2016年5月17日火曜日

福島原発事故が起きた翌年、2012年09月06日から09月10日の「阿智胡地亭の非日乗」の記事

2012年09月10日(月)

岐阜県が独自に敦賀の原発事故が起こった場合の影響シミュレーション

岐阜県 敦賀事故シミュレーション
2012年9月9日 東京新聞

 岐阜県は、日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)の大事故を想定した独自の被害予測をまとめた。事故の状況と気象条件で最悪の条件がそろうと、敦賀原発から100キロ離れた愛知県にも、高濃度の放射性物質が拡散する恐れがあると試算している。

 岐阜県は、県内の少なくとも二十四市町と愛知県の五市町、三重県の一市で、地表に沈着した放射性物質による年間の外部被ばく量が二〇ミリシーベルト超のケースがあると予測。東京電力福島第一原発事故の計画的避難区域に相当する放射線量で、百万人以上が影響を受ける可能性がある。東海三県全体で防災対策の見直しが迫られそうだ。

 岐阜県の内部資料によると、「福島の原発事故と同じ規模の事故が敦賀原発で発生」との前提で、季節や風向き、気温、降雨量などから二十のケースを想定。拡散した放射性物質によって各地の住民が被ばくする量を専門機関に試算させた。

 最も被害が広がったのが、弱い北西の風と適度な雨が重なったケース。年間の外部被ばく量二〇ミリシーベルト超の地域が、大垣市や岐阜市など岐阜県の少なくとも十八市町と愛知県の一宮市や江南市など四市町に及んだ。

 放射性物質がいったん福井県北部に滞留した後、弱い西風で岐阜県に流入したケースなどでは、下呂市や郡上市など岐阜県の別の六市と愛知県犬山市でも二〇ミリシーベルト超になる。

 ただ、試算した二十ケースのうち、十三ケースでは東海三県で二〇ミリシーベルト超の自治体は現れなかった。

 岐阜県は今回の被害予測をもとに、ヨウ素剤の配備など重点的に防護対策を講じる地域を決める。

 中部地方では、滋賀県も昨年九月、関西電力の美浜原発と大飯原発での事故を想定した内部被ばくの被害予測を公表。岐阜県では揖斐川町など四市町が、内部被ばくが深刻になる恐れのある地域に含まれていた。

沖縄で県民大会 オスプレイ配備に

オスプレイ配備計画撤回を 沖縄で県民大会
2012年9月9日 12時51分 東京新聞(共同通信)

 米軍の新型輸送機オスプレイの普天間飛行場配備に反対し開かれた県民大会=9日午前、沖縄県宜野湾市


 米軍の新型輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)配備に反対する県民大会が9日、同市の宜野湾海浜公園で開かれ、主催者発表で10万1千人の参加者が配備計画の撤回や同飛行場の閉鎖を日米両政府に訴えた。

 大会で共同代表の喜納昌春県議会議長は「いつなんどき、空からオスプレイが墜落してくるか分からない中で生活することは決して正常ではない」とあいさつした。

 オスプレイは、4月以降のモロッコや米国での墜落事故に続き、6日には米国内の市街地に緊急着陸しており、安全性に対する地元の懸念は強まる一方だ。

 大会は、県内の各種団体でつくる実行委員会が主催した。

茂木健一郎 クオリア日記 2012/09/07から


「ぼくは、本当に自分のやりたいことをやってきたのか」

二日前の晩、有吉伸人さんと、NHK近くの沖縄料理屋のようなところで飲んだ。

最初はテーブルがなくて、入り口のカウンターのようなところに二人で座って。まずはオリオンビール。ぼくは二杯目もオリオンにしたけど、有吉さんはサワーに移った。

有吉さんは、胸がざわざわしているらしい。『プロフェッショナル 仕事の流儀』を離れても、驚くほど多くの番組にかかわりつつ、すぐれた仕事をして、それでも、胸がざわざわしているらしい。

「茂木さん、ぼく思うんですけどね」と有吉さん。「ぼくは、本当に自分のやりたいことをやってきたのかと。」

胸を突かれた。ぼくにも似た思いがある。世間の需要というものと、自分のやりたいことはかならずしも一致しない。研究上のことだってそう。流行と、本当に大切な問題は、かならずしも一致しない。

ぼくは、有吉さんの佇まいに耳を傾けるのが好きだ。イノシシのような外観の有吉さんだけど、心の奥に、澄んだ朝の湖のような場所があるから。

有吉さんと、『プロフェッショナル 仕事の流儀』のスタジオで毎週顔を合わせていた、4年3ヶ月。あの日々は、私の胸の中に、宝物として輝いている。

「過ぎ去って、初めてかけがえのない日々だったとわかるんですよね。」

本当にそう。そして、有吉さんは未来を見ている。ぼくだって。でも、久しぶりに会って沖縄料理を食べている時くらい、振り返ってもきっといい。
 
有吉さんと別れ、夜道を歩きながら考える。「ぼくは、本当に自分のやりたいことをやってきたのか」と。
 
 
2012年09月09日(日)

琉球新報 号外 【号外】オスプレイ拒否 配備反対、怒り結集

2012年9月9日

 「オスプレイ配備に反対する県民大会」(主催・同実行委員会)が9日午前11時から宜野湾海浜公園で開かれた。

墜落事故が相次ぐ垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの県内配備を許さない沖縄の民意を発信するため、一般県民や労働組合、経済界など県内外から数万人が集まり会場を埋め尽くした。

10月の本格運用開始を強行しようとする日米両政府に、党派を超えて配備計画の撤回を求める歴史的大会と位置付けられる。

オスプレイ配備計画の撤回と普天間飛行場の閉鎖・撤去を要求する決議を採択する。

経産省は3.11以前の政策を必死で守る  誰のため??

