続けた。特に福島原発で冷却水システムが作動しないなどの状況を緊迫した面持ちで伝えている。
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福島第一原子力発電所 池田信夫さんの補足

昨日「福島第一原子力発電所の現状について」で池田信夫さんの現状分析を紹介したが、補足記事が出た。

一部引用・・

保安院が炉心溶融という重大事故を示す言葉を軽々しく使うのはよくない。炉心溶融というとチェルノブイリ事故を連想する人が多いと思うが、チェルノブイリは黒鉛炉という特殊な炉がずさんな運転で暴走したもので、軽水炉では起こりえない。今回は緊急停止して制御棒が入っているので核分裂は止まっており、炉心が溶けて冷却水と反応して爆発し、原子炉を破壊する最悪の事態は考えにくい。

ありうるのは、スリーマイルと同様に核燃料などの放射性物質が大気にさらされる事態で、事故が原子炉建屋だとすれば、建屋がないので汚染はもっと深刻である。ただ今のところ格納容器も原子炉も破損したという情報はないので、炉内の水蒸気を逃がして原子炉を守れば破損は防げる。これによって放射性物質が大気中に飛散するが、原子炉が崩壊すると最悪の事態になるので、住民を避難させた上で蒸気を逃がすしかないだろう。

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被災地から離れている者の心得

被害を受けた人たちから遠い場所にいる人間として、これから心に強く留めておこうと思った文章を読んだ。

「未曽有の災害の時に」

一部引用・・

・・以上三点、「寛容」、「臨機応変」、「専門家への委託」を、被災の現場から遠く離れているものとして心がけたいと思っている。

これが、被災者に対して確実かつすみやかな支援が届くために有用かつ必須のことと私は信じている。

かつて被災者であったときに私はそう感じた。
そのことをそのままに記すのである。

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こちらは「報道について」の重要な指摘です。

一部引用・・

しかし、ここでマスメディア関係者に考えてほしいことがある。いまは非常事態だ。1人の日本人として、現在の状況がはらむ内在的危険を理解して欲しい。戦後、日本の国家システムは近代主義に基づいて作られている。そこで中心となるのが個人主義と生命至上主義だ。個人の生命と職務の遂行が天秤にかかった場合、個人の生命の方が重い。従って、国家も民間企業も、職務の遂行のために命を捨てる命令を行うことはできないのである。

 しかし、今回の東日本大震災による被害を極小にするために、文字通り命を賭して職務を遂行してもらわなくてはならない人々がいる。福島第一原発に関しては、東京電力の原子力専門家や経済産業省、原子力安全・保安院の文官、技官には無限責任(仕事のために命を差し出すこと)が日本国家と日本人同胞のために求められている。菅直人首相は民主的手続きに基づいて選ばれた日本の最高権力者である。ここで重要なのは菅直人という固有名詞ではなく日本国内閣総理大臣(首相)という役職だ。現行の法体系に不備があるならば、日本国家と日本人同胞を救うために首相は超法規的措置に踏み込む必要がある。

 マスメディアが責任追及の姿勢をとると官僚と原子力専門家が萎縮する。そして、規則やマニュアルの範囲内でしか行動しなくなる。これらの規則やマニュアルは生命至上主義に基づいて作られているので、命を捨てる職務は想定されていない。規則やマニュアルの想定をはるかに超える事態が生じている。破滅的結果が生じることを防ぐためには官僚や東京電力関係者を萎縮させてはならない。マスメディア関係者は是非そのことを理解してほしい。国民、マスメディア、政府が一体となって危機を脱する方策を、誠実に探求することがいま求められている。

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炉心溶融(メルトダウン)がおきてしまった。

◎経済産業省の原子力安全・保安院の記者会見の説明をテレビで見ていると、不安が増す。世界で三番目に起きてしまった「炉心溶融-メルトダウン」を収拾出来る能力を持つ技術者が本当に日本にいるのだろうか?

