2012年07月10日(火)
野田首相は先ごろ、関西電力大飯原発三、四号機の再稼働を決定した。これは、福島第一原発の危険がつづき、事故原因の究明も覚束ないなかでの政治判断である。
各種世論調査でも明らかなように、国民の過半数はいま、いかなる原発再稼働も望んでいない。今夏の節電にも協力しよう、と電力消費地の四人に三人までが答えている。 首相は「国民生活を守るため」と言うが、「国民」とは誰のことなのか。誰の利益を守ろうというのか。 首相は、計画停電や突発的な停電によって、あるいは電力料金の高騰によって「命の危険にさらされる人」「働く場のなくなる人」が出る、「日常生活や経済活動が混乱する」と言う。 しかし、いまやどの医療機関にも自家発電装置がある。また、企業や経済や日常生活に仮に混乱が起き得るとしても、原発の危険性はその規模と質において、これらを何百倍、何千倍も上回ることは、すでに福島第一原発事故が明らかにした。 結局、野田首相の決断は、根拠のない「原発安全神話」を蒸し返し、政府・電力会社・関連業界と一部の専門家による隠微な「原子力ムラ」を生き延びさせ、「原子力マネー」漬けになった原発立地自治体の自治能力を腐食させることでしかない。 そのための隠れ蓑として、国民を持ち出さないでもらいたい、と国民のひとりとして私たちは思う。もし首相が「原子力ムラ」とそこに連なる人々を国民と言いたいなら、私たちをそこに含めないでいただきたい。 いま野田首相がやるべきは、福島第一原発事故の原因を究明し、そこから教訓を引き出し、首相みずからが宣明した脱原発依存の方針に基づいて、国内の原発をいかになくしていくかの工程表を具体的に明らかにするとともに、代替エネルギーの研究と実用化を促進することである。それなしに大飯原発三、四号機の再稼働を指示することは、破綻した旧来の原子力政策をなし崩し的に温存させることにしかならない。 日本ペンクラブはこれまでも種々の活動や声明を通じて、核兵器開発と原発依存のエネルギー政策に反対の姿勢を明らかにしてきた。私たちは今回の野田首相の民意を無視した反民主主義的な「判断」についても、強く批判し、撤回を求めるものである。 二〇一二年六月十八日 日本ペンクラブ会長 浅田 次郎 同 環境委員会委員長 中村 敦夫 同 平和委員会委員長 高橋千劔破 ◎浅田次郎 インタビュー こちら (週間通販生活)から |
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マッド・アマノのブログから引用 |
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関電、節電奏功し当面は需給安定 要請から一週間 日経新聞 2012年7月7日 記事をクリックすると読みやすくなります。 ☆さらっと読んでしまうと関電のトリックを見逃してしまう。 経団連ご用達の新聞らしい巧妙な筆さばきで記事が書かれている。 物差しを自分たちの都合のいいように変えて、期間を通じての同一基準を出さない(使わない)関西電力という組織の体質。 公共の便益より自社利益を優先するこの体質。 独占企業を今の日本で残すからこうなる。発電と配電を別会社にして 競争業界に早く法改正しなといけない。 |
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報道ステーションより再稼働がはじまった大飯原発の2号機と3号機の間に断層がある。 これにこのところ注目が集まっている。 これが動くのではないか、活断層ではないかという指摘が出ている。しかし今日、経産省で地震・津波に関する意見聴取会が開かれたが、関西電力はこの断層に関する資料を出さず、議論が先送りされた。 再稼働が進む大飯原発に関する議題が急きょはずされたのだ。危険性を指摘してきたのは、東洋大の渡辺満久教授ら。 「6年前からずっと主張してきて、とにかく調査、審査をしてくれ、審査がおかしいんじゃないかと言ってきた」という。「敷地の中に活断層を否定できないものがあり、それが重要施設を横切っているので、このまま動かすのはよろしくないと」 関西電力側は資料が見つからず、探しているというが、渡辺教授は会議で審査するより早急に現地調査を行うべきだと言う。 20120703 大飯原発「活断層」指摘でも関西電力資... ☆資料紛失? 公共事業をやっている組織体の不正で意図的な必死の画策だ。こういうことを平然とやる人間集団に原子力発電を任せるのはおかしい。 |
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「K.V.ウォルフレン氏が予言した『首相官邸包囲デモ』の不気味な的中 週刊ポスト2012/07/20・27号 近年、多くの日本人は政治への不満を口にこそすれ、行動には移してこなかった。しかし今回の官邸包囲デモは、そうした「政治的無関心」といわれた層を突き動かした。 これは国民を裏切り続けた民主党政権へ突きつけた「最後通牒」なのか。この展開を一年前に予言したカレル・ヴァン・ウォルフレン氏の言葉を元に、「転換期にある日本人と日本政治」を読み解いていく。 ■「政治への信頼は戦後最低」 首相官邸を取り巻く人の波。 最寄りの地下鉄駅では、警察官や駅員の「ここからは地上に出られません!別の出口に移動してください!!」という叫び声が群集のざわめきにかき消され、デモの光景を議員会館から眺めていたあるベテラン議員は、「安保闘争の頃を思い出すねえ」と呟いた。 6月29日夕方に開かれた「反原発デモ」の参加人数は主催者発表が「15万~20万人」、警察発表が「1万7000人」と大きな隔たりがあるものの、「政治的無関心」の時代が長く続いたといわれる日本人の大きな変化を示したことは間違いないだろう。 安保闘争以降も永田町や霞が関では数え切れないほどのデモ行動が行われてきた。が、今回の特徴は参加者の多くがネットでの呼び掛けに賛同した「一般市民」だった。 60年安保闘争を新聞記者として取材した経験を持つ評論家の塩田丸男氏はこう語る。 「安保闘争は血気盛んな学生が中心だったが、今回のデモの特徴は、参加者の層がサラリーマン、ブルーカラー、子連れの主婦、高齢者、若者と幅広かったことです。考え方がバラバラという弱さを持つ反面、そうした不特定多数の人々が集まった理由は、原発再稼働という単一のテーマに限らず、現在の政治全体への怒りが広がっているからでしょう」 「官邸包囲デモ」は、4月に野田政権が原発再稼働方針を決めた直後に始まった。初回(4月14日)の参加者は千数百人。それが日を追うごとに増え続け、6月に入ると1万人を超え、野田首相も「(デモの)シュプレヒコールはよく聞こえている」と国会で発言するまでになった。当初は一切報道しなかった新聞・テレビも、さすがに無視できなくなったのか、29日の集会は各メディアで大きく報じられた。 が、こうした「国民運動」が起きることを1年前に予言していた人物がいる。 「ニュースで見ましたが、デモの発生自体には驚いていません」 そう語るのはオランダ・アムステルダム大学教授で、20年以上にわたる日本政治研究で知られるカレル・ヴァン・ウォルフレン氏だ。 ウォルフレン氏は昨年8月、本紙のインタビューで「小沢一郎氏に対する人物破壊」について語り(この内容は9月2日号に掲載した)、さらにこう指摘した。 「日本人は良くも悪くも従順で、時の権力者の決定に不満があっても声を上げない。震災対応や原発事故処理を巡る政府の対応が象徴的です。被災された方々は政府の支援を受ける立場ですから、批判すれば助けてもらえなくなるという不安を抱えている。 しかし、政治が国民を裏切り続ける状態が続けば、おとなしい日本人も黙ってはいないでしょう。1年後には日本人が首相官邸や国会議事堂を取り囲むような事態が起きると思うのです」 この予言はまさに的中した。ウォルフレン氏が改めて語る。 「国民を脅迫するという政治手法を目の当たりにしたことで、日本人の政治への信頼は戦後最大レベルで失墜していると感じます。 日本政府は、原発再稼働では”原発がなければ大停電が起きて生活に支障が出るぞ”、消費増税では”ギリシャのようになってもいいのか”という論理をふりかざしています。ですが、そうした説明にエピデンス(証拠)は提示されず、それどころか政府にとって都合の悪い情報を隠してきた。そうした政治に対する怒り、そしてそれが続いていく恐怖が、”普通の日本人”を突き動かすことになったのだと思います」 ■「アジサイ革命」の意味 ウォルフレン氏が指摘する「普通の日本人」の変化は、今回のデモが「アジサイ革命」と呼ばれるようになったことからも読み取れる。 チュニジアの「ジャスミン革命(10~11年)」やグルジアの「バラ革命(03年)」、キルギス「チューリップ革命(05年)」など世界各地で起きた民主化革命になぞらえた表現であると同時に、「今回の自然発生的なデモは、ひとつひとつの小さな花が集まって大きな房をつくるアジサイに似ている」(デモ参加者)ことから、この呼び名はツイッターやフェイスブックで広がった。 デモに初めて参加した都内の主婦は、「野田さんは自分の責任で原発を動かすと言っているけど、自分や子供の安全をあの人に預けられるわけないでしょ。難しいことはわからないけど、信用できない政治家には任せられない」と憤る。 20代サラリーマンは、「仕事帰りに偶然通りかかった」という理由でデモに参加した。 「野次馬根性で思わず付いて行ったけど、参加者が叫んでいることは頷ける内容が多い。デモというと右翼や左翼の活動家のような人とか、労働組合が仕切っているという印象を持っていたけど、今回は僕みたいな人も多くて、”押し付けられてる感”がなかった」 かつての安保闘争ではデモに参加する学生としない学生ははっきり分かれ、後者は政治に無関心な「ノンポリ」と呼ばれたが、その中には組織化されていく運動を敬遠して離れていく者も多く含まれている。だが、今回の官邸包囲デモの「ほどよいユルさ」(同前)は、”現代のノンポリ層”が積極的に参加できる理由のひとつになっているようだ。 