核燃料「全量再処理」放棄に抵抗 原子力委案に経産省
2012年9月8日 19時42分 東京新聞(共同通信)

 使用済み燃料を全量再処理してプルトニウムを抽出する核燃料サイクル政策の見直しで、政府の原子力委員会の首脳部が6月半ば、使用済み核燃料の「全量再処理」路線を放棄する案を作成したが、経済産業省や電力業界関係者の抵抗で断念したことが8日、分かった。

使用済み燃料の扱いとして全量再処理の選択肢は残ったが、原子力政策を担う専門家組織内で全量再処理を排除する案が作られた事実は今後の議論に影響を与えそうだ。

 原子力委が共同通信の請求で開示した約千ページの文書や関係者の証言で判明した。

広島で原爆体験した両親から生まれた子の白血病は・・

両親が被爆“白血病の確率が5倍”
9月7日 20時7分 NHKwebニュース

原爆の爆心地から2キロ以内で被爆するなど、被ばく線量が高い両親から生まれた子ども「被爆2世」は、親のどちらかが被爆した子どもに比べて白血病になる確率が5倍以上高いとする研究結果を広島大学の研究チームが発表しました。

調査結果は、広島大学の研究チームが、7日、仙台市で開かれた「日本放射線影響学会」で発表しました。

研究チームは、原爆に被爆した人から生まれた子ども「被爆2世」のうち、被爆後10年以内に生まれたおよそ6万3000人について、生後35年間、追跡調査をしてきたということです。

そして、被ばく線量が比較的高いとされる、爆心地から2キロ以内で被爆した両親の子どもは1326人のうち3人、また、原爆投下から3日以内に広島市に入り被爆した両親の子どもは2337人のうち7人が白血病になっていることが分かったということです。

これを親のどちらかだけが被爆した子どもと比べると、白血病になる確率が5倍以上高くなったということです。

研究チームの鎌田七男医師は「被爆2世への遺伝的影響はこれまで確認されていないが、今回の研究は影響解明の突破口になる可能性があり、今後も広島の科学者として研究を続けたい」と話しています。

原爆の「被爆2世」への遺伝的影響を巡っては、アメリカの「旧ABCC=原爆傷害調査委員会」や、その後継の日米共同の研究機関「放影研=放射線影響研究所」が、戦後まもないころから調査を続けていますが、白血病を含めて遺伝的影響は確認されていません。  

日本の学校のクラスも35人へ  

35人学級 小中全学年に拡大
9月7日 0時1分 NHKwebニュース

文部科学省は、子どもたちにきめ細かな指導を行うため、来年度から5年間かけて、公立の小中学校のすべての学年を1クラス35人以下の少人数学級とする方針で、来年度予算案の概算要求に必要な経費を盛り込むことにしています。

文部科学省は、小中学校の学級規模の見直しを進めていて、諮問を受けて検討を行ってきた有識者会議のメンバーが、6日、高井文部科学副大臣に提言書を提出しました。

この中では、現在は公立小学校の1・2年生で導入されている、いわゆる「35人学級」について、児童1人1人に対してきめ細かい指導が可能になり効果的だなどとして、公立の小中学校の全ての学年に広げるよう求めています。

こうしたことから、文部科学省は、教師が子どもたち1人1人と向き合う時間を十分に確保する必要があるとして、来年度から5年間かけて、公立の小中学校の全ての学年を1クラス35人以下の少人数学級とする方針となりました。

このため、来年度から5年間で教職員を3万人程度増やす考えで、来年度増員する分について、来年度予算案の概算要求に必要な経費を盛り込むことにしています。

☆自分の時は小中学校は1クラス55人くらいだった。隔世の感あり。
35人のクラスというのは、日本の教育制度は少しづつはよくなっている証拠だ。
 
2012年09月08日(土)

節電期間終了 期間中逼迫する事態なし

電力3社 節電要請期間が終了
9月7日 21時22分 NHKwebニュース

電力不足が懸念されるとして、政府がこの夏、関西、九州、四国の3つの電力会社の管内に、数値目標を設けて節電を要請していた期間は7日午後8時で終了し、期間中は、電力がひっ迫する事態は避けられました。

政府は、電力不足が懸念されるとして、7月2日から全国的に節電対策を実施し、このうち、関西電力と九州電力の管内では、おととしに比べて10%以上、四国電力では5%以上の数値目標を設けて、節電を要請していましたが、この3社の管内の、数値目標がある節電要請は、7日午後8時で終了しました。

各社によりますと、この期間中の使用電力は、おととしに比べて関西電力で11%程度減少したのをはじめ、四国電力で8%程度、九州電力で10%程度の減少と、いずれも目標をおおむね達成したとしています。

また、この期間中は、電力供給に対する使用の割合を示す「使用率」が、「需給ひっ迫警報」の発令の基準となる97%を超えることはなく、電力がひっ迫する事態は避けられました。

こうしたなか、政府がことし6月、関西電力大飯原発の3号機と4号機の運転再開を決めたことについて、再稼働は必要なかったのではないかという意見も出ています。

これに対し経済産業省は、需給に余裕ができたのは、目標以上に節電の取り組みが進んだことや、火力発電のトラブルが去年の半分程度にとどまるなど、事前には予測できない要因によるもので、運転再開の判断は妥当だったとしています。

