2013年12月15日(日)
2013年12月10日 十二月八日 なぜ始めたのか。なぜ妥協策に切り替えなかったのか。300万人もの命が救えたのに。そして、また。 昭和16年、十二月八日未明、日本海軍はハワイ真珠湾を奇襲し、太平洋戦争が始まった。 なぜ、とだれも思うだろう。謎。石油資源のない小国が、どうして石油大国に対して、一か八か、勝ち目のない戦いを挑んだのか。供給の80%も相手国に依存していたのに。 歴史は、史料に基づいて、教える。いま、膨大な資料が公表され始めている。 あの戦争は、直接には、軍部が牛耳っていた資源のない小国が、軍艦、軍用機を動かすエネルギーをめぐっての開戦だったともいえる。石油がなければ軍艦は動かせない。航空機も飛ばせない。戦力の差は動かし難い。対米戦は慎重論も、もちろん多かった。 備蓄はとぼしいが、座して死を待つよりは、いまのうちに決戦に出て局面を打開しようという海軍内部の対米強硬派立案の作戦が前々からすすめられていたのだ。 海軍は陸軍に押し切られたとも、慎重論が多かった当時の幕僚が、戦後もらしている。 海軍中枢では、内乱のおそれが危惧されていた。もし撤兵など米国に妥協したら、陸軍と右翼がたちまち内乱を起こすに違いない。そうなれば、戦えないというのが、上層部の脳裏にあった。以上は、「海軍反省会」で当事者が述懐したカセットの記録から。 加えて、他力本願。ヨーロッパでは同盟国のドイツの勝利がプラスすると、陸軍の強硬派は、対米関係を楽観的に見ていた。 当時の日本の指導者層は、米国からの石油の禁輸の打開策として、ならば南進して蘭印(今のインドネシア)の油田を確保する、という戦略をとり、まず仏印(ベトナム)に兵をすすめた。 これが米国の対日禁輸の引き金となる。まさかと日本側は予想もしていなかったという。しかし、日米交渉調停の条件としての中国本土、仏印からの軍隊の撤退を拒否し開戦へ。 冷厳な結末は、4年後の昭和20年の無条件降伏となる。大日本帝国は、昭和前期から数えれば三百万人のかけがえのない人命と、海外資産のすべてを失った。 終戦どたんばの国家方針では、大東亜共栄圏の建設という大義は露と消えた。目の前に迫った連合軍の本土上陸を阻止し、一億の国民が玉砕してまでも国体を護持せよ、というものだった。 「戦争に負けているということは国家機密だった」 と映画監督の山田洋次氏は、朝日新聞に語っている。 「ぼくが子供だった頃、日本の軍隊は負け続けていたのだけれど、新聞やラジオは勝利したという報道ばかり。沖縄まで占領されていながら、まだ日本は勝てると信じていた。」ぼくは山田監督と同年輩である。 今の若い人には信じがたいだろうが、ぼくら国民は、敗戦するまで、超ど級戦艦大和と武蔵の沈没も、日本の誇る連合艦隊の壊滅も、秘密のベールに隠されて知らなかった。戦艦大和の写真も名前も、極秘だったから。 歴史にイフはない。 戦争は、国是にもとづく国家プロジェクトだ。 昭和16年、このリスキーな賭けに「やってみなければわからぬ」と踏み込んだのは、大日本帝国という国家の指導者だ。責任は問われずじまいで、今日におよんでいる。 あれほどの未曾有の惨禍を未然に予測し回避するためには、国の指導者は身命を賭して、国土と国民を守らねばならなかったはずだ。国民の生命を守るための次善、三善の妥協策の選択肢は、多々あったといわれている。中国からの十万の兵士の撤兵がカギだったとも。 いつの世にも、時の政府が決める国是や国家プロジェクトは、はたして将来にわたって国益にかなうかどうか、あやしいものだ。日本独自?のグループシンキングは、発言責任がはっきりせず、反対論がだしにくい。開戦も降伏も、重大決定の座の「空気」に左右された。 日本の原子力行政も、まったく同じ経緯をたどっている。袋小路に迷い込み、立ちすくんでいるように見える。政府は、無知なぼくら国民に原子力の問題の重大さを知らせないままに、福島事故を迎えた。失敗を隠し続けたところが、太平洋戦争の経過ときわめてよく似ている。 この国は地震多発国である。 原子力発電所の安全と使用済み燃料の地下埋蔵には最も適していない国土である。エネルギー政策を政府の既定方針のまま進めてよいはずはない。 ずいぶん前から、小泉元首相は講演会でほえていた。 「核のごみ処理場がみつからないのなら、原発は進められない。使用済み燃料のゆきどころがなければ、原発ゼロに向かわざるを得ない。代替エネルギーの開発に いますぐ政府は舵を切れ」と。 