2016年4月30日土曜日

福島原発事故が起きた翌年、2012年06月11日から06月15日の「阿智胡地亭の非日乗」の記事

2012年06月15日(金)

福島原発行動隊の存在理由

☆無駄のない文章で、原発事故に対応する行動隊の全容を述べています。
じっくりと全文の通読をお勧めします。

福島原発行動隊と新しい老人文化
 
          公益社団法人 福島原発行動隊理事 平井吉夫

 はじめに

今年の3月、福島原発行動隊がなかなか本来の目的である原発事故現場での作業に入れない状況を打開するため、主として対外アピールの方策を探り、実行することを課題とする戦略チームが設けられました。私はこのチームの一員として、福島原発行動隊の存在を文化運動としても位置づけることができないものかと考えました。

そのためには行動隊の存在意義をあらためて確認する必要があります。その考察を進めていけば、われわれ自身も気づいていなかったわれわれ自身の存在意義が、浮かびあがることもありうるのではないか。そう考えて、思いつくことを思いつくままに書き留めていったら、153項目のメモになりました。

そこには私自身の考えもあれば、日ごろ接する行動隊の仲間の考えもあり、行動隊に異議のある人の考えも入っています。それを私は以下の九つのテーマに分けました。

・火災が起こったときに、まずなすべきことは? 消火か、火元の糾弾か?

・原点としての「決死隊」

・なぜ「シニア部隊」なのか

・なぜ行動隊はいまだに現場作業に就けないのか

・行動隊に参集する人びとの動機

・行動隊は待機する

・福島原発行動隊と日本の精神風土

・長期にわたる原発危機のなかで、シニア行動隊は文化になりうるか

・行動隊の歴史的意義。その発信力をいかに生かすか

 そのメモを「福島原発行動隊の存在意義にかんする覚書」と題して戦略チームのメンバーと、金曜日ごとに開かれる自由参加の連絡会議にしばしば出席する人たちに配布し、それぞれ思いつくことを自由に書きこんでもらいました。いまそれをまとめているところですが、今回の院内総会にあたり、テーマを「行動隊の存在の特殊性」と「文化運動としての可能性」に絞り、ひとつの問題提起として、皆さんに聞いていただくことにしました。

行動隊の立脚点

 福島原発行動隊は、福島第一原発事故の収束作業への参加を志願する、退役技術者・技能者・研究者を中心とするボランティア団体で、その事業目的は、原発事故の収束作業に当たる若い世代の放射能被曝を軽減するため、被曝の害が相対的に少ない高齢者が、長年培った経験と能力を活用し、現場におもむいて行動することである。

行動隊が結成されたころ、一部の反原発運動家から「事故の元凶である政府と東電に手を貸す行為」「政府・東電の責任をあいまいにする」という批判を受けた。いっぽうわれわれはこう考えた。

町に火災が発生し、延焼し、もしくは延焼のおそれがあり、公的消防機関が機能不全のときは、火元はもとより町内こぞって消火に当たるのが先決であろう。火元には鎮火してから落とし前をつけてもらう。

〔ちなみに江戸時代には失火・出火は重罪であった。両国の川開きで鍵屋と花火の技を競った玉屋は天保14年に出火し、周辺半町に延焼させた咎で家産没収、江戸追放、家名断絶の罰を受けた。花火師はもともと銃砲の火薬専門家で、花火は火薬の平和利用だが、花火屋が江戸市中に店を構えるのは物騒なことであったろう。〕

火元にどんな過失があろうと、消火作業は実用本位に進めるほかはなく、その仕事に当たる者には白も黒もない。原発事故の「火消し」を目的とする行動隊は自発的参加者によって構成され、各人の思想、信条、あるいは心情はいっさい問わない。

この原則は原発の是非についても同じであり、行動隊内には脱原発論者も維持論者もいる。この多様な構成員を結びつける唯一の絆が、原発事故の収束という大目的である。原発事故は他の災害とことなり、暴発すれば子々孫々におよぶ長大な時間と、地球規模の広大な空間にわたって深刻な被害をもたらす。それを阻止するためなら、われわれはだれとでもスクラムを組み、いま急務の火消しに専念する。

以下全文はこちら
 
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防災対策ないままに再稼動が近づくおおい町

再稼働判断近づくも防災策手付かず 広域的避難など国の審議停止状態
(2012年6月14日午前7時15分)福井新聞


再稼働の地元判断が近づく関西電力大飯原発。広域的な住民避難の在り方など防災対策の検討は止まったままだ=5月8日、福井県おおい町(本社ヘリから撮影)


 東京電力福島第1原発事故以降、根本的な見直しを迫られている原発の防災対策。原発の再稼働に向け国は安全対策や基準づくりは進めてきたが、広域的な住民避難の在り方など防災面の対応はほぼ手付かずだ。国の原子力安全委員会は、防災対策の重点実施地域を原発の半径10キロから30キロに拡大する方針を決めながら、その後の具体策の検討は“放置状態”。関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働判断が近づく中、地元には原子力防災計画が旧来のままとなっていることに不安の声もある。

 「大飯原発であれだけの津波対策が実施されているのだから、国や県は住民避難や防災も同じ考えでやってもらわないといけない」。大飯原発の足元、おおい町大島に住む団体職員の男性(60)はこう訴える。現状で避難するにも県道1本しかなく「マイカーで逃げても詰まってしまう」と不安を漏らす。

 原子力安全委は昨年11月、従来の防災対策重点地域を「緊急防護措置区域(UPZ)」として30キロ圏に広げ、半径5キロは重大事故時に直ちに避難する「予防防護措置区域(PAZ)」とする方針を決めた。今年3月には、原子炉の状態や放射線量の実測値に基づき住民避難を判断するなどとした原子力防災指針の改定案をまとめた。

 だが、範囲を30キロ圏に広げながら、府県をまたぐ広域的な避難の在り方は何ら方針を示していない。原子力防災に関する専門部会も作業部会もここ3カ月は開かれず、審議は止まっている。

 30キロ圏の住民避難を想定する場合、国の調整、指導なしには困難で、県原子力防災計画の見直し作業も中断したままだ。

■  ■  ■

 県は3月に敦賀市で行った原子力防災訓練で、PAZの考え方を先取りして5キロ圏内の全市民を避難対象にした。一方で他府県と連携した避難訓練は行わなかった。
 県の暫定案では、おおい町民の避難先は敦賀市。しかし、実際には京都府への避難が十分考えられ、町内には「現実的でない」との声が強い。

 町も原子力防災計画の見直しを進めているが、防災担当職員は「大本の国の防災指針が改定されない限りは、避難計画も含め暫定でしかない。県域を越えた広域避難も国の調整なしでは実効性ある計画にならない」と苦悩している。

 事故時の対策拠点となるオフサイトセンター(大飯原子力防災センター)が海抜約2メートルの位置にあり、津波の被害を受ける恐れがある点を心配する住民もいる。

 また、敦賀、美浜、大飯、高浜原発は全て半島の先端部に位置し、防災道路はそれぞれ1路線しかない。福島の事故を受け、国は複線化に向けようやく重い腰を上げたが、本年度以降に順次着手する県内6区間(約18キロ)の整備が完了するのは8~10年後だ。

■  ■  ■

 「国の指導によって福井県や近県で十分な原子力防災計画を立て、訓練を運転前に行う必要がある」。県原子力安全専門委員会が大飯3、4号機の安全性について報告書案をまとめた10日の会合で、委員の田島俊彦県立大名誉教授はこう提案した。

 県専門委は原発の「工学的な安全性」を検証するのが役目。中川英之委員長(福井大名誉教授)は「過酷事故があり得るという観点に立てば、防災に関して見解を示すことは非常に重要」としつつも、委員会のテーマにするかは「検討が必要」と否定的だ。

 西川知事も原子炉の安全性、危機管理体制、防災対策は「レベルが違う問題」と指摘。国の具体策がはっきりせず、まだ時間のかかる防災対策と、再稼働の是非は切り離して判断する考えだ。
 しかし、田島氏はこうも指摘している。「大地震は対策を待ってくれない」
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「福島の女たち」大飯再稼働反対申し入れ

2012/06/07「原発いらない 福島の女たち」大飯再稼働反対の内閣府申し入れ要請文の読み上げです。
Wanビデオ班取材レポート。緊急性が高いので、編集せず要請文読み上げをそのまま流しています。
引用元
 
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昭和20年6月15日大阪は米空軍からナパーム弾(焼夷弾)の絨毯爆撃を受けた

第4回大阪大空襲
(B29 100機以上の空襲が「大空襲」とされている)

1945(昭和20)年6月15日8時44分~10時55分(約2時間)
大阪を攻撃したB29は449機 高度5000~8200メートル。
中部軍情報放送要図の一部 黄色の矢印が大阪から100kmをあらわす円

 当時の新聞は「大阪へ西からくるときは100キロ圏内に入ってから9分くらいでもう大阪市だ。しかし、放送される情報はすこしずれがあったこれを勘定(かんじょう)に入れねばならぬ。すると5分程度しか余裕がないことになる。」と書いている。

 アメリカ軍の爆撃計画では北九州八幡を攻撃する予定が、北九州の天候が悪く、天候のよかった大阪・尼崎に向かった。平均着弾点は、阪神出屋敷駅付近・国鉄尼崎港線金楽寺駅付近、西淀川区神崎大橋南詰付近・鶴橋駅付近・天王寺駅付近の5カ所であった。中心部はすでに燃えていたので、「東方および南方ならびに都心から北西の多数の小地域を破壊」した。大都市への大量焼夷弾攻撃はこれで終了し、以後、大阪へは軍需工場への爆撃が繰り返されることになった。

第4回大阪大空襲による被災地域■赤の地域
■黄色の地域はそれまでの空襲で焼かれた地域
(「新修大阪市史」第10巻の地図をもとに作成。ただし地形・区域は便宜上、現在の形。)