一方政府は、今月に入っても厳しい残暑が続いており、状況によっては電力不足の懸念があるとして、北海道電力の管内では、今月14日までは7%以上の節電要請を続けるとともに、沖縄を除く全国でも、今月28日までは数値目標のない節電を引き続き求めています。
 

東電のテレビ会議のビデオは人類共通の財産。 公開すべきもの

東電テレビ会議の映像公開いったん終了
9月8日 4時20分 NHKwebニュース

原発事故の対応が記録された東京電力のテレビ会議の映像公開が7日、いったん終了しました。

当時の状況がそのまま記録された映像からは、危機的な状況のなかで的確に判断することの難しさや、現場を支援する態勢の弱さなどがより実感を持って確認することができ、テレビ会議の映像が事故の検証にとって極めて有効であることを示しました。


東京電力のテレビ会議の映像は、先月6日から今月7日まで事故発生当日の去年3月11日から5日間の合わせて150時間分が、閲覧の形で報道関係者に公開されました。

この期間は次々に水素爆発が起き、最も危機的な状況を迎えたときで、政府や国会の事故調査委員会の報告書でも事故対応のさまざまな問題を指摘していますが、映像からは、文章だけでは伝わりにくい当事者の焦りや危機感などが実感を持って確認できました。

この中では、事故対応の真っ最中だった当時の吉田所長に本店から何度も電話がかかり、官邸に連絡をするよう促され、現場の指揮が中断する場面が何度もありました。

このほか、3号機が冷却できなくなった去年3月13日の朝、現場の職員が機器を動かすバッテリーを買いに行かざるをえなくなったとき、現金が足りず、「現金を貸してほしい」と呼びかける場面などもあり、当時、外部からの物資の補給がいかに十分でなかったかが分かります。

このように事故から1年半近くがたって公開されたテレビ会議の映像からは危機的な状況のなかで的確に判断することの難しさや、現場を支援する態勢の弱さなどが浮かび上がり、事故の検証にとって極めて有効であることを示しました。

ただ、公開は、録画や録音が認められないなど制限された状態で行われており、詳細な分析が必要な事故の検証には必ずしも十分とはいえません。

東京電力は今後、事故から1か月分の映像を公開する方針を明らかにしましたが、検証が十分行えるような公開の方法が求められます。
2012年09月08日(土)

韓国の基地問題会議 出席の沖縄県民を韓国が入国拒否

沖縄から基地問題会議出席4人 韓国が入国拒否
2012年9月8日 09時24分 沖縄タイムス

 沖縄から韓国を訪問した4人が5、6の両日、相次いで入国を拒否されていたことが分かった。済州島で開かれる基地や環境問題の国際会議に出席する予定だった。「済州島で建設予定の韓国海軍基地に反対しているためではないか。まるで軍事政権下だ」と反発している。

 拒否されたのは、沖韓民衆連帯の豊見山雅裕代表、富田英司さん、普天間爆音訴訟団の高橋年男事務局長の一行と、ジュゴン保護キャンペーンセンターの海勢頭豊代表の一行。それぞれ本土の1人ずつも入国を断られ、計6人。

 5日、経由地の仁川国際空港で初めて拒否された高橋さんは米軍基地の環境問題を扱う会議に出席するつもりだった。「韓国は暴力による基地建設が国際社会に露見することを恐れている」と指摘した。

海勢頭さんは6日、国際自然保護連合(IUCN)の第5回世界自然保護会議に出席するため済州国際空港に到着したが、そのまま帰された。「会議メンバーを排除するとは、開催国の取るべき態度ではない」と批判した。
 

オスプレイ予定通りに普天間配備  国防総省明言

オスプレイ「予定通り」 普天間配備で米報道官
2012/09/08 07:31 【共同通信】
 【ワシントン共同】米国防総省のリトル報道官は7日、米軍新型輸送機オスプレイの普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)配備に反対する県民大会が開催されることに関し「(沖縄への)配備計画は予定通りに進んでいる」と述べ、普天間での10月運用開始を目指す考えに変わりはないとの考えを表明した。同省で記者団に語った。

 4月以降に発生したモロッコ、米フロリダ州での事故の原因を人為ミスと断定する調査結果について、日本政府に対する説明を既に終えたことなどを踏まえ「日本側と綿密な話し合いを続けている」と指摘した。

 

アメリカ・ノースカロライナ州でオスプレイ緊急着陸

米南部、オスプレイが緊急着陸 けが人や損傷なし
2012/09/08 09:02 【共同通信】

 【ワシントン共同】米海兵隊が運用する新型輸送機オスプレイが、6日に米南部ノースカロライナ州の市街地に緊急着陸したことが7日、分かった。海兵隊が明らかにした。けが人や着陸時の機体の損傷はなかった。

 緊急着陸したオスプレイは海兵隊の同州ニューリバー飛行場所属。海兵隊などが原因を調査している。

 オスプレイは4月以降、モロッコや米フロリダ州で墜落事故を起こしているが、米側は原因調査でいずれも「人為ミス」と結論付けている。

オスプレイ 警告の表示で緊急に着陸
9月8日 10時3分 NHKwebニュース

沖縄のアメリカ軍普天間基地に配備が計画されている最新型輸送機、オスプレイが6日、アメリカ南部ノースカロライナ州で、飛行中に操縦席内の計器が警告の表示を示したことから、市街地の空き地に緊急に着陸していたことが分かりました。
アメリカ海兵隊が原因などを調査しています。

アメリカ海兵隊によりますと、最新型輸送機、MV22オスプレイ1機が、6日夜、アメリカ南部ノースカロライナ州の市街地に緊急に着陸しました。

これについて、海兵隊はNHKに対し、「飛行中に、操縦席内の計器が直ちに基地に戻るよう求める警告の表示を示したため、パイロットの判断で、安全を最優先に、あくまでも予防的な着陸を行った」と説明しています。