実際、官邸包囲デモはある意味で”無秩序”だった。「大飯原発の再稼働反対」を叫ぶ者が多数を占めつつも、「消費税を増税するな」「マニフェストを守れ」「オスプレイ配置阻止」を唱えるプラカードも散見される。 ウォルフレン氏は言う。 「デモのテーマは様々だが、共通しているのは”国民の手に政治を取り戻す”と掲げた民主党政権にことごとく裏切られたフラストレーションです。それが多くの日本人が共有している思いなのでしょう」 ■「これは日本の転換点だ」 そうしたデモの広がりを政府側が恐れているのは間違いない。 政権幹部の一人は、 「このままでは原発問題が消費税や年金問題とも結び付き、全国的な運動になりかねない。労働組合や特定の政治団体が主催する”儀式的”なデモならば気にする必要はないが、今回は日増しに参加者が増えているうえに、相手が不特定多数だから(デモを収束させるための)交渉もできない」 そういって苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。 だが、手をこまねいて見ているばかりではないようだ。公安筋からはこんな声が聞こえてくる。 「抗議行動を抑える方法はある。カッとなりそうな者を挑発して、暴力的な行動を起こさせればいい。そうなれば、一般の参加者は普通のサラリーマンや学生だから”一緒にされたくない”と冷めていくはずだ。投げられたペットボトルを”火炎瓶の可能性がある”とマスコミにリークすることだって可能だ」 この点はデモ団体側も危惧している。 「”暴力的な行為は絶対にしないように”と注意していますが、ただ”騒ぎたい”といって酒を飲んで参加する人もいます。なにより、参加者の名前もわからないデモですから、(鎮圧側が)確信犯的に暴動を起こす人を紛れ込ませたら防ぎようがない」(主催団体関係者) だが、”デモの作法”を知らないのは参加者側ばかりではないという。ある警察庁OBが語る。 「今の機動隊は一般人の大規模なデモをほとんど体験していない。反社会的な団体や”デモのプロ”が相手なら、警棒で殴ったり、安全靴で蹴っ飛ばしても相手が文句を言うことはほとんどないが、ごく普通の主婦を怪我させたりすれば世論は政府批判に回ってくる。万一、樺美智子のような事件(※)が起きようものなら、政権がひっくり返りかねない事態に発展する。 ※1960年の安保闘争に参加していた東京大学学生の樺美智子が、警官隊と衝突して圧死した事件(6月15日)。学生側に死亡者を出したことは世間に大きな衝撃を与え、警察側が激しく批判されたが、在京新聞各社はこれを日本が社会主義・共産主義革命へ移行する危機と見て、17日に「議会政治を守れ」との共同宣言を発表。警察側の暴力や、岸信介内閣が受けていた批判を不問とした。事件の影響を受けてアイゼンハワー米大統領は来日を延期。19日に日米安保条約は成立した。 双方が危うさを抱えたまま、デモの参加者は日増しに参加者が膨れあがる。毎週金曜日の「官邸包囲」だけでなく、7月29日には「国会大包囲」と題した反原発デモが予定され、「規模は6月29日より大きくなるのは間違いない」(前出の主催団体関係者)とみられている。 今後の展開をウォルフレン氏はどう見るのか。 「日本人が政治の不誠実さに対して声を上げるようになったことが、良い意味での日本の転換点になることを期待しています。 重要なのは新聞やテレビなどの大メディアです。彼らは一方的に政府側の説明を垂れ流すのではなく、国民の声も公平に取り上げるべきです。声を上げる国民が欲しているのは正しい情報です。原発にしても消費税にしても、そして小沢一郎氏の資金問題にしても、権力側は不都合な情報を隠してきた。そうした問題の真実をメディアが国民に知らせることができるなら、この国民運動は日本を良い方向に変えていく力になると思うのです」 |
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文化のせいにしては将来の原発危機を防げない
「メード・イン・ジャパン」のラベルに潜むリスク 一部引用・・ (2012年7月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 津波に見舞われた福島第一原子力発電所の事故を調査する委員会のトップ、黒川清氏は、この原子力危機の根本的な原因は日本文化の欠点にあると考えている。果たして本当にそうなのだろうか? この問いの答えは全世界にとって重要だ。福島第一原発では昨年3月に原子炉がメルトダウン(炉心溶融)を起こし、この四半世紀で世界最悪となる原子力危機に発展した。 同原発がなぜこれほど脆弱だったかを理解しておくことは、各地にあるほかの原発での事故を防ぐうえで極めて重要なことになる可能性がある。 事故の背景に文化的な欠点の兆候を見いだすのは容易だが・・・ 黒川氏は医学博士で、日本学術会議の前会長でもある。今回の災害が「日本製(メード・イン・ジャパン)」だったと主張するための弾薬には事欠かない。 東京電力の福島第一原子力発電所3号機建屋〔AFPBB News〕 黒川氏の率いる国会事故調査委員会はその最終報告書で、規制当局と電力業界が甘い安全基準を導入したり地震や津波による脅威を説く警告を退けたりするために結託したと批判している。 このような馴れ合いは、「日本株式会社」に見られる大企業と官僚の協力的な――非常に生産的になることもある――関係の負の側面だった。 日本の新聞の読者やテレビの視聴者の多くは、主流派メディアには「権力者を疑問視したがらない態度」を取ってきた責任があるとの指摘にも同意するだろう。黒川氏はこれを、危機を引き起こすことになった「日本文化に根差した慣習」の1つと見なしている。 全文はこちら |
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選択肢から抜け落ち 原発比率本来5% 2012年7月10日 東京新聞朝刊 将来の原発比率はどれくらいがいいのか、政府のエネルギー・環境会議は十四日から全国各地で国民の意見を聴く会を開く。ただ、政府が示す二〇三〇年の比率案は0%、15%、20~25%の三つしかない。政府が「四十年廃炉」と「安全かつ必要な場合のみ再稼働」という二つの約束を守るなら、5%以下という選択肢があって当然なのだが…。 (鷲野史彦) 「最終的に国民の民意を踏まえ判断する。ゼロか15か、20~25という結論しかあり得ないと、決め打ちをしているわけではない」。枝野幸男経済産業相はこう強調する。ただ、三つの案のうち、エネ環会議が落としどころと考えているのは15%案のようだ。 エネ環会議のホームページで公開している選択肢によると、0%(脱原発)案は、省エネ性能の劣る電化製品には販売制限を実施することが必要だと、ことさら負担感を強調。20~25%案は「原子力行政に対する国民の強固な信任が前提」と、あり得ないとのニュアンスだ。 これに対し、15%案は「エネルギー情勢などさまざまな環境の変化に柔軟に対応する」と、かなり偏った評価をしている。 確かに、政府が原発の運転を四十年間に制限する約束を守れば、三〇年には現在五十基ある原発は自然と二十基に減り、全て再稼働するとしても原発比率は約15%になる。 だが、政府がもう一つ約束した「安全性が確認され、電力不足という必要性がある場合に限り再稼働」の内容が抜けている。 二十基のうち、中部電力浜岡4、5号機(静岡県)などは、より大きな海溝型地震の想定が必要とされる太平洋側にあり、安全面に大きな不安を残す。 さらに、原発ゼロと猛暑を想定した今夏の電力需給見通しで、かなり電力が足りないとされたのは関西のみ。北海道や四国、九州は若干足りない程度。このことを考えれば、残すかどうか検討対象にする原発は、四電力管内の泊2、3号機、大飯3、4号機、伊方3号機、玄海3、4号機の七基しかない。 これらを全て稼働させ、稼働率を80%とやや高めに仮定し計算しても、原発比率は5%程度にしかならない。本来は、この数字をスタート地点に、どう脱原発依存を進めていくかを考えていくのが、政府の務めのはずだ。 |
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【第48回】 2012年7月10日 相川俊英 週刊ダイヤモンド 誰も責任をとらず、湯水のように注がれる修復費用 “底抜け”大蘇ダムに振り回される住民たちの失意 山奥に造られた巨大プールの愚 水の貯まらない「底抜けダム」 まるで山奥に巨大なプールを造るようなものだ。農水省九州農政局は6月18日、水漏れにより利用ができずにいる大蘇ダム(熊本県産山村)を全面補修する案を発表した。 ダムののり面や底面など地盤全体にコンクリートを吹き付け、水漏れを防ぐという。コンクリートで巨大な器を造り、その中に水を貯めるというものだ。工事費は約100億円にのぼる見込みで、九州農政局ではダム水を利用する地元の自治体にも追加負担を求める方針だという。 日本は世界に冠たるダム大国で、建設の実績と技術力の高さで他国を圧倒している。しかし、その一方でとんでもない欠陥ダムを生み出していた。代表事例が、水の貯まらない底抜けダムだ。ダム湖の底やのり面から水が漏れ出し、計画通りに貯水できないという欠陥品である。 「まさかそんなバカなことが」と思うだろうが、本当に漫画みたいなダムが日本社会に存在している。それも2つもである。 熊本県の大蘇ダムと北海道の東郷ダムが、その「底抜けダム」である。いずれも農水省が農業用ダムとして建設したもので、完成後に水漏れが発覚し、水利用ができずにいる。 大蘇ダムは、熊本県産山村を流れる大蘇川をせき止めて造られた。農水省九州農政局が「大野川上流農業水利事業」として建設したもので、計画上の有効貯水量は約390万トンとなっていた。 受益地は大分県と熊本県に広がり、延べ2158ヘクタール。畑作が中心で、受益地の7割以上を大分県竹田市が占める。ハウスでのトマト栽培を手がける農家が中心だった。 