原子力安全保安院、東京電力、原子炉設備メーカーのどこかにいて欲しいが事故経験者は誰もいない。
おそらくチームが組まれて稼働しているのだろう。

誰がチームリーダーで、責任を持ってまとめている組織はどこ?

メディアはそのあたりも取材をして報道し、安心させてほしい。

もし日本に最適な専門家がいないなら世界に声をかけて技術者を集めてほしい。
スリーマイル島原子力発電所事故やチェルノブイリ原子力発電所事故のようなことにならないように総力を上げて欲しい。

◎明日から東京電力は「輪番停電」をするらしいが、以下さきほど知人に送ったメールの一部。

「現実的には海外の救援隊も含めて、これからは孤立して救援を待つ人の救助、病人と負傷者の手当て看護に加えて膨大な溺死死体の収容と身元特定がメインになり、それは一刻の猶予も出来ないと思います。

それとは別に「東電」が明日からの「輪番停電」を言い出していますが、病院、在宅病人への配慮以外にも各家庭の冷蔵庫の冷凍冷蔵食品、スーパー、コンビニ、飲食店の冷蔵庫、冷凍庫の食品へのダメージをどうするのか心配です。

たとえ3時間と言え、食品の劣化から大量廃棄と、大変な負の連鎖が生じるのではないかと。

電力不足だから停電しか方法がないと言われればそれまでですが、東電の幹部は日常生活全般への影響をどう考えているのかが現在の報道の限りでは見えなくて歯がゆいです。」

毎日JP webより

.東日本大震災:東電、「輪番停電」実施へ 戦後混乱期以来 
2011年3月13日 11時00分

東京電力は、東日本大震災で発電所の停止が相次ぎ、電力供給が大幅に落ち込むことから、14日以降、地域ごとに3時間ずつ電力供給を止める「輪番停電」を実施する。電力需要の少ない休日の13日は、通常通り供給できたが、企業活動の本格化する週明け14日は、供給不足が避けられないと判断した。国内の輪番停電は、戦後の混乱期以来。東電は「最低でも1週間は続く」としている。

 14日は、既に停止している原子力、火力発電所に加え、夜間電力でくみ上げた水で発電する「揚水式」水力発電所用の水を使い果たすとみられる。その結果、供給能力が13日より500万キロワット少ない3100万キロワットに減少する。これに対し、電力需要は、平日で企業活動が活発化することにより、最大4100万キロワットに達しそうで、1000万キロワットの供給不足となる見通しという。

 そのため、契約者約2800万件を約150万件(約500万キロワット相当)の供給区域に分け、事前連絡した上で2区域ずつ輪番停電することで埋め合わせる。病気療養者がいて、医療用機器を常用している世帯などには、発電機を貸し出すことも検討する。

 輪番停電は家庭、工場、オフィスの区別なく実施する。対象から、病院や公共施設などを除くことは「技術的に困難」(東電)なため、自家発電などで対応する必要が出てくる。鉄道は、複数の供給区域にまたがって走っているため、電力供給がとだえることはないとみられる。

 輪番停電は、電力会社の経営危機で供給不足に陥った米カリフォルニア州が01年に実施。信号機の停止で交通事故が多発したり、工場が操業停止に追い込まれるなど大きな影響があった。【大久保渉】
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2011年03月12日(土)

福島県で民間人3人が放射能を被ばく   

日本の原子力発電の歴史で初めて、民間人に被ばく者が出た。
何とか健康被害以下の被ばくにとどまって欲しい。

NHKニュース web版

福島 双葉町で患者3人被ばく
3月12日 22時47分

福島県は、福島第一原子力発電所のおよそ3キロ北にある双葉町での病院で、患者や職員90人のうち患者3人を抽出して検査したところ、3人全員が被ばくしたと発表しました。

 福島県は、「この3人の被ばくは、放射性物質を洗い落とす除染が必要なレベルだが、3人の体調には異常はない」としています。福島県によりますと、福島第一原子力発電所から半径10キロ以内の避難指示の範囲に位置する、双葉町にある双葉厚生病院にいた寝たきりの患者や職員90人のうち、患者3人を抽出して被ばくの検査をしました。