主な被災地域
西淀川・天王寺区・生野区・東成区・西成区・東淀川区(現淀川区)・北区・東区・尼崎市
被災面積  4.9平方キロ
被災戸数  53,112戸
被災者数 176,451人
死者     477人
重軽傷者  2,385人
行方不明   67人

引用元
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東電女性社員殺人事件のマイナリ元被告15日に出国

マイナリ元被告 15日出国へ
6月14日 13時13分 NHKニュース

 東京電力の女性社員が殺害された事件で、再審が認められたネパール人の男性、ゴビンダ・プラサド・マイナリ元被告(45)について、大使館は、14日午前、帰国に必要な旅券を発行しました。
男性は、家族と共に、15日、18年ぶりにネパールに向けて出国する予定です。

この事件で裁判のやり直しが認められたゴビンダ・プラサド・マイナリ元被告(45)は、刑務所から釈放されて入国管理局の施設に移され、今月11日、国外退去命令を受けました。

妻のラダさんと2人の娘は、スーツケースなどを差し入れて帰国のための準備を進めてきましたが、ネパール大使館は、14日午前、マイナリ元被告の臨時の旅券を発行したということです。

家族は、みずからの費用で一緒に帰国することを希望して航空券もすでに手配したということで、マイナリ元被告は、15日、ネパールに向けて出国する予定です。

この事件で15年間身柄を拘束されたマイナリ元被告がネパールに帰国するのは、18年ぶりになります。
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ゴビンダからの手紙  佐野周一  ちくま6月号

この記事は4月26日ごろに書かれた。画面を2段階でクリックすると読める大きさに拡大します。

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放射能線量を調査のため福島県沖で漁

福島 相馬市沖合で検査の漁
6月14日 20時47分 NHKニュース

原発事故の影響で、自粛が続く福島県沿岸の漁の再開を検討するために、相馬市の沖合で放射性物質の検査のための漁が行われ、対象の3種類の魚介類が水揚げされました。

この漁は、原発事故以来自粛が続いている福島県沖の漁の再開を検討するため、福島県漁連が初めて行いました。

6隻の漁船が出て、14日早朝から、福島第一原発から北東に50キロ以上離れた相馬市の沖合で漁を行い、14日夕方、相馬市の松川浦漁港に続々と戻りました。

水揚げされたのは、これまでの調査で放射性物質の量が基準値を大きく下回っている「ヤナギダコ」「ミズダコ」それにツブ貝の一種の「シライトマキバイ」で、合わせて660キログラムです。

14日にとれたタコと貝は、販売は行いません。
漁協は、生の状態とゆでて加工した状態で、放射性物質の検査を行うことにしています。

検査で問題がなければ、福島県漁連は、今月20日にも同じ海域の3種類の魚介類に限って、販売を目的とした漁を試験的に始めたいとしています。

地元の相馬双葉漁協の南部房幸組合長は「期待と不安の両方があるが、何とか一歩を踏み出せたという思いです。自粛が続き、若い漁業者の漁業離れが心配されるので、少しでも前進するところを見て、踏みとどまってくれればと思います」と話していました。
.
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東電が津波を想定したことがある事実が判明

東電、大津波対策で最大80億円 福島原発で社内試算 
2012/06/13 21:25 【共同通信】

 東日本大震災の5年前、福島第1原発5号機で大津波への対策を実施した場合、最大で80億円が必要などとする報告書を、東京電力が作成していたことが13日分かった。だが、大津波の想定に科学的根拠がないとして対策は取られなかった。

 東電によると、報告書をまとめたのは2006年3月。04年のスマトラ沖地震の津波で、インドの原発のポンプ室が浸水したことから、第1原発の津波の高さについて、想定を大幅に上回る13・5メートル、20メートルなどと仮定し、安全上重要な機器類への影響を分析した。

 その結果、海抜13メートルにある5号機では、建屋内への浸水などを防ぐ工事で20億円、防潮壁で囲った場合は80億円が必要と試算された。

☆経営判断は安全神話によってなされた。
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2012年06月14日(木)

福島原発行動隊幹部と『頑張らないの医師』鎌田實の対談

鎌田實の「がんばらない&あきらめない」対談
(社)福島原発行動隊理事長 山田恭暉さん・理事 平井吉夫さん VS「がんばらない」の医師 鎌田實

  がんサポート情報センター 2011年8月号掲載

一部引用・・

福島原発行動隊に結集した60年安保闘争の仲間たち

「技術屋仲間と数日間、議論し、『これはもう俺たち年寄りが現場に行くしかない』という結論にならざるを得なかった」と話す山田さん(中)と平井さん(左) 鎌田 

「決死隊」とは言わないんですよね(笑)。正式には何と言うんですか。

山田  当初は「福島原発暴発阻止行動プロジェクト」と言ってきましたが、ちょっと長いので、7月上旬に、「福島原発行動隊」という名称で社団法人として登録しました。

鎌田  福島原発行動隊を結成されたきっかけは何ですか。

山田  あの大地震の直後、テレビを見ていたら、福島原発で電源がすべて無くなっちゃった、と言っていました。政府は詳しいことは何も言わなかったのですが、原発のことを少しかじったことのある人間から見れば、「あぁ、これで終わり」ということは、すぐにわかりました。

全文はこちら
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原発再稼動を推進する国会議員リスト

徹底調査「原発再稼働」を推進するこれが国会議員のリスト
2012年06月11日(月) 週刊現代

ああ、3・11に学ばず---これがこの国の現実
いまもって電力会社と労組がくれる「カネと票」
に群がる彼ら

献金してもらっているから

「原子力ムラというものが、いかに政界に根を張っているかを見ると、それは電力会社や関連労組から支援を受けている議員が存在するというような単純な構造ではありません。たとえば、原子力発電所を再稼働させたいのは電力会社だけでなく、原発を造るメーカー、その下請け、工事を行うゼネコン、ウラン輸入に関わる商社、さらにそれらの企業におカネを貸している金融関係など多種多様であり、各々の業界から支援を受けている議員がいます。

 また、それに加えて官僚出身の議員、特に民主党に多い経産省出身者には、産業界の要請もあって、原発を推進すべきという考えの人が少なくない。全員がそうだと言うつもりはありませんが、基本的にそういう業界や官僚機構の意を受けた議員が、3・11以降も原発を推進したい人たちだと考えていいでしょう」

 こう語るのは、民主党内で「脱原発」について積極的に発言している谷岡郁子参院議員である。

 福井県の大飯原発再稼働問題について、野田佳彦総理は「私の責任で判断する」と発言。仙谷由人政調会長代行、枝野幸男経済産業相、細野豪志原発事故担当相、古川元久国家戦略担当相、齋藤勁官房副長官の「5人組」も節電要請が始まる7月2日より前の再稼働に向け必死だ。特に、仙谷氏などは「全原発を停止すれば、日本が集団自殺をするようなことになってしまう」と語り、多くの国民の反発を呼んだ。

 なぜ、野田政権はあれだけの事故を経験しながら、いまだに原発再稼働にこだわるのか。政界で原発推進議員は誰で、彼らは何を考えているのか。

 まず大前提として、1955年に原子力基本法が成立して以来、日本政府は自民党政権だろうが、民主党政権だろうが、基本的に原発推進。見返りはズバリ、「カネと票」だ。

 自民党政権時代は電力会社と、電力各社で作る電気事業連合会(=電事連)が献金や選挙の集票マシーンとして政権をバックアップ。'09年の政権交代以降は、その労組が同じように民主党を支援してきた。

「たとえば、電力会社は電気料金を値上げしてもらうために自民党に献金を行っているという世論の批判を受け、オイルショック以降、企業献金を止めました。しかし、実際には各電力会社の役員が、個人献金の形で自民党に献金を続けてきたわけです。その結果、自民党の政治資金団体である『国民政治協会』が'09年に受け取った個人献金のうち、実に7割以上が東電など電力会社役員からです。

 そして、民主党には電力各社の労組である電力総連(全国電力関連産業労働組合総連合)の政治団体とその関連団体から、党本部や所属議員に'07年~'09年の3年で約1億円、'10年にも党の県連、国会議員、地方議員に約1億2000万円の献金が行われています」(電力業界担当記者)

 ここに東芝や日立製作所といった原発メーカーや、電力を大量消費する鉄鋼メーカーなどからの献金も加わる。そして、いざ選挙となれば、これら大企業の労組が組合員の票を取りまとめ、「原発推進に理解のある議員」を国政に送り込むよう奔走してくれる。


 '10年の参院選でも民主党は、輿石東幹事長、蓮舫前行政刷新担当相、田中直紀防衛相、北澤俊美元防衛相、江田五月前参院議長、柳田稔元法相、福山哲郎元官房副長官ら47人が電力総連が応援する候補者として機関紙に顔写真入りで取り上げられ、ほぼ半数の24人が当選している。

 常識的に考えれば、労組が会社側の意のままに動くことを不思議に思うかもしれない。まして、原発で働くことは、労働者にとって放射能汚染の恐怖に晒されることと同義。労組が先頭に立って「脱原発」を叫んでもおかしくはない。

「裏切った議員には、報いを」
 その背景について、労働問題研究の第一人者である昭和女子大学特任教授の木下武男氏が解説する。

「東京電力が労使一体となった時期は早く、'60年代にさかのぼります。なぜ、それが可能になったかと言うと、危険な作業は外部委託し、社員を厚遇したからです。原発は創生期から、社員が担当するのは安全な運転業務で、被曝の恐れがある機器の補修、点検などは下請け作業員任せ。こうして東電労組には、同じ労働者でも自分たちは下請け作業員とは身分が違うという特権階級意識ができたわけです。

 東電において、労組に楯突くことは会社に楯突くのと同じで、会社が推す東電出身議員や原発推進派を応援しないと、査定にも響く。この構図は東電だけでなく、他の電力各社も同様です。電力産業は全国組織であり、発電所や営業所が全国各地にあるから、その影響力は絶大。政治家は原発に賛成するか否かで、彼らの支援が得られるかどうかが決まるのです」

