2016年8月1日月曜日

福島原発事故が起きた翌々年、2013年09月26日から09月30日の「阿智胡地亭の非日乗」の記事

2013年09月30日(月)
かっては 「日本に貧乏人はいるが貧困は存在しない」国だった    by 渡辺京二
朝日新聞/2013.08.23

生きづらい世を生きる 

「日本に貧乏人はいるが貧困は存在しない」

明治初期に東大に招かれた米国の動物学者モースの言葉ですね。

彼の念頭にあったのは、19世紀末欧米の大都会でみられた労働者の打ちひしがれた表情です。すでに資本主義が始まっていました。

貧困によって人間の尊厳まで否定される絶望。「人生の敗北」を思わせる不幸。そういったものが刻み込まれた貧困の表情が日本の貧乏人には見られない、と驚いたのです。

江戸には膨大な数の貧乏人がいたんですよ。でも彼らはそれぞれ居場所を持っていた。たとえば、煙管にヤニが詰まりますね。それを掃除する仕事が職業になる。それで食べていける。

そのかわり粗末な長屋暮らしですよ。家具もほとんどない。しかし、食事になると美しい食器を使う。その美意識にも外国人は驚いたんです。

維新後に司法省顧問に呼ばれたフランス人ブスケは、日本の労働者はちょっと働いたらすぐタバコ休みにする、これでは近代産業を移植するのは無理だと考えた。当時の日本人はまだ、自分が時間の主人公だったんですよ。地固め仕事のヨイトマケも、まず歌い、それから滑車の綱を引く。なんで労働の手を休めて歌うのか。

要するに労働は資本主義の賃労働と違って、遊びと分離されておらず、楽しみが含まれていた。
そういう非効率なものを排除していったのが近代化だったわけです」
こういう特質は欧州にもありました。欧米の観察者が日本で見いだしたのは、古き良き欧州ももっていた前近代社会の良さだったのです。

たとえば、いくら江戸時代がいいといっても当時の平均寿命は今の半分いかだったんだぞ、という批判があります。でも、その前提にある「寿命は長ければ長いほどいい」という価値観が、すでに近代の発想なんです。人は時代に考えを左右される。その思考枠に揺さぶりをかけ、いまの社会のありようを相対視したかったのです。(「逝きし世の面影」)

ーーー現代はどう見えますか。

あらゆる意味づけが解体され、人が生きる意味、根拠まで見失って、ニヒリズムに直面しているのではありませんか。だから合理的に働き、合理的に稼ぎ、合理的にモノを買って遊ぶ。稼いで遊び、遊ぶために稼ぐ。それが人生だと。それで済む人もいるでしょう。でも人間はいつまでもは満足できない。そのうち空しくなる。

根本には高度資本主義の止めどもない深化があると思います。基礎的な共同社会を、資本主義は根っこから破壊してしまうですよ。共同社会では無償で支え合ってきたものを、資本主義社会は商品化してしまうわけです。

お金を払えば済むわけですから便利ではあるんですよ。だけど人間はバラバラになってしまう。資本主義は一人一人を徹底的に切り離して消費者にする。その方が人はお金を使いますから。生きる上でのあらゆる必要を商品化し、依存させ、巨大なシステムに成長してきたのです。

ーーーでも、それによって経済的繁栄を手に入れたはずです。

その通りです。貧しさを克服した。しかし、近代は人間を幸せにすることには失敗しました。
なのではありませんか。

 人は何を求めて生きるのか、何を幸せとして生きる生き物なのか、考え直す時期なのです。

どんな女に出会ったか、どんな友に出会ったか、どんな仲間とメシを食ってきたか。これが一番です。そこでどんな関係を構築できるか。

自分が何を得て、どんな人間になっていけるか。そこに人間の一生の意味、生の実質がある。本来、生きていることが喜びであるべきなのです。GDPは関係ないんです。

ヒントが江戸時代にあります。皆が1日5時間働いて、ほどほどの暮らしができないかとか、仲間との絆が生まれる働き方ができないかとか。もちろん直接の応用はできませんよ。経済も社会も大きく変わっていますから。手がかりはある。

就職難で「僕は社会から必要とされていない」と感じる若者がいるらしいねえ。でも、人は社会から認められ、許されて生きるものではない。

社会なんて矛盾だらけで、そんなに立派なものじゃない。社会がどうあろうと、自分は生きたいし生きてみせる、という意地をもってほしいなあ。

人は何のために生きるのかと考えると、なにか大きな存在、意義あるものにつながりたくなります。それは下手するとナチズムや共産主義のように、ある大義のために人間を犠牲にしてしまう危険がある。

国家の力はどうしても働いてくるんだけど、なるべくそれに左右されず、依存もしない。自分がキープできる範囲の世界で、仲間と豊かで楽しい世界をつくって行く。

ただ、基礎的な社会にだけ生きて国家のことは知らないよ、ということではない。

大家には義理がありますから。義理は果たさねばならないが、本心は別のところに置いておきたいものです。
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新潟県知事と東電社長の面談記事 神戸新聞の2面はこう伝える
全国紙やテレビのキーステーションが伝えるニュアンスとこの大いなる違いが面白い。泉田知事は全くぶれずに本質を押さえて東電の社長と交渉していることがわかる。
画面クリックで読める大きさに拡大します。

9月27日付神戸新聞朝刊から引用。
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日本で個人が意見を出して世間を変える方法はあるのか?
【ハリス鈴木絵美×加藤嘉一 DOY対談 前編】
なぜ日本ではアメリカにあるような
政治とメディアの熱気が生まれないのか


前文引用・・

DOYとは「だったら、お前がやれ!」の頭文字。現在国際コラムニストとして活躍する加藤嘉一氏が行動規範としている言葉だ。

「対案のない無責任な批判はしない」

「当事者意識をもって自ら行動を起こす」

という意味が込められている。

ハリス鈴木絵美氏はオンライン署名サイト「Change.org」の日本でのディレクターを務める。

Change.orgは社会や身の回りのさまざまなことに対して、「変えよう」と思った人ならだれでも簡単にキャンペーンを立ち上げて署名活動を展開できるプラットフォームだ。

まさに加藤氏の言うDOYに込められた「当事者意識をもって自ら行動を起こす」ことと合致する。また二人には日米を中心にグローバルに活躍するという点で共通する。

二人の目には、日本社会はどう見えているのだろうか。政治やメディアなどを中心に話は盛り上がった。(取材・構成/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

本文一部引用・・

加藤 今日、絵美さんにぜひ聞いてみたかったのが、Change.orgみたいな新しいタイプのメディアはソーシャルメディアが爆発的に普及するなかで、どういう立ち位置になるのかなって。

これはもういろいろな人が言っていると思うけど、今の日本のメディアは発信スタイルも含めて型がある程度決まっていて、多様性やダイナミズムを反映しにくい。Change.orgはそういう凝り固まった現状を崩していくきっかけになり得るのかな。

絵美 日本のメディアって、エタブリッシュメントから評価されるように作られているんだろうなって思う。

数ヵ月前に初めて記者クラブに行ってきたんだけど、あれってつまり、記者は記者クラブにずっと張り付いて、与えられた情報を報道するっていう仕組みなんだよね。

記者は大臣のオフィスとか警察とかにずっと居て、情報をピックアップして記事を書いて報道している。

 そういう仕組みを飛び越えて、社会のなかで一番面白いネタを探しているっていうわけじゃない。

だから、Change.orgで始まっているすごく面白いキャンペーンなんかは、彼らの目に留まらない。

Change.orgのキャンペーンのネタは記者の人たちの担当に必ずしも当てはまるような話ばかりじゃないからね。

世の中で語られていない、いろいろストーリーがChange.orgにはある。そこは既存のメディアにはないところじゃないかな。


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みんなちがってみんないい・・は既得権保持者を利する?

みんなちがってみんないい――「集団」になれても「団体」になれない私達

一部引用・・
 
このことをもって、「現代人は団結力が無くなった」と批判する人もいるかもしれないし、事実、現代人には団結は難しかろう。

しかし、共通点の乏しくなった私達、「ネタ」に身を寄せ合うことしか出来なくなった私達が、共通点の多かった時代の人々と同等の団結を成し遂げろというのがどだい無理な話なのである。

ニコニコ動画やSNSをみてのとおり、人間(の大半)は孤独に弱く、だからこそ身を寄せ合うためにコンテンツに群がったり、わざわざ共通話題となるコンテンツを摂取してでもコミュニケーションに食いつこうとする。

けれども、芯から共通点が多いわけでもない粒度の高い個人と個人が、その粒度の高さをアイデンティティの存立様式として維持ながら繋がろうとすれば、せいぜい、ネタやコンテンツをハブとして刹那的な集合をつくるのが精一杯になるのは致し方のないことである*1。
 
 粒度の高い世界でグリップをきかせるのは

では、こういう個人の粒度がやたら高く、一瞬の集合は可能でも長期的な結合の困難な社会で実質的なグリップを握る人はどういう人だろうか?
 
既に権力を持っている者、既にひとまとまりの団体をつくっている者、持続的な活動のできる者達がますます勝ち残るのだろう。

もちろん、移り気で「ネタ」で集まることしかできない砂粒のような人々が、コントローラブルかどうかは別だ。

しかし、ニコニコ動画の人気動画であれ、オフラインの革命ごっこであれ、そういったものが瞬間的な突風に過ぎないことを知悉したうえで、軸のブレない活動と組織化を進めていける(立場と判断力の双方を持った)人間でなければ、こういう状況下では何も成し遂げられないだろう。

爆発力のあるネタで人を集めてみたところで、そんなものは、せいぜいバブルな承認欲求を充たすに終わってしまうか、運が良くてもアブク銭を手に入れて終わりである。飽きっぽい人々のアテンションを「ネタ」で束ねて熱狂してみたところで、彼らを引き留めておくことなどできないのだから。
 
逆に言えば、ネタに集まることしか知らない、団結しようにも共通連結点の乏しい人間ばかりの状況だからこそ、いったん権力を握った側・相応の規模で組織化を成し遂げた側にとって、現状は新しいライバルが出現しにくい案外やりやすい状況かもしれない。
「ネタ」に集まる砂粒達の関心は山の天気みたいなもので、どのみち予測しきれず、多少の醜聞は避けがたい。

しかし、なんにせよ新しい団結や組織化が困難なのだから、そういったものを実質的な水準で保持したライバルはそう簡単には生まれてこない。表面的にはラジカルでも、実質的には泰平である。

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風疹大流行になすべきこと   by 上 昌広
一部引用・・

風疹が大流行している。昨年11月に大都市圏で始まり、全国に拡大した。7月17日現在の患者数は12,832人である。

知人の医師は、「生まれて初めて、こんなに風疹を診ました。ただ、多くの患者を見落としていると思います」という。

確かに、医学の教科書には「風疹の臨床診断は不正確であり、診断には血清検査が不可欠」との主旨の記載がある。また、成人が風疹に罹患した場合、約15%は症状が出ない。不顕性感染の存在も考えれば、この数字は氷山の一角と考えるのが妥当だろう。