オスプレイが着陸した現場は、この機体が所属する海兵隊のニューリバー基地からおよそ5キロ離れた市街地にある空き地で、けが人や機体への損傷はなかったということで、現在、海兵隊が原因などを調査しています。

オスプレイを巡っては、ことし4月にアフリカのモロッコで、6月にはアメリカ南部フロリダ州で墜落事故が起きていますが、日米両政府は、機体に構造上の欠陥はないという見方を示し、沖縄の普天間基地への配備を進める方針です。
 

SPEEDI開発者が文科省などに反省を求める

SPEEDI開発者が苦言 放射線影響学会、仙台で開幕
2012年09月07日金曜日 河北新報

 放射線科学や環境測定の研究者らでつくる日本放射線影響学会の大会が6日、仙台市青葉区の東北大川内北キャンパスで始まった。8日まで。福島第1原発事故に関する被ばく評価や環境影響についての報告があった。

 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の開発に携わった日本原子力研究開発機構の茅野政道氏は「文部科学省や原子力安全・保安院が、受け取った予測計算を有効に使えなかった」と振り返った。


 原子炉などのデータが得られず精度が低かったとする政府の主張には「自然災害では不確実な予測でも対策に生かすのに、原子力災害で完璧な情報を求めるのは理解できない」と苦言を呈した


 福島県立医大の大津留晶教授は「原発事故に関連した疾患が発症するまでには4、5年はかかるとみられる。その前に健康に関するデータを集めることが重要だ」と指摘。

「低線量被ばくは安全だとの考えを押し付けてはいけないし、いたずらに危険をあおってもいけない。
心身両面で県民への多角的な支援が求められている」と述べた。
 大会長を務める東北大加齢医学研究所の福本学教授は「原発事故の影響は今後も続く。

有効な対策を見つけるために、研究者が科学的認識を共有することは意義が大きい」と話している。

太字は管理人
 

熊本県 大蘇ダムの水漏れの責任を誰も取らなくていい国のやり口

大蘇ダム、水漏れ対策に126億円 農水省
2012年09月07日 くまにちコム(熊本日日新聞社)

農水省が2013年度から126億円をかけ、本格的な水漏れ対策に取り組む予定の大蘇ダム=産山村(小山真史)

 計画通りに水がたまらない国営大蘇ダム(産山村)に関し、農林水産省は6日、2013年度から総額126億円の本格改修に着手する方針を示した。工期は5~7年。13年度政府予算概算要求に初年度事業費9億9800万円を計上した。

 農水省は、全額国費で10年度から3年間でダム湖全体(約33万平方メートル)のうち、約3万平方メートルにコンクリートを吹き付ける試験
的な浸透対策を実施。来年度からはこの対策工事を残り部分に施す計画で、湖底部分には遮水シートを張る。

 13年度の事業費のうち、最大で約3億円が受益地を抱える熊本と大分両県、阿蘇、大分県竹田両市の新たな負担となる見通し。追加負担について大分県側は理解を示しているものの、熊本県側は「現状で水は足りている」として反対姿勢をみせている。農水省は各自治体との調整を進めつつ、来年度中に対策工事の施工計画策定、着工を目指す方針。

 大蘇ダムは農業用利水ダムとして、1979年に着工。当初予定した130億円の4・5倍の593億円をかけ、2004年に本体が完成した。しかし、試験湛水段階の08年に、想定の2~16倍の水が浸透していることが発覚した。(原大祐)

☆大蘇ダムは公務員と彼らと組んだゼネコンが自分の仕事を無くさないために、意図的にだらだらと続けている公共事業の一つだ。

今の日本の行政制度では、どうもこういう企みを止めさせる仕組みはないようだ。せいぜい会計検査院がその役割なんだろうが、チエックできる技術スタッフはいないだろう。

土建国家日本を作り、長年、国家予算をしゃぶっている一大勢力。

本件の関連エントリ:

大蘇ダム 農水省の大きな失敗例 誰も責任をとらない【第48回】
2012年7月10日 相川俊英 週刊ダイヤモンド
誰も責任をとらず、湯水のように注がれる修復費用
“底抜け”大蘇ダムに振り回される住民たちの失意

山奥に造られた巨大プールの愚
水の貯まらない「底抜けダム」

 まるで山奥に巨大なプールを造るようなものだ。農水省九州農政局は6月18日、水漏れにより利用ができずにいる大蘇ダム(熊本県産山村)を全面補修する案を発表した。

 ダムののり面や底面など地盤全体にコンクリートを吹き付け、水漏れを防ぐという。コンクリートで巨大な器を造り、その中に水を貯めるというものだ。工事費は約100億円にのぼる見込みで、九州農政局ではダム水を利用する地元の自治体にも追加負担を求める方針だという。

 日本は世界に冠たるダム大国で、建設の実績と技術力の高さで他国を圧倒している。しかし、その一方でとんでもない欠陥ダムを生み出していた。代表事例が、水の貯まらない底抜けダムだ。ダム湖の底やのり面から水が漏れ出し、計画通りに貯水できないという欠陥品である。

「まさかそんなバカなことが」と思うだろうが、本当に漫画みたいなダムが日本社会に存在している。それも2つもである。

 熊本県の大蘇ダムと北海道の東郷ダムが、その「底抜けダム」である。いずれも農水省が農業用ダムとして建設したもので、完成後に水漏れが発覚し、水利用ができずにいる。

 大蘇ダムは、熊本県産山村を流れる大蘇川をせき止めて造られた。農水省九州農政局が「大野川上流農業水利事業」として建設したもので、計画上の有効貯水量は約390万トンとなっていた。