「票とカネ」で政治家の生殺与奪は思いのままという労組幹部の驕りは、3・11以降も何ら変わらない。

「裏切った民主党議員には、報いを」

 5月29日、東電労組の新井行夫・中央執行委員長は、中部電力労組の大会に招かれ、こう噛みついた。新井氏の発言は次のように続く。「(自分たちを)支援してくれるだろうと思って投票した方々が、必ずしも期待に応えていない」

 政府による実質的な国有化が決まったにもかかわらず、この強気。東電本体が1兆円の公的資金(=税金)を受けるのに、政府に「社員のボーナスを」と要求したのと似ている。政治家は完全にナメられている。

 本誌は今回、「原発再稼働」を推進している議員30名にアンケートを行った。もちろん、推進派が30人しかいないわけではなく、これまでの発言(オフレコも含む)などを調査し、推進が明確な議員を抽出した。ところが、結論から言えば、回答したのはわずか5人。この5人はいずれも「原発再稼働について賛成」と回答している。

 民主党では経団連初代会長・石川一郎の孫にあたる下条みつ衆院議員と東電出身の加賀谷健参院議員、環境相時代に「温暖化を考えると原発は不可欠」と語り、党の原子力政策推進に一役買った小沢鋭仁衆院議員の3名。「賛成の理由」欄には、それぞれこう答えた。

「ただし、安全面の態勢整備、住民への説明が必須」(下条氏)

「電力不足は日本の経済活動、国力を低下させ、雇用や国民生活に重大な影響を与える」(加賀谷氏)

「すべての再稼働ではなく、必要不可欠なものを厳選すべき」(小沢氏)

 また、自民党では菅直人総理(当時)の浜岡原発停止に正面から反対した石破茂前政調会長が唯一、回答。

「耐震のみならず、津波、水害などあらゆる想定に対処しうる態勢を整えた安全性の高い新型炉を限定的に稼働させるべき。国は電力の安定供給に責任があり、再生可能エネルギーへの大幅シフトまでの間は一定割合、原発を使用せざるを得ない」

 そして、3・11後の昨年5月に作られた超党派の「地下式原子力発電所政策推進議連」会長である、たちあがれ日本の平沼赳夫代表。

「安全性を十分担保して、日本の経済の安定維持のため、稼働可能なものは動かすべき」

 再稼働に賛成するこの5人にしても、「将来のエネルギー政策においても原発は必要か」という問いには、「必要」(平沼氏)から「できるだけ早く全廃」(小沢氏)まで、幅広い。

 本誌は、原発がまた事故を起こすようなことになれば日本は完全に終わりであり、経済にしても、原発による電力には頼らない前提で考えるべきだと再三主張してきた。その点で、この5人の主張とは異なるが、政治家として自らの信条を堂々と語ったことは評価すべきだろう。卑怯なのは、再稼働を支持しながら、それを明言しない議員たちである。

「いま原発推進派と言われてきた議員の多くが『推進』から『容認』とトーンを下げています。民主党では菅さんが脱原発を宣言したときは、推進派が随分強い調子で反論した。それに対し、ある中堅議員が『あんなに強硬に推進を言ったら、有権者が離れちゃうよ』と言ったところ、それが説得力を持って党内に広がった経緯がある。最近では民主党の推進派の発言は『原発の新規建設は無理だが、安全が確認されたものは再稼働するべき』というトーンで統一されています」(全国紙政治部記者)

「票とカネ」を失いたくないから「脱原発」とは絶対に言えないが、「原発推進」を公言すれば、世間の反発を買う。それなら、黙っておくのが一番ということだろう。

 ただし、本誌のアンケートを無視し、沈黙を守っていても原発推進がはっきりしている議員は少なくない。その代表格が電力総連の組織内候補である民主党の小林正夫、藤原正司両参院議員。小林氏は元東電労組副委員長にして元電力総連副会長、藤原氏は元関西電力労組執行委員長で、両者には関連の政治団体などを通じて電力総連からそれぞれ約4000万円、約3000万円('06年~'09年分)のカネが流れている。

 アンケートに回答できない理由について事務所に尋ねると「回答を見送らせていただきます。理由? 特にありません」(小林正夫事務所)、「出張が立て込み時間を取れませんでした」(藤原正司事務所)。

 ここでは、アンケートの回答に代えて、3・11以後の両者の代表的な言動を紹介しておく。

 小林氏は5月16日、電力総連の種岡成一会長、藤原氏らと民主党の樽床伸二幹事長代行を訪問。「原発の再稼働に格段の配慮を」といった申し入れを行ったと、HPで組織への貢献度をアピールしている。

 一方、藤原氏はここまで原発への嫌悪感が広がるとは予想していなかったのだろう。原発事故から約4ヵ月後の時点で、こんな発言を残している。

「半年もたてば、世論も変わるわ。(略)震災後、原発を減らせという評論家が増えたが、産業・経済はどうなる。お父ちゃんの仕事がなくなってもええんだったら検討しましょうよ」(毎日新聞'11年7月20日付朝刊)

口をつぐむ推進派議員たち
 他にも回答しなかった議員のなかから、原発産業との関連が深い議員を列挙すると、次の通りだ。

【民主党】

●川端達夫総務相(ウラン濃縮のための炭素繊維を開発する東レ出身で、文科相として、もんじゅの運転再開を決定)

●大畠章宏元経産相(原発プラントメーカーの日立出身で、電気メーカーの労組「電機連合」の組織内候補)

●驫木利治参院議員(原発部品を受注する大同特殊綱出身で、鉄鋼労組「基幹労連」の組織内候補)

●松岡広隆衆院議員(関電出身)

●柳澤光美参院議員(民主党の支持母体「連合」の最大勢力「UIゼンセン同盟」元政治顧問で、経産副大臣として大飯原発再稼働の地元説明会に出席。「福島のような事故は起きない」などと説明)

●直嶋正行元経産相(自動車業界の労組「自動車総連」の組織内候補で、党の成長戦略・経済対策プロジェクトチーム座長として、早期再稼働を主張)

 ちなみに、「大飯原発の再稼働がなければ関西は計画停電」「そろそろ(再稼働の)判断のタイムリミット」などと語る前原誠司政調会長にも議員会館の事務所にアンケートを申し込んだが、主旨を説明した途端に「ウチはいいです」と拒否。その後、渋々といった感じでアンケート用紙だけは受け取ったが、回答はなかった。

 次の総理が民主党内から選ばれるかどうかは不明だが、現時点では次期総理候補にも名前が挙がる前原氏。原発再稼働という日本の未来を左右する問題について、主義主張を語れないようでは心許ない。

【自民党】

●谷垣禎一総裁(「個人的見解」と断りつつ、「再稼働しないと経済の混乱や不都合が起きる」と発言)

●石原伸晃幹事長(福島原発事故への反応を「集団ヒステリー」とし、「反原発運動はアナーキー」などと発言)

 その自民党のなかでも、脱原発の動きに対抗して、推進派議員が立ち上げた「エネルギー政策合同会議」の委員長に就いた甘利明元経産相は、麻生太郎元首相、大島理森副総裁、石破氏、石原氏と並んで、東電役員がパーティ券購入などで特に便宜を図ってきた議員の一人。

 他に自民党では、地下式原発を提唱し、先に触れた「地下式原発議連」事務局長を務める山本拓衆院議員も、環境への影響を理由に「脱原発は無責任」と主張している。

 無所属の議員で原発推進の大物と言えば、事故後に「原子力発電は大事だ。(原発を)推進してきたことは、決して間違いではない」と断言した日本原子力発電出身の与謝野馨元財務相が代表格である。

 一貫して「脱原発」を訴える社民党の福島みずほ党首が語る。

「民主党でも自民党でも、電力業界や経済界と密接な関係があって、その応援がないと選挙で困るから、内心は原発反対でも言えない議員はいます。逆に脱原発を口にしているのに、大阪の市民が関電に対して原発反対の署名を集めたら、労働組合の応援が欲しいのか、最後まで理由をつけて署名しない議員もいました。

 野田総理だって、民主党の人気を考えたら、再稼働に反対したほうがいいのに、それができないのは、電力会社、経済界、それに財務省や経産省の圧力がかっているのだと思います」

「安全」は二の次、三の次
 口を噤む政治家たちに代わって、再稼働推進を隠さないのが、経産省や財務省の官僚たちである。

 橋下徹大阪市長のブレーンとして大阪府市統合本部特別顧問を務める環境エネルギー政策研究所長の飯田哲也氏が言う。

「再稼働に積極的な人たちの一つの目的はおカネでしょうが、それだけでここまでバカなことはしない。他に要因があります。その一つが、官僚たちの思考停止。私は『官僚レミング(集団自殺)』と呼んでいますが、あれほどの事故を起こしながら、経産省、原子力・安全保安院、原子力安全委員会で誰一人責任を取らされなかったので、同じメンバーが同じメンタリティで3・11以前と変わらないルーティン・ワークをこなしている。悪いことをしたと思っていない官僚たちが、考えを改めるはずもありません。

 彼らは事故前の権限を手放したくないし、現に経産省はエネルギー行政の権益を守ったどころか、原子力損害賠償支援機構で一時国有化する東電まで自分たちの手に入れた。さらに、機構からは東電救済のために9000億円の交付国債を投じたから、財務省は何としてもこれを回収したい。メガバンクもこれまでの債権を回収するつもりだから、再稼働せずに電力会社が倒産するような事態になっては困るのです」

 だからこそ、再稼働を推進したい原子力ムラの住民たちは、ありとあらゆる手を使う。核燃料サイクル政策の見直しを行っている内閣府の原子力委員会が、推進派だけを招いて秘密会議を行っていたことなど、最たる例だろう。