原発再稼動をすすめようとしている首相官邸は渋い顔で黙殺をきめこんでいる。 この国では今もって、核のゴミの最終処理場がない。 狭い地震国で引き受ける自治体がどこにもない。将来も、めどがたたない。小泉氏は、そこをついた。 核燃料の最終処理法は、結局、地中深く埋めることしかない、「地層処理」というらしい。国土のどこに穴を掘って埋めるか、他の国も苦慮している。 原発建設の前に解決すべき大前提が、核のゴミの捨て場所をどこに決めるかだったのだ。国土が狭隘で活断層が縦横に走る地震国日本では、最大の難関である。で、しかたなく先送りされた。 原発は「トイレのないマンション」とは、前々からいわれていて、あほにもわかる比喩だなあと感じていた。 日本全国の原発で、現在一万七千トンの使用済み核燃料が身動きできないでいる。 この危険なふん詰まり状況のままだと、これ以上原子力発電所を作り続けるのは無理ではないか。ここまでは、ぼくにも理解できるのだが。 そこは、もちろんえらい専門家たちは、みなわかっていただろうが、処理地の選定を先伸ばしてきた。 国は、極秘裏に(候補地の選定は、国民には秘密なのだ)貧しい自治体を補助金で釣ろうとした。 だが、フクシマ事故で、候補地の住民たちが、ことの深刻さに目覚め、そっぽを向いた。 滋賀県余呉町も、候補地として手を挙げたというから(琵琶湖を水源に頼る下流一円のぼくら住民はびっくり)補助金をちらつかせた政府の原発行政の罪は深い。何を考えているのか。 別の大義リサイクル政策は、巨額の投資は失敗の連続で、普通の国民には将来の見込みは複雑で理解できない。 原発についてのぼくの知識は、ほとんどNHKやBBCなど、国内外のテレビのドキュメンタリー番組から得たものだ。 いまは、NHKテレビだけでも、日本以外の各国が原子力とどのように取り組んでいるかがよくわかる。カメラがはいり、映像による現場取材と関係者の証言は、いちばん生々しく理解できる。 (太平洋戦争当時は、メディアも未発達で国民は、情報から遮断され、世界情勢を知る手だてが全くなかった。) 安全策が問題視されない導入時の関係者の本音の証言カセットもNHKは入手していた。 原子力が利用できなければ、代替燃料はなににたよればよいか。 いま、「原発ゼロ」を唱えるのは、国益を損なうと言い切ってよいか。ほかに選択肢がないと言い切れるか。 ぼくの年配になると、前の大戦の未曾有の失敗体験をくりかえしたくないという願いが強い。 原子力利用は、国の大義のもと、自民党政権下、すでに気の遠くあるような巨額な投資をおこなってきて、事実上不良債権化しているとみえる。 いつの時代でも、時の政府の立案する巨額の国家プロジェクトの投資効果は、信用し難い。もう懲りた。 票欲しさのばらまきと不要な公共工事。列島改造論も農業政策もそうだった。族議員のおすダムも堤防も道路も(原発関連も、もちろんそうだ)地元目当てのプロジェクトは、長い目でみると、怪しいと考えてしまう。 微力な納税者で電気料金負担者にすぎないぼくは原子力の未来を語る知見は持ち合わせていない。 しかしだ。 資源ゼロの日本ではあるが、やみくもに燃料リサイクルなどの理想を求めて、あげくの破たんを回避せねばならないと思う。原子力船むつ、六ヶ所村、もんじゅ、今もって成果が危ぶまれる投資の回収はもはや不可能だろう。大義の崩壊は、戦争と同じく、想定外の惨禍をもたらす。 原子力発電の最終段階は、各国みな同じという。使用済み燃料を地下深く十万年間安全に格納埋設する穴を、国土のどこに掘るか。 地層的にも、政治的にも、不可能としよう。ならば、いまは、将来へ向かって、化石燃料をふくめて、妥協、次善、三善の策をさぐるべきだろう。 世界は資本の原理で動く。エネルギーも同じだ。 環境と効率とのせめぎあいである。国益とは、国として、ペイするか、しないか。 政府は原発重視を打ち出した。 毎日の新聞を開いてみると、社説は脱原発か否かでわかれている。 世界中のエネルギーで利益を上げようとする企業は、資本の論理で、選択肢を模索しつつ、走り出している。商社も海運会社も電力会社までも。 向かう先は、新しい火力燃焼技術の再開発のようだ。 (資源ゼロの日本は、国をあげてのグローバルな調達戦略が救うことになる) 「福島に最新鋭石炭火力、2002年にも稼働」」東電、三菱3社と」は先月の日経新聞のトップだ。 かつて、福島に、欠陥原子炉「マークワン」を売り込んだのは、アメリカのGEだ。