風疹の流行は、今に始まった問題ではない。古くは1976、82、87、92年に大流行があった。最近では2004年に流行している。その時の推定患者数は4万人である。つまり、風疹は、我が国で数年おきに感染を繰り返していることになる。

今回の流行も、突然始まった訳ではない。患者数は、2010年87人、11年378人、12年2,392人と着実に増加してきた。そして、今年の大流行となった。

他の先進国と比較して、この状況は見劣りする。

例えば、米国では、1962-65年の風疹流行の際には、1250万人が罹患し、2000例の脳炎、 11250例の死亡が報告されたが、1969年に風疹ワクチンが導入されて以降、患者数は着実に減っている。2000年代半ば以降は、年間の発症は数例 で、患者の大半は国外で生まれた人である。

アメリカの風疹対策のポイントは、ワクチンの接種対象の拡大、さらに接種率向上への取り組みである。

当初、小児を対象に、1回接種するだけだったが、 1970年代後半に、成人の10-20%が免疫を持たないこと、および学校・軍・医療現場で集団発生が起こっていることが判明すると、思春期前後の女性、 軍関係者、学校や職場で集団感染する危険がある人も接種対象に加えた。

・・・・・中略・・・・・・

結語部分引用・・

風疹対策は、我が国が抱える喫緊の課題だ。

この問題は行政任せでは解決出来ない。

ワクチン行政こそ、厚労行政の宿痾を凝縮したような存在だ。

この問題を解決するには、医師・住民が当事者意識を持ち、地道な努力を積み重ねる必要がある。

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都議会の与党と首長の慣れ合いが深化している
代表質問から見えた、都議会の「与野党化」

一部引用・・

議院内閣制を採用する国会と違い、地方議会は「二元代表制」です。 二元代表制では、首長と議員はどちらも有権者から直接選挙によって選出され、 それぞれが住民の代表として適度な

「緊張関係(対立関係)」

を保つことによって監視や競争のインセンティブが働くことに意味があります。 ところが多くの地方議会では、このように時の最大会派が 「与党化」して首長と協力体制になることが多く、これが

「本来立法機関である議会(議員サイド)から、条例案が何十年も提出されない」

という事態を招いたり、 議会が単なる首長の「追認機関」に成り下がる原因となります。

もちろん、協力すべきところは協力するべきですが、 このようなスタンスの自民・公明会派が3分の2を占める都議会で 適切な「緊張関係」が保てるのかどうか、率直に不安を感じた代表質問でございました。

そういう意味で、政策的な是非は置いておいて、 「野党」共産党さんの質問が一番見応え(聞きごたえ)があったと思います(笑)。 野次の量も半端じゃなかったですけど…。

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2013年09月29日(日)
大川常吉鶴見警察署長と関東大震災。当たり前のことをしただけと孫は言う。
歴史の暗部を照らす存在 関東大震災時に朝鮮人を虐殺から救った大川署長の精神はいま/神奈川
2013年9月28日 神奈川新聞

 朝鮮人が暴動を起こす-。事実無根のデマをもとに多くの無辜(むこ)の命が奪われた悲劇があった。1923年の関東大震災直後、横浜でも起きた朝鮮人の虐殺だ。恐慌と迫害の嵐が吹き荒れるなか、朝鮮人をかくまった大川常吉鶴見警察署長のエピソードは、美談として広く知られる。

それから90年。大川署長の精神を伝えるべく奔走してきた人たちは今、何を思うのか。

 鶴見で流言が広がったのは震災翌日、9月2日の朝だった。

 「朝鮮人が集団で略奪、殺人、強(ごう)姦(かん)、放火を行っている。鶴見も襲撃される」「朝鮮人が井戸に毒を投入して歩いている」

 信じた住民たちは、朝鮮人を探し始めた。京浜工業地帯として発展しつつあったこの地域では、朝鮮からの出稼ぎ労働者が多く暮らしていた。当時、日本の植民地の民だった朝鮮人への差別意識と迫害の裏返しとしての恐慌を背景に、虐殺は始まった。

 デマをきっぱり否定し、中国人を含めた400人以上を警察署にかくまったのが大川署長だった。

 群衆は暴徒化し、「朝鮮人を出せ」と署庁舎を包囲した。町議会も「県外に追放するべきだ」と主張した。大川署長は町議会で訴えた。「職を求めて来たのであり、反乱など起こす人々ではない」。粘り強い説得で議員らも折れ、この地域では以後、朝鮮人や中国人を一般の被災者として遇することができた。

 ■「立派な人」か

 大川署長が眠る鶴見区潮田町の東漸寺。本堂脇に一つの石碑が立つ。大川署長への感謝の言葉が刻まれ、「在日朝鮮統一民主戦線鶴見委員会」の名が添えられている。日付は1953年3月21日。

 「鶴見の朝鮮人は大川さんに感謝し、そのことを覚えていた。震災翌年には大川さんに感謝状を贈り、30年後にこの石碑を建てたのです」

 そう説明するのは、大川署長についての研究に取り組む横浜市立中学校の元社会科教師、後藤周さん(64)だ。

 朝鮮人虐殺の史実を語り継ぐフィールドワークや講演を続けるなかで、大川署長のことも伝えてきた。通り一遍の「立派な人」という視点からではない。

 いま、在日コリアンに対する憎悪をむき出しにしたデモを街中で行う人たちがいる。排外の空気を感じるからこそ、伝えたい教訓がある。

 「大川署長は、暴徒に襲われてけがをした朝鮮人を病院で無料で治療させるなど、彼らを迫害から守ることこそ警察官の仕事、と確信して行動した。根底には、人を人として尊重するヒューマニズムがあった」と後藤さんは言う。

 当時の日本人にとって、朝鮮人は植民地からやってきた「二等国民」だった。日本人と同等に扱うべき存在と考えることができたのは、少数だった。

 警察官が住民を守るという当たり前のことが美談としてたたえられる社会状況。その異常さにこそ、目を向けなければならないはずだ。大川署長は、その背後にある虐殺という歴史の暗部を照らし出す存在でもあるのだ。

 ■ごめんなさい

 95年12月。韓国・ソウルの病院に大川署長の孫、豊さん(61)=横浜市=の姿があった。

 集まった病院スタッフ約200人を前に、こう切り出した。「このような歓迎にお礼の言葉もありません。しかし、祖父がしたことはそんなに褒められることなのでしょうか」

 豊さんが生まれたとき、祖父はすでにこの世を去っていた。祖母からは「偉かったんだよ」と教わっていたが、詳しい事情は知らなかった。

 それを知ったのは、在日韓国人2世の作家、朴(パク)慶南(キョンナム)さん(63)=相模原市=によってだった。

 朴さんは92年、エッセー「ポッカリ月が出ましたら」のなかで大川署長を紹介した。その取材で豊さんのもとを訪れていた。

 大川署長の逸話は韓国でも感動を呼んだ。作品を読んだソウルの病院長が、「ぜひ職員の前で大川さんの話をしてほしい。子孫にもお礼をしたい」と朴さんに頼み、2人は連れだってソウルに飛んだ。

 豊さんは、祖父の行動が持ち上げられることに違和感を覚え続けていた。病院職員に、その思いを率直に伝えた。

 「当時、日本人が韓国朝鮮の方にあまりにひどいことをしたため、当たり前のことが美談になってしまった。だから私が日本人としてみなさんに申し上げる言葉は、これしかない。『ミアナムニダ』(ごめんなさい)」

 会場は大きな拍手に包まれた。

 当初、韓国の人たちがどのような反応をするか怖かったという豊さんだが、温かく迎えられ、「受け入れられた」と実感できたという。

 ■国と国を結ぶ
 
 朴さんはソウルでの豊さんの言葉を忘れない。「自分がその場にいたわけでなくても、本当に苦しい思いをして殺された人たちの側に立ち、痛みをちゃんと感じ取る思い、感性、歴史認識。国と国を結ぶ大事なものだと思った」と振り返る。

 各地の学校を回り、子どもを前に行う講演のなかで大川署長のことに触れる機会も多い。伝えたいのは「大川さんの行動はすばらしいが、本当は当たり前のこと。すばらしくなるような社会にしてはいけない」ということ。そして、「大川さんの行動を生んだひどいことから、目をそらしてはならない」ということだ。

 もし自分ならどうしただろう、と朴さんは考える。「平和で身が守られている状況でなくなったとき、後で悔いがないように行動できるだろうか」。大川署長のエピソードは、誰もが抱えている弱さ、愚かしさといった人間の根源までも問うているとも感じている。

 今年に入り、東京都の高校日本史と横浜市の中学生向けの副読本から「虐殺」の2文字が消え、「殺害」などに変更された。自分たちに心地いいだけの歴史へ、書き換えが進んでいるかのようだ。加えて、在日コリアンに対する排外的な言動-。

 現状に閉口することもある豊さんだが、一方で信じている。「今、国と国が対立しているが、国があおっている部分がある。一般の庶民は、決してそんなことはない」

 豊さんは日常の暮らしのなかで、在日の人たちへのむき出しの憎悪に接したことはない。街中の排外デモも一部の出来事、と感じている。


 ◆朝鮮人虐殺

 1923年9月1日に関東大震災が発生した後、「朝鮮人が襲って来る」「朝鮮人が井戸に毒を入れている」という流言が東京、横浜、千葉など被災地に広く流れた。これを信じた日本人らは住民有志による自警団を結成。場所によっては軍隊、警察も武器を手にし、無実の朝鮮人を殺害した。政府が実態調査を行わなかったこともあり、正確な被害者数や虐殺の様相は分かっていない。
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全地域で電力不足を回避 9社、冬の需給見通し   共同通信
2013/09/28 22:47

 沖縄電力を除く電力9社のこの冬の供給余力を示す予備率がいずれも安定供給に最低限必要な3%以上となり、電力不足を回避できる見通しであることが28日、明らかになった。

政府は冬の節電期間の数値目標を全地域で見送る方向で検討に入った。

この夏と同じく、無理のない範囲で節電への協力を求めるとみられる。

 原発が長期間停止する中、家庭や企業で節電が定着した。電力各社が火力発電所の高稼働率を維持するほか、各社間で相互融通の態勢が確立していることも背景にある。節電目標が見送られれば東日本大震災後、冬では初めてとなる。

それでも原発を再稼働するのは、実需の必要性ではなく、核(原子力)発電所の稼働が条件で流れる膨大な原子力ムラ用のカネを流すためだ。

これは産官政学メディアのペンタゴン複合体が、これまで通りに既得権を思うままに操るには必須の血流だ。
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2013年09月28日(土)
汚染水問題 専門チーム作り対策へ NHKNEWSweb
9月27日 20時49分