 だが、原発に群がる人々だけがいい思いをする状況は3・11を境に終わった。それを認めようとせず、あの事故に学ばない人々に国を任せれば、「一刻も早い再稼働」に向かうのは当然の帰結。しかも、彼らは「脱原発を言うのは、バカな国民だけで、自分たちこそが日本の将来を真剣に考えている」と思い込んでいる。

 電力総連事務局長・内田厚氏の話からは、その自負が覆い隠しようもなく伝わってきた。

「あれだけの事故が起き、公平な目で見れば、原発がなくて済むならなくていいと思いますよ。危険なものを扱っているわけですから。でも、原発がないと、電気料金が2倍になる試算もある。それだけの国民負担、経済負担ができるかと言えば、日本経済がガタガタになる可能性もある。原発を使わないと、この国が成り立たないから、やむを得ず使うんです。

 JALやりそな銀行を例に、電力会社はもっと身を削るべきだという声もありますが、電力はそう簡単ではない。飛行機なら赤字路線を削ればいいけれど、山間部はコストがかかるから電気を通しませんと言って通用しますか。我々はそこまで考え、原発を除外するのも一つの考え方だけれど、それでは国民生活も経済活動も破綻するから、原発を一定程度、基幹エネルギーとして持ちつづけなければならないと言っているんです。脱原発だけを言う政治家は、大衆迎合主義、ポピュリズムに乗りすぎじゃないかと感じます」

「大衆と共に」という思想から生まれたはずの労組幹部から「大衆迎合」という言葉が出ることに違和感はあるものの、内田氏の物言いは、自らの保身第一で口を噤む推進派議員たちよりはよほど率直で潔い。

 どうしても再稼働が必要だと考えるなら、国民を説得するのが政治家の役割であり、説得できないのなら諦めるべきだろう。再稼働にこだわる政治家たちにとって、それはカネや自己保身の問題かもしれないが、3・11に学んだ多くの人にとって、原発再稼働は「命の問題」そのものなのだ。

「週刊現代」2012年6月16日号より
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滋賀県から会社は出ていくと県内企業群に言われた嘉田知事

【原発再稼働】 滋賀県知事 「関西電力と国から脅された」

2012年6月13日 16:34 田中龍作ジャーナル

嘉田滋賀県知事。「野田さんは官僚の作文を読んでいるだけ。国民からの視点がない。私がすごく怒っているところ」。=13日、日本外国特派員協会。写真:田中撮影=

 関西電力が「停電」を武器に企業を焚き付け、自治体の首長たちを脅していたことが現職知事の証言によって明らかになった。「再稼働は認めない」から一転「夏場の再稼働は認める」とした滋賀県の嘉田由紀子・滋賀県知事がきょう、日本外国特派員協会で開かれた記者会見で暴露した。

 海外記者から「再稼働反対の声を過激にあげていたにも拘らず、180度スタンスを変えたのは何故か?」と問われた嘉田知事は次のように答えた―

 「(夏場の)電力不足で“停電になったらどうする?” “お前は責任取れるのか?”と関電、国、企業から脅された。大阪の橋下(徹)さんとも話し、“電気が停まったら仕様がないわね”ということになった」。

 嘉田知事が記者会見を終えてエレベータに乗るまで、筆者は単独でインタビューした。

田中:専門家は夏でも電力は足りる、と見ている。こちらの方が「電力不足」を吹聴する政府のインチキなアナウンスより説得力があるが?

知事:「300万キロワットは圧縮できると飯田(哲也)さんや古賀(茂明)さんと詰めてきたけど、関西電力が個別企業にこうした(知事は圧力をかける手真似をした)。そうしたら個別企業が“税金払わない”“(滋賀県から)出て行く”と言い始めた」。

田中:彼ら(電力会社)は電気を停めたいと思ったら、停めることができますからねえ?

知事:そうそう。

 電力不足で電気が停まるのではない。電力会社が自らの都合のいいように電気を停めるのである。それは「3・11」直後に起きた東電の計画停電でも指摘された。

 関西電力が関西広域連合に圧力をかけて「再稼働を飲ませた」ことは、一部メディアが仄聞として伝えていた。だが、ここに来て政治家が、圧力の実態を公にし始めた。

 昨日(12日)は国会の院内集会で、民主党の衆院議員が関電労組から「再稼働反対の署名を撤回しろ、さもなくば次の選挙は推薦しない」と恫喝されたことを暴露している。

 「ナントカに刃物」というが、「電力会社に停電」ではないか。脅しに怯まず電力会社の悪質な手口を白日の下に晒す公人がもっと出てきてほしいものだ。

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福島浪江町長が業過致傷罪で東電告訴を検討

「町民被ばく」東電告訴 福島浪江町長が業過致傷罪で検討 
2012年06月13日水曜日 河北新報

 福島第1原発事故で避難区域に指定された福島県浪江町の馬場有町長は12日、東京電力を業務上過失致傷罪で告訴する検討を始めたことを明らかにした。

 町によると、東電は1998年、原発でトラブルが起きた場合は町に連絡する協定を町、県と結んだ。だが、原発事故の時は連絡がなく、町民の避難を遅れさせて被ばくさせたとしている。

 馬場町長は「東電は(町に電話連絡しようとしたが)つながらなかったと言うが、それなら社員が歩いてでも報告に来るべきで協定違反は明らかだ」と話している。東電は「内容を承知していないのでコメントを差し控えたい」としている。

 町はSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の公表が遅れ、町民の被ばくを深刻化させたとして、国と県も同罪で告訴することを検討している。
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文部科学省は浪江の高い放射線量を把握していながら・・

SPEEDI 住民に公表前、測定活用 浪江の高線量地把握
2012年6月12日 東京新聞朝刊

 福島第一原発事故が発生した四日後の昨年三月十五日、文部科学省が緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による予測結果を基に、原発の北西約二十キロの福島県浪江町に職員を派遣し、実際に高い放射線量を測定していたことが十一日、分かった。

 SPEEDIによる放射性物質の拡散予測が事故後初めて公表されたのは昨年三月二十三日で、住民避難に役立てられなかった予測を、政府は公表前から活用していたことになる。

 政府の住民軽視の姿勢があらためて浮き彫りになった。

 文科省によると、同十五日夕に福島県入りした同省職員から測定地点の指示を求められ、文科省はSPEEDIの試算結果を基に場所を指定。同日午後九時前、毎時三三〇マイクロシーベルトと高い数値を実際に測定し、翌十六日未明に公表した。

 同省は原発から一ベクレルが放出したと仮定し、風向きなどの気象条件から、どの方角に放射性物質が拡散しているか把握する試算を同十一日夕に開始。同十五日は、原発から南向きに流れていた風が昼ごろから夕方にかけて時計回りに回転し、北西向きに変化していたことが判明しており、この予測を基に職員に測定地点を指示したという。

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南相馬市議会 全会一致で原発再稼動反対 意見書

南相馬市議会:原発「再稼働反対」意見書 全会一致で可決
毎日新聞 2012年 06月13日 21時53分

 東京電力福島第1原発事故で一部が警戒区域になった福島県南相馬市の市議会は13日、国内の全ての原発再稼働に反対する意見書を全会一致で可決した。

 意見書は、関電大飯原発の再稼働の動きについて、事故が起こった場合の放射能被害の予測も住民避難計画もない▽福島第1原発の事故原因が究明されていない−−などを理由に「無謀きわまりない」と指摘した。

 さらに「除染も賠償も進まず、多くの福島県民、市民は先行きに展望を持てない状況」とし「このような事態を繰り返さないために、原発は再稼働しないよう強く求める」と訴えている。【高橋秀郎】
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調査捕鯨肉4分の3が売れ残り 初の入札販売不発

2012年6月13日 11時13分 東京新聞

 大阪市のデパートで売られている鯨肉=2011年1月、大阪市北区

日本が北西太平洋の調査捕鯨で得た肉の販売方法として、昨年初めて実施した入札で、売り出した約1210トンのうち、4分の3が落札されずに売れ残ったことが13日、市民団体などの分析で明らかになった。

 鯨肉消費の拡大と調査捕鯨費用に充てる販売収入のアップを狙った試みだったが、逆に日本人の鯨肉離れや鯨肉人気の低迷を印象づける結果となった。

 調査捕鯨をしている日本鯨類研究所(鯨研)は「手続きが煩雑な上に、予想したような効果が得られなかった」として、今後は入札をやめ、従来通りの相対販売に戻す方針だ。

これぞ「火事場泥棒」 水産庁の調査捕鯨予算大増額
調査捕鯨、復興予算で増額 水産庁が23億円
2011年12月14日 09時44分 東京新聞

 東日本大震災からの復興に向け11月に成立した第3次補正予算に、南極海での調査捕鯨にかかる事業の経費約23億円が組み込まれていたことが14日、分かった。調査捕鯨の予算はこれまで、年間約5億~9億円。2011年度は当初の約7億円に今回の約23億円を加えて約30億円と従来の最大6倍になっている。

 予算要求した水産庁は、全国有数の捕鯨基地の宮城県石巻市が大きな被害を受けたことを理由に「調査を安定的に実施し、石巻周辺の復旧・復興につなげる」とするが、被災地への支援といえるのか疑問視する声が出ている。

☆ この23億は東北復興ではなく「日本鯨類研究所」などの「くじらムラ」にまわるのだろう。

いま、沿岸クジラ漁さえ残せば、日本のクジラ需要は十分満たされるが、それではこれまでの鯨産業に携わってきた関係役所部門の公務員とそのOBの職場がなくなる。

中央省庁の公務員のいつもの手だが「火事場泥棒」としか言いようがない。民主党はこんなことを認めるようになってしまった。

☆南極の調査捕鯨は、マルハなどの民間漁業会社4社がとっくに捕鯨事業をやめたあとも、水産庁の遠洋課捕鯨班というお役人の職場と、日本捕鯨協会、日本鯨類研究所という水産庁が所管官庁である公益法人がそのまま存続している。