 受益地は大分県と熊本県に広がり、延べ2158ヘクタール。畑作が中心で、受益地の7割以上を大分県竹田市が占める。ハウスでのトマト栽培を手がける農家が中心だった。

 大蘇ダムの堤本体が完成したのは、今から8年前の2004年のこと。工事は基礎掘削時に亀裂が見つかるなど、難航を極め、1979年の事業着手から4半世紀もの時を要した。計画変更は2度に及び、事業費は約595億円と当初(約130億円)の4.6倍にまで膨れ上がった。

 完成が延び延びとなったため、水利用を断念する農家も少なくなかった。待ちくたびれてしまったのである。農業を取り巻く環境が激変したことも影響した。

 それでも、大蘇ダムからの水を熱望する農家が存在し、彼らはひたすら待ち続けた。大分県竹田市のトマト農家などだ。彼らには切迫した事情があった。近くの大谷ダム(熊本県高森町)の水を利用しているが、不安定要因を抱えていたからだ。
ダムの老朽化により水の供給力が減少していたのである。

 もともと年間150万トンだったのが、いまや82万トンと半減している。ダム湖に溜まった土砂による現象である。このため、トマト農家などが荻柏原土地改良区(組合員は約700人)を結成し、大蘇ダムからの水に地域の将来を賭けていた。

ダムの底では信じられないことが
農水省がひた隠しにした欠陥工事

 大蘇ダムの堤がやっと完成し、試験湛水となった。何事もなければ、そのまま供用開始となるはずだったが、ダムの底でとんでもないことが起きていた。

 ダム湖の底やのり面から水が漏れ出し、計画通りに水が貯まらないのである。地盤にいくつもの亀裂が生じていて、まるで底に穴があいたバケツ状態になっていた。前代未聞のあり得ない事態であった。

 九州農政局は当初、水を待ち望む受益農家らに対し、この重大事実を明らかにしなかった。黙ったまま伏せていたのである。しかし、土地改良区の関係者が試験湛水のデータなどが示されないことなどに不審を抱き、水漏れの事実を突き止めた。こうして水漏れダムの存在が初めて、表面化した。

 大蘇ダムは阿蘇カルデラの北東斜面に造られた。周辺一帯はいわゆる火山灰地である。地盤が悪く、地元の人たちは当初から「水を貯めるのは難しいのではないか」と、語り合っていた。そもそもダムを造るような場所ではないと心配していたのである。

 だが、ダム建設の関係者らは「ここにダムが造れれば、世界中のどこにでも造れることになる」と、全く意に介さなかったという。技術力への自信と驕りをみなぎらせていたのである。

質問に怒りの表情さえ見せた関係者
「浸透抑制」という名目で修復に着手

「ちょっと待ってください! 欠陥! 欠陥! と言わないでください」

 顔色を変えて厳しい口調でこちらの話を遮ったのは、九州農政局の担当者。ダム事務所を直撃取材したとき(08年秋)の一幕だ。その時点では、大蘇ダムの水漏れは広く知られてはいなかった。

 彼らは奇妙な言い訳を繰り返した。ダムからの漏水を認めず、「水の想定外の浸透によるもの」と言い張るのだった。水がダムの底や周辺から地中に浸透していくのは、当たり前のこと。それらを全て想定した上で、水を貯めるのに適した場所を選定し、ダムを建設するものではないか。そもそも水が貯まらないところにダムを造ってしまったことが、大きな間違いだったのでは――。

 そんな質問を重ねたところ、彼らは怒りの表情さえ浮かべた。そして、「水漏れ欠陥ダム」という事実を頑として認めず、水の「想定外の浸透だ」と繰り返すのだった。自分たちの過ちを認めず、平然としていた。

 その後、水漏れダムの存在が世間に広く知られるようになり、事業主体の九州農政局に批判の声が寄せられるようになった。国民の多くがとんでもない欠陥品を造った不手際に呆れ返り、憤激したのである。

 さすがにこのままでは「まずい」と考えたのであろう。農水省は漏水の事実を認め、対策工事を行なうことにした。2010年度から3年間かけ、ダムののり面や底面の一部(約3万平方メートル)にコンクリートを厚さ約10センチまで吹き付けるというものだ。要するに、地盤にできている亀裂をコンクリートで塞いでしまおうというアイディア(?)だ。

 補修工事は、その効果を調査する意味合いもあった。それで、まずは地盤全体の10分の1の面積を対象とした。そうは言っても、バケツの底の穴を塞ぐのとはわけが違う。全体の10分の1とはいえ、かかる費用は約8億4000万円と見積もられた。

 この補修工事を九州農政局は「貯水池浸透抑制対策調査工事」と命名した。ダムの水漏れ対策ではなく、「あくまでも『浸透抑制対策』」だというのである。

総事業費は当初の5倍、700億円に膨張
なぜ誰1人として責任を取らないのか

 九州農政局はこうした水漏れ対策を2年ほど続け、「効果あり」と判断したのであろう。大蘇ダムの地盤全体にコンクリートを吹き付け、遮水する案を地元自治体や土地改良区に新たに提示したのである。ダム湖の底とのり面の全体をコンクリートで覆いつくすというのである。補修事業費は100億円規模に達し、完了するまで早くても5年はかかるという。

 大蘇ダムの事業着手は1979年で、当初の計画では事業費は約130億円と見積もられていた。それが約700億円にまで膨れ上がり、その上、実際に水を利用できるまで40年以上も待たされることになる。