東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の問題で、国の有識者会議は地下水の流れや汚染の広がりを詳細に分析して把握する専門のチームを作り、対応が必要なリスクや具体的な対策をとりまとめることになりました。

福島第一原発では汚染水を巡るトラブルを未然に防げていないことから、国の有識者会議は27日の会合で今の段階で想定されるリスクと追加対策の案を公表しました。

この中で今後対応が必要なリスクとして建屋にたまっている汚染水の漏えいや、地震などによるタンクの破損などを挙げています。

対策としては建屋の地下に排水ポンプを設置して、たまっている汚染水の水位をコントロールすることや、タンクが壊れた場合に、大量の汚染水を速やかにほかの施設に移す方法を構築することなどが必要だとしています。

また、対策がうまくいかなかった場合の二次的な対策の必要性も示されました。

27日示されたリスクと対策の案については、今後の会議でさらに議論されますが、委員からは「地下水の挙動がわかっていない」という指摘が出て、地下水の流れや汚染の広がりを詳細に分析して把握する、専門のチームを作ることになりました。

有識者会議では今後、現地調査などを行って、海外も含めて技術を募りながら、年内に汚染水を巡るリスクと対策をとりまとめることにしています。
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加藤コミッショナーの責任免れず プロ野球統一球で第三者委  共同通信
 2013/09/27 21:02

プロ野球の1軍公式戦で使われる「統一球」を今季から飛びやすく変更しながら公表していなかった問題を調査した第三者委員会(那須弘平委員長=弁護士)は27日、東京都内で12球団の代表者に最終報告を行い、変更の把握の有無にかかわらず加藤良三コミッショナーの責任は免れないと結論づけた。

 同委は非常勤のコミッショナーの勤務態勢を批判し、コミッショナー制度の強化、充実も提言した。無責任な状況を招いた要因として、プロ野球を統括する日本野球機構などの体質を挙げた。パ・リーグ理事長を務めるオリックスの村山良雄球団本部長は記者会見で「重く今回の件を受け止めた」と語った。

☆第三者委員会のこの結論を事前に聞かされた加藤さんは慌てて、辞任を申し出て予定より早く世間から逃げた。正式辞任の時期まで座っていれば辞任の記者会見でまた叩かれる。

読売新聞グループの大総統、ナベツネにおだてられて、担ぎやすい御神輿になった加藤さん。得々と統一球にサインを入れて喜んでいた熱烈なプロ野球ファンだったらしい。

 しかし現場のプレーヤー、選手会から退任を求められたのは想定外で、生涯の汚点になってしまった。ナベツネの口車にさえ乗らなければ、元駐米大使として名誉ある余生を送れたのに・・。

 しかし世の中は少しずつ変わりつつある。プロ野球の選手たちも
閑古鳥のなく球場でプレーするたびに興行としてのプロ野球のこれからに、肌で危機感を感じている。

客を呼ぶのは俺らやで、会議室の旦那衆は勝手なことするなという彼らの思いが今回は表に出た。

そしてプロ野球で飯を食っているスポーツ新聞の連中も、今回の事ではヨミウリキョジン王国のコントロールには従わなかった。

彼らも新聞の売り上げが落ちる一方なので危機感を現場の選手たちと共有している。
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なるほど原発再稼働をカネの面で支えるのは銀行団だったのか
銀行団、東電向け融資継続へ 再稼働申請受け
2013/09/28 10:39 【共同通信】

 三井住友銀行や地銀など28金融機関が、10月末に返済期限を迎える東京電力向け融資約770億円の借り換えに応じる方向で調整に入ったことが28日、分かった。

 東電が27日、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(新潟県)の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請。2014年度以降、東電の経営が改善に向かう見通しが強まり、金融機関が融資しやすくなった。東電と金融機関は10月中旬までの最終合意を目指す。

 東電は、12月にも大手行や日本政策投資銀行などに計5千億円の新規融資と借り換えを要請。来年1月にも、今回とは別の融資約770億円の借り換えを地銀などに求める。

原子力ムラの有力な旦那衆に銀行団もいたことをあらためて教えてもらった。

日本には殺さぬよう生かさぬよう、かつがつ日を送らせて頂く一般庶民の日本と、原子力ムラの旦那衆がゆうゆうと楽しく生きる日本の、両建てで国が二つあるのかも知れない。
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銀行を守るために国民にツケを回す安倍政権 東電への国費投入。
東電への国費投入が「9月3日」だった理由
※AERA  2013年9月30日号

五輪招致のために、世界に向けて汚染水対策をアピールした安倍晋三首相。国費投入を決め、東電にさらなる廃炉を求め、安倍政権の対応は頼もしく見えるかもしれない。しかし、本当にそうなのか。

 このタイミングで国が対策に乗り出した理由は、五輪招致がすべてではない。実は、別の“下心”があった。

「ずばり、それは銀行がこれまでに東電につぎ込んだ4兆円の融資を守るために国費を投入し、すべてを国民につけ回す、ということです」

 と指摘するのは、元経産官僚の古賀茂明氏だ。「国が前面に出る」ということは、「銀行を守る」ということにほかならないというのである。

 からくりは、こうだ。東電に融資している銀行団は、汚染水の流出を7月の参議院選前から問題視していた。というのも、東電はこの10月に地方金融機関中心に800億円の借り換えがあり、さらに12月にはメガバンク中心に2千億円の借り換えと、3千億円ともいわれる新規融資が予定されている。

新規融資はもちろん、借り換えと言っても、当然、銀行内の審査基準をパスしなければならない。ところが、この汚染水問題は、これから先どれくらいの資金が必要になるかわからない。となると、東電は債務超過に陥る可能性が大きい。

「そんな企業に融資したら、それこそ特別背任です。現に、北関東の地域金融機関の一つが、借り換えに難色を示していると聞く。だからこそ、国という“保証人”が必要だったのです」(古賀氏)

 東電を支えるために銀行団から継続して融資を引き出すには、東電が今後も絶対に破綻(はたん)しないという“国の確約”がいる。そのためには、「汚染水問題は税金で対処するから、東電の負担はそれほど増えない」ということを示す必要があった。そのタイミングが10月と12月。ちょうど、それに合わせて9月3日に「国費投入」が決定されたというわけだ。

「国費投入は、五輪招致という“錦の御旗”のもとで歓迎されましたが、実際は、震災直後に国が『東電は破綻させない』と決めたときからの既定路線なのです。

私がまだ経産省にいた2011年の4~5月ごろ、東電を破綻処理すべきかどうかが議論されていました。当時、いちばんのポイントは、東電が事故の免責の主張をするかどうか。

責任をかぶることを嫌がった政府は、当時の勝俣恒久会長を連日説得し、『東電は絶対に守る』という約束のもとで責任を認めさせたということです」(同前)
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アメリカの国防費削減で各種対応案。嘉手納F15も対象に
嘉手納F15全廃案 国防費削減で米空軍

米軍嘉手納基地に配備されているF15戦闘機=8月7日

2013年9月28日 09時32分
(
 【平安名純代・米国特約記者】米国防費の自動強制削減対策として、米空軍が嘉手納基地所属の戦闘機F15の運用部隊の全廃案を検討していることが27日までに分かった。豪への移転案も浮上しており、来年2月に最終決定する。複数の米軍高官が本紙の取材に対して明らかにした。

 ヘーゲル国防長官は、7月に同省で開かれた記者会見で、自動強制削減が継続される場合には、米空軍の五つの戦闘飛行隊を削減する可能性が高いなどと言及していた。

 現時点でF15の他に全廃(または大幅削減)の対象となっているのは、戦術輸送機C130、空中給油機KC10、攻撃機A10など。

 ファニング空軍長官代理は16日に空軍協会年次総会で講演し「自動強制削減の継続が決定した場合、訓練の一部縮小などでは間に合わない」などと述べ「対応策として2通りの案を策定している」と前述した機種を挙げていた。

 空軍高官によると、嘉手納にはF22やF35などの後継機が配備される可能性が高いことから、F15の削減や部隊全廃案などが浮上したという。

 現在、同基地所属のF15は48機で、同機を運用している第18航空団第67戦闘飛行隊の要員は、パイロット約40人、整備要員約300人など約370人となっている。

 一方で、カーライル太平洋空軍司令官は、ワシントンで7月に開かれた記者会見で、オバマ政権はアジア太平洋重視戦略を維持する方針と強調。域内の同盟国との共同訓練の必要性はさらに増加する見通しだと述べ、嘉手納のF15をオーストラリア北部ダーウィンの豪空軍基地に巡回配備する案も検討していると述べている。

 米各軍は今月28日までに2015年米会計年度(14年10月~15年9月)予算案を国防総省に提出し、来年2月までには最終案が決定される見通し。

在沖海兵隊 兵力維持へ


2013年9月27日 09時47分

 【平安名純代・米国特約記者】米国防費強制削減に対応するため、米海兵隊が米本土の兵力を大幅削減し、在沖海兵隊の兵力は維持したまま組織全体を統廃合する再編案をまとめていることが26日までに分かった。国防総省は、海外駐留部隊も対象に削減幅がより大きい再編案をすでに立案しており、二者間協議で一本化した後、来年2月までに「4年ごとの国防計画見直し(QDR)」としてまとめ、公表する。

 在沖海兵隊の兵力規模を維持する理由について、海兵隊幹部は本紙に対し、「日米両政府が合意したグアム移転計画の完了を待つ必要がある」との認識を示した。その上で、「垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの導入で訓練範囲が拡大したため、同機の利点を最大限に生かせるよう部隊の形態などを変更する可能性はある」と述べた。

 海兵隊の再編計画を担当するマッケンジー少将は19日、米海軍協会主催の朝食会で、「アジア太平洋地域は国防費強制削減の影響は受けない。沖縄やカリフォルニアから、中東やアジアへ前方展開する機能が強化される」と言明。オバマ政権のアジア重視戦略を反映し、カリフォルニア州のキャンプ・ペンデルトンと沖縄うるま市のキャンプ・コートニーの各司令部を重視する姿勢を強調した。

 一方で、南東部ノースカロライナ州キャンプ・レジューンの海兵遠征軍司令部は、東部バージニア州ノーフォークの海兵隊総軍へ統合されると述べた。

 エイモス総司令官は18日の下院軍事委員会での公聴会で、年に約5000人ずつ削減し、2017米会計年度末までに約17万4千人規模に縮小すると述べている。
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政府に反対の意見が多い。 組織的な動きがあったと町村座長
秘密保護法案 意見公募で8割反対

2013年9月27日 東京新聞朝刊

 政府は二十六日、自民党の特定秘密保護法案に関するプロジェクトチーム(PT)の会合で、機密を漏らした公務員らへの罰則強化を盛り込んだ同法案の概要に対するパブリックコメント(意見公募)の実施結果を明らかにした。今月三日から十七日の間に約九万件が寄せられ、反対が八割近くを占めた。