大蘇ダムの堤本体が完成したのは、今から8年前の2004年のこと。工事は基礎掘削時に亀裂が見つかるなど、難航を極め、1979年の事業着手から4半世紀もの時を要した。計画変更は2度に及び、事業費は約595億円と当初(約130億円)の4.6倍にまで膨れ上がった。 完成が延び延びとなったため、水利用を断念する農家も少なくなかった。待ちくたびれてしまったのである。農業を取り巻く環境が激変したことも影響した。 それでも、大蘇ダムからの水を熱望する農家が存在し、彼らはひたすら待ち続けた。大分県竹田市のトマト農家などだ。彼らには切迫した事情があった。近くの大谷ダム(熊本県高森町)の水を利用しているが、不安定要因を抱えていたからだ。 ダムの老朽化により水の供給力が減少していたのである。 もともと年間150万トンだったのが、いまや82万トンと半減している。ダム湖に溜まった土砂による現象である。このため、トマト農家などが荻柏原土地改良区(組合員は約700人)を結成し、大蘇ダムからの水に地域の将来を賭けていた。 ダムの底では信じられないことが 農水省がひた隠しにした欠陥工事 大蘇ダムの堤がやっと完成し、試験湛水となった。何事もなければ、そのまま供用開始となるはずだったが、ダムの底でとんでもないことが起きていた。 ダム湖の底やのり面から水が漏れ出し、計画通りに水が貯まらないのである。地盤にいくつもの亀裂が生じていて、まるで底に穴があいたバケツ状態になっていた。前代未聞のあり得ない事態であった。 九州農政局は当初、水を待ち望む受益農家らに対し、この重大事実を明らかにしなかった。黙ったまま伏せていたのである。しかし、土地改良区の関係者が試験湛水のデータなどが示されないことなどに不審を抱き、水漏れの事実を突き止めた。こうして水漏れダムの存在が初めて、表面化した。 大蘇ダムは阿蘇カルデラの北東斜面に造られた。周辺一帯はいわゆる火山灰地である。地盤が悪く、地元の人たちは当初から「水を貯めるのは難しいのではないか」と、語り合っていた。そもそもダムを造るような場所ではないと心配していたのである。 だが、ダム建設の関係者らは「ここにダムが造れれば、世界中のどこにでも造れることになる」と、全く意に介さなかったという。技術力への自信と驕りをみなぎらせていたのである。 質問に怒りの表情さえ見せた関係者 「浸透抑制」という名目で修復に着手 「ちょっと待ってください! 欠陥! 欠陥! と言わないでください」 顔色を変えて厳しい口調でこちらの話を遮ったのは、九州農政局の担当者。ダム事務所を直撃取材したとき(08年秋)の一幕だ。その時点では、大蘇ダムの水漏れは広く知られてはいなかった。 彼らは奇妙な言い訳を繰り返した。ダムからの漏水を認めず、「水の想定外の浸透によるもの」と言い張るのだった。水がダムの底や周辺から地中に浸透していくのは、当たり前のこと。それらを全て想定した上で、水を貯めるのに適した場所を選定し、ダムを建設するものではないか。そもそも水が貯まらないところにダムを造ってしまったことが、大きな間違いだったのでは――。 そんな質問を重ねたところ、彼らは怒りの表情さえ浮かべた。そして、「水漏れ欠陥ダム」という事実を頑として認めず、水の「想定外の浸透だ」と繰り返すのだった。自分たちの過ちを認めず、平然としていた。 その後、水漏れダムの存在が世間に広く知られるようになり、事業主体の九州農政局に批判の声が寄せられるようになった。国民の多くがとんでもない欠陥品を造った不手際に呆れ返り、憤激したのである。 さすがにこのままでは「まずい」と考えたのであろう。農水省は漏水の事実を認め、対策工事を行なうことにした。2010年度から3年間かけ、ダムののり面や底面の一部(約3万平方メートル)にコンクリートを厚さ約10センチまで吹き付けるというものだ。要するに、地盤にできている亀裂をコンクリートで塞いでしまおうというアイディア(?)だ。 補修工事は、その効果を調査する意味合いもあった。それで、まずは地盤全体の10分の1の面積を対象とした。そうは言っても、バケツの底の穴を塞ぐのとはわけが違う。全体の10分の1とはいえ、かかる費用は約8億4000万円と見積もられた。 この補修工事を九州農政局は「貯水池浸透抑制対策調査工事」と命名した。ダムの水漏れ対策ではなく、「あくまでも『浸透抑制対策』」だというのである。 総事業費は当初の5倍、700億円に膨張 なぜ誰1人として責任を取らないのか 九州農政局はこうした水漏れ対策を2年ほど続け、「効果あり」と判断したのであろう。大蘇ダムの地盤全体にコンクリートを吹き付け、遮水する案を地元自治体や土地改良区に新たに提示したのである。ダム湖の底とのり面の全体をコンクリートで覆いつくすというのである。補修事業費は100億円規模に達し、完了するまで早くても5年はかかるという。 大蘇ダムの事業着手は1979年で、当初の計画では事業費は約130億円と見積もられていた。それが約700億円にまで膨れ上がり、その上、実際に水を利用できるまで40年以上も待たされることになる。 民間企業でこんな仕事をしていたら、間違いなく懲戒解雇ものだ。というより、会社そのものが存続し得ないはずだ。しかし、日本の役所の世界は極めて異質なところである。「水漏れ欠陥ダム」を造った責任を農水省の誰かがとったという話は、聞こえてこない。 追加負担を求められた地元の大分県や竹田市などが6月30日、対策を話し合う会合を開いた。大蘇ダムの水を待ち続ける竹田市の荻柏原土地改良区の関係者は、「とにかく早く(補修工事を)やってもらいたい」と訴えたが、負担を強いられる自治体側は二つ返事とはいかない。そもそもずさんなダム建設の責任は国(農水省九州農政局)にあるからだ。 しかし、国(農水省)が全て負担すればよいというものでもない。税金であることに違いはないからだ。欠陥ダムの建設に関わったお役人が誰1人、責任を取らぬまま、血税が投じられるのはどう考えてもおかしい。納税者として到底、納得できない話である。 ☆これは農水省九州農政局と請負ゼネコンと地元下請け業の三者が仕組んだ長期優良プロジェクト(彼らにとっての)だ。 地元の需要者と国民の税金のことは全く蚊帳の外の話だ。 3者は切れ目なく仕事にありつける、この不況下でも。 こういう無惨な大出費を監視し押さえるのは、本来は我らが代表の国会と国会議員さんたちだが、地元選出の自民党議員はむしろ率先してこの長期プロジェクトを推進してきた。 この国ではいったん動き出した土木事業を止める力を持つ人間はおらず、そういう仕組みはあっても機能していない。国交省の八つ場ダムと全く同じ、長期工事に持ち込む図式を真似る農水省は賢い?? |
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在韓米兵が市民に手錠 警察の解錠要請を無視 2012.7.7 22:57 [韓国] MSN産経ニュース 韓国京畿道の在韓米軍烏山基地周辺で5日、巡回中の米兵が路上駐車をめぐり韓国人男性とトラブルになり、男性を含む一般市民3人に手錠を掛けて基地まで連行する騒動があった。聯合ニュースなどが7日伝えた。 韓国政府は7日、在韓米軍側と緊急協議を行い、越権行為だとして厳重抗議。米軍側は遺憾を表明し、捜査に積極的に協力することを約束した。 楽器店を経営する男性が自分の店の前に一時駐車していたが、米兵は駐車禁止のため車を移動させるよう要請。男性は「食事中なので後で移動させる」と答えたが、米兵の催促により車を移動させたという。 この過程で口論となり、男性が店に戻った後、米兵7人が男性を取り押さえて手錠を掛けた。米兵は止めに入った通行人ら2人にも手錠を掛けて基地に連行。通報で駆け付けた警官が手錠を外すよう求めたが、しばらく応じずに連行を続けた。(共同) |
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2012年07月09日(月)
20120707 がれき "2000万トン"の衝撃 NHKスペシャル シリーズ東日本大震災「がれき "2000万トン"の衝撃」東日本大震災で発生したがれきは、東北3県の沿岸部だけでも1880万トン。これは阪神・淡路大震災を超え、過去最大級とも言える膨大な量である。そのうち、今年5月までに処理が終わったのは2割に満たない。今も、被災地には高さ20メートルものがれきの山が残ったままで、震災から3年以内に全ての処理を終えるとしている国の目標に黄信号がともっている。国は焼却や埋め立てを全国の自治体に依頼する「広域処理」を進めようとしているが、焼却施設や処分場の不足、そして放射能の影響を懸念する地元住民の反対もあって、難航。さらに、ここに来て、行き場のない不燃性のがれきの処理が新たな問題として浮上。一方、津波で海上に流出し、太平洋を巡ったがれきが、北米に続々と漂着。その処理をめぐって、国際問題に発展する懸念も出始めている。空前の津波で発生した膨大ながれき。震災から1年以上経ってなお、数々の問題を引き起こし続けるがれきの行方を追う。 |