 民間企業でこんな仕事をしていたら、間違いなく懲戒解雇ものだ。というより、会社そのものが存続し得ないはずだ。しかし、日本の役所の世界は極めて異質なところである。「水漏れ欠陥ダム」を造った責任を農水省の誰かがとったという話は、聞こえてこない。

 追加負担を求められた地元の大分県や竹田市などが6月30日、対策を話し合う会合を開いた。大蘇ダムの水を待ち続ける竹田市の荻柏原土地改良区の関係者は、「とにかく早く(補修工事を)やってもらいたい」と訴えたが、負担を強いられる自治体側は二つ返事とはいかない。そもそもずさんなダム建設の責任は国(農水省九州農政局)にあるからだ。

 しかし、国(農水省)が全て負担すればよいというものでもない。税金であることに違いはないからだ。欠陥ダムの建設に関わったお役人が誰1人、責任を取らぬまま、血税が投じられるのはどう考えてもおかしい。納税者として到底、納得できない話である。

☆これは農水省九州農政局と請負ゼネコンと地元下請け業の三者が仕組んだ長期優良プロジェクト(彼らにとっての)だ。

地元の需要者と国民の税金のことは全く蚊帳の外の話だ。
3者は切れ目なく仕事にありつける、この不況下でも。

こういう無惨な大出費を監視し押さえるのは、本来は我らが代表の国会と国会議員さんたちだが、地元選出の自民党議員はむしろ率先してこの長期プロジェクトを推進してきた。

この国ではいったん動き出した土木事業を止める力を持つ人間はおらず、そういう仕組みはあっても機能していない。国交省の八つ場ダムと全く同じ、長期工事に持ち込む図式を真似る農水省は賢い??
 
2012年09月07日(金)

アメリカの福島原発事故委員会で問題再燃

米調査委“日本の安全対策に問題”
9月7日 8時56分 NHKwebニュース

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を検証するアメリカの専門家による調査委員会に、東京電力の担当者が出席して事故の経緯を報告し、専門家からは、緊急時の対応に精通した技術者が常駐していないことや最悪の事態への備えがなかったことに疑問の声が上がりました。

アメリカ科学アカデミーは、全米の専門家を集めて福島第一原発の事故を検証し、安全対策に生かそうと、ことし7月に調査委員会を立ち上げて議論しています。

6日、東京電力の担当者らがこの委員会に出席し、津波の規模が想定を上回ったことや電源が失われても原子炉を冷却できる非常用復水器が停止していることを把握できなかったことなどを説明しました。


非常用復水器を巡っては、有効に使えなかったことが事故拡大の要因とも指摘されており、専門家からは「アメリカのように、緊急時に復水器について助言できる技術者はいなかったのか」と非常時に備えた態勢に疑問の声が上がりました。

また、原発事業者の団体は、「原発の安全対策では、想定を超える事態に備えるのが重要だという考えがなかったことが明らかになった」として、日本の安全対策の基本的な考え方に問題があったと指摘しました。

アメリカでは、同時多発テロをきっかけに、原発ですべての電源が失われるなど、それまでの想定を超える事態に備えたマニュアルやさらなる予備電源の整備などを義務づけていましたが、日本はこうした対応を取らなかったことが事故を防げなかった原因だとも指摘されています。

☆菅がでしゃばったとかの問題以前の問題を当たり前に指摘されている。設備を運転する当事者が設備を理解できていなかったし、今も復旧工事計画や改修工事方針まで設備納入企業に丸投げするしかない。日本の原発の基本的な問題は原子力発電所を動かす当事者に技術能力がないことであり、こんな恐ろしいことはない。

それにしても、アメリカの調査委員会が指摘したことをすっとばすように仕向け、全てが菅のせいだとメディアに報道させた原子力ムラは凄い力を持っている。しかし彼らもアメリカの委員会では、「そんなんでいいんかい」と言われて黙るしかなかった。

メディアもせめてもの罪滅ぼしにアメリカのこの調査委員会の全やりとりを報道してほしい。
 

また六ヶ所村の再処理工場の完工が延期 16回目

再処理工場完工を1年延期 来年10月に/原燃
2012/09/06 08:54 デーリー東北新聞

 ことし10月としていた使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)の完成時期について、日本原燃が1年延期し、2013年10月とする方向で調整していることが5日、分かった。現在の工程は、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の影響、溶融炉トラブルで1年程度の遅れが出ていた。

原燃は最終調整を経て、月内にも新たな工程を公表する予定。
1989年の事業指定申請から19回目、92年の指定後では16回目の延期となる。

☆延期延期が延々と続く。関係者が仕事を作るために意図的にサボタージュしているのではないかと思いたくなる。

失敗してもつぶれる怖れのない組織は、民間の勤め人経験者ではとても理解できない発想と行動をするものだ。
 

原子力規制委員会委員長候補田中俊一はこういう考え方の人

「放射線量規制値を下げれば下げるほど住民は不安になる」と語った原子力規制委員会委員長候補田中俊一氏

一部引用・・

もう一つ、これは私の心配なのですけれど、500Bq を基準にして、耕作制限値5000Bq/㎏となっていますが、仮にこれが暫定基準値とともに更に下がるようなことになりますと、非常に広範囲の地域の耕作制限がなされることになりますので、十分にその辺を考えていく必要があるのだろうというふうに思います。