 意見公募は、政府が法案を閣議決定する前などに、国民の意見を聞く制度。意見が数件しか寄せられないケースも多く、九万件は異例だ。今回の募集期間が、一般的である三十日の半分しかない十五日だったことを考えれば、国民が強く懸念している実態を示したといえる。

 反対意見は「原発問題やTPP(環太平洋連携協定)交渉など重要な情報を知ることができなくなる」「取材行為を萎縮させる」など、国民の知る権利や報道の自由を懸念する内容がほとんどだった。

 「スパイを取り締まれる状況にしてほしい」など、賛成意見は約一割にとどまった。

 反対意見が圧倒的に多かったことについて、法案成立を推進するPT座長の町村信孝元外相は「組織的にコメントする人々がいたと推測しないと理解できない」と記者団に述べた。

◆政府原案「知る権利」盛らず

 政府は二十六日、特定秘密保護法案の原案を自民党に提示した。焦点の基本的人権に配慮する規定では、新たに「報道の自由」を明記する一方「知る権利」は盛り込まなかった。

 法案は、政府が秘匿の必要があると判断した情報を「特定秘密」に指定し、漏えいすれば最高懲役十年の罰則を科す内容。

 原案は「報道の自由」に関し「十分に配慮するとともに、これ(法律)を拡張して解釈し、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない」とした。

 自民党PT座長の町村信孝元外相は「知る権利」が明記されなかった理由について記者団に「(知る権利が基本的人権に含まれるかは)裁判の判断、政府、党、国民の議論も分かれる」と指摘。政府が引き続き明記を検討していくことも明らかにした。

 政府が先に公表した概要では「知る権利」や「報道の自由」に関する規定で「基本的人権を不当に侵害することがあってはならない」と表記していたが、与党の公明党は具体的に表現するよう要求していた。

 ただ、規定は努力目標にすぎず、どんな表現が盛り込まれても「知る権利」が制限される懸念は消えない。

アメリカの国家財政ひっ迫で、国防予算が間違いなく削られる。それに連動して日本の自衛隊に駐留アメリカ軍のいくつかの役割を回そうと言うシナリオが書かれている。

そうなれば日本人にある程度アメリカ軍の戦略や武器機密を流す必要があるが、アメリカは日本の公務員やメディアの機密保持を全く信用していない。

 そこでアメリカから出てきたのが「秘密保護法案」の迅速な成立、発効の絶対命令だ。そしてまた、この動きに便乗して日本の国防族の旦那衆が戦前の「治安維持法」の復元を狙う。

 町村さんの言葉には、アメリカの意向を担う忠実な代行者の苛立ちが透けている。

いすれにせよ、羊の様に大人しい国民をもっと扱いやすい蟻のような国民にする「秘密保護法案」を立法化させねば、日本国首相というか、51番目の米州知事の首が飛ぶから、間違いなくこの法案は成立するだろう。
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「トラ・トラ・トラ」と「ミッドウェイ敗戦」  by 半澤健市
 ―歴史は逆順で繰り返す―

《「ユーフォリア」はいつでもやってくる

 「東京五輪2020」決定で国中が「ユーフォリア(陶酔感)」にはまった。壮大な国民的錯誤の発生である。1941年12月8日に、帝国臣民が陥ったユーフォリアと同質である。いずれも20年もの閉塞感からの解放感覚の発現である。

「大東亜戦争」緒戦の勝利から、42年6月のミッドウエイ海戦敗北で、彼我の形勢が逆転した。山本五十六の予言が現実になった。大本営は「敵空母二隻を撃沈、我が方の損害は空母一隻喪失・一隻大破」と発表した。実際は、日本の空母4隻の喪失と米空母1隻の撃沈であった。

1942年6月11日の『朝日新聞』のトップ記事に、「太平洋の戦局此の一戦に決す」の見出しがある。記者の意図はどうあれ、実に正確な表現である。連合艦隊は主力空母の喪失でその機動力に壊滅的な打撃を受けた。報道の自由のない帝国では、この事実を臣民は45年8月の敗戦まで知らなかった。

《70年後も同じ思想と行動である》


 2011年3月から2013年9月までの歴史は、「トラ・トラ・トラ」(現地攻撃機が真珠湾奇襲成功を報告した電文)と「ミッドウェイ敗戦」の再現である。更に悪いことは順序が逆であることである。

「3/11」の直後に、東電福島第一原発の1号機から3号機が「炉心溶融(メルトダウン)」を起し、4号機は水素爆発を起こした。戦中に比べれば多少は報道の自由があるからさすがにメルトダウンは隠せなかった。

しかし東電がメルトダウンを渋々と認めたのは11年5月に入ってからである。「原子力安全・保安院」は、当初事故レベルを5としていた。チェルノブイリ並みの7に訂正したのは4月12日である。

マスメディアとソーシァル・メディアの報道から、国民の多くは悪しき既得権益集団「原子力ムラ」の存在と欺瞞に満ちた「大本営発表」の健在を気づき始めた。脱原発の運動が始まった。福一事故は日本近代の軌道を転轍するような大事件である。

続きはこちら

◎昭和16年12月8日
―ユーフォリアへ飛翔する危うさ―  こちら
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英国における企業の致死事件に対する刑事処罰の拡大  by 岡久 慶 
Ⅰ 背景
Ⅱ 法人故殺法案草案の発表
Ⅲ 法人故殺法案草案への反響
Ⅳ 法人故殺法案発表と審議過程
Ⅴ 法人故殺法の概要
Ⅵ 法人故殺法の評価
2007年法人故殺法(Corporate Manslaughter
and Corporate Homicide Act 2007
(注1)
(c.19))
は、企業等の法人が起こした死亡事故に対して、
刑事責任を問う法律である。従来、こうした刑
事訴追においては、特定の運営責任者の責任を
証明する必要があったが、本法はこれを法人の
管理・運営体質に帰因させ、違反に対して上限
のない罰金を課することを可能とするものであ
る。

この法律の制定は、1997年に労働党が政権を
獲得した直後の党大会において公約に掲げられ
ていたが、政府内の慎重論もあり、その歩みは
遅々としたものであった。

公約は、2001年及び2005年の総選挙マニフェ
ストにも掲げられていたが、議会の2005-2006年
会期も終盤に近い2006年7月にようやく法案が
提出された。同法案は次年度の継続審議を経て、
2007年7月26日に成立した。

全文はこちら
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2013年09月27日(金)
日本国天皇と日本を占領した連合国軍最高司令官が初めて面談した日 68年前の今日。
 

1945(昭和20)年9月27日、天皇裕仁(ひろひと)は、東京・赤坂の米国大使館に連合国軍総司令部(GHQ)のマッカーサーを訪問、35分にわたり会談した。

マッカーサーは、その回想録で、「私は丁寧に出迎え、日露戦争終結の際、私は、「一度天皇の父君と拝謁(はいえつ)したことがあるという思い出をしてさし上げた」と書いているが、通訳として同行した当時外務省の情報部長であった奥村勝蔵は、「初めの挨拶が一応済むと、元帥の語調がサッと変わり、演説めいた調子で滔々(とうとう)とやりだした…演説口調の合いの手に、私に向って厳然と『テル・ザ・エンペラー』(天皇の告げよ)といった言葉が、鋭く私の耳に響いた」と記している。

マッカーサーは日本占領当初、「日本は4等国に転落した」と言って日本人を悔しがらせたが、それを日本国民が認識したのが1945年9月29日付で朝日・毎日・読売の3各紙に掲載されたこの写真である。

開襟シャツ(軍服)でしかも襟元のボタンを外すというラフなスタイルで、手を腰に当てリラックス(ふんぞり返っている)身長180センチのマッカーサーと身長165センチと背が低く、モーニングで直立不動姿のやや猫背である天皇ヒロヒトとの好対照なツーショットは、現人神の天皇の「メンツ」「威厳」を失わせるに十分であり、戦勝国と敗戦国との現実をものの見事に表現している。

外務省の公式記録には「写真三葉ヲ謹写ス」とある。撮られたのは掲載の2日前の9月27日。

「マッカーサー元帥ハ極メテ自由ナル態度」で、天皇に「パチパチ撮リマスガ、一枚カ二枚シカ出テ来マセン」と説明した。

未発表の2枚はいま、米国バージニア州のマッカーサー記念館にある。1枚は元帥が目を閉じている。別の1枚は天皇が口元をほころばせ、足も開いている。どちらも、発表された上の写真に比べて、天皇が自然体に構えている。そのぶん「敗者らしさ」が薄まって見える。

この写真を掲載した新聞を、内閣情報局が発売禁止した。これに対して連合国軍総司令部(GHQ)は、「日本政府の新聞検閲の権限はすでにない」と処分の解除を命じた。同時に、戦時中の新聞や言論に対する制限の撤廃も即決したのだ。

新聞で、それを知った作家の高見順(1907~1965。福井県生まれの小説家。転向左翼の苦悩と退廃を描く「故旧忘れ得べき」でデビュー、戦時下の良心的知識人のあり方を追求した。小説「如何なる星の下に」「いやな感じ」、評論「昭和文学盛衰史」、詩集「死の淵より」等がある)は、『敗戦日記』(中公文庫BIBLIO20世紀)に以下のように書いた。

「これでもう何でも自由に書ける……生れて初めての自由!」。こんな、はじける喜びの浮き浮きした感じにこそ、あの写真が語り継ぐ時代の重さの実感がこもっている(05年09月29日付『朝日新聞』)-「天声人語」)。

また、写真を見た歌人斎藤茂吉(1882~1953。山形の生まれ歌人・医師。伊藤左千夫に師事、歌誌「アララギ」同人。歌集「赤光(しゃっこう)」により、アララギ派の代表的歌人となる。実相観入による写生説を唱えた。文化勲章受章。歌集「赤光」「あらたま」「ともしび」「白き山」、評論「柿本人麿」、歌論集「童馬漫語」など)は、「ウヌ!マッカーサーの野郎」と日記に記した(講談社版「昭和」第7巻)。

45年9月29日の新聞各紙を飾った1枚=勝者の余裕と敗者の緊張が並ぶ構図は、人々に日本の敗戦を実感させた。

『朝日新聞』の見出しは「天皇陛下、マツクアーサー元帥御訪問」
引用元
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セシウム検査で判明した子どもの体内被曝の深刻度 週刊朝日
※週刊朝日  2013年10月4日号

 関東15市町で実施されている最新検査で、子どもたちの尿の7割からセシウムが検出されていたことがわかった。ジャーナリストの桐島瞬氏は、その被曝の深刻度を明らかにする。