そのGEは、日本の火力発電所に発電能力向上を目指しタービンなど設備更新を提案、さらに燃料電池事業に参入するとある。稼働から30年以上のよぼよぼ火力発電所が対象という。機を見るに敏である。 話題のシェールガスはもちろん石油石炭、燃やせる熱源は、何でも輸入利用する。日本は、国自体が商社となり、有利に世界から買いつける必要がある。そのための物流施設、手段が必要だ。大型の専用輸送船が接岸できる港湾設備は福島でも着工されている。 マスコミでも、化石燃料対原子力は、神学論争のように論じられている。新聞の切り抜きに目を通しただけだが、エネルギーを追う企業は、本能的に、活路を探して走り出しているように見える。 石油危機を生き延びてきた日本の省エネルギー技術力を信じたい。これも単なる神話だろうか。 飛躍的に燃焼効率を高めて、CО2をすこしでも減らす革新型火力発電技術が期待されているという。 自動車の燃費向上であれほどの実績のある日本の技術は、新興国をはじめ世界の発電所でリスペクトされ採用されると思いたい。 新聞によれば、来日中のパキスタンの計画相は、日本には、火力発電の先端である超臨界厚技術の導入や投資を期待すると述べている。 国家の大義、プロジェクトは、いつも最善とは限らない。その逆が多い。 戦争を経験したぼくらの年輩は、大義に裏切られてきた。戦時中、戦後も、いやというほど実例をみてきた。 思うに、齟齬をきたしたプロジェクトには、撤退も妥協もあるはずだ。国は、メンツにこだわらず、ひろく世界の新たな知見に学び、次善三善の策を土壇場まで探すことが為政者の義務である。 そして、ふつうの市民、有権者(有識者ではない)に、それをどのように理解させるかが課題であろう。 「核のゴミ捨て場は、安部さんの地元にしたらどうですか」、と新聞の投書欄に中年女性が述べていた。痛烈。 投稿者 nansai : 2013年12月10日 15:07 All Rights Reserved, Copyright (C) 2013, NIPPON SP CENTER, Co.,Ltd. & SKYARC System Co., Ltd, 引用元は 「縦書きブログ 八軒屋南斉」。 |
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日本・アセアン首脳会議の報道を見ていて思った。 集まりにはどう見ても親しみのある空気が流れていないなと。 その理由を考えてみた。 1、ホスト国の安倍首相はアセアン首脳と個人的な付き合いが誰一人ないのでは? 2、来日したアセアン首脳は全員が個別にさしでピジンイングリシュであろうが、正統派英語であろうが意思疎通が出来るが、安倍首相には出来ないのでは? 要は安倍さんは日本語で外務省の役人が書いたペーパーを読み上げるだけだ。 2兆円の金を出すと言われて集まった首脳たちと、自分の言葉で話せないホスト国のリーダー。 もし首脳たちが通訳なしで一つの部屋に入ったら、アセアン首脳たちは楽しくお互いに談笑できるが、安倍さんはあいまいな笑みを浮かべて、黙って立っているだけではなかろうか? うそ寒い空気がテレビの画面から流れるのを感じても当然のことだ。 そういう現実であれば、日本は日本らしく無理な背伸びをせず、通訳を介さなければアジアの首脳と話せる政治家がいないことを認めて、地道にやるしかないのではないだろうか。 国と国の関係と言っても、その基礎は全て人と人の付き合いがあってのことだ。 これからは否も応もなく、日本の国を代表して国際会議に出る政治家は、公式の場では日本語のスピーチでいいが、個別的には英語で相手国の代表と話せる人でなければ、もう物の役にはたたない。 世界の世間ではもうそういう時代になっている。 |
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除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設をめぐり、石原伸晃環境相と根本匠復興相(衆院福島2区)は14日、佐藤雄平知事や大熊、双葉、楢葉、富岡4町長と福島市で会談、建設地周辺19平方キロの国有化計画を説明し大熊、双葉、楢葉3町に施設建設を、富岡町に既存の管理型処分場の利用を受け入れるよう要請した。 石原環境相は「地元の受け入れ環境が整えば」とした上で搬入開始後30年以内の県外での最終処分を法制化する方針を表明。佐藤知事は会談後、報道陣に「法制化の方向性が示された」と述べ、受け入れ可否の検討に入る考えを示した。 