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オスプレイ配備 地元理解見通し立たず 7月9日 4時8分 NHKニュース アメリカ軍の最新型輸送機「オスプレイ」の沖縄への配備計画を巡って、政府は安全性に対する地元の懸念を払拭(ふっしょく)するため、アメリカ側にさまざまな働きかけを行いたいとしていますが、地元の反発は根強く、理解を得られる見通しは立っていません。 「オスプレイ」の普天間基地への配備計画を巡って玄葉外務大臣は、8日、アメリカのクリントン国務長官と会談し、安全性への懸念から沖縄だけでなく、日本全国で反発が強まっているとして、墜落事故についての十分な情報提供を求めました。 これに対しクリントン長官は、日本側の懸念に理解を示し、情報を提供する考えを伝える一方で、安全保障上の観点からオスプレイを日本に配備する重要性を強調しました。 政府は安全性に対する地元の懸念を払拭(ふっしょく)するため、アメリカ側が墜落事故の調査結果を取りまとめる際、再発防止策を併せて示すよう求めるとともに、アメリカに専門家チームを派遣して、詳細な分析を行うことにしています。 また両国間で定期的に開かれている事務レベル協議などの枠組みを通じて、オスプレイの配備や運用を地元の意向を踏まえた形にできないか打診するなど、さまざまな働きかけを行いたいとしています。 しかし事態の打開策は容易に見いだせないうえに、日米両政府のこれまでの対応への不信感などから地元の反発は根強く、理解を得られる見通しは立っていません。 ☆日本の政官財の人的品質劣化と倫理観低下も甚だしいが、アメリカの軍産複合体戦略部門の現実認識力の低下もひどい。 いずれにせよ日米地位協定という契約の土俵で交渉すれば、持ち込みを阻止することは不可能という(岡田副総理)。 なれば、国民の生命を守るという土俵で政府間交渉するしかないが、外務省と防衛省のアメリカ閥の官僚群はそれに対して凄まじいツブシ戦術に入っている。 彼らは野田さんをかついでいる間は、日米の政府間交渉に持ち込まれずに済むと、野田さんを大切にかつぎ上げている。 一方、アメリカの内部は歴史的にも必ずしも一枚板ではない。 彼らの中には、このオスプレイ持ち込みを使って日米間にあえて大きな摩擦を起こし、米軍の日本駐留体制の規模の見直しをかけようとする一派もいる。 なにしろアメリカの国家予算に占める海外駐留軍事費用に歯止めをかけなければ、老朽化しているアメリカ国内の高速道路や橋梁などの修理費など、インフラ維持もおぼつかない財政状況にアメリカはある。 この状況を奇貨として、敗戦後67年 もう自国の防衛は自国の軍備と人でやるという方向に転ずべきだと思う。それがあってはじめて一国を「独立国」と言う。 「 臥薪嘗胆 捲土重来 次は勝つ 」の気概は、独立国のくにたみは持つべきだ。そうでなければ太平洋戦争で日本の国家維持の為に亡くなった310万人の民間人、軍属、兵下士官は浮かばれない。 |
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2012年07月09日(月)
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朝日新聞デジタル 2012年7月8日2時15 |
世界の原発の発電量は2011年に2兆5180億キロワット時となり、前年より4.3%減ったことが分かった。英仏のコンサルタントらが6日、報告書をまとめた。東京電力福島第一原発の事故が主な落ち込みの原因と分析している。
国際原子力機関(IAEA)のデータなどをもとに、仏民間研究機関の元代表、マイケル・シュナイダー氏らが集計した。報告書によると、日本で1240億キロワット時、ドイツで310億キロワット時、減った影響が大きい。世界の総発電量に占める原発の割合も11%で、1993年の17%から減ったという。
事故を受け、福島第一、第二の計10基のほか、ドイツ8基、英国1基の計19基が2011年の1年間に廃炉や将来的に再稼働が困難になった。原発事故以降、ドイツ、ベルギー、スイス、台湾なども脱原発の方針を決めている。報告書は「福島の原発事故が世界の原発開発に影響を及ぼし続けている」と指摘している。
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2012年07月08日(日)
NHKアーカイブス シリーズ環境(3) 放射性廃棄物と向き合う(前半部分)
NHK特集「原子炉解体 ~放射性廃棄物をどうするか~」 (1988年6月27日 総合 45分)環境シリーズ3回目は、環境問題としての放射性廃棄物の問題を見つめる。福島の事故以来、私たちは、いったん放射性物質に汚染された場合の環境被害の深刻さを突きつけられているが、今後も廃炉や放射性廃棄物の処分など大きな困難が待ち構えている。番組では、NHKアーカイブスに残されている日本初の原子炉解体を記録したNHK特集や、使用済み核燃料の問題を取材したクローズアップ現代を視聴し、世界や日本の貴重な過去の実例とともに半減期まで長い歳月が必要となる放射性廃棄物特有の問題と改めて向き合い、こうした環境汚染を防ぐにはどうしたらいいか考えていく。ゲスト:小出五郎さん(科学ジャーナリスト・元NHK解説委員) |
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オスプレイ飛行訓練 新ルート判明 7月8日 10時42分 NHKニュース アメリカ軍の新型輸送機、オスプレイが、沖縄だけでなく本州などの6つのルートでも飛行訓練を計画している問題で、「ブラウン」と呼ばれる7つ目のルートが存在することが海兵隊への取材で分かりました。 沖縄の普天間基地への配備が計画されているオスプレイを巡っては、アメリカ海兵隊が、沖縄だけでなく本州、四国、九州の6つのルートでも飛行訓練を計画していることが明らかになっています。 ルートには、グリーン、イエローなど色の名前が付けられていますが、NHKが、海兵隊に取材したところ、ブラウンと呼ばれる7つ目のルートが存在することが分かりました。 海兵隊は、7つ目のルートについて、山間部を飛ぶ四国のオレンジルートと同じようなルートだとしていますが、具体的な場所は明らかにしていません。 ブラウンルートについては、基地の監視団体が、アメリカ軍の資料などから、中国山地を飛行するルートではないかと指摘しています。 広島県によりますと、中国山地では、昨年度、アメリカ軍機とみられる航空機が年間200日以上目撃され、目撃情報は2000件を超えています。 軍事評論家の前田哲男さんは「ブラウンルートは、これまでその存在さえ明らかにされてこなかったが、中国山地を横断するルートとみられている。もしそうであれば、アメリカ軍岩国基地に近いことから、相当数の飛行訓練が行われる可能性がある」と指摘しています。 オスプレイ飛行ルート 本州などの6つの飛行ルートは、沖縄の普天間基地への配備計画に伴ってアメリカ海兵隊が作成した環境への影響についての報告書が、先月、公表されたことから明らかになりました。 報告書に、ルートに関係する自治体の名前は記されていませんが、地図に示されたルートによると、▽東北の山間部を飛行するグリーンとピンク、▽北アルプスや越後山脈の周辺を飛行するブルー、▽四国山地周辺を飛行するオレンジ、▽九州山地周辺を飛行するイエロー、▽奄美諸島に沿って飛行するパープルの6つです。今回、明らかになった「ブラウン」は含まれていません。 海兵隊は、飛行高度について、日本の航空法が定める最低安全高度のおよそ150メートル以上だとしたうえで、低空飛行や夜間飛行も行う計画だとしています。訓練に伴う騒音などの影響は大きくないとしています。 しかし、ルートが公表されて以降、沖縄以外の各地にも反発が広がり、とくにオレンジルートの周辺では、徳島県の飯泉知事が防衛省を訪れ、「安全性が確保されないままの配備は強い懸念がある」として、飛行訓練を行わないよう要請したほか、和歌山県の仁坂知事が県議会で、「騒音の問題も予想されるうえ、和歌山県の上空を飛ぶ必然性が説明されていない」として、訓練に反対する考えを示しています。 また広島県は、地図上にルートが示されていないものの、中国山地で、アメリカ軍機とみられる航空機が多く目撃されていることから、先月、国に対し、飛行訓練の中止を要請しています。 |
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原発に近づく避難経路に疑問の声 福井、広域避難の連携見えず
(2012年7月8日午前7時16分)福井新聞 「嶺南から滋賀県や京都府につながる避難経路の確保など、広域的でより現実的な避難方法を国と協力して早急に取りまとめるべきだ」 県会が関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を事実上容認した6月14日の全員協議会。各会派からは、原発の過酷事故に備えた広域的な住民避難の整備を求める意見が相次いだ。6月定例県会でも同様の声が出ている。 東京電力福島第1原発事故を教訓に、国は防災対策の重点地域を「緊急防護措置区域(UPZ)」として30キロ圏に拡大する方針だ。県内では福井や鯖江市のほか、京都や滋賀、岐阜3府県の一部も含まれる。 しかし、具体的基準や対策の中身は原子力規制委員会の発足後に持ち越され、国は都道府県をまたぐ住民避難の広域調整についても方針を出していない。広域避難には隣府県との連携が不可欠だが、県は「今後国が示す方向性を見ながら相互に協力する」(西川知事)と繰り返すだけで、動きは鈍い。 ■ ■ ■ 県は原子力防災計画の見直しを進め、まず原発立地、隣接の7市町を対象とした住民避難の暫定案をまとめた。集落単位で、30キロ圏外を想定した県内他市町への避難先を選定。福島の事故時の実態を考慮して原則マイカーを使い、5キロ圏の住民が優先的に逃げる。 しかし「避難が長期化した場合の行政支援の継続」の観点から、今のところ県外避難は考慮していない。 例えば、美浜原発で事故が起きた場合の若狭町民の避難先は越前町。大飯原発での事故時に高浜町からは敦賀市へ避難するとされている。住民は避難する際に、原発に近づく経路をたどる。 県は「外部で放射線量が高くなるまでには、避難は完了できる」(川上修司危機対策監)との考え方。交通量などを基に試算した避難完了時間は最長で10時間半。福島の事故で原子力緊急事態宣言から放射性物質が放出されるまでは約15時間かかっており、それを下回るとする。 しかし、住民、市町には疑問の声が強い。 滋賀県高島市に隣接する若狭町熊川の竹下清太郎区長(63)は「越前町への避難を考えるのは不可能。美浜町内を走るころ、滋賀方面に逃げていれば(30キロ圏の)高島市を抜けているし、よっぽど安全」と指摘する。 ■ ■ ■ 他の原発立地県では、広域避難を独自に模索する動きが出ている。 中国電力島根原発を抱える島根県の溝口善兵衛知事は昨年10月、中国地方5県知事会で避難受け入れの協力を要請した。県内30キロ圏の4市の避難先として広島、岡山、山口県などの市町村に避難所調査を依頼。秋をめどに避難計画を策定する方向だ。島根県原子力安全対策課避難対策室は「本来は国が調整すべきだが、隣県は協力的だ」と語る。 北陸電力志賀原発のある石川県の谷本正憲知事は5月、富山県の石井隆一知事と会談し、避難受け入れの協力を求めた。石井知事は「体制を整える」と応じ、原子力防災対策の連携強化で一致。6月9日には両県合同で原子力防災訓練を行った。 一方、本県と京都、滋賀両府県の協議は始まっていない。「再稼働問題でしこりが残っている。福井県側から話しにくいのか、一切連絡がない」とは京都府防災・原子力安全課の木村兼喜参事。大飯3、4号機の再稼働をめぐるあつれきが関係を冷え込ませているとの見方だ。 木村参事は「広域避難は府県間だけでも話し合える」と話す。関西広域連合でも福井県住民の避難を考慮する議論が出ているという。 経済産業省原子力安全・保安院は、原子力規制委の発足を待たずに広域避難を調整する体制を整える考え。原子力防災課は「福井県から相談があり、滋賀、京都との検討の場を設けるよう調整したい」とも説明する。ただ、具体的な時期は「調整中」とするだけだ。 |