*  *  *
 入手したショッキングなデータをまず、ご紹介しよう。常総生活協同組合(茨城県守谷市)が、松戸、柏、つくば、取手など千葉、茨城の15市町に住む0歳から18歳までの子どもを対象に実施した尿検査の結果である。

「初めの10人を終えたとき、すでに9人からセシウム134か137を検出していました。予備検査を含めた最高値は1リットル当たり1.683ベクレル。参考までに調べた大人は2.5ベクレルという高い数値でした。いまも検査は継続中ですが、すでに測定を終えた85人中、約7割に相当する58人の尿から1ベクレル以下のセシウムが出ています」(常総生協の横関純一さん)

 検査を始めたのは、原発事故から1年半が経過した昨年11月。検査対象全員の146人を終える来年明けごろには、セシウムが検出される子どもの数はさらに膨れ上がっているだろう。

 セシウム134と137はウランの核分裂などにより生じ、自然界には存在しない物質だ。福島から近い関東の子どもたちが、原発事故で飛び散ったセシウムを体内に取り込んでいるのは間違いないだろう。副理事長の大石光伸氏が言う。

「子どもたちが食べ物から常時セシウムを摂取していることが明らかになりました。例えば8歳の子どもの尿に1ベクレル含まれていると、1日に同じだけ取り込んでいると言われます。内部被曝にしきい値はないので、長い目で健康チェックをしていく必要があります」

 関東だけではない。放射能汚染による体内被曝が、東海や東北地方にまで及んでいることも分かった。福島を中心に200人以上の子どもの尿検査を続けている「福島老朽原発を考える会」事務局長の青木一政氏が、実例を挙げて説明する。

「昨年11月に静岡県伊東市在住の10歳の男児、一昨年9月には岩手県一関市在住の4歳の女児の尿からセシウムが出ました。この女児の場合、4.64ベクレルという高い数字が出たため食べ物を調べたところ、祖母の畑で採れた野菜を気にせずに食ベていたのです。試しに測ってみたら、干しシイタケから1キロ当たり1810ベクレルが検出されました」

 食品に含まれる放射性セシウムの基準値は、1キログラムあたり一般食品100ベクレル、牛乳と乳児用食品50ベクレル、飲料水と飲用茶10ベクレルだ。ただし、基準そのものに不信感を持つ消費者も多い。検査もサンプル調査だから、東日本の食材を敬遠し、なおかつ1ベクレルでも気にする風潮につながっている。

 体内にセシウムを取り込むと、どういう影響が出るのか。内部被曝に詳しい琉球大学名誉教授の矢ケ崎克馬氏が解説する。

「セシウムは体のあらゆる臓器に蓄積し、子どもの甲状腺も例外ではありません。体内で発する放射線は細胞組織のつながりを分断し、体の機能不全を起こします。震災後、福島や関東地方の子どもたちに鼻血や下血などが見られたり甲状腺がんが増えているのも、内部被曝が原因です。怖いのは、切断された遺伝子同士が元に戻ろうとして、間違ったつながり方をしてしまう『遺伝子組み換え』で、これが集積するとがんになる可能性があります」

 矢ケ崎氏は、尿中に含まれるセシウム137がガンマ線だけ勘定して1ベクレルだとすれば、ベータ線も考慮すると体内に大人でおよそ240ベクレルのセシウムが存在し、それに加えてストロンチウム90もセシウムの半分程度あるとみる。

 体に入ったセシウムは大人約80日、子ども約40日の半減期で排出されるが、食物摂取で体内被曝し、放射線を発する状態が続くことが危険だと言う。

 常総生協が昨年度、食品1788品目を調査した資料がここにある。結果を見ると、280品目からセシウムが検出されていた。米74%、きのこ63%、お茶50%、それに3割近い一般食品にもセシウムが含まれていたのだ。
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知事、辺野古移設で埋め立て拒否示唆 12月以降に判断 琉球新報
2013年9月27日

 県議会9月定例会は26日、代表質問が始まり、初日は4人が登壇した。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立て承認申請の可否判断について、仲井真弘多知事は「これまで申し上げてきた流れに沿った脈絡の中でのもの(判断)になる」と述べ、12月以降に判断する意向を示した。

知事はこれまで辺野古移設は困難との見解や、県外移設を求める意向を繰り返しており、申請拒否を示唆したとも取れる発言は波紋を広げている。浦崎唯昭氏(自民)への答弁。さらに辺野古移設について「紙に書いた餅、ペーパーにしかすぎない」とし、実行可能性の観点から強い疑念を示した。新田宜明氏(社民・護憲)への答弁。

 仲井真知事はこれまで、可否判断の内容について「総合的に判断する」との発言にとどめており、判断の方向性を示唆する発言は初めて。ただ議会後、「発言は県外移設を求めてきた姿勢を反映するという理解でいいか」との記者団の質問に対し、知事は「分からない。

今(申請書を)読み込んでいる最中だ。具体的には踏み込んでいない。(発言は)一般論だ」と説明した。

 代表質問の再質問で、浦崎氏が「申請の書類に何の問題もなかった場合、それも判断材料になるか。(普天間移設問題が)17年経過する中でいろいろな政治的問題が生じた。それも判断材料か」と質問。それに対し、仲井真知事は「政治的判断は当然だ」とし、これまで述べてきた脈絡の中での判断になるとの見解を示した。

 一方、辺野古移設計画については「十数年たっても進まない計画はいかがなものか」と指摘。「日米双方で実務的、技術的レベルの判断が政治を振り回している。政治的に解決すべきものではないか」と述べた。
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尼崎JR脱線事故 歴代3社長に無罪判決 神戸新聞
時計2013/9/27 10:02

 107人が死亡した2005年4月の尼崎JR脱線事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴されたJR西日本歴代3社長の判決公判が27日、神戸地裁で開かれ、宮崎英一裁判長は「事故は予見できなかった」として無罪(求刑禁錮3年)を言い渡した。

 元会長の井手正敬被告(78)、南谷昌二郎被告(72)、元社長の垣内剛被告(69)。事故をめぐっては、3被告の後任の山崎正夫元社長(70)が神戸地検に唯一起訴され、昨年1月に無罪が確定している。

 裁判では山崎元社長より上の立場にいた3被告が事故前に現場カーブの危険性を認識できたかが最大の争点で、カーブに自動列車停止装置(ATS)を整備する義務を怠ったかやJR西の企業体質と事故との因果関係などが争われた。

 同地検は3被告を2度不起訴処分にしたが、神戸第1検察審査会は10年3月に起訴議決し、全国2例目の強制起訴事件となった。

 09年から始まった強制起訴制度では全国で5事件の一審判決が出されたが、今回を含め4件が無罪、免訴(裁判打ち切り)となった。

日本の刑法には法人の罪を問う概念はまだない。

英国でも日本と同じだったが、最近法人の責任を問うことが出来る法律が立法化され、発効してから英国運輸業界での安全に対する設備投資額は増強されだした。

参考「時論公論  JR福知山線事故 前社長無罪判決の意味」

一部引用・・

【組織罰の必要性】

こうした点について、法律や鉄道の安全に関する専門家の中に「企業が重大な事故や事件を引き起こしたときに組織を罰する仕組みが十分ではない」と指摘する人が少なくありません。再発を防止するためには組織にどのような問題と責任があるかを明確して、処罰をすることが必要だという考え方です。

日本の刑法は組織の刑事責任を問うことはできず、組織事故でも個人の責任を問うしかありません。しかし今回の裁判のように個人の刑事責任を立証するのは難しいうえ、仮に個人が処罰されたとしても、いわば「トカゲのしっぽ切り」に終わり、組織の責任や構造的な問題は明確にはならず、事故の再発防止につながらないことが多いからです。

欧米では重大な組織事故が起きたとき再発防止のため組織を罰するという流れがあります。

イギリスでは死亡事故を起こした企業などの法人に上限のない罰金刑など刑事責任を問う新しい法律ができたほか、フランスの刑法は企業などの解散や業務停止を定めています。

ただ刑事責任の追求をやみくもに強めると企業側が事故調査に正直に答えなくなり原因究明を妨げる恐れもあります。

このためアメリカでは原則として刑事責任は追及しませんが、民事訴訟で巨額の「懲罰的損害賠償」を課す仕組みがあります。

日本でも「組織罰」の考え方を取り入れる時期に来ていると指摘する専門家は少なくありません。



全文はこちら
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柏崎刈羽 きょう再稼働申請 東電、事故収束できぬまま 東京新聞

2013年9月27日 朝刊

 東京電力は二十六日、柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働に向けた審査を原子力規制委員会へ二十七日午前に申請すると発表した。新潟県の泉田裕彦(ひろひこ)知事が二十六日、東電の申請を条件付きで承認したことで、申請に向けた環境が整ったと判断した。泉田知事は現状を放置するのは望ましくないと理由を説明した。

 
 原発の新規制基準が施行された七月八日以降、東電の申請は初めてとなる。規制委が審査する原発は東電を含めて五社の十四基となる。

 東電は柏崎刈羽原発を早期に再稼働させて火力発電の燃料費を減らし、財務状況を改善したい考えだ。広瀬直己(なおみ)社長は「申請は新潟県のみなさまの安全・安心につながる大変重要な手続きと考えている」とのコメントを発表した。

 泉田知事は承認を文書で東電側に伝えた。条件として安全審査の申請書には、県との協議後に修正申請すること、フィルター付きベント(排気)設備は地元の了解が得られなければ使用できないことを明記するよう求めた。

安全協定に基づく事前了解の協議ができないと判断した場合には、申請の承認を無効とする考えも明示した。
2013年9月27日 朝刊 

知事は承認の理由を「事業者が安全確保のために第三者の目を入れたいという状況を放置するのは、地元にとっても望ましくない」と説明した。ベント設備に関しては「地元の避難計画との整合性を県の技術委員会で検討する必要がある」と指摘した。

 泉田知事は七月に続き今月二十五日に東電の広瀬社長と再会談した。この場で広瀬社長が、ベント設備を追加設置するなど事故対策を強化する考えを表明したことに一定の評価をしたとみられる。

◆新潟知事一転 条件付き承認

 東京電力が柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働審査を、二十七日に原子力規制委員会に申請すると表明した。表面的には、審査は安全性のチェックのためで、再稼働とは別だと強調するが、一日も早い再稼働で経営の改善につなげようとの意図がにじむ。

 だが、福島第一原発では深刻な状況が続いている。汚染水が地下水と混じって大量に海に流出。原子炉を冷やした後の処理水もタンクから漏れ、外洋に流れた。国が前面に立って対策を進めるというが、廃炉への道は見えない。東電が原発を動かしていいのか、大きな疑問がある。

 一方の規制委は、再稼働申請があれば、粛々と審査を進める方針だ。東電と対峙(たいじ)してきた泉田裕彦新潟県知事は一転、フィルター付きベント設備を使用する際は地元の事前了解を取ることを条件に申請を容認したが、条件付きの申請は例がなく、規制委の担当者は「審査がどう進むのか、分からない」と話した。