法人の理事さんたちは当然ながら水産庁のOBさんたちだ。調査捕鯨では日本捕鯨協会に所属する「共同船舶」が船を運航し、捕鯨そのものを行っている。

 このところ、日本捕鯨協会が冷凍保存している鯨肉はなかなか売りさばけないため溜まる一方で、保管倉庫料もかさんでいる。
 協会には国から補助金が年間4億円出ており、3億円は捕鯨を続けるための広報費に充てられているとか。

いったん出来たお役所の組織は、当初の存在理由がなくなっても今度は組織を維持するのが目的になる・・その見本が水産庁遠洋課ご一家のようだが、確かに例えば明日、水産庁遠洋課が廃止されても困るくにたみは誰もいない、と言うのが現在の実情だ。

 阿智胡地亭はクジラの尾の身の刺身やクジラの竜田揚げが好きなので、日本列島の各地の沿岸で存続している小型クジラ漁は、このままずっと続くと聞いて安心しているが・・・
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外部被ばく最大25.1ミリシーベルト 

外部被ばく最大25.1ミリシーベルト 県民健康管理調査
(2012年6月13日 福島民友ニュース)

 東京電力福島第1原発事故を受け全県民を対象とした県民健康管理調査を実施している福島医大と県は12日、5月末までに分析が終わった原発作業員ら放射線業務従事者を除く住民2万4309人の事故後4カ月間の外部被ばく線量の推計値を発表、最大は25.1ミリシーベルトだった。

 内訳は川俣町山木屋地区、浪江町、飯舘村の先行調査地区住民が1万4412人、先行調査地区以外で初めて推計値が公表された県北、県中、会津、南会津、相双各地区の住民が9897人。

最大値が推計されたのは、先行調査地区のうち、浪江町か飯館村の住民だが、性別や住所などは明らかにされていない。計画的避難区域内に1カ月以上滞在していたとみられ、すでに区域外に避難しているという。

これまでの調査結果を受け同大は「100ミリシーベルト以下での明らかな健康影響は確認されていない。放射線による健康影響は考えにくい」としている。

☆福島医大の誰の誰兵衛が言ったのか、きちんと報道するべき、というか、こんな中途半端な記事が通るのは日本だけだ。
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ジャーナリスト弁護士・日隅一雄さんが亡くなった

弁護士・日隅一雄さん死去
2012年6月13日 東京新聞

昨年三月の東京電力福島第一原発事故直後から、政府や東電の責任を追及してきた元新聞記者で弁護士の日隅一雄(ひずみ・かずお)さんが十二日午後八時二十八分、入院先の東京都新宿区河田町八の一の東京女子医大病院で死去した。四十九歳。昨年五月、末期胆のうがんで余命半年と告知されていた。広島県出身。

 京大卒業後、産経新聞記者を経て一九九八年に弁護士登録。第二東京弁護士会に所属。NHK番組改変訴訟や沖縄返還密約情報開示訴訟などに携わる一方、弁護士やジャーナリストらで設立したインターネット市民メディア「NPJ(News for the People in Japan)」編集長を務めた。

 十二日に亡くなった日隅一雄さんは、弁護士として「表現の自由」や「知る権利」の実現に奔走する一方、ジャーナリストとして福島第一原発事故の問題を追及し、ブログなどで発信を続けた。東電や政府の記者会見に足を運んだ数は延べ百回以上に上る。

 会見への出席は「市民に必要な情報がきちんと出ていない」との危機感を募らせたことが発端。既存のメディアにも問題を突きつけていた。

 今年二月、東京新聞のインタビューでは「今は政策決定が官僚主導。『主権在官』になっている」とし、国民が情報を得にくい制度に問題があると指摘。「市民が情報共有して主権を行使できる社会にし、日本に実質的な民主主義を根付かせなくてはいけない」と強い口調で説いた。

 一方で「今の記者はおとなしすぎる」と憂い、「官僚は常にメディアをコントロールしようとする。勝たなきゃだめだ」とも訴えていた。

 今年一月に「検証 福島原発事故・記者会見」(共著)、四月には「『主権者』は誰か」を刊行。病をおして対談や講演に出向き、真の民主主義の実現に最期まで執念を燃やした。

 東京共同法律事務所の同僚で前日弁連事務総長の海渡雄一弁護士は訃報に接し「日隅さんとは一緒にたくさんの仕事をした。本当によく働く誠実な人でジャーナリスティックな視点で訴訟に取り組んでいた」と話した。

3.11以降、この人の存在を初めて知った。この人の衣鉢を継ぐ人がかなり出ているようだ。たった一人ではじめた言動でも、それは大きな川の水源になりうる。よう頑張りはったと尊敬します。合掌。

福島の人達の苦しみに比べれば、ガンの痛みなんて小さい」故・日隅一雄氏の悲壮な決意とは
2012.06.13

【日隅一雄氏の訃報を伝える「夕刊ニコニコニュース」は「人」の文字が多く流れた】

. 画面に、合掌を意味する「人」「人」「人」の文字が流れた。弁護士でジャーナリストの日隅一雄(ひずみ・かずお)氏の訃報を読み上げていたときのことだ。2012年6月13日のニュース番組「夕刊ニコニコニュース」の一場面だ。享年49歳と吉野智子キャスターが伝えると、「若いな」「若すぎるね」と驚く声が多く見られた。

 日隅氏は、京都大学卒業後、産経新聞社に入社。司法試験に合格してからは、弁護士として活躍した。昨年には末期ガンと診断されたが、福島第一原発事故の直後から、東京電力の記者会見に出席。会見場で、東京電力に対して力強く情報公開を求める姿が、ニコニコ生放送の視聴者にもお馴染みだった。オレンジ色のパーカーを着ていることが多かったため「オレンジ」や、本名を文字った「ひずみん」の愛称で親しまれていた。

 この日の夕刊ニコニコニュースでは、前日の午後8時に亡くなった日隅氏の訃報をトップニュースで伝えた。彼が、同じ事務所の弁護士に宛てて送信したという最後のメールには、「ぜひ、東電にも情報公開の義務を負わせて下さい」という言葉があった。末期がんという病魔に冒されながらも、最後まで東京電力の情報公開に執念を燃やす、日隅氏のジャーナリズム魂が垣間見える文章となっていた。

 夕刊ニコニコニュースでは、日隅氏が編集長を務めていたインターネット新聞「NPJ」(News for the People in Japan)で活動を共にしていた、弁護士の梓澤和幸(あずさわ・かずゆき)氏に電話インタビューをした。大切な相棒を失った梓澤氏は、無念そうな声で次のように話した。

「日隅さんは自分よりも友達を、自分の健康よりも福島の人の苦しみを、いつも考える人でした。

ガンのかなり重い宣告を受けて『あと何カ月(の命)』と(医者に)言われたときも、東京電力の記者会見に欠かさずに行ったんですね。

『何で、そんな病いを押していくのか?』と僕が聞いたら、彼は『私は本当に原発問題についての関心が弱かったために、福島第一原発の事故が起こり、10万人を超える人達が故郷を失った。福島の人達の苦しみに比べれば、自分のガンの痛みや病いの重みなんて小さいものだ』って言ったんですよ。

『だから、福島の人達のことを考えれば、東京電力の記者会見の中に自分が本当でないと思えることがあれば、どんどん突っ込んでいかないといけないんだ』とも、言ってました。

その言葉が今も忘れられないですね」

 この話を聞いた視聴者からは「大事な人を失ったんだな」「なんという人だ」「ひずみさん、ありがとう」と、急逝を悼むコメントが画面上を流れていった。

 吉野キャスターも黒っぽい服装に身を包み、「東電の会見場で、命を振り絞るように、でも淡々と冷静かつ鋭く質問してきた日隅さんの姿が、私も印象に残っています。日隅さんのご冥福を心よりお祈りします」と祈りを捧げていた。


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「年間1ミリシーベルトは長期課題」ですぐにはいけない。

「年間1ミリシーベルトは長期課題」 復興相考え示す
(2012年6月13日 福島民友ニュース)

 平野達男復興相は12日午前の閣議後会見で、双葉郡8町村と県との9日の協議会を受けた課題として「(除染による)年間1ミリシーベルトは長期的な課題と言い続けてきた。

地域の中には1ミリシーベルトは除染によって早急に達成できるような印象を持っているところもある。しっかりと説明しなければならない」との考えを示した。

 除染後の年間の追加被ばく線量をめぐって、政府は年間20ミリシーベルトを避難指示解除の基準とし、長期的に1ミリシーベルトに下げる方針を示している。

一方で、被災市町村の住民の間では帰還の要素として除染後の線量として年間1ミリシーベルト以下を望む声が多い。
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2012年06月13日(水)

野田首相の不誠実さ浮き彫り

社説:大飯再稼働会見 「安全神話」への逆戻り
毎日新聞 2012年06月12日 02時31分

 心にも理性にも響かない先週の野田佳彦首相の「大飯再稼働会見」だった。国民ではなく、福井県知事に向けたメッセージであることが透けて見える。これで国民の納得が得られるとは到底思えない。

 疑問はいくつもある。まず、「福島を襲ったような地震・津波が起きても事故を防止できる」「すべての電源が失われても炉心損傷に至らない」という首相の認識だ。

 そもそも、福島第1原発の過酷事故の最大の教訓は、いくら防護対策を取っていても「事故は起こる」ということだった。にもかかわらず、首相は再び、「事故は起きない」という前提に立ち返って再稼働を進めようとしている。「安全神話」への逆戻りと言う以外にない。

 「福島のような」という限定付き「安全保証」も問題だ。次の事故は違う形を取るに違いないからだ。

 国際的な原発の安全原則は「5層の防護」から成り立っている。3層目までは過酷事故の防止、4層目以降は過酷事故を前提に、放射性物質の放出から人や環境を守る防災対策までを求めている。