ということで、いわゆる福島県民の不安というのはなかなかなくならないというか、どんどん不安が高まっているということであります。

1つは、今申し上げましたように、国のいろいろなワンボイスでないような発信とともに、それに乗ずるかのように、少数の科学者から、いろいろな、やや無責任とも思えるような、放射線や放射能のリスクについての発信がありまして、そういったことが住民を不安に陥れています。

全文はこちら
 

中国反日運動が海上保安庁装備強化の応援

海保、最新の巡視船4隻導入へ 尖閣警備強化
2012年9月6日 12時01分 沖縄タイムス(共同通信)

 香港の活動家らによる沖縄県・尖閣諸島上陸事件などを受け、海上保安庁が不審船などの監視能力を高めた最新鋭の大型巡視船4隻と、中型ヘリコプター3機を新たに導入することが6日、同庁関係者への取材で分かった。

 また、第10管区海上保安本部(鹿児島)の人員や装備を増強し、尖閣周辺海域への応援態勢を整える。いずれも、関連の費用を来年度予算の概算要求に盛り込む。

 関係者によると、1970年代半ばに集中的に配備された巡視船や航空機の多くが老朽化。速力など性能面でも不安視されているため、新型への切り替えを進める。
 

2012年09月06日(木)

夏の需給見通しに疑問 “大飯原発停止”の緊急声明

報道ステーション 2012.9.4。本格的な夏が来る前のおよそ3ヶ月前、野田総理が、大飯原発はなぜ再稼働しなければいけないかという会見を開いた。それから3ヶ月、関西電力管内で原発を動かさなくても電気は足りていたのかどうか、それに関して今日、大阪で緊急声明が出された。 大阪府市エネルギー戦略会議は、安全性が確保されていないとして、大飯原発の停止を求めた。同会議は今夏の電力需給を検証した。それによると原発再稼働がなくても十分余裕があったことがわかった。一方、政府の需給検証委員会は、今のところこの夏の電力需給の検証を行う予定は無い。

の需給見通しに疑問 “大飯原発停止”の緊急声明 投稿者 tvpickup
  

宮城県の保育所で、放射線物質の給食事後調査実施

放射性物質の給食事後検査 保育所でも来月から実施へ
2012年09月06日木曜日 河北新報

 宮城県は学校給食を対象とした放射性物質の事後検査を10月から半年間、保育所でも実施する方針を決めた。県内35市町村が1カ所ずつ選ぶ保育所と、県が運営する児童福祉施設1カ所の計36施設で検査する。

 各施設は週1回、給食1食分をペースト状にして検査機関に持ち込み、放射性セシウムの濃度(基準値1キログラム当たり100ベクレル)を測定する。結果は県のホームページで公表する。

 県は検査費用を全額補助する。関連事業費2714万円を2012年度一般会計補正予算案に盛り込み、11日開会の県議会9月定例会に提出する。財源には厚生労働省の「子育て支援対策臨時特例交付金」(安心こども基金)を充てる。

 保育所を対象とした給食の食材サンプルの事前検査は5月に始まっており、約70施設が検査をしている。これまでの検査では全て検出下限値を下回っていた。
 

野田首相は原子力ムラの人形師に抱えられた木偶人形だ

原発監視はや「骨抜き」 事後同意も不要論 規制委人事国会素通り
2012年9月6日 07時08分 東京新聞

 政府・民主党は五日、原子力規制を一元的に担う新組織「原子力規制委員会」の国会同意人事に関し、今国会では採決せず、野田佳彦首相の権限で任命する方針を固めた。

次の国会での事後同意を求めないことも検討している。規制委は政府からの独立性が高いにもかかわらず、国会のチェックを受けようとしない姿勢は政権として無責任と言われても仕方ない。(城島建治)

 同意人事で採決を経ず、首相が任命権を行使するのは極めて異例だ。政府側は原子力規制委員会設置法付則二条を根拠としている。

「国会の閉会または衆院解散のために両議院の同意を得られない時は、首相が任命できる」との例外規定があるためで、二十六日の委員会設置期限を前に、十一日の閣議で決定する方針だ。

 政府は七月下旬に委員長に田中俊一・前原子力委員会委員長代理、委員に中村佳代子・日本アイソトープ協会主査ら四人を起用する人事案を提示した。だが、民主党内などから、原発建設を推進してきた「原子力ムラ」に近いとの反対論が噴出。

執行部としては新たな「造反・離党議員」を出したくないとして、採決日程がずれ込んだ経緯がある。

 首相問責決議の可決を受け、審議拒否を続ける一方、同意人事の採決には応じるとしていた自民、公明両党は先送りに反発。自民党の岸田文雄国対委員長は「今国会でやるべきだ。それをしないのは政府・与党の怠慢だ」と述べた。民主党の生方幸夫衆院環境委員長も本紙の取材に「首相の任命では国会のチェック機能に疑問符が付く」と批判した。

 一方、今回の人事をめぐって政府・民主党は、付則に緊急事態の場合は事後同意が必要ないとの趣旨が盛り込まれていることを理由に、次の国会でも同意を求めないことも検討している。東京電力福島第一原発事故後は緊急事態が継続しているとの解釈からだが、国会軽視も甚だしい対応だ。

 内閣府原子力委員会新大綱策定会議の委員を務める金子勝・慶応大教授は同意人事に関し「原子力ムラを第三者の立場からチェックする機能だ。政府はそれを骨抜きにしようとしている。国民から信用されない」と指摘した。

原子力規制委 首相も「ムラ」の住人か
2012年9月6日 東京新聞社説

 野田佳彦首相が原子力規制委員会の人事に原発推進派を起用する構えを示している。本来は国会の同意が必要なのに、首相権限で強行するという。とんでもない話だ。国会は何をしているのか。