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2012/07/08 10:02 福島民報 二本松市の山間地の水田などで生産された平成23年産米から、周辺より高い1キロ当たり500ベクレルを超える放射性セシウムが検出された問題で、東京大大学院の根本圭介教授は7日、稲が放射性セシウムを水から直接吸収した可能性があることを指摘した。 24年産米の実験で仕組みを解明する。伊達市役所で開かれた国際放射線防護委員会(ICRP)の対話集会で発表した。 原因が究明されれば、効果的な吸収抑制対策につながることが期待される。根本教授は、昨年夏に山間部の落ち葉などが微生物に分解された際、付着していた放射性セシウムが農業用水に混入。 水田の地表に出ている稲の根が土壌を介さず、水から直接吸収したとの見方を示した。 根本教授によると、今年1~2月に稲を水耕栽培し、水から直接吸収する状況を調べた。 その結果、1リットル当たり10ベクレルの放射性セシウムを含む水で栽培した場合、放射性物質の蓄積が進み、茎と葉に乾燥状態で1キロ当たり5700ベクレルが吸収されていたという。発表では「水から直接吸収した可能性がある。試験栽培で解明する」と述べた。 |
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東電、テレビ会議の録画映像 「プライバシー」盾に公開拒否 記録消失恐れ (1/2ページ) 一部引用・・ 福島第1原発事故で、東京電力が録画していた福島第1原発と東京の本店などを結ぶテレビ会議の録画映像を公開するよう求める声が強まっている。事故解明の“一級資料”とされ、その一端は5日に公表された国会の事故調査委員会の報告書で明らかにされたが、東電は「プライバシーの問題がある」と映像の公開を拒否したままだ。(原子力取材班) 生の声を収録 「こんな悠長でいいのか」「物だけもらっても人がいない」-。5日公表された国会事故調報告書に盛り込まれたテレビ会議の記録は、事故対応に追われ、官邸の介入で混乱する現場の声を生々しく再現した。 政府と東電で主張が対立している東電社員の全面撤退問題について、国会事故調が「菅直人首相(当時)が『全面撤退』を阻止した事実は認められない」と結論づけた根拠のひとつも、テレビ会議の映像だった。 映像には菅氏の東電本店での“叱責”や、政府・東電統合対策本部での政治家の発言も残されているとされ、事故対応の検証に欠かせない重要資料だ。 枝野幸男経済産業相も「なぜ公開しないのか意味不明だ」と公開を求めているが、東電は「社内資料でプライバシーの問題がある」と拒否し続けている。 全文はこちら ☆よほど東電の幹部にとって都合の悪い内容があるのだろう。 しかし今回あると証言された記録は全て国民共有の財産だし、世界の人類にとっても貴重な記録だ。 もしかすると、生涯はじめて人からボロクソに怒鳴られる体験をした 東電のエリート経営者と幹部社員たちが、それを人目にさらして恥をかきたくないという単純な理由によるのかもしれない・・ |
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原子力委、非公開会合で実質審議 2012年7月8日 02時00分 中日新聞(共同通信) 内閣府の原子力委員会(近藤駿介委員長)が過去10年以上にわたり、非公開会合を毎週開き、原子力政策の重要案件を必要に応じて実質審議していることが7日、分かった。事実上の政策決定の場となることがあったにもかかわらず、議事録は残していなかった。複数の委員経験者や政府関係者が明らかにした。 委員会は毎週火曜に、傍聴可能で議事録が公開される「定例会」を開いているが、その前週の木曜に「打ち合わせ会」と称した非公開会合を開催。関係省庁の担当者に加え、民間事業者が参加することもあった。 |
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2012年07月07日(土)
“Kaku Kurita Photo Salon”の新しいURLはこちらです。写真はHPからお借りしました。 HPはリンク集に常時掲載しています。 |
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国会事故調 “明らかに人災” 7月5日 14時16分 NHKニュース 東京電力福島第一原子力発電所の事故原因などの解明に取り組んできた、国会の原発事故調査委員会は、5日、報告書をまとめ、衆参両院の議長に提出しました。 何度も事前に対策を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、今回の事故は「自然災害」ではなく、明らかに「人災」であるとしています。 国会の原発事故調査委員会は、5日、国会内で20回目の委員会を開いて、641ページにおよぶ報告書を取りまとめ、黒川委員長が横路衆議院議長と平田参議院議長に提出しました。 報告書では、今回の事故について、歴代の規制当局と東京電力の経営陣が、それぞれ意図的な先送り、不作為、または自己の組織に都合のよい判断を行うことによって、安全対策が取られないまま3月11日を迎えたことで発生した。 何度も事前に対策を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、今回の事故は「自然災害」ではなく、明らかに「人災」であるとしています。 また、事故当時の総理大臣官邸の対応について、発電所の現場への直接的な介入が現場対応の重要な時間をむだにするだけでなく、指揮命令系統の混乱を拡大する結果となったなどと指摘しています。 そして、国民の健康と安全を守るために規制当局を監視する目的で、国会に原子力の問題に関する常設の委員会を設置すべきだと提言しています。 一方、事故の直接的な原因について、報告書では、「安全上重要な機器への地震による損傷がないとは確定的に言えない」として、津波だけに限定すべきではないと指摘するとともに、特に1号機については、小規模な配管破断などが起きて原子炉の水が失われる事故が起きるなど地震による損傷があった可能性は否定できないと指摘しています。 そのうえで、未解明の部分が残っており、引き続き第三者による検証が行われることを期待するとしています。 国会の事故調査委員会の報告書について、原子力安全・保安院の森山善範原子力災害対策監は、5日の会見で「報告書は保安院が規制機関として十分ではないという厳しい指摘になっていると受け止めている。 指摘を真摯(しんし)に受け止め、改善すべき点について検討し国の原子力の安全規制を一元的に担う新たな組織、『原子力規制委員会』に引き継いでいきたい」と話しています。 藤村官房長官は、記者会見で「国会の事故調査委員会で短期間に濃密なヒアリングなどが行われ、報告書が提出されたことに敬意を表したい。原発事故巡っては、政府の事故調査・検証委員会でも、今月下旬に最終報告が行われる予定で、両者の内容をよく受け止めて、必要な対応を行っていく」と述べました。 原発事故の被災者として、国会の事故調査委員会の委員を務めた大熊町商工会会長の蜂須賀禮子さんは、福島第一原発が立地する大熊町でおよそ30年にわたって花屋を営んできました。 現在、会津若松市にある仮設住宅で避難生活を送っています。 原発事故の被災者の1人として国会の事故調査委員会の委員を務め、今回の調査について「40年、50年も原発とともに生きてきたのに、安全・安心だと思って放射能のリスクに関して無関心だったことが委員の仕事を通してよく分かりました。事故が起きる前に、もっと立地町の住民として勉強しておくことがあったと強く思います」と話しています。 また、調査で明らかになった事故当時の東京電力や政府の対応については、「参考人から話を聞いた時は特に腹が立ち、どんな思いで体育館の中で布団をかぶって寝ていたか、あなたたちに分かるのかと思いました。避難していた私たちをないがしろにして、自分たちがそれぞれの立場でバラバラに動いていたことなどが分かってきたのは、とてもつらかったです」と話していました。 そのうえで、今後について「日本だけでなく世界も注目している報告なので、国会議員には、今回の報告書で提言したことを一つ一つ実現してもらいたい。今後も、ほかの委員とともに被災者として声をあげていきたい」と話していました。 ☆この福島原発事件は、日本人だけに影響が限定される事件ではない。 宇宙船地球号を放射能で汚染するということは、全人類史、世界史の中で位置づけられることだ。 東電の経営者や官僚は自分の保身しか頭にないが、今回の調査書の視点は彼らの狭い視野を越えて、人類史・世界史の中でこの事件をとらえている。そして調査の目的はいかにして再発を防止するかという志の中で作られた。 東電が自らがやるべきことを放棄して、自らの職務を果たさなかったのだから、菅首相の行動を批判する資格はない、と断言したのは本当に胸がすく。 そして福島原発事故を人災と規定しているから、今後は事故と呼ばず『事件』と呼んでもいい。 刑事訴訟裁判で刑事犯になることを恐れて、事実という証拠を隠した自社報告書を書かせた東電経営陣の心胆を寒からしめた報告書が出たと思う。原発事件で今も避難せざるを得ない状況にいる16万人の方々も、ある程度安堵されたのではないだろうか。 東京電力の経営者が真っ当な人間なら、そろそろ自分たちがやった行為の責任を取る覚悟を決めるべきだ。 それにしても爆発当日に、会長は恒例のメディアの有力OBを引き連れての北京巡りをし、社長は奥さんと秘書を連れて奈良旅行をしていた事実を、その後大手メディアに一切書かせない、東電の広報部の凄腕には脱帽するしかない。 |