その結果、患者3人全員が被ばくしていて、3人は放射性物質を洗い落とす「除染」が必要なレベルでしたが、福島県は「3人の体調には異常はない」としています。

 福島県によりますと、病院にいた90人は、12日午後3時半ごろ、福島第一原発の1号機で爆発が起こったときに、高校のグラウンドで自衛隊のヘリコプターによって運ばれるのを待っていたということです。
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福島第一原子力発電所の現状について

テレビの画面に映る東北地方太平洋地震の被害状況を見ていると胸が痛くなる。

 報道の中でも気になる原子炉のメルトダウンの危険性について、テレビではポイントがずれたやりとしかなく事実がつかめない。

現在のところこのエントリーが一番わかりやすい解説かと思う。

一部引用・・

昨夜から出ている原発についての情報が錯綜しており、メディアの報道もミスリーディングなので、簡単に問題を整理しておく。

朝日新聞によると、福島第一原発の原子炉は地震で緊急停止したが、緊急炉心冷却システム(ECCS)が動かなくなった。別の装置で炉心に水を入れて冷やしていたが、午後8時半にはそれも止まったという。ECCSは炉心の温度が上がりすぎたとき、自動的に高い水圧で炉心に冷却水を注入する装置で、これが作動しなくなったというのは重大な事故である。

東電の発表によれば、炉心に注水する隔離時冷却装置は動いていたがこれも停止。停電に加えて非常用発電機もすべて停止し、冷却できない状態になっているという。その結果、格納容器の中の蒸気が過熱して圧力が高まったため、蒸気を放出した。メディアはそればかり報じているが、蒸気の放出は大した問題ではない。・・

全文はこちら

☆追加掲載

2011/03/12 13:18 【共同通信】

福島原発、放射性物質漏れ 燃料破損か、蒸気放出へ

 経済産業省原子力安全・保安院は12日、東日本大震災の影響で自動停止した東京電力福島第1原発で、正門近くの放射線量の数値が通常の70倍以上、1号機の中央制御室で通常の約千倍に上昇したと発表した。外部への放射性物質の漏えいが確認されたのは初。

 原子炉格納容器内の気圧が高まり、容器が耐えられずに破損するのを防ぐため、保安院は第1原発の1、2号機について、格納容器内の蒸気を外部に放出するよう東電に命令した。原子力災害対策特別措置法に基づく措置命令。

 同日朝、住民避難の範囲は第1原発の半径3キロから同10キロに拡大され、第2原発でも半径3キロ以内に避難、3~10キロの範囲に屋内退避の指示が出された。

 東電は1号機での放出作業を始めたが、作業は難航。午前11時20分には水位が低下して燃料が最大約90センチ、水面上に露出し、燃料の一部が過熱によって破損した可能性があるという。燃料の破損は、環境への放射性物質の放出を増やす恐れがあり、東電は慎重に状況を調べている。

 一方、菅直人首相は同日午前7時45分、冷却機能を喪失した福島第2原発を法に基づき、緊急事態宣言に追加した。東電は、第2原発の4基すべてで蒸気を外部に放出することを決め、1、2号機で作業を進めた。

 弁を開けて蒸気を放出すると、放射性物質が環境に漏れる恐れがあるが、大きな破損によって閉じ込め機能を失うことを防ぐ緊急避難的な措置。

 同日未明に記者会見した海江田万里経産相は、放射性物質の放出について「事前の評価では(放出されても)微量とみられる」と強調。保安院は、避難地域の拡大や海に向かって吹いている風向きなどから、住民の安全は保たれるとしている。

 東電によると、第1原発1号機の格納容器の蒸気は、水を張った大きなプールを通して放出するため、放射性物質はある程度低減する見込みだという。排気筒の出口では常時、放射性物質の量を測定し、環境への影響を見極められるとしている。
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