 新しい規制基準では、フィルター付きベント設備の設置が不可欠で、事故時に排気するかどうかを決めるのは電力会社となっている。そこに地元の事前了解というプロセスが入ることで、規制委が有効な事故対策と判断しない可能性がある。東電の思惑通りに進むとは限らない。 (大野孝志)

 東京電力は二十六日、柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働に向けた審査を原子力規制委員会へ二十七日午前に申請すると発表した。新潟県の泉田裕彦(ひろひこ)知事が二十六日、東電の申請を条件付きで承認したことで、申請に向けた環境が整ったと判断した。泉田知事は現状を放置するのは望ましくないと理由を説明した。 

 原発の新規制基準が施行された七月八日以降、東電の申請は初めてとなる。規制委が審査する原発は東電を含めて五社の十四基となる。
 東電は柏崎刈羽原発を早期に再稼働させて火力発電の燃料費を減らし、財務状況を改善したい考えだ。広瀬直己(なおみ)社長は「申請は新潟県のみなさまの安全・安心につながる大変重要な手続きと考えている」とのコメントを発表した。

 泉田知事は承認を文書で東電側に伝えた。条件として安全審査の申請書には、県との協議後に修正申請すること、フィルター付きベント(排気)設備は地元の了解が得られなければ使用できないことを明記するよう求めた。安全協定に基づく事前了解の協議ができないと判断した場合には、申請の承認を無効とする考えも明示した。

 知事は承認の理由を「事業者が安全確保のために第三者の目を入れたいという状況を放置するのは、地元にとっても望ましくない」と説明した。ベント設備に関しては「地元の避難計画との整合性を県の技術委員会で検討する必要がある」と指摘した。

 泉田知事は七月に続き今月二十五日に東電の広瀬社長と再会談した。この場で広瀬社長が、ベント設備を追加設置するなど事故対策を強化する考えを表明したことに一定の評価をしたとみられる。
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「地球温暖化」は巧妙な情報操作と洗脳のシナリオ?
IWJ特報第101~104号「地球温暖化と原発ルネッサンス―間違いと誇張だらけの気候データ~横浜国立大学・伊藤公紀教授インタビュー」

一部引用・・

では、本当に温室効果ガスによる地球温暖化は起きているのか?

 実は、1990年から4回にわたって発表されているIPCCの評価報告書に対して、数多くの学者から疑問が投げかけられており、日々、学説は更新されている。

 こうしたあらゆる学説を細かく拾い上げ、「温室効果ガスによる地球温暖化」に疑問を投げかけているのが、本メルマガで紹介する横浜国立大学・環境情報研究院の伊藤公紀教授である。

 私は、今年の2月から3月にかけて、計3回、合計で約10時間にわたって伊藤教授に集中的にロングインタビューを行った。その中で伊藤教授は、私たちが大手メディアや新聞などから得たストレートニュースがいかに間違っているかを次々に明らかにした。

 例えば、2007年に、IPCCとともにノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア元米副大統領。ゴア氏は、地球温暖化問題について様々な啓発活動を行ってきており、その講演の様子などをおさめたドキュメンタリー映画『不都合な真実』は、第79回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞を受賞し、テレビや新聞などでも大きく紹介された。

 伊藤教授は、その中で紹介されている「永久凍土の上に建つアパートの崩壊」「アフリカ・キリマンジャロの氷河の消滅」「米本土に上陸するハリケーン数の増加」などのエピソードが、実は温暖化とは何の関係もないことを指摘し、『不都合な真実』を、「科学的な質が大変低い」と批判した。

 そのほかにも、温暖化による海面上昇で消滅すると騒がれていたツバルについても、その原因が温暖化とは無関係であること、雑誌『サイエンス』に掲載された「流氷に乗るホッキョクグマの親子」の写真が合成であることなど、目から鱗のインタビュー内容となっている。

 どのようにして「温室効果ガスによる気温上昇」というウソがつくられてきたのか。伊藤教授へのインタビュー第1弾となる本メルマガをお読みいただき、じっくりと考えていただきたい。

全文はこちら
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まるで隠れキリシタン? 放射能「楽観派」と闘う母親たち AERA
(更新 2013/9/26 11:30)

 福島第一原発からの汚染水流出など、いまだに不安要素が増え続ける原発問題。原発事故から2年半たったが、母親たちは子どもを守るために闘っている。

 都内に住む教員の女性Aさん(47)は、千葉にある夫の実家を数カ月に一度、家族で訪れる際、自分に言い聞かせることにしている。

「今日は目をつむろう」

 対象は義父だ。この日もいつものように中学生と小学生の息子にうれしそうに尋ねてきた。

「よく来たね。お昼は寿司をとろうか?」

 Aさんが、放射能汚染物質による内部被曝を気にするようになったのは事故から数カ月後。ホットスポットと呼ばれる地域で息子の学校の移動教室が予定されたのがきっかけだった。

 声を上げるママ友の影響を受け、情報を集めるにつれ、「楽観派」の義父との葛藤が深まった。最終的に嫁として、義父の孫たちへの「善意」を断ることも、出前をとる寿司店で使われる魚の産地を確認することも不可能と判断したAさんが決めたルールは「夫の実家以外では寿司を食べさせない」ことだった。

 対外的なお付き合いの食事には目をつぶる。その分、家で息子たちが食べる食事には、米をとぐ水から煮炊きに至るまでミネラルウオーターを使う。野菜は放射能測定検査済み宅配で買う。そうした努力を自分が行うことによって、「息子の体に入る放射性物質の総量を少しでも減らせるのでは」と考えている。

「マグロ丼食べてきたの? なんで? パスタかラーメンにしたらってママ言ったじゃない!」

 東京都品川区に住む専業主婦のBさん(34)は、腹が立って仕方がなかった。小学1年の息子が、ママ友一家にアニメ映画を見に連れて行ってもらった帰りのファミレスで、事前にやんわり禁止を伝えていた海産物のメニューを頼んでいたからだ。

 下の娘がまだ3歳と幼いため、息子を連れ出してくれるママ友の存在は助かる。だから「内部被曝が怖いので息子には海産物を食べさせないで」とは言えない。これまでの会話から察するに、このママ友は「楽観派」だ。仕方なく、息子に言い含めたのに。あっけらかんとした表情を見れば見るほど「ママはあなたのためを思って」と言いたくなる。仕事から帰ってきた夫に愚痴をこぼすが、夫もただ笑うだけ。期待する共感は得られない。

 AさんもBさんも学校や幼稚園など、身近な場所に、放射能汚染を気にする親は少なくなってきたと感じる。「隠れキリシタン」のように、自分の信念を隠して社交的な付き合いを続ける中で、会話の端々から仲間を探し続ける日々だ。

※AERA  2013年9月30日号
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2013年09月26日(木)
<取り消された生活保護>   by れん 

私の周りで最近起こった話を送ります。

私が働くデイサービスに通う誠さん(仮名)は
生活保護受給者でした。

築50年以上は経ってそうな
古い小さなアパートに一人暮らしで
持病を持ちながらも家事は一人で
がんばっておられました。

楽しみといえば週に一回、娘さんのお家に遊びにいくことと
週に一回デイサービスに通うこと。

地味で実直に過ごされている印象でした。

お家はいつも片付いているし
服装も靴もお金はかかっていないけど
きちんとしたものでした。
髭もきっちりと剃ってあって
男性の一人暮らしで80代半ばの人とは思えない程
清潔感がありました。

大工さんをされていた誠さんは
奥さんを数年前に失くされていて
それまでは家事もなにもやらなかったと
若い時から酒ばかり飲んで奥さんに迷惑をかけたと
そんな話は聞いたことがありました。

不器用だけど優しい人です。

認知症の人が困っていると、
すぐにスタッフに教えてくれたり
トイレを失敗した人を励ましてくれたり。

普段の生活でも
隣の老夫婦が住む部屋から
「助けて」と声が聞こえたので行ってみると
お婆さんがベットから落ち
それを助けようとしたお爺さんが
尻餅をついていたそうです。
お婆さんをベットに抱き上げ
お爺さんを椅子に座らせ
自分も腰が悪いので更に腰が痛くて
数日は寝込んだと
笑っておられることもありました。

アパートの廊下で倒れている人がいて救急車を呼び
自分が家族に間違われて救急車に乗せられ
話したこともない同じアパートの人に付き添い
何時間も病院にいたこともあるそうです。

8月のお盆を過ぎた頃
デイサービスに役所から突然、通知が来ました。

内容は“誠さんの生活保護受給を取り消します”
というもの。

生活保護を受けている人の
暮らしぶりがとても派手で目に余ると
通報されるようなことはあるかも知れませんが
誠さんの住まいも生活もそんな心配はなさそうでした。
若い時ならともかく、80代の半ばになって
新しい仕事に就いたとは思えないし
宝くじに当たったわけでもないだろうし。
「もらえるものは何でももらっとく」という人もいる中で
高齢になってから『取り消し』という利用者さんは
勤続年数が長い人に聞いても
誰も聞いたことがありませんでした。

「何があったんだろう?」

「これからどうやって生活していくのかな?」

皆で心配しました。

その数日後、誠さんはデイサービスの送迎の車中で
今回の経緯を話してくれました。

ばあさん(奥さん)が病気で死んでしまった当時
もうどうしていいかわからなかった。

家事も何もしたことがない。
お金のやりくりもしたことがない。
全部ばあさんにまかせていた。

ばあさんは税金の支払いを溜められるだけ溜めていた。
「えらいもんを残してくれた」
一人になって呆然としている所へ
税金の督促が次々にくるが、それが払えない。
持病もあり、一人では何も出来ず
そもそもこれからどうやって
生きていったらいいのかもわからない。

とりあえず税金の納付書を溜っているだけ
かき集めて役所に駆け込んだ。
すると係の人がテキパキと手続し
生活保護を受けることになった。

ずーっと働いてきたことを思うと抵抗があった。

娘に話すと嫌がられたが
目の前の生活を考えると
しばらくの間は(生活保護を受けることも)
これでいいのだと思った。

ここからが誠さんの奮闘です。

80を過ぎて、初めてご飯を炊いた。

初めて魚を焼き、野菜を煮た。

もともと丁寧な仕事が自慢の大工だったから
やりだしたら凝るほどではないが
自炊が一番お金がかからないので
質素なおかずだけどがんばっているうちに
食べられるものが作れるようになって
すっかり自炊に慣れてきた。