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校門圧死事件から22年 卒業生らが黙とう (2012/07/06 11:43) 神戸新聞 事件の後、改修された校門の前で花を手向ける参加者=6日午前8時25分、神戸市西区美賀多台9、神戸高塚高校 神戸高塚高校(神戸市西区)で1990年、同校1年生だった石田僚子さん=当時(15)=が、登校指導の教師が閉めた門扉に挟まれ、亡くなった事件から6日で丸22年となった。同校の校門前で約30人が追悼集会を開き、当時の記憶を新たにしていた。 集会は、市民グループや教育関係者が毎年開催している。参加者は、校門付近にカーネーション約350本や花束を手向け、石田さんの冥福を祈って黙とう。続いて一人ずつ校門に近づき「石田さんが理由もなく死ななければならなかったことを、絶対に忘れてはならない」などと思いを述べた。 登校中の生徒の何人かは、参加者にあいさつしたり、頭を下げたりしていた。 事件当時、同校2年生だった女性(38)=同市垂水区=は、ほぼ毎年参加している。「先生たちに、生徒の命を預かっているという自覚があれば防げた事件。この日が、命の重さを考える原点に立ち返る日であってほしい」と話した。(本田純一) 事件と経過についてはこちら ☆亡くなった石田僚子さんの家族は近くの団地に引っ越してきたばかりだった。ほぼ同じ年齢の子を持つ親として、娘を死なせるために引っ越してきてしまったと自分たちを責めるだろうご両親のことを思って当時たまらない気持になった。 生真面目にルールを守ろうとしたらしい教師と、厳しい統制の空気を作っていた高校幹部と、現場にすべてを負わせる教育委員会。 そして入学間もない、遅刻を恐れて走って校門をすり抜けて入ろうとした高校一年生の女子生徒。 毎年こうして集まる人たち、そして必ず毎年それを記事にして報道する地元紙の神戸新聞。生きておられれば37歳の石田さんのご冥福を祈る。 |
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【社説】 事故は終わっていない 国会事故調が最終報告 2012年7月6日 東京新聞 東京電力福島原発事故を検証した国会事故調査委員会が報告書をまとめた。事故は東電や政府による「人災」と断じた。原発規制の枠組み見直しは急務だ。 「個々人の資質や能力の問題でなく、組織的、制度的な問題が、このような『人災』を引き起こした。この根本原因の解決なくして再発防止は不可能である」 「過酷事故によって住民の健康に被害を与えるリスクよりも、経営上のリスクをまず考える東電は原子力を扱う事業者の資格があるのか」-。 歴史的な大事故の原因究明を託された国会事故調の総括は、国や東電への極めて厳しい批判が並んだ。原発をともに推進してきたのだから当然であろう。 ◆期待された解明力 福島原発の事故調査委は政府、民間、東電と合わせて四つに上ったが、国会事故調は特別な存在である。国政調査権という強い権限をもち、必要に応じて国会での証人喚問を求めることができた。 国会議員でなく民間有識者による調査機関が国会に設置されたのは、憲政史上で初のことだった。それだけに国会事故調に寄せられた公平な視点からの事故原因の解明や責任追及への期待は高かった。 半年かけて、参考人聴取は三十八人、ヒアリングは延べ約千二百人に上り、他では実現しなかった東電幹部らの公開聴取も応じさせた。事故調設置法に基づく請求は業界団体や規制当局などを対象に十三件で、権限を駆使して真相に迫ろうとしたのは間違いないといえる。 六百四十ページに及んだ報告書が最も強く訴えているのは、事故は人災であり、適切に対応していれば防げたという点である。 東電は耐震対策を先送りし、経済産業省原子力安全・保安院はそれを黙認、さらに津波対策でも敷地高を超える津波が来た場合は全電源喪失に至ることは東電、保安院とも認識していた。 ◆食い違う事故原因 何度も対策を講じるチャンスはあったが「いわば無防備のまま、3・11を迎えた」と指摘、事故は自然災害でなく、歴代の規制当局や東電経営陣による明らかな人災と断じた。 東電は、事故の直接的原因について早々と「津波」であるとしてきたが、国会事故調はこれに大きく異を唱えた。「1号機の地震による損傷の可能性は否定できない」と指摘した。 地震による損傷が起きていれば、他の原発でも危険性があることを意味し、東電だけでなく全国の原発で耐震強化といった問題がでてくる。 事故のカギを握る重要な機器類は高線量で検証することができない原子炉建屋などにあるため、国会事故調は引き続き第三者による検証を求めた。だが、実証なしに原因を「想定外の津波」に限定しようとする東電の責任回避の姿勢は明らかだ。そこに、安全対策より経営コストを優先させようとする経営姿勢が透けて見える。 もう一つ、報告書が強調しているのは、官邸をはじめとする政府や東電の危機管理体制がまったく機能しなかった点だ。緊急事態宣言が遅れた官邸や、災害対策本部の事務局としての役割がある保安院は「事故が起きた緊急時の準備も心構えもなく、その結果、被害を最小化できなかった」と指摘した。痛恨の極みである。 問題となった菅直人首相(当時)の現場介入や東電の全面撤退騒ぎも含め、報告書が重く見ているのは、個人の過ちよりも組織的、あるいは法的、制度的な欠陥だ。「関係者に共通するのは、およそ原子力を扱う者に許されない無知と慢心であり、国民の安全を最優先とせず、組織の利益を最優先とする常識である」と痛烈に批判した。 さらに情報や知識で東電が保安院に勝り、規制する立場と規制される立場の「逆転関係」といった監督機能の崩壊を指摘するにいたっては、原発事故は必然だったと思えてくる。 ただ、報告書も万全ではない。事故原因の詳細な究明が未解明だったことに加え、廃炉の道筋や使用済み核燃料問題などは手が付いていない。過去、原子力政策を推進してきた自民党時代の責任には触れなかったのは、踏み込みが足りなかったと言わざるを得ない。 国会事故調は、民間中心の独立調査委員会の活用や国会による規制当局の監視など七項目の提言を残した。これらを実現していくのは政府と国会の責任である。いまだ、報告書の取り扱いや政策への反映について議論もないのは、怠慢としかいいようがない。 ◆政府も読み取って 暫定的な安全基準で大飯原発の再稼働に踏み切った政府も、報告書の重みを読み取ってほしい。報告書は真っ先に訴えている。「福島原子力発電所事故は終わっていない」と。 |
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2012/07/06 12:06 共同通信 福島県は6日、東京電力福島第1原発事故によることし3月末までの損害として、約63億2500万円を東電に賠償請求した。 畜産の対策費や、企業の県外移転に伴う県税減収分などで、県は請求書で「事故は県民生活、農林水産業、学校教育に大きな影響を及ぼした。費用は東電が負担すべきだ」と求めた。 畜産対策が24億5500万円、中小企業支援が10億5300万円、避難区域内の学校の避難など教育関係が3億9100万円、法人2税や不動産取得税、ゴルフ場利用税など六つの税の減収分が5億9800万円。 東電の新妻常正常務は「内容を見て適切、早期に対応したい」と述べた。 ☆賠償問題の処理業務は、現役東電一般社員の心身にボディブローで効いて來る。組織としての規律を保つ力量がある役員はいるのだろうか。 TVの記者会見で何を聞かれても蛙の面にションベンの対応をする松本某のように、あれで社内で評価され、えらくなる幹部候補生はまだいいが。 そして東電がお手上げになれば、結局はくにたみの税金がまわっていく。近所のラーメン屋がつぶれるのとえらい違いや。 |
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滋賀県高島市:「全原協」を脱会 全国2例目 毎日新聞 2012年 07月07日 01時34分 原発が立地する福井県敦賀市や美浜町と隣接する滋賀県高島市が、原発立地自治体などでつくる「全国原子力発電所所在市町村協議会」(全原協、会長=河瀬一治・敦賀市長)から5月末に脱会していたことが分かった。 高島市は国から原発関連の交付金を受け、全原協準会員だったが、福島第1原発事故や原発再稼働問題などで市民に脱原発の機運が高まり、脱会を決めたという。 全原協から脱会した自治体は、今年3月の福島県南相馬市に続いて2例目。被災地以外では初めて。 全原協は68年に設立され、地域振興を目的に原発関連交付金の拡充などを国に要望してきた。現在、原発が立地するか建設計画のある会員24市町村と、立地自治体に隣接するか原子力関連施設がある準会員6市町村で構成されている。 脱会理由について、高島市の担当者は「福島の事故後、原発に反対する市民の声が強くなり、原発立地自治体と足並みがそろわなくなった」と説明している。【柳楽未来】 |