 免震棟など過酷事故対策の一部を先送りしている大飯原発で、4、5層目の対策をどう実行するのか。首相は国民にきちんと説明する義務があるはずだ。

 さらに、「原子力発電を止めたままでは、日本の社会は立ちゆかない」という発言も疑問だ。政府は「脱原発依存」を方針とし、どのようなエネルギーミックスをめざすのか、時間と労力をかけて検討している。

☆「原子力発電を止めたままでは、原子力ムラは立ちゆかない」と正直に言えばいい。
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県民1324人が東電幹部らを告訴

福島第1原発事故:県民1324人が東電幹部らを告訴
毎日新聞 2012年06月11日 23時26分

東京電力福島第1原発事故で被ばく被害を受けたとして、発生時の福島県民1324人が11日、東電の勝俣恒久会長や原子力安全委員会の学者ら33人について、業務上過失致傷容疑などで福島地検に告訴状を出した。原発事故の責任を問う大規模告訴は初めて。【清水勝】

 ◇業過致傷容疑などで

 市民団体などが東京地検に同様の告発をしたが立件されていない中、被害者である県民が自ら処罰を求めた形だ。避難中に亡くなった入院患者や自殺者を巡っては同致死傷容疑で告発状も出した。地検は内容を精査して捜査するかどうか判断する。

 33人は▽勝俣会長や清水正孝社長(発生時)ら東電幹部15人▽原子力安全委員会の班目春樹委員長、経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長(同)ら国の機関の責任者ら15人▽県放射線健康リスク管理アドバイザーの山下俊一・県立医大副学長ら専門家3人。
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福島原発告訴団の思い(1)

福島原発告訴団の思い(1) 武藤類子さん
週刊金曜日 5月11日(金)18時54分配信

東京電力放射能汚染事件の責任を追及する福島地検への集団告訴が6月にも予定されている。参加する人々の思いを7回にわたって紹介する。

 どうして東京電力の責任において除染は行なわれないのだろう。どうしてSPEEDIの情報を隠した人が何の責任も問われないのだろう。どうして原発の再稼働は、安全性を軽視してきた同じ役人が判断する立場にいるのだろう。どうして放射能「安全」キャンペーンにより人々に無用な被曝を負わせた人が、健康調査の責任者なのだろう――。

 震災から1年。どう考えても不思議で理不尽な話が福島県で起こり続けています。人々はそれに翻弄され、がっかりし、疲れ果て、「そんな話はもう聞きたくない」と、放射能への警戒心を手放していきます。癒やされず、解消もされない悲しみと怒りが、やるせないあきらめとなって県内に漂っているような気がします。「復興」という言葉が空しく県内をこだましています。

 私は、福島県田村市で飲食店を経営していました。手作りの野草茶や、家庭菜園で作った野菜、近くの山で採れる山菜や木の実を調理して、店のメニューにしていました。店では、山から切り出した木を薪ストーブで燃やし、暖房にしていました。東京電力が引き起こした原発事故で、そのすべてが安全ではなくなり、店は休業せざるを得ませんでした。

 このままでは前に進めない。この原発事故の原因はどこにあるのか、誰にあるのかをしっかりと調べ、明確にしてほしい。そして、その責任をきちんと追及してほしい。それを訴えていくことが、次世代に対する私たちの責任だ――そんな思いが、私たちに刑事告訴を決意させました。人の罪を訴えるということは、同時に自分たちの責任も問われるものでもあるような気がしています。告訴団長を引き受け、責任の重さを両肩にずっしりと感じつつも、事故でいったんバラバラにされた大勢の福島県民が新たにつながる機会にしたいと、前向きに考えていきます。

 それぞれの福島県民が原発事故で受けた被害をしたためた陳述書を書き、訴えていくこの刑事告訴が、事故の責任を明確にするだけでなく、県民一人ひとりの力を取り戻す大切な機会にもなると考えています。そして、市民の苦しみを直視せず、なお原発を推進し、利権をむさぼろうとしている巨大な力にくさびを打ち込み、新しい価値観の21世紀を築くことになると信じて、取り組んでいきます。

(まとめ・明石昇二郎(ルポライター)、4月20日号)
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国がSPEEDI情報を「出し渋り」 滋賀県民に対して

20120612 SPEEDI情報「出し渋り」 福島の教訓はどこに

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海外から原発のデータを取るスパイウイルスが侵入

原発検査機関 PC感染新たに14台
6月12日 8時2分 NHKニュース

先月、コンピュータウイルスの感染が明らかになった原子力発電所の検査などを行う独立行政法人のパソコンから、福島第一原発の温度や圧力のデータなどが海外のサイトに勝手に送信されていたことが分かりました。

機密情報は含まれていなかったということですが、感染していたパソコンが新たに14台確認され、独立行政法人が調べています。

独立行政法人の原子力安全基盤機構では、先月、業務用のパソコン5台がコンピュータウイルスに感染し、海外のサイトに自動的に情報を送信する状態になっていたことが明らかになりました。

このため基盤機構は、外部の専門機関と共に、詳しく感染の状況を調べた結果、感染したのは「マルウェア」と呼ばれる新種のウイルスで、去年3月から7月にかけて外部にファイルが流出した可能性が高いということです。

流出したとみられる情報には福島第一原発の格納容器の温度や圧力のデータのほか、53人分の氏名と所属、電話番号などの個人情報が含まれていましたが、核防護に関する機密情報はなく、大きな影響はないとしています。

ただ、新たに14台の業務用のパソコンがウイルスに感染していたことが分かり、基盤機構が情報の漏えいがないか確認を急いでいます。

☆「核防護に関する機密情報はなく、大きな影響はない」と言うしかないだろう。一般人は誰も検証できないが、国家の情報管理の面からこういう時こそ「公安機関」が厳しくチエックするべきだ。

アメリカもロシアも中国も福島第一原発の4号機の状況は他人ごとではない。いまや国家が自国の国益のために、他国の情報を抜くコンピュータウイルスを作る時代だ。このパソコンウイルスの侵入も国家機関がやっているだろう。
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宮城県で総合防災訓練が実施された。

震災後初めて 大規模総合防災訓練
6月12日 17時54分 NHKニュース

昭和53年に起きた宮城県沖地震を機に定められた県民防災の日の12日、仙台市などでは、東日本大震災のあと初めてとなる、県の総合防災訓練が行われました。

宮城県沖地震が起きた6月12日には、県内各地で防災訓練が行われています。

宮城県庁では、午前9時から、これまでで最も多い3150人の職員と、100余りの団体や企業が参加して訓練が行われました。

ことしの訓練は、東日本大震災を教訓に、最大震度の想定を震度7に引き上げ、大津波警報の発表も加えました。

県庁の危機対策課に緊急地震速報が伝えられると、県の幹部が、直ちに自衛隊に災害派遣を要請しました。

また県庁2階の災害対策本部では、震災の際、一部の自治体と通信が出来なくなった教訓を踏まえ、職員が衛星携帯電話を使って市町村の被害状況などの情報収集をしました。

津波で大きな被害を受けた気仙沼市や女川町など宮城県内の18の市と町に県の職員が出向き、被害状況を把握する訓練も行われました。

午後には災害対策本部の会議が開かれ、村井知事が、人命の救助を第一に、避難者の把握や物資の供給などに全力を尽くすよう指示しました。

宮城県は、今回の訓練を検証して、大規模災害の行動マニュアルなどの見直しに役立てることにしています。

訓練のあと、村井知事は「今回は特に、去年震災が発生した当初に情報が全く途絶したという反省点から、いかに速やかに情報を収集するのかということに力点を置いた。

後、県内に衛星携帯電話を充実して配備することを検討するとともに、停電した場合でも、県民が必要な情報を得られるよう、情報インフラの整備について通信会社と話し合いたい」と述べました。

南三陸町 仮設の商店街で避難訓練

南三陸町では、仮設で再開した商店街で避難訓練が行われました。
南三陸町歌津地区にある伊里前商店街は、東日本大震災の津波で33の店舗すべてが流され、去年12月に7つの店が集まって仮設で再開しました。

訓練は、大地震が起きて大津波警報が出されたという想定の下、店の従業員と復興のボランティア、それに建物の解体工事現場で作業に当たっている人など、100人が参加して行われました。

参加者たちは、大津波警報のアナウンスが流れると、すぐに裏手の高台に向かって避難を始めました。

東日本大震災の際、この地区では、海からの高さが15メートルほどの小学校にも津波が到達したということで、参加者たちは、消防の職員や商店街の従業員に誘導されながら、高さ30メートルほどの中学校まで一気に歩き、およそ6分で避難を終えていました。

訓練を企画した商店街の山内義申副組合長は「商店街で被害を絶対に出さないように、これからも日頃の訓練を続けていきたいと思います」と話していました。

住民協力で避難所運営の訓練も

仙台市では、震災で避難所に大勢の被災者が詰めかけ、混乱したことを教訓に、地域の住民が協力して避難所を運営する訓練が行われました。

震災では仙台市内の避難所に最大でおよそ10万人が詰めかけましたが、市の職員の到着が遅れたり、避難した人の数が把握できなかったりして混乱しました。

訓練はこうしたことを教訓に、地域の住民に積極的に避難所の運営に参加してもらおうと、仙台市が企画し、小学生や地域の住民およそ600人が参加しました。

訓練は震災と同じ規模の地震が起きたという想定で行われ、市が作成している避難所の新しい運営マニュアルを基に、町内会の人たちが住民を避難所に誘導し、人数や名前を確認したり、仮設のトイレを組み立てたりしていました。

訓練に参加した進藤きね子さんは、「障害がある人やお年寄りにどこまで配慮できるか心配です。訓練を繰り返すことが大切だと思います」と話していました。

仙台市消防局の平久大減災推進課長は「震災では、職員だけでは対応できませんでした。住民と事前に打ち合わせをしておくことが不可欠です」と話していました。

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福島県宅地建物取引業協会も東電に損害賠償請求を出す

県宅建業協会が東電に賠償請求 13日に38億円超
2012/06/12 10:54 福島民報

 県宅地建物取引業協会は13日、東京電力に対し、38億5,496万6,849円の損害賠償を請求する。

 協会によると、福島第一原発事故に伴う契約物件のキャンセルや不動産売買代金の減額、賃貸物件の価格値下がりなどに伴う賠償。昨年9月から11月までの損害分で、96事業者分を一括請求する。