 従来の原子力安全・保安院や原子力安全委員会は原発推進派の強い影響下にあって「規制する側が規制される側(電力会社)のとりこになっていた」(国会事故調査委員会報告)。それでは原発を実質的に規制できず、安全確保もままならない。

 新設する原子力規制委員会を国家行政組織法第三条に基づく独立性の高い委員会にしたのは、そんな反省に基づいて原発を推進する電力業界や経済産業省、学会などの影響力を断ち切るためだ。

 ところが政府が示したのは、そんな狙いからまったく外れた人事案だった。委員長候補に原子力委員会委員長代理や日本原子力研究開発機構副理事長などを務めた田中俊一氏、委員候補には日本アイソトープ協会主査の中村佳代子氏、日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究部門副部門長の更田豊志氏らを指名した。

 田中、更田両氏が関係する日本原子力研究開発機構は高速増殖炉もんじゅを設置し、使用済み核燃料の再処理をしている。つまり核燃料サイクルの推進機関だ。中村氏の日本アイソトープ協会は研究・医療系の放射性廃棄物の集荷、貯蔵、処理をする団体である。

 こうした経歴からは三人が原発推進を目指す「原子力ムラ」の住人であるのは明白だ。とくに中村、更田両氏は原発や核燃料再処理に関係する機関に勤める従業員の就任を禁じた規制委員会設置法に違反する疑いすら濃厚である。

 法律上は国会同意がなくても後で同意を得れば、首相の任命は可能だ。ところが原子力緊急事態宣言が出ている間は同意を得る必要がない。現在は宣言発令中なので結局、任命が既成事実化してしまう可能性が高い。これは事実上の国会無視と言っていい。

 本来なら国会事故調が提言したように、独立した第三者委員会が相当数の委員候補を選び、その中から透明で客観的なプロセスを経て委員を選ぶのが望ましい。政府任せではだめだ。

 こうした展開になった背景には国会の怠慢がある。国会は事故調報告を受けていながら、たなざらし同然にした。いまからでも遅くはない。国会が原子力ムラ人事をどう考えるのか。しっかり検証し意志を表明すべきである。

太字は管理人

  政府は民主党内の原発ゼロへの抵抗勢力に配慮

政府、2段階で「原発ゼロ」に エネ戦略で調整
2012年9月5日 23時03分 東京新聞(共同通信)

 政府は5日、新たなエネルギー・環境戦略で、2030年時点で総発電量に占める原発比率を15%以下に引き下げ、最終的には「原発ゼロ」を目標とする方向で調整に入った。

全原発の廃炉に向けた工程表を15年までに作成し、2段階で脱原発を実現する。再生可能エネルギーの普及状況や国際的なエネルギー情勢をにらみながら工程表を5年ごとに見直す。

 民主党内には、早期の原発ゼロへの慎重論が根強く、実現時期を明示することは難しいと政府は判断。段階的に原発を廃止する目標を掲げることで決着を図る考えだ。

太字は管理人

☆民主党内の電気事業連合会と電力総連から出ている電力会社出身と電力組合出身の国会議員たちの力は侮れない。この人たちには電気代からまわっている豊富な組織資金力もある。

 どこで折り合いをつけるか、水面下での熾烈な戦いが垣間見える。
  

県や市が守るしかない地方住民の命  国が仰ぎ見る方向は違うから

オスプレイ墜落事故で沖縄県が質問書
9月5日 4時6分 NHKwebニュース

アメリカ軍の新型輸送機「オスプレイ」のモロッコでの墜落事故について沖縄県は、防衛省から人的な要因が大きいとする報告書が提出されたことに対し、8項目にわたる質問書をまとめて、4日、防衛省に郵送しました。

ことし4月、モロッコで起きたオスプレイの墜落事故について防衛省は、アメリカ側の資料などをもとに独自に分析を行い、「人的な要因が大きく、機体の構造に問題はなかった」などとする報告書を、先月、沖縄県に提出しました。

報告書の内容を検討してきた沖縄県は、安全性に関して8項目にわたる質問書をまとめ、4日、防衛省に郵送しました。

この中ではモロッコでの墜落事故は日常的なレベルと考えられる追い風の中で起きているが、その程度の追い風でも事故につながるのかや、飛行を安定させるためのコンピューター制御の改善が必要ではないかなど、オスプレイの機能について防衛省の見解を尋ねています。

また、「パイロットの教育の徹底」について具体的な時期や内容の確認を求めるなど、再発防止策についても質問しています。

沖縄県の仲井真知事は、県民の不安が払拭(ふっしょく)されない限り、オスプレイの配備は受け入れられないという考えを示していて、県ではこうした質問を通して国からのより丁寧な説明を求めたいとしています。
 

国会議員でも敵とみなした輩には見学させない 北陸電力

「脱原発の方、視察お断り」 北陸電、福島氏らを拒否
2012年9月5日11時37分 朝日新聞デジタル

 北陸電力(本店・富山市)が8月下旬、社民党の福島瑞穂党首ら党関係者による志賀原発(石川県志賀町)の視察要請に対し、「原発の必要性に理解がない方への対応は難しい」との理由で拒否していたことがわかった。

 北陸電力地域共生本部は「視察の要望が相次いでおり、現地が多忙な状況にある。『脱原発』を掲げる政党に視察を許可しても原発への理解は得られず、優先順位が低いと判断して断った」と説明する。

 視察を要請した社民党の担当者は「どういうことなのかさらに説明を聞きたいと申し込んだが、推進の立場でないと聞きに来られるのも困ると言われた。党として北陸電に申入書を出したい」と話している。


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