県などが求めてきた県外最終処分の法制化を政府が約束したことで、施設の安全確認や地権者からの用地買収など条件面の議論に移る。現地調査に限って認めてきた大熊、双葉、楢葉3町では建設の受け入れ可否をめぐり住民間の賛否が一層激しく議論されると予想され、県が主導して判断できるか否かが問われる。 石原環境相は「施設は福島の復興に不可欠。地元には大きな負担をかけるが、なるべく早く受け入れてほしい」と要請、復興庁と連携し受け入れ地域の振興策を検討する考えも表明した。会談後、佐藤知事は「施設の安全性、地域振興策の内容を一つ一つ精査していく」と慎重な姿勢を示した。 (2013年12月15日 福島民友ニュース) |
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2013年12月14日 朝刊 経済産業省の審議会「総合資源エネルギー調査会基本政策分科会」は十三日、エネルギー基本計画案を了承した。 経産省の素案段階で「重要なベース電源」としていた原発を「基盤となる重要なベース電源」と書き換え、さらに推進色を強めた。国民の意見を踏まえて決めた民主党政権の「原発ゼロ目標」からの転換姿勢を鮮明にした。 今後、国民の意見を募り、関係閣僚会議の議論を経て、来年一月に閣議決定する。前民主党政権は意見公募に加え、討論型世論調査などで国民の意見を取り入れ脱原発へ舵(かじ)を切ったが、現政権は意見公募しか行わない。政府が国民の声に耳を傾ける姿勢は大きく後退した。 計画案は、脱原発の世論に配慮して「原発依存度を可能な限り低減させる」とした。ただ、原発をどう減らすか具体策は示さず、「必要な規模を確保する」と明記した。 原発の依存度が増す新設や建て替えについての考えは記載せず、判断を先送りし、将来に含みを残した。運転から四十年で廃炉にする原則にも言及はなかった。脱原発につながる項目は曖昧にして、なし崩し的に原発を進めようとする姿勢が見え隠れしている。 実現性が疑問視されている核燃料サイクルは「着実に推進」とした。ずさんな保安管理とトラブル続きで停止中の高速増殖原型炉もんじゅの研究も「実施体制を再整備する」と継続を明記し、研究終了を掲げた前民主党政権時の方針は白紙に戻した。実用化のめどがないまま国民の税金が投入され続ける恐れがある。 基本計画は中長期のエネルギー政策の方向性を示し、三年をめどに見直す。 前民主党政権は二〇一〇年の計画で、将来的に全電源の半分を原発に頼る方針を決めたが、福島第一原発事故後に「二〇三〇年代に原発ゼロ」目標に転換した。 |
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特定秘密保護法は12月6日参議院で可決、成立した。多くの国民がこの法律に対して、不安、疑問、怒りを抱くのは当然だが、実はこれまで存在した秘密保護法制でも、何でも秘密にできるというのが実態だ。 加えて特定秘密を扱う人たちに対する「適性評価」によって、人権侵害や公安警察権力の肥大化が懸念される。 防衛庁記者クラブの電話が盗聴 特定秘密保護法は12月6日参議院で可決、成立した。安倍総理がおそらく支持率の低下を覚悟の上で強行採決を連発し、早期成立を図ったのは、時間が経てば経つほど各方面に反対論が拡がり、さらに傷を深めると判断したものと考えられる。 この法律を読めば不安、疑問、怒りを抱く人が多いのは当然だが、実はこれまで存在した秘密保護法制にも同様な問題がある。それを含めて秘密指定の妥当性を審査したり、開示する制度をどうするかなどこの不人気な法律をめぐる紛議は来年も続きそうだ。 私は1968年に朝日新聞の防衛庁担当記者となり、すでに45年も軍事記者、評論家をつとめてきたから、秘密漏洩事件の危ない橋を渡り続けてきた。1985年に「スパイ防止法案」が議員立法で提出された当時、それを提唱した自民党議員の1人は「田岡を捕まえる法律だ」と言っているとも聞いた。 防衛庁記者クラブの電話が盗聴されていることは常識だったし、他紙が知らない重要な記事「特ダネ」を出せば、そのニュースソースを探ろうと警務隊(憲兵)や調査隊(防諜部隊)が動いていることを、別のソースから教えられることもよくあった。 盗聴に最初に気付いたのは記者クラブから国際法学者だった父に電話して国際法上の疑問を尋ねた際だった。数日後に防衛庁の高官と話していると彼が「父上もそう仰言っている」と言う。 