 協会は昨年11月にも、190事業者分の損害として23億3,190万6,147円の損害賠償を請求している。
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伊豆大島の明日葉が出荷ストップ

伊豆大島 アシタバ生葉に放射性物質
6月11日 21時46分 NHKニュース

伊豆大島で生産されたアシタバの生の葉から、国の基準を超える放射性物質が検出され、東京都は、大島でアシタバを生産しているすべての農家に対して、当面の間、出荷を自粛するよう求めました。

アシタバは、八丈島や三宅島、伊豆大島など東京の島で盛んに作られていて、生の葉はおひたしや天ぷらとして食べられます。

先月下旬に、伊豆大島の乾燥したアシタバから、基準を超える放射性物質が検出されたことを受けて、東京都がアシタバの生の葉についても検査したところ、このうちの1つの農場で栽培しているものから、国の基準の1キログラム当たり100ベクレルを上回る、122ベクレルの放射性セシウムが検出されたということです。

これを受けて、東京都は、大島でアシタバを生産しているすべての農家に対して、当面の間、生の葉の出荷を自粛するよう求めました。アシタバの葉を巡っては、今月8日から、乾燥したアシタバの出荷が自粛されています。

東京都は基準を超える放射性物質が検出された原因を調べるとともに、今後、週に1回の頻度でアシタバの生の葉の検査を行い、4週間連続して基準値を超えるものが出なければ、出荷自粛の要請を解除することにしています。

☆日本語がますます難しくなっている。

「自粛するよう求めた」、は 「出荷中止を指示した」ということだろう。

この言い方をすると補償問題が出てくるからだろうか。

言葉で商売している新聞社など報道機関が役所の言う通り、「自粛するよう求めた」という言い方を使うとは、彼らには恥ずかしいという感覚がないということだ。

もし自粛しなくても、こういう報道があれば買う人はいなくなるのに。
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2012年06月12日(火)

斑目原子力安全委員長は本音を言うので原子力ムラから外された

大飯原発下の断層「再度評価を」 原子力安全委員長が見解
(2012年6月8日午前7時30分)福井新聞

 関西電力大飯原発(福井県おおい町)で敷地内を走る軟弱な断層(破砕帯)が動いて地表がずれる可能性があるとの専門家の分析について、原子力安全委員会の班目春樹委員長は7日の記者会見で「最新の知見が出たなら、原子力安全・保安院で評価をしっかりやり直すべきだ」との見解を示した。

 安全委は、大飯3、4号機の再稼働の条件となる安全評価(ストレステスト)の1次評価を妥当とした3月23日付の文書で、常に最新の知見に基づき継続的に安全性の向上に努めるよう求めていた。保安院の森山善範原子力災害対策監は7日「破砕帯の活動性はないと判断しているが、情報収集を続けたい」とした。

 大飯原発の破砕帯をめぐっては、東洋大の渡辺満久教授(変動地形学)らが、近くにある活断層と連動して動く可能性があるとの分析結果をまとめている
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東電経営陣/経産省官僚ら刑事告訴 福島原発告訴団

☆ 福島地検はあくまで窓口である。告訴を受け付けないのではないか。
法務省は現在、門前払いの理由を知恵を絞って考えているだろう。しかしもし、門前払いをしないとするなら、福島県民がこれから起こす
一揆の多発と、世論の急変を恐れてのことだろう。   


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2012年06月12日(火)

SPEEDIの実測値も知らせないままだった。

SPEEDIで実測も非公表
6月11日 18時31分 NHKニュース

 文部科学省が福島第一原子力発電所の事故対応を検証した報告書をまとめ、事故の直後に原発の北西部に職員を派遣し、高い放射線量を測定したのは、SPEEDIという放射性物質の拡散予測を基に調査地点を選んだ結果だったことが分かりました。

専門家は、SPEEDIの予測が実際の放射線量に結びつくことに早くから気付いていたにもかかわらず、データを直ちに公表しなかったのは大きな問題だと指摘しています。

福島第一原発の事故を受けて、文部科学省は、所管するSPEEDIなどの対応について検証していて、NHKはその報告書の案を入手しました。

この中で文部科学省は、全体的な対応について「内外におけるコミュニケーションで不十分な面があった」と対応の不備を認めています。
このうち、原発から最も多くの放射性物質が放出された去年3月15日の対応について、文部科学省は原発から北西およそ20キロの福島県浪江町に職員を派遣し、午後9時前に最大で1時間当たり330マイクロシーベルトの高い放射線量を測定したとしています。

そのうえで、この調査地点は15日夕方のSPEEDIの予測を基に選んだことを明らかにしています。

測定結果は官邸に報告するとともに報道機関に資料を配付し、インターネットで公開したものの、現地の対策本部には報告せず、自治体にも伝わらなかったとして「関係機関との連携に反省すべき点が見られた」と記しています。

しかし、当時、文部科学省は調査地点をSPEEDIの予測を基に選んだことや、測定した放射線量の評価について説明しておらず、こうした点は検証されていません。


また、SPEEDIのデータについては事故直後から報道機関に公表を求められていたにもかかわらず、試算データの一部を除いて4月25日まで公表されませんでした。

これについて、事故のあと、関係機関で繰り返し協議したものの「関係者は予測は現実をシミュレーションしたものとは言い難いと認識しており、当時の状況では適当であった」としています。

福島第一原発の事故を検証した民間の事故調査委員会の北澤宏一委員長は「予測が実際の放射線量に結びつくことが分かった段階で、SPEEDIは不確かとは言えず、直ちに公表して住民の被ばくを深刻なものにさせないよう必死に努力するのが責任だ。

この検証ではSPEEDIを生かすにはどうすればよかったのか、住民の立場からの検証が決定的に欠けている」と指摘しています。

.SPEEDIを巡る問題

SPEEDI=緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムは、原発から放射性物質が漏れた場合に、各地で観測される放射線の値や被ばく量を気象や地形などの情報と合わせてコンピューターを使って予測するシステムです。

昭和54年に起きたアメリカのスリーマイル島の原発事故を受けて研究開発され、昭和61年から運用が始まりました。

運用は文部科学省が所管する原子力安全技術センターが担当し、研究や運用にこれまで120億円余りの費用が投じられています。

福島第一原発の事故では、SPEEDIの計算の前提になる原発からの放射性物質の放出源の情報が、地震に伴う停電によって得られなかったため、原子力安全技術センターは、震災当日から放出量を仮定して入力した得られた予測データを文部科学省に報告してきました。

一方、報道機関などは、事故の直後からSPEEDIの予測データを公表するよう求めてきましたが、文部科学省は「放出源の情報が得られていないため実態を正確に反映していない予測データの公表は無用の混乱を招きかねない」として、3月23日に公表された一部の試算データを除いて、事故から1か月以上たった4月25日まで公表を見送りました。

この結果、SPEEDIの情報は、住民の避難や範囲などの決定に役立てられることはなく、原発事故の際の国の情報公開の在り方を巡って大きな問題となりました。

SPEEDIの活用に関して、原発事故について検証する政府の事故調査・検証委員会は「仮に予測データが提供されていれば、自治体や住民は、より適切な避難経路や避難の方向を選ぶことができたと思われる」と指摘しているほか、民間の事故調査委員会も「住民の被ばくの可能性を低減するため、最大限活用する姿勢が必要だった」と述べています。

浪江町長“非常に悔しいし残念”

原発事故への対応を巡る文部科学省の報告書の案について、事故のあと、放射線量が高い地域に多くの住民が避難した福島県浪江町の馬場有町長は「SPEEDIはあくまで予測だと説明してきた文部科学省が、当時、SPEEDIに基づいて実際に町で放射線量の測定をしていたとは驚きだ。

当時、われわれは避難を自主的に判断せざるをえず、原発から遠くに離れようとした結果、不要な被ばくを招いてしまった。住民の安全を守るべき国が出すべき情報を出さずに、その責任を果たさなかったのは非常に悔しいし残念だ」と話しています。

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原発民間事故調委員長に聞く TV番組の動画
前篇
20120314 原発民間事故調委員長に聞く(前) 投稿者 PMG5後篇

20120314 原発民間事故調委員長に聞く(後) 投稿者 PMG5  

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経団連は日本の企業は海外脱出すると言うがその実態は?
JBpress>海外>The Economist [The Economist]
日本の産業空洞化:どれほど深刻か?
2012年06月12日(Tue) The Economist
(英エコノミスト誌 2012年6月9日号)

日本の産業空洞化は、懸念されているほど全面的でもなければダメージも大きくないかもしれない。

 今や30年も続く日本経済の「空洞化」が加速しているとの認識が広まっている時だけに、日本の実業家は、自分たちに勝ち目はないと感じているに違いない。

 日本のメーカーはずいぶん前から、変化の激しい世界に取り残されていると批判されてきた。リスクを嫌う経営、動きの鈍い意思決定、収益性より市場シェアを重視する姿勢のために、動きの素早い韓国や中国のライバルに追い抜かれた。

 コンサルティング会社デロイトの久保島悠氏の言葉を借りれば、日本企業は事業を展開する市場でのグローバル化を受け入れたが、経営をグローバル化しなかったために10~20年の時を失った、という。

 しかし、2011年3月11日以後、日本の企業はほぼ正反対の理由から非難を浴びている。巨大地震と津波、その後の原発事故への対応が早すぎるというのだ。

震災後に高まった海外移転圧力 

そのため、朝日新聞前主筆の船橋洋一氏は、ベテラン経営者たちは震災後、事業計画を論じる際に「中国」という言葉を出さないように注意していた、と書いている。自国での災害を逃れて中国に生産を移すのは不適切で愛国的でないと見なされていたからだ。