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官邸前で反原発 雨中「あきらめない」 2012年7月7日 東京新聞朝刊 首相官邸前の車道に出ないように制止する警察官の前で、原発再稼働反対などを訴えるデモ参加者=6日、東京・永田町で(魚眼レンズ使用) 関西電力大飯(おおい)原発3号機(福井県おおい町)の運転停止などを求めるデモが六日夜、首相官邸周辺(東京都千代田区)で展開された。デモは三月末から毎週末に実施されているが、3号機の運転再開後は初めて。雨にもかかわらず、大勢の人が集結し、再稼働強行に対し怒りの声を上げた。 この日は、ミュージシャンの坂本龍一さんらも参加。官邸につながる国会議事堂南側の道路がすべて人で埋め尽くされ、さらに外務省や財務省前の歩道まで傘を差した人波が数百メートル続いた。 参加者は、プラカードやちらしなどを手に「大飯を止めろ」「稼働反対」と声を張り上げた。 神奈川県平塚市の会社員伊藤大介さん(44)は「多くの人の声が届かずに、大飯原発が運転再開したことは本当にショックだった。だけど、ここであきらめてはいけないとの気持ちで今日も来た」と話していた。 川崎市中原区の古川田鶴子さん(68)は「黙っていれば、なし崩し的に他の原発も運転再開するのは目に見えている」と力を込めた。 原発再稼働反対:雨の中訴え 坂本龍一さんも参加 毎日新聞 2012年07月07日 00時12分 雨が降る中、首相官邸前で大飯原発の稼働停止などを訴える人たち=東京都千代田区で2012年7月6日午後8時4分、竹内幹撮影 写真特集へ 東京・永田町の首相官邸前で毎週金曜日に行われている原発再稼働への抗議行動が6日もあった。この日は関西電力大飯原発3号機の再稼働後初めてとなり、音楽家の坂本龍一さんも参加した。 抗議行動は午後6時前にスタート。雨が降る中、「原発廃止」などのプラカードを掲げた参加者が官邸周辺の車道を埋め尽くし、「再稼働反対」「福島を返せ」と繰り返した。午後7時過ぎには坂本さんが現れ、マイクで「長い闘いになるが、頑張りましょう」と呼びかけた。 講義を休講にして来たという東京都文京区の大学講師の男性(42)は「再稼働までのプロセスがめちゃくちゃ。このままでは何も変わらないと思って駆けつけた」と話した。 呼び掛けた市民ネットワーク「首都圏反原発連合」によると、この日の参加者は約15万人、警視庁は2万1000人としている。【山崎征克】 野田佳彦首相は6日夜、首相官邸前で行われた原発再稼働への抗議行動について、「抗議の声と向き合っているか」と質問した記者団に無言でうなずいた。 さらに「伝えたいことはないか」と問われると、「多くの声、さまざまな声が届いております」と述べた。首相公邸へ引き揚げる際に官邸内で語った。【飼手勇介】 |
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オスプレイ岩国搬入反対の意見書 山口県議会が可決 2012/07/06 16:19 共同通信 山口県議会は6日、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍岩国基地(同県岩国市)への搬入に反対する意見書を全会一致で可決した。 可決を受けて二井関成知事は記者団に「議会と一体になり、国に先行搬入は反対だと伝えないといけない」と述べた。二井知事と柳居俊学議長は来週にも防衛相、外務相と会談し、あらためて搬入反対の意向を伝えたいとしている。 意見書では、機体の安全性に関する国の説明について「大きな疑念と不信を抱かざるを得ない。拙速な対応は理解しがたく、あまりにも不誠実だ」と批判。 |
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「利益優先で対策後手に」 JR西3元社長の責任強調 2012/07/06 18:14 【共同通信】 尼崎JR脱線事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された元相談役井手正敬被告(77)らJR西日本歴代3社長の初公判は、6日午後も神戸地裁(宮崎英一裁判長)で続いた。 検察官役の指定弁護士は「主導した利益優先の体質が、確実な安全という鉄道事業者が当然有すべき意識を鈍らせ、対策は後手に回った」と指摘した。 指定弁護士は、冒頭陳述で公共交通を担う鉄道事業者の経営トップには「極めて高い注意義務がある」とし「被告らの指示なくしては、自動列車停止装置(ATS)整備は困難であった」と強調した。 |
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一部引用・・ 先日、僕は大阪の新聞記者と話をした。 20年以上のキャリアを持つベテラン記者だ。 彼は再稼働に反対だ。 僕は彼に尋ねた。 「東京の新聞は、なぜ橋下さんが 反対から再稼働に転じたのかを、 ちゃんと報道しない。どうしてなんだ」 ベテラン記者は、大阪では ちゃんと報じていると答えた。 東京にも記事を渡しているが、 東京本社が受け付けないのだ、と。 どういうことかというと、 地方は地方でやっていろ、 東京は別だという 意識なんだそうだ。 そして、これは どの新聞も同じなのだ。 先ほど、東京でのデモの話をした。 この原発反対運動の中心は、 ツイッターだった。 チュニジアやエジプトで次々に革命が起き、 独裁政権が倒されていった。 ジャスミン革命である。 このとき、ツイッターや フェイスブックが原動力になった。 マスコミは買収され、 政権の意のままの報道しか しなかったからだ。 しかし、国民はツイッターや フェイスブックで情報を分け合い、 互いに声をかけて、 デモがどんどん広がっていった。 これと同じ動きが 日本でも起きている。 とてもおもしろいことだと 僕は思う。 メディアが報じないことも ツイッターで広がっていく。 さらに、ツイッターなどのネットで、 「脱原発派」と「推進・必要派」が 議論をしている。 なかには、かみ合わない やりとりもあるだろう。 だが、続けていけば 議論は必ず深まっていくものだ。 僕は、ここに新たなジャーナリズムの 可能性を感じるのである。 田原総一朗のメールマガジン2012.7.6号から引用。 |
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2012年07月06日(金)
ヨウ素剤配布・服用されず 知事が権限不行使
国会事故調査報告書 2012/07/06 10:31 福島民報 報告書では、安定ヨウ素剤の服用について「知事の権限の不行使が、多くの市町村で配布・服用が行われなかった要因の一つ」と問題点を挙げた。 ヨウ素剤の服用指示がなく、住民の初期被ばくの低減措置が取られなかった責任は政府や県にあるとの見解を示した。その上で「特に甲状腺がんのリスクが高いとされる小児が適切にヨウ素剤を服用できる体制を整えなくてはならない」と指摘した。 また、計画的避難区域の設定が原発事故から一カ月以上遅れた点は、県と政府の原子力災害現地対策本部が原子力安全・保安院に対し「県全体に無用の混乱を生じさせる」と慎重な判断を求めたことを理由の一つとした。 さらに、意見の調整や基準の決定に時間がかかったとして「政府原子力災害対策本部の迷走は、住民の安全を第一に考えていなかったと評価せざるを得ない」とした。 「怒り通り越す」 県内避難者「人災、許せない」 国会事故調報告書 2012/07/06 10:25 福島民報 東京電力福島第一原発事故を受けた国会の事故調査委員会が「事故は明らかに人災」とした最終報告書を公表した5日、県内の避難者らからは「当然」との声が上がり、あらためて憤りが広がった。 「怒りを通り越して言葉にできない」。郡山市の仮設住宅で避難生活を送る富岡町の農業渡辺喜助さん(77)はやりきれなさを募らせる。震災前は繰り返し安全性を主張する東京電力を信じて暮らしてきたが、原発事故で自宅や田んぼを奪われ、家族も避難で離れ離れだ。人の怠慢で生活を破壊されたことが悔しくて仕方がない。 浪江町民が避難する二本松市の杉内多目的運動広場仮設住宅。入居する140世帯の約8割が、放射線量が比較的高い津島地区の住民だ。自治会長の柴清明さん(50)は「政府と東電の混乱が私たちを被害者にしたのだと、報告書でよく分かった」と受け止めた。 大熊町から会津若松市の仮設住宅に避難している片倉荘次さん(63)の自宅は福島第一原発から5キロほどの地区だ。自宅に戻るのは難しいと思っている。「万全を尽くしていれば、避難も数年で済んだかもしれない」 いわき市の仮設住宅に暮らす楢葉町の主婦矢内久美子さん(45)も「人災であれば対策を講じることもできたということ。もっと被害を少なく、避難も早くできたはず」と不満を漏らす。さらに、事故原因を徹底的に調査して再発防止につなげることが重要だとし、「一刻も早く原因を究明してほしい」と期待した。 梁川町の会社員女性(41)は小学生の子どもの被ばくを心配する。自家消費用に家族で続けてきた稲作と畑作は原発事故後にやめ、県外産のコメと野菜を買う。今でも子どもに屋外活動を控えさせる。「生活が変わった。自然災害なら諦めもつくが、人災は許せない」と語気を強めた。 報告書で対応の不備が指摘された県にも批判が集まった。福島市の仮設住宅で暮らす飯舘村比曽行政区の女性は小学生の長女の内部被ばくが判明し、憤る。村内でも比較的放射線量が高い地域だが、知らずに原発事故後しばらく、長女は外で雪遊びをしていた。 「原発がある県なのだから、確固とした危機管理をしておくのが当然なのに国に頼ってばかりでできなかった。猛省すべきだ」と断じた。 ☆大飯原発の再稼動を責任を持って決めた野田首相の記者会見再録
【野田総理冒頭発言】