部屋も散らからないように片付けて
髭もきちんと剃った。

ばあさんのお墓参りの前には
毎回、散髪に行くのも習慣になった。

そしてこの8月の初めに
ばあさんの3回目の命日を迎えた。
もういいだろう、何とかやっていけそうだと
役所に自ら出向き

「生活保護の申請を取り下げたい」と係の人に伝えた。

係の人はびっくりされ
「えっ、本当に大丈夫なんですね?」と
何度も聞かれた。
「お世話になりました。ありがとう」
そう言って区役所を出てきた。

「ばあさんに報告もしてきたし
 3年を目途にしようと思ってたから」

清々しい笑顔で話す誠さんの横顔には
達成感と自信がありました。

私が誠さんの奥さんだったら
あの世でヤキモキしながら見ていたかも知れません。
そして今の誠さんを誇りに思うかも知れません。

奥さんの“置き土産”
最初は絶望だけだったとしても
そのおかげで
誠さんは人生を『巻き返し』たのだと思います。

いくつになっても人は
目標を持てるし、希望も持てる。
生きる力も勇気も
溢れてくるんだなと思いました。
(れん)

引用元
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新潟知事と東電社長会談 事前了解求める文書検討へ  NHKNEWSweb
9月25日 18時53分

東京電力柏崎刈羽原子力発電所の運転再開を巡って、新潟県の泉田知事は東京電力の廣瀬社長と再び会談し、再開の前提となる安全設備の設置について事前の了解を求める文書を受け取って、内容を検討する考えを示しました。

今後は泉田知事が運転再開に向けた安全審査の申請を容認するかどうかが焦点となります。

東京電力柏崎刈羽原発6号機、7号機の運転再開を巡って、新潟県の泉田知事は25日、新潟県庁を訪れた東京電力の廣瀬社長と再び会談しました。

この中で廣瀬社長は、「原発の立地地域と結んでいる安全協定は信頼関係の根底を成すもので、これを順守します」と伝えました。

そのうえで、泉田知事の懸念を受けて、運転再開の前提となるフィルターベントと呼ばれる設備を増設する考えを伝え、安全協定に基づいて事前の了解を求める文書を手渡しました。
前回=7月の会談では泉田知事が受け取りを拒否していましたが、今回「預かります」と答えて文書を受け取り、今後、内容を検討する考えを示しました。
フィルターベントは、原発事故の際、放射性物質の放出を抑えながら格納容器の圧力を下げる設備で、ことし7月に施行された新たな規制基準で設置が義務づけられたものです。

会談では、泉田知事が、万が一フィルターベントを使用する際の住民への周知の方法や、被ばくを極力避けるための対策などをただしたのに対して、廣瀬社長は、必要な対策を施しているとしたうえで、住民への周知などは自治体とのコミュニケーションを深めて対応したいと答えました。

前回の会談は物別れに終わっていましたが、25日の会談では、東京電力側が設備の増設や自治体との連携を重視する考えを示したことに、泉田知事も一定の理解を示し、今後、知事が運転再開に向けた安全審査の申請を容認するかどうかが焦点となります。

会談後、廣瀬社長は「地域の安心、安全を最優先に考えることをしっかりと申し上げた。一日でも早く申請を出したいが、新潟県から事前の了解を頂くまでは申請する考えはない」と述べました。

増設のフィルターベントは地下に

柏崎刈羽原子力発電所の運転再開を目指す東京電力は、原発事故の際、放射性物質の放出を抑えながら格納容器の圧力を下げる、「フィルターベント」という設備について、現在建設中のものとは別に、地下に設置するタイプの、より耐震性の高い設備を新たに造る方針を示しました。

東京電力の廣瀬社長は、25日に行われた新潟県の泉田知事との会談で、柏崎刈羽原発6号機と7号機に、「知事の指摘を踏まえ、県民の安心安全を考えて、もう1つのフィルターベントを造りたい」と述べました。

「フィルターベント」は、原発事故の際、放射性物質の放出を抑えながら格納容器の圧力を下げる設備で、ことし7月に施行された新たな規制基準で設置が義務づけられました。

柏崎刈羽原発では、すでにフィルターベントの設置に向けた準備工事が始まっていますが、25日に廣瀬社長が表明したのは、これとは別に、放射性物質を除去するタンクを原子炉建屋のすぐ脇の地下に埋めるタイプだということです。

基礎部分を建屋と同じ岩盤にほぼ直接設置するため、地上よりも耐震性を高めることができ、より建屋の近くに設置することで、設備と建屋をつなぐ配管などが壊れにくくなるとしています。

具体的な設計や着工時期については今後検討するとしています。

専門家「地元と一緒に解決する姿勢必要」

25日の東京電力の廣瀬社長と新潟県の泉田知事との会談について、電力会社と地元自治体の関係に詳しい東京工業大学の西脇由弘特任教授は、ことし7月の会談と比べ、廣瀬社長が歩み寄り、泉田知事が一定の理解を示したとみています。

西脇特任教授は2人のやり取りについて、「フィルターベントや福島第一原発の事故の原因、それに防災対策など、知事の質問に廣瀬社長はきちんと対応しようとしていて、地元との関係を損なうことなく、姿勢については一定の理解が得られたという印象だ」と述べました。

一方で、「周辺住民の防災対策などは地元と詰めきれていないので、東京電力は地元の一員として一緒に問題を解決していくという姿勢が求められる。その過程では、東京電力が何に困っていて、それをどう解決するかというステップを地元に説明し、検討状況を含めて公開することが求められる」と指摘しました。

また、東京電力が地元の事前了解を得ることなく、柏崎刈羽原発の運転再開に向けた安全審査の申請はしないとしたことについては、「安全協定に基づく事前了解は、あくまでも地元と取り交わした紳士協定のようなもので、法的な拘束力は持たないが、これまで新潟県の理解を得るのに非常に時間を費やしてきたことを考えると、当然、地元の回答を得てから申請という次のステップに進むことになるだろう」と話しています。

新潟県知事「共通の認識持てた」

東京電力の廣瀬社長との会談を終えた新潟県の泉田知事は、地元を重視するとした廣瀬社長の姿勢について評価したうえで、「東京電力とは、原発の規制基準をクリアしても安全を確保できず、自治体との協議が必要だという共通の認識を持つことができた。

東京電力から提示された内容について、今後、内部で協議していきたい」と述べるにとどまり、安全審査への申請を認めるかどうか明言しませんでした。
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51番目の州知事への絶対命令 「特定秘密保護法」の成立。
「完全にブロックされている」のは、汚染水ではなく特定秘密保護法案である。

一部引用・・


■議論が深まる前にそそくさと通しておきたかった

それにしても、「特定秘密保護法案」とはネーミングが悪い。その法案名を易しくほぐしてしまえば、「とりわけ内緒にしたいことを外に出さないように内々で守らせていただきます」。

 3.11以降、諸々の隠蔽体質にようやく気付いてきた国民に向けて、こう銘打って、突っ込まれないはずが無い。

1985年に議員立法として提出されるも廃案となった通称「スパイ防止法案」の正式名称は「国家秘密等に係るスパイ行為等の防止に関する法律案」(当初は「防衛秘密に係る~」だった)だが、こうして名義からはぐらかすこともせず「特定秘密保護法」と単刀直入に攻めてきたのは、なぜなのか。

今となれば、数の論理での勝利が確約されている自信からなのだろう、と邪推できるが、この法案の歴史はそう短くない。

海渡雄一・前田哲男『何のための秘密保全法か』(岩波ブックレット)によれば、この秘密法制についての議論がスタートしたのは2006年6月、自民党政務調査会での「国家の情報機能の強化に関する検討チーム」提言だ。第一次安倍政権からの宿題でもある。

しかし、この段になって、たった2週間のパブリックコメント期間を終え、ようやくやんやウルサく噛み付き始めたマスコミや世論に配慮するように、後付けで「知る権利」と「報道の自由」を明記する調整に入ったと聞けば、本心が見え透ける。とにかく、議論が深まる前にそそくさと通しておきたいのだ。


■宮沢賢治「注文の多い料理店」のごとし


元・経産省官僚の古賀茂明氏は『週刊現代』(10月5日号)のコラム「官々愕々」で、そもそも官僚はパブリックコメントを、「『全く無駄な作業』『単なるアリバイ作り』」としか考えていないとし、今回のパブリックコメントについては「都合の悪い内容を表で議論されるのをなるべく抑えたい」ために行なわれたにすぎないと断じている。

国民が五輪招致決定の狂想曲に踊らされたタイミングに合わせて「パブリック」を募ったのはさすがに偶然と思いたいが、極めて短期間、同じ与党の公明党にすら了解を得ずに進められたこの法案の〝駆け足〟感は、どこまでもきな臭い。

安倍首相は、パブリックコメントを募る前の8月26日の時点でこの法案について「報道の自由も勘案しながら、海外の事例を検討し、議論していく」としていた(9月19日・朝日新聞朝刊)。にもかかわらず、パブリックコメントが終了する段階に至るまで「報道の自由」についての記載を具体的に検討することを明言しなかった。そんなものは入れずに逃げ切れる、と考えていたと推測するのが自然だろう。

宮沢賢治の「注文の多い料理店」のようだ。つまり、ひとまず、本音を隠した言葉を並べて、前へ前へ、歩かせようとする。本当の目的が明かされるのは、最後の最後だ。

続きはこちら
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アメリカの懸念   by 河野太郎
一部引用・・

マンスフィールド財団で開かれたラウンドテーブルなどでは、使用済み核燃料プールの問題が話題になった。

使用済み核燃料プールがいっぱいになりつつあり、また、その脆弱性がはっきりしたにもかかわらず、なぜ、対応がとられないのかという質問が出た。

それに対して、「これまで電力会社は、原子炉立地自治体に対して、使用済み核燃料はプールで冷やされた後、六ヶ所村の再処理工場に搬出されるので、恒常的に敷地内にとどまることはないと説明してきた。

しかし、再処理工場が動かず、再処理工場のプールがいっぱいになってしまった今、原子力発電所のプール内の使用済み核燃料をドライキャスクに入れて原発の敷地内に保管するのが一番現実的だ。

しかし、そのためには立地自治体に、これまでの説明を翻して、使用済み核燃料が原発敷地内に残るという説明をしなければならず、それを電力会社は嫌がっている。」

全文はこちら
 
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アメリカのメディアに取り上げられた原子力ムラ小説「原発ホワイトアウト。」

原子力利権を赤裸々に描いた小説、「原発ホワイトアウト」がウォールストリートジャーナルのネットにも取り上げられました。

こちら

おすすめです。

引用元

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米海兵隊、本国遠征軍を縮小 財政難で沖縄部隊改編も  琉球新報
2013年9月26日
 世界の海兵隊遠征軍(MEF)司令部

 【米ワシントン=島袋良太本紙特派員】米海兵隊は国防費の強制削減を受け、米西海岸カリフォルニア州、米南部ノースカロライナ州、沖縄のうるま市に司令部を構える三つの海兵遠征軍(MEF)のうち、ノースカロライナの2MEF司令部を廃止し、バージニア州ノーフォークの海兵隊総軍へ統合することが分かった。