私が「その見解はどこでお知りになったか」と聞くと相手は一瞬うろたえ「どこかの新聞で読みました」と言ったが、そんな記事は見たことがない。盗聴記録を読んでいたため、新聞記事と混同し、つい口を滑らせたことが丸見えだった。 とっくに時効だが滑稽な話もあって、ある朝制服の幹部が私の自宅に電話して来て、「いま公衆電話からかけています(庁内の電話は聴かれているから、の意味)。今朝の貴方の記事に大臣(防衛庁長官)が、おれも聞いてないことが新聞に出ている、と怒っている。 すでに終わったことで出しても構わない話なんですがね。洩らしたのは誰か調べろ、と言うので、さっき調査を命じました。ついてはしばらく私の部屋には来ないでいただきたい」との話だった。 1ヵ月以上経って会合で会ったから「調査は終わりましたか」とささやくと、相手は「田岡記者は米軍士官に友人が多く、米軍から出た模様、との報告でした。うちの調査もダメですな」と苦笑した。 「それは最も無難な結論ですな。本当の事が分かっても、それを貴方に報告するわけには行かないでしょう」と2人で密かに笑い合った。 続きはこちら。 |
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みんなで決めよう「原発」国民投票 のサイトから引用。 是枝裕和さん こちら。 辻井喬さん こちら。 |
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――売上げが伸びず、利益、設備投資は前期比で減少 12月9日に発表された2013年7-9月期のGDP(国内総生産)速報(2次速報値)では、実質GDPの対前期比増加率(季節調整済み)が、0.5%から0.3%へとかなり大きく下方修正された(年率換算値では、1.9%から1.1%に)。この大きな原因は、1次推計で0.2%とされていた民間企業設備の前期比が、0.0%に下方改定されたことだ。 日本経済に「好循環」は生じていないことが、はっきりと示された。 こうしたこととなる背景は、法人企業統計を分析すれば明らかになる。7-9月期の法人企業統計は、現在の日本経済の状況をきわめて的確に伝えている。ほとんどすべての指標が、対前期比では悪化しているのである。 設備投資はもちろん、利益でさえ、季節調整済み対前期比で見ればマイナスの伸びだ。金融緩和政策の効果は、まったく見られない。以下では、この状況を詳しく見ることとしよう。 伸びない売上高 売上高は、企業活動を示すもっとも基本的な変数だ。経済の好循環は、売上げが伸びなければ生じない。 7-9月期の対前年比を見ると、全産業が0.8%、製造業が0.3%、非製造業が1.1%となっている。前期までのマイナスの伸びからは脱したが、依然低い伸び率だ。製造業はこれまでのマイナスの伸びを脱したが、0.5%にも届かない。 対前年比より重要なのは、今年になってからの絶対額である。なぜなら、仮に金融緩和策の影響があるとすれば、ここに表れるはずだからだ。しかし、7-9月期の数字を見ると、製造業も非製造業も、異次元金融緩和導入前の1-3月期に比べて減少している。好調と思われている輸送用機械も、1-3月期より減少だ。 続きはこちら。 |
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2013年12月13日 21時04分 鹿児島県警は13日、暴力団関係者が逮捕された事件の被害者の供述調書を改ざんしたとして、虚偽有印公文書作成・同行使などの容疑で組織犯罪対策課の警部(52)、警部補(59)、巡査部長(51)の3人を書類送検した。県警は同日、警部を減給3カ月の懲戒処分、他の2人を本部長訓戒とした。警部は依願退職した。 3人の送検容疑は、昨年7~11月、被害者を複数回事情聴取した際に証言の変遷があったのに、なかったかのように改ざんした調書を鹿児島地検に送った疑い。証言の内容について県警は「容疑があった暴力団関係者と被害者との関係」とし「被害者の特定につながる」と事件の詳細は明らかにしなかった。 昨年12月、地検の指摘で判明した。県警によると、3人は被害者の了承を得た上で書き換えたとしており、警部は「裁判で有罪を勝ち取るため、被害者の供述に一貫性を持たせたかった」と話しているという。他の2人は「警部の指示でやった」としている。 逮捕された暴力団関係者は不起訴となっており、県警は「(書き換えが)不起訴の判断材料になったことも考えられる」としている。花田純哉首席監察官は「誤った手続きで捜査書類を作成することは絶対にしてはならない。県民に深くおわびする」とコメントした。 =2013/12/13 西日本新聞= |