本日は大飯発電所3、4号機の再起動の問題につきまして、国民の皆様に私自身の考えを直接お話をさせていただきたいと思います。 4月から私を含む4大臣で議論を続け、関係自治体の御理解を得るべく取り組んでまいりました。夏場の電力需要のピークが近づき、結論を出さなければならない時期が迫りつつあります。国民生活を守る。それがこの国論を二分している問題に対して、私がよって立つ、唯一絶対の判断の基軸であります。それは国として果たさなければならない最大の責務であると信じています。 その具体的に意味するところは2つあります。国民生活を守ることの第1の意味は、次代を担う子どもたちのためにも、福島のような事故は決して起こさないということであります。福島を襲ったような地震・津波が起こっても、事故を防止できる対策と体制は整っています。これまでに得られた知見を最大限に生かし、もし万が一すべての電源が失われるような事態においても、炉心損傷に至らないことが確認をされています。 これまで1年以上の時間をかけ、IAEAや原子力安全委員会を含め、専門家による40回以上にわたる公開の議論を通じて得られた知見を慎重には慎重を重ねて積み上げ、安全性を確認した結果であります。勿論、安全基準にこれで絶対というものはございません。最新の知見に照らして、常に見直していかなければならないというのが東京電力福島原発事故の大きな教訓の一つでございました。そのため、最新の知見に基づく30項目の対策を新たな規制機関の下での法制化を先取りして、期限を区切って実施するよう、電力会社に求めています。 その上で、原子力安全への国民の信頼回復のためには、新たな体制を一刻も早く発足させ、規制を刷新しなければなりません。速やかに関連法案の成案を得て、実施に移せるよう、国会での議論が進展することを強く期待をしています。 こうした意味では、実質的に安全は確保されているものの、政府の安全判断の基準は暫定的なものであり、新たな体制が発足した時点で安全規制を見直していくこととなります。その間、専門職員を要する福井県にも御協力を仰ぎ、国の一元的な責任の下で、特別な監視体制を構築いたします。これにより、さきの事故で問題となった指揮命令系統を明確化し、万が一の際にも私自身の指揮の下、政府と関西電力双方が現場で的確な判断ができる責任者を配置いたします。 なお、大飯発電所3、4号機以外の再起動については、大飯同様に引き続き丁寧に個別に安全性を判断してまいります。 国民生活を守ることの第2の意味、それは計画停電や電力料金の大幅な高騰といった日常生活への悪影響をできるだけ避けるということであります。豊かで人間らしい暮らしを送るために、安価で安定した電気の存在は欠かせません。これまで、全体の約3割の電力供給を担ってきた原子力発電を今、止めてしまっては、あるいは止めたままであっては、日本の社会は立ち行きません。 数%程度の節電であれば、みんなの努力で何とかできるかもしれません。しかし、関西での15%もの需給ギャップは、昨年の東日本でも体験しなかった水準であり、現実的には極めて厳しいハードルだと思います。 仮に計画停電を余儀なくされ、突発的な停電が起これば、命の危険にさらされる人も出ます。仕事が成り立たなくなってしまう人もいます。働く場がなくなってしまう人もいます。東日本の方々は震災直後の日々を鮮明に覚えておられると思います。計画停電がなされ得るという事態になれば、それが実際に行われるか否かにかかわらず、日常生活や経済活動は大きく混乱をしてしまいます。 そうした事態を回避するために最善を尽くさなければなりません。夏場の短期的な電力需給の問題だけではありません。化石燃料への依存を増やして、電力価格が高騰すれば、ぎりぎりの経営を行っている小売店や中小企業、そして、家庭にも影響が及びます。空洞化を加速して雇用の場が失われてしまいます。そのため、夏場限定の再稼働では、国民の生活は守れません。 更に我が国は石油資源の7割を中東に頼っています。仮に中東からの輸入に支障が生じる事態が起これば、かつての石油ショックのような痛みも覚悟しなければなりません。国の重要課題であるエネルギー安全保障という視点からも、原発は重要な電源であります。 そして、私たちは大都市における豊かで人間らしい暮らしを電力供給地に頼って実現をしてまいりました。関西を支えてきたのが福井県であり、おおい町であります。これら立地自治体はこれまで40年以上にわたり原子力発電と向き合い、電力消費地に電力の供給を続けてこられました。私たちは立地自治体への敬意と感謝の念を新たにしなければなりません。 以上を申し上げた上で、私の考えを総括的に申し上げたいと思います。国民の生活を守るために、大飯発電所3、4号機を再起動すべきというのが私の判断であります。その上で、特に立地自治体の御理解を改めてお願いを申し上げたいと思います。御理解をいただいたところで再起動のプロセスを進めてまいりたいと思います。 福島で避難を余儀なくされている皆さん、福島に生きる子どもたち。そして、不安を感じる母親の皆さん。東電福島原発の事故の記憶が残る中で、多くの皆さんが原発の再起動に複雑な気持ちを持たれていることは、よく、よく理解できます。しかし、私は国政を預かるものとして、人々の日常の暮らしを守るという責務を放棄することはできません。 一方、直面している現実の再起動の問題とは別に、3月11日の原発事故を受け、政権として、中長期のエネルギー政策について、原発への依存度を可能な限り減らす方向で検討を行ってまいりました。この間、再生可能エネルギーの拡大や省エネの普及にも全力を挙げてまいりました。 これは国の行く末を左右する大きな課題であります。社会の安全・安心の確保、エネルギー安全保障、産業や雇用への影響、地球温暖化問題への対応、経済成長の促進といった視点を持って、政府として選択肢を示し、国民の皆様との議論の中で、8月をめどに決めていきたいと考えております。国論を二分している状況で1つの結論を出す。これはまさに私の責任であります。 再起動させないことによって、生活の安心が脅かされることがあってはならないと思います。国民の生活を守るための今回の判断に、何とぞ御理解をいただきますようにお願いを申し上げます。 また、原子力に関する安全性を確保し、それを更に高めていく努力をどこまでも不断に追及していくことは、重ねてお約束を申し上げたいと思います。 私からは以上でございます。 |
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☆3.11以降それまで見えなかった日本の仕組みがおぼろげながらも見えてきた。民主党がどうあがいても官僚に料理されてしまうのも、ある意味これまでの歴史の当然の帰結のようだ。
その官僚の世界にもヒエラルキーがある。 官僚の中の官僚は財務省の官僚だ。 そのあたりをわかりやすく解き明かす一文を読んだ。 一部引用・・ 財務省の周到な政治家養成 自民党政権は、自民党と官僚の連立だった。民主党は「脱官僚」を掲げながら何もできず、官僚に取り込まれ官僚との連立を組まされた、と言っていいだろう。党内対立や野党対策で落ち着かず、政策は官僚に丸投げし、国会対策まで財務省に頼り切る結果となった。 権力者の経験がない民主党には野党対策のノウハウはなかった。財務省は自民党時代から政治家と表裏一体になって国会対策を支えてきた。財務大臣に国会対策委員長だった安住淳を抜擢したのも「使える」と勝が判断したから、と言われる。 野田佳彦は藤井裕久民主党最高顧問による「一本釣り」だった。財務省OBの藤井は飲み友達だった野田を財務官僚に引き合わせ、政権交代で藤井が蔵相になると主計担当の副大臣に起用した。 自民党総裁の谷垣禎一も、財務省が手塩にかけて育てた政治家である。財務省は長時間かけてシンパとなる政治家を養成する。有望と見ると担当者を決めて、御用聞きに当たるほど周到な体制ができている。 民主党は野田、自民党が谷垣。今を逃したら消費税増税のチャンスは回ってこない、と財務省は舞い上がった。谷垣自民党とは話がついている。あとは民主党内の反対を押し切るだけ。税調会長の藤井、財務相の安住、さらに岡田克也を副首相にして、野田を含めた4人を神輿に載せて突っ走った。 消費税反対が渦巻く民主党税調で司会役を務めたのは、1年生議員の岸本周平。財務省OBの脱藩官僚がいまや切り込み隊長だ。 パブリックサーバントであるはずの官僚が、政治家を操って増税を推進した、という姿は誰の目にも明らかになっている。 全文はこちら |
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消費増税法案、原発再稼働さえ白紙の可能性も
小沢新党が狙う「内閣不信任案提出」 一部引用・・ というのも内閣不信任案はあらゆる法案に優先して採決される「最強法案」だからだ。 つまり、消費税法案含め、先日の8法案には賛成できた野党の自民党と公明党も、内閣不信任案となると話は別になる。 そもそも議院内閣制において、野党が内閣不信任案に反対するのは難しい。野党が内閣不信任案に反対すれば、政党の存在意義が問われるばかりか、野党でいる意味も為さなくなってしまうからだ。 それを避ける方法は唯一、内閣不信任案の出される前に連立協議を行い、民主・自民・公明の三党で連立を組むしかないだろう。 だが、そのためのハードルはより高い。野田政権は自・公の野党に対して圧倒的な譲歩を行わなければならないし、場合によっては阻止後の解散総選挙くらいは約束されるかもしれない。 そこまででなくとも、不信任案決議を否決するにあたって、大臣ポスト、あるいは政権移譲は要求されるかもしれない。 つまり、内閣不信任案が出された途端、窮地に陥るのは小沢氏の側ではなく、野田首相の方という見方ができるのだ。 全文はこちら |
2012年7月6日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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