財政難から海兵隊最大の編成単位であるMEFを二つに縮小し、組織を再編する。ノーフォーク統合後の司令部は沖縄とカリフォルニアの二つのMEFを補完する役割を担う。沖縄の3MEFにも影響する可能性があり、在沖部隊の改編も検討されている。

 海兵隊はこれまで米四軍の中で最も強い政治力を背景に、度重なる縮小論に対抗し、組織を維持してきた。だが国防費削減の影響を避けられず、最大規模の編成部隊が一つ減ることを余儀なくされる形だ。

 再編は、海兵隊配置計画を担当するマッケンジー少将が19日、海軍連盟が開いたワシントン近郊での朝食会で明らかにした。来年2月に発表する「4年ごとの国防計画見直し(QDR)」に反映する。

 2MEFは司令部を除く航空部隊や補給部隊はノースカロライナに残り、2MEF司令部の傘下にある第2海兵遠征旅団(2MEB)の司令部機能を強化して独立運用し、迅速な展開力を持つ部隊に再編する。

 23日付の海兵隊専門紙マリンコー・タイムズによると、マッケンジー氏は「米東海岸と太平洋のMEBを強化する」と述べ、沖縄の3MEBも改編を検討していることを明らかにした。同紙は海兵隊の配置方針について「大規模で長期的な戦闘よりも、主に危機に対応することに焦点を当てる」と解説した当局者の声を紹介した。

 同氏は再編案について「アジアへのピボット(軸足移動)戦略への影響を避けられる」と説明。一方でヘーゲル国防長官は、海兵隊が最低17万4千人の兵力が必要だと主張しているのに関し、現在の約19万5千人から最少15万人にまで縮小する可能性もあると述べている。国防費削減が長期化した場合、さらなる再編に着手する可能性もある。
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消費税を支払っていないアマゾン 出版業界など「不公平だ」と怒る  Jcastニュ
一部引用・・

国内の電子書籍市場が徐々に拡大してきた。2017年度には、2012年度の3.3倍の規模に成長するとの調査報告もある。なかでも後発の参入ながら最も強力なプレーヤーが、米オンライン小売大手のアマゾン・ドット・コムだ。

国内出版業者は、アマゾンが消費税を支払っていないことを問題視している。アマゾンが米国に拠点を置き、そこから電子書籍コンテンツを配信するので課税対象とならないためだが、これが公正な競争を阻害すると反発している。

このままでは国内事業者も国外へサーバー移す

「キンドル」好調なアマゾンに「消費税課税を」の声高まる

日本書籍出版協会や文字・活字文化推進機構、日本雑誌協会など9団体が構成する「海外事業者に公正な課税適用を求める対策会議」(以下、対策会議)が2013年8月28日に出した要望書は、海外事業者が電子書籍を販売する際に消費税が課税されず、国内事業者との競争が公平ではないと指摘する内容だ。

2014年以降は消費増税が予定されており、このままでは「価格競争力の差」が歴然となり国内事業者がそれを埋めるのは至難だと主張。「国が早急に対応すべき問題」であり「一刻も早い不公正な制度の改善を希望」している。
アマゾンが消費税非課税なのは、電子書籍コンテンツを配信するサーバーが海外に置かれているためだ。「対策会議」はこの点について、「今後、国内企業においてもネットビジネスの優位性を確保するためには、国外へのサーバー移転や、事業主体を海外に置くことになりかねません」と警鐘を鳴らす。

不公正な税制を嫌って国内組が脱出すると、国としては税収減が避けられなくなる。

・・・・・・・・・・・・・・・・

アマゾンに対する課税が問題になったのは、今回の消費税が初めてではない。2009年、東京国税局が約140億円の追徴課税処分を出している。

国内には、販売を手掛ける「アマゾンジャパン」と物流業務を行う「アマゾンジャパン・ロジスティクス」がある。この2社に米本社の関連会社「アマゾン・ドットコム・インターナショナル・セールス」が委託して手数料を払い、販売代金を受け取って米国で納税している仕組みだ。

問題は国内2社が、日本での納税義務を課される「恒久的施設(PE)」にあたるかどうかだ。元東京国税局の国税調査官で税理士の松嶋洋氏によると、PEの線引きは難しく、例えば支店はPEとみなされるが子会社はそうでない、と説明する。

複数の報道によると国税局は、国内の物流センターと位置付けられる「ロジスティクス」社が単なる倉庫ではなく、支店機能を持った組織としてPEと認定、追徴課税に踏み切ったのだと見る。だがアマゾンは反発し、話し合いは難航している模様だ。

このとき、アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は「週刊東洋経済」2009年8月29日号のインタビューで、「アマゾンは日本での売り上げを米国の統括会社に計上し、日本の法人税を負担していない。国税庁に多額の追徴課税を命じられたことが年次報告書に記されています」と質問された。

だがその返答は、「米本社が対応しており、このことについてコメントする立場にありません」というそっけないものだった

全文はこちら

物によって、やむを得ない限り、阿智胡地亭はアマゾンを使わず、楽天その他税金を日本国に払っている日本企業を使っている
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新聞休刊日に福島訴訟の不起訴を発表した検察
室井佑月「菅元首相を人身御供に差し出したってこと?」

(更新 2013/9/25 07:00)

 東京オリンピック開催が決定し、来る2020年に向けて喜びに沸いた日本。しかしそれに隠れて見えないところで静かに発表され、国民の目にはあまり触れることなく過ぎた重要な出来事があった。作家の室井佑月氏は「マスコミと国の策略か?」といぶかしむ。

*  *  *
 2020年の東京オリンピック招致が決まった翌9日、こんなニュースがあった。

「原発事故の責任問わず 菅元首相ら全員不起訴

 東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷容疑などで告訴・告発されていた東京電力の旧経営陣や、当時の政府関係者などの42人。検察はその全員を、刑事責任を問うことはできないと判断し不起訴処分にする、というものだ。

 もちろん国民は東京オリンピックで浮かれているから、大きな話題になっていない。しかもこれは検察がリークしていたニュース。

(うわっ、検察っていやらしい)

 そう思ったのはあたしだけじゃないだろう。

 翌日、レイバーネットというサイトに、東電株主代表訴訟原告団の「抗議声明」を見つけた。そこにはこんなことが書いてあった。

〈(検察が不起訴について)国民がオリンピックの話題に浮かれているその日、更に新聞休刊日にこっそりと発表した。この不当な不起訴処分を、ニュースの陰でこっそり行おうとしたもので恥ずべき行為である〉

すべての報道機関が「福島原発告訴団等が告訴している菅元首相ら不起訴処分」と同様の見出しを打っている。

しかし、福島原発告訴団が告訴している中に菅元首相は含まれていない。

福島原発告訴団が告訴・告発しているのは、原発を推進して来た東電歴代取締役、 福島県による事故後の安全キャンペーンを担った学者たち33人そして法人としての東電である〉

 福島原発告訴団は市民団体で、告訴・告発人数は1万4716人にのぼる。この告訴団は菅さんを訴えていないのに、ニュースの見出しが「菅元首相ら」となるのはたしかに変だ。おかしくないか?

 マスコミが国と相談し、菅さんを人身御供に差し出した、ってとこなんだろうか。「もういらないしな」という考えで。

 あたしは菅さんがこの国にとって必要な存在だとはまったく思っていないが、そういう悪どいことを考える人間がいちばんワルだと思っている。

 自分らに責任が来ないよう、菅さんを目くらましに使う。責任が来ないようにどころか、被害者そっちのけで、まだまだ儲けようという腹づもりなのかもしれない。

 我々国民だって困るよ。責任ひとつ負えない、力のない人を、これからのことに差し出されても。完全に舐められているなぁと思うだけ。

 そう、福島第一原発事故の問題は、これからの問題でしょう。

 安倍さんはオリンピック招致を決める国際的な場で安全を宣言したが、福島第一原発はまだコントロールどころか、この先、どうしてよいのかもわかりかねている状況だ。

 東京オリンピックは2度目だけど、事故を起こした原発から格納容器に漏れ出た燃料を取り出すのは、世界初の試みである。 

※週刊朝日 2013年10月4日号
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「もんじゅ」と「八ッ場ダム」に寄生する官産複合体は同じ穴のムジナ。
文科省、もんじゅ存続の道残す 6年運転し継続判断の計画案
(2013年9月26日午前7時10分)

 文部科学省は25日、高速増殖炉もんじゅ(敦賀市)の今後の研究計画を検討する作業部会を開き、もんじゅの運転を再開した場合は「おおむね6年間運転する」との計画案をまとめた。

さらに、運転後に研究成果を評価した上で「研究継続の可否を判断する」との記載も盛り込み、もんじゅ存続への道を残した。

 もんじゅをめぐっては、1万点を超える機器の点検漏れが発覚し、原子力規制委員会は5月、安全管理体制が再構築されるまで運転再開準備を禁じる命令を出した。

また運転再開には新規制基準に適合していることに加え、敷地内に活断層がないと確認されることなどが条件となる。断層については規制委が調査中で、運転再開の時期は不透明だ。

 計画案では、もんじゅの原子炉冷却に使うナトリウムの取り扱い技術や、強い放射線を長期間出す放射性廃棄物の減量化に向けた研究を対象に試運転を約2年実施。

中間評価の後、本格運転を約4年行い▽高速増殖炉プラントとしての技術開発の成果▽放射性廃棄物の減量化・有害度低減など環境負荷低減に対する有効性▽安全技術体系の構築―などについて総合的に評価する。

 6年の運転は、高速増殖炉の技術を実証、確認するために最低限必要な期間としている。6年後以降は、機器や発電システムの劣化状況を確認するなどの研究を続ける計画。

 作業部会の主査を務めた山名元京都大教授は「計画案策定にあたっては、もんじゅを動かすことの技術的な意義を明確にすることに努めた。委員の気持ちが込められた内容になった」と総括した。

 作業部会は2012年10月、核燃料サイクル政策の中核と位置付けられるもんじゅの研究開発の検討を目的に文科省が設置。これまで12回の会合を開き議論を重ねてきた。計画案は近く同省の原子力科学技術委員会に提出し、年内をめどに策定される国のエネルギー基本計画に反映される。

 西川知事はもんじゅの計画案がまとまったことに関して「(組織や人員の)体制も強化しないといけない。文部科学省が研究と安全確保を総合的に現場で管理していくことが大事。両方が成り立たないといけない」と述べた。

 また敦賀市の河瀬一治市長は「詳細について、あらためて文部科学省より説明を聞きたいと考えているが、もんじゅが中核的な研究開発の場として使命を果たすためにも、安全を最優先とし、着実に実行できる体制を早急に構築してほしい」とのコメントを出した。
 
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