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12月15日 4時12分「ヘイトスピーチ」と呼ばれる差別的な言動をデモの中で繰り返している市民団体について、警察庁は、治安情勢を分析した報告書の中で初めて項目を立てて取り上げ、デモに反対するグループとの間でトラブルが起きるおそれがあるとして、警戒を強めるとしています。 東京や大阪などでは、複数の市民団体が在日韓国・朝鮮人に対し「ヘイトスピーチ」と呼ばれる差別的な言動を繰り返すデモを毎週のように行っていて、デモに反対するグループと小競り合いになるなどして、双方から逮捕者が出る事態になっています。 警察庁は、国内外の治安情勢を分析した報告書「治安の回顧と展望」を公表し、これらの団体について初めて項目を立てて取り上げました。 この中で警察庁は、団体について、極端な民族主義・排外主義的な主張に基づく「右派系市民グループ」だと紹介しています。 このうち、警察庁が中心的な存在だとみている「在日特権を許さない市民の会」は、京都の朝鮮学校の周辺で街宣活動を行って教育を妨害したとして、ことし10月、裁判所から街宣活動の禁止などを命じられています。 警察庁は「これらの団体の活動が広域化し動員数も増加傾向にある一方で、グループの実態を把握することが難しい」としていて、今後も反対するグループとの間でトラブルや違法行為を引き起こすおそれがあるとして警戒を強めることにしています。
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刑事訴訟法は、法相の死刑執行命令は「判決確定から6カ月以内にしなければならない」と規定。例外的に再審請求や恩赦出願の手続き終了までと、共犯の判決が確定するまでの期間は「6カ月」に算入されない。 法務省関係者によると、再審請求中の死刑囚や、裁判所が再審開始を決定したケースでは、執行はできるが敬遠される傾向にある。 重い病気で治療中の場合も避けることが多い。死刑囚の高齢化が進む中、省内から「このままでは、執行対象を選ぶのが困難になってくるのではないか」との声も出ている。 逆に、現行犯で逮捕されたケースや控訴・上告を自ら取り下げた死刑囚は執行するのに「障害がない」とみなされる。過去に判決確定から1年以内に執行があった際、法務省幹部は「誰の目から見ても凶悪で、情状を考慮する余地がない」と強調した。 一方、再審請求中でも「同じ内容の請求を繰り返している」(法務省関係者)場合は執行されることもある。こうした運用の結果、判決確定から執行までの期間は死刑囚によってばらつきがある。 人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」は「定期的に執行しながら 恣意 (しい) 的であることを否定するのなら、政府は選定基準を公表すべきだ」と法務省の姿勢を批判している。 「慎重に検討したのか」 死刑執行、弁護士らが批判 山梨県と新潟県で1986年に起きた連続殺人事件の 藤島光雄 (ふじしま・みつお) 死刑囚(55)ら2人の死刑が執行されたのを受け、藤島死刑囚の弁護人を務めていた 秋田一恵 (あきた・かずえ) 弁護士が12日午後、東京・永田町の衆院第1議員会館で記者会見し「法相は事件の背景を精査し、慎重に検討したのか」と疑問を投げ掛けた。 秋田弁護士によると、藤島死刑囚は少なくとも5回は再審を請求したが、いずれも棄却された。来年の請求を検討していたさなかの執行に、秋田弁護士は「隙を突かれた形でショックだ」と落胆した。 さらに、親から虐待されるなどしていた成育歴が事件の背景にあると指摘し「裁判員裁判なら結論は変わっていたかもしれない」と話した。 同席した人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」の 若林秀樹 (わかばやし・ひでき) 事務局長は「極めてハイペースの執行で、世界があきれている。死刑廃止を求める国際社会の要請と真っ向から対立している」と批判した。 (共同通信)
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