 日本企業を研究するカリフォルニア大学サンディエゴ校のウルリケ・シェーデ教授によれば、日本のメーカーは既に生産の5分の1を国外で行っている。電機分野ではその割合は30%を超え、自動車では半分を超えている。

 悲観論者は、この流れにより日本は脱工業化の荒廃の中に取り残されると懸念している。大手自動車メーカー、トヨタ自動車の豊田章男社長は5月に、日本の「産業と雇用は崩壊寸前だ」と嘆いた。

 日本の産業の衰退ペースは、ほかの一部先進国よりもずっと緩やかだった。経済協力開発機構(OECD)のデータによれば、2000~08年に、米国の製造業の雇用は2割、英国では4分の1減少したのに対し、日本の減少は約1割だった。それでも悲観論者は、かつては輸出大国だった日本が、今では毎月貿易赤字を出していると指摘する。

 2011年の大震災は日本のメーカーを海外に移転させる圧力を高めた。ここ数年、経済の弱さに反して円高が続いている。大震災直後には、先進各国の中央銀行が協調介入しなければならなくなった。円を支えるためではなく、これ以上円が高くなるのを抑えるためだ。

 エコノミストの間には、円も永遠には重力に逆らえないとの見方もある。しかし、大半の企業は、いつ終わるか分からない綱渡りを考えながら計画を立てなければならない。

日本自動車部品工業会(JAPIA)の髙橋武秀氏は、円安の希望は捨てたと語る。大手電機メーカーのソニーは、生産のグローバル化に長年取り組んできた。ドル建てのコストの割合を増やしてきた結果、円とドルの為替変動から受ける影響は「ほぼゼロになった」という。しかし、コストをユーロ圏に移すのはもっと難しく、対ユーロで円が1円上昇するごとに、営業利益は600億円失われる。

 新たな懸念材料は電力だ。福島の原発事故の前まで、原子力発電は日本の総電力需要の30%近くを賄っており、政府は2030年までにこれを50%にまで引き上げる計画だった。2012年5月には、数十年ぶりに全原発が停止し、以後その状態が続いている。比較的安い電力が安定して供給されることは、もはや当たり前ではなくなった。

 円高と電力供給以外にも懸念材料は数多く存在する。今後も地震のリスクは消えない。特に、東京の「大震災」はずっと以前から懸念されている。人口減は国内市場の縮小を意味する。法人税は高く、労働市場は硬直化している。また、他国が競うように2国間や地域の自由貿易協定を結んでいる時に、日本はほとんど傍観者となっている。

国外脱出を減速させる要素 

しかし、国外脱出を減速させる要素も多くある。第1に、影響を受けやすい産業では既に生産の大部分が国外に移っている。

 加えて、どこに移すかという難問もある。中国は急成長する巨大な経済が吸引力となり候補地の筆頭に挙げられるが、人件費の高騰、法制度、知的財産権についての懸念、最近の景気減速などが懸念される。さらには、権力闘争の兆候もあり、政治的安定性も不安材料だ。

 日本が好んで海外投資してきたほかの国々も問題を抱える。移転先として人気のあるタイも、安定という点では模範的とは言い難い。日本で津波の被害を受けた同じ年、多くの日本企業がタイでも洪水でサプライチェーンを寸断されるという事態に見舞われた。「50年に1度」の災害と言われるが、すぐにまた洪水が起こるのではないかと心配する声も多い。

 そのため、一部の企業にとっては、生産を日本に残しておくことも依然として魅力的な選択肢だ。トヨタの豊田社長は5月に、日本に大規模な生産施設を残すと約束した。トヨタの広報担当者の土井正巳氏は、2012年は960万台を生産する計画だが、そのうち340万台は日本で製造し、その半分近くを輸出するという。

 土井氏は、この決定はトヨタが日本に持つ熟練労働力の価値に基づく営利判断であると強調した。

 だが、豊田社長は、日本の自動車業界は「日本を元気にし、日本を笑顔にする」ために努力しなければならないと話している。この発言は、企業の使命というよりも国としての使命のように聞こえる。穿った見方をすれば、利益よりもブランドイメージを考慮しての発言かもしれない。だが、ほかの自動車メーカーは、トヨタほど国内生産にこだわっていない。

大成功はしていないが、悲観の必要もない
 日本は、回転式乾燥機からDVDプレーヤーに致るまで、既に様々な分野で競争力を失っている。しかし楽観論者は、日本は他国で組み立てる消費財の材料となるハイテク素材や化学製品や部品というニッチな市場を開拓していると言う。言い方を変えれば、以前から助言されてきた通り、バリューチェーンの上流に移動しているということだ。

 貿易黒字を長年続けてきた後で、輸出が減速して輸入(特にエネルギー)が急増して貿易赤字に転落したのは、困惑すべき事態だ。しかし、円が依然として強い理由の1つは、経常収支が健全な黒字を保っていることだ。

 経常黒字の大部分は海外投資から得られる収益の流入によるものだ。空洞化とは、雇用を海外に移して利益を国内に戻すことであり、それなりの対価があるということだ。

© 2012 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved.英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。

英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます   
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沖縄県議選 与党過半数割れ

<沖縄県議選>普天間移設厳しく…政府の思惑外れ
毎日新聞 6月11日(月)20時53分配信

 10日投開票された沖縄県議選(定数48)は仲井真弘多知事を支える県政与党が過半数に届かず、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設容認を知事から引き出す環境整備を期待した政府の思惑は外れた形になった。

【沖縄県議選の結果は】野党・中立系が27議席獲得 過半数を維持

 藤村修官房長官は11日の記者会見で「防衛省が今後とも地元に丁寧に説明していくことに尽きる」とあくまで移設を推進する姿勢を強調したが、森本敏防衛相は「普天間問題を前に進める時になかなか厳しい客観情勢が生まれつつある」と語った。

 党派別の獲得議席数は県政与党が自民13、公明3、無所属5の計21。県政野党・中立系は社民6、共産5、沖縄社会大衆3、民主1、国民新1、無所属など11の計27。民主党は3人擁立したが、現職の県連幹事長が落選し、2議席から1議席に減らす惨敗だった。

 政府は「普天間問題は争点ではなかった」(首相周辺)、「県議選の結果は関係ない」(防衛省幹部)として環境影響評価(アセスメント)の評価書修正など辺野古移設に向けた手続きを進める構えだが、知事から辺野古の公有水面埋め立て許可を得られる見通しは立っていない。

 知事は県議選前から普天間飛行場の県外移設を求めており、10日夜も記者団に「全然変わらない」と明言。県政与党が過半数を得れば知事が態度を軟化させる可能性があるというのは政府側の希望的観測に過ぎなかったが、厳しい選挙結果となって政府内には「県議会でブレーキを踏まれる」(高官)と一層の悲観論が広がった。【朝日弘行】
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原子力ムラの実働部隊の秘密会議のメール公表

<原子力委>「新大綱の準備」明記…秘密会議のメール公開
毎日新聞 6月11日(月)20時11分配信

 内閣府原子力委員会が原発推進側だけを集め「勉強会」と称する秘密会議を開いていた問題で、原子力委は11日、昨年11月~今年4月、関係者に発信した電子メール21本をホームページで公開した。

このうち昨年11月14日分には、原子力政策全般を論議する「新大綱策定会議」の準備のために秘密会議を設置したことが明記されている。原子力委はこれまで核燃サイクルの見直しを論議する「小委員会のため」だけに実施してきたと説明してきたが、虚偽であることが改めて裏付けられた。

 昨年11月14日のメールは、事務局を務める内閣府原子力政策担当室が電力10社で作る「電気事業連合会」や高速増殖原型炉「もんじゅ」を運営する「日本原子力研究開発機構」関係者らに発信した。

「策定会議や小委の準備のため勉強会を設置します」と記され、1回目(昨年11月17日)の議題は「六ケ所再処理工場を止めた場合のデメリット」「フェードアウトシナリオ(将来原子力依存度をゼロにする政策)となった場合のデメリット」。現行政策を見直した場合の負の側面だけを議論する偏った内容だったことが分かる。

 1回目を含め4回秘密会議に出席し、策定会議議長を務める近藤駿介原子力委員長(69)は毎日新聞の取材を拒否した。拒否理由は明らかにせず、内閣府職員を通じて「メールの存在さえ知らない」と回答した。

 小委員会は識者ら7人で構成され、核燃サイクル政策の見直しについて先月、取りまとめを終え解散した。この7人に近藤委員長ら20人を加えた計27人が策定会議のメンバーで、原子力政策大綱策定に向け幅広い議論をしていたが、秘密会議の発覚で次回開催のめどさえ立っていない。原子力委は発覚後「順次資料を公開する」とし、4日には出席者名などを明らかにしていた。【核燃サイクル取材班】

☆原子力ムラも世代交代などで、必ずしも一枚板ではなくなってきているらしい。まさか内部から実態が漏れるとはムラの長老たちにも想定外だ。秘密を守りきるには膨大なエネルギーがいるものだ。彼らもタガが緩んでいる面がある。
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刑事訴訟に備える経産省・文部省・東電は「過剰介入」にするのが必須の共通戦略

菅前首相が「過剰介入」に反論 事故調見解で

2012/06/11 01:19 【共同通信】

 菅直人前首相は自身のブログで10日、国会が設置した東京電力福島第1原発事故調査委員会から、事故対応をめぐって「官邸による過剰介入で現場に混乱を招いた」と指摘されたことについて「異例ではあるが、東電も保安院も想定していなかった過酷事故が起き、そうせざるを得なかったのが現実」と反論した。

 菅氏はブログで、事故発生当初に経済産業省原子力安全・保安院が組織として機能していなかったことを挙げ「もし官邸が動かなかったならば、結果はどうなったか」と主張。「国会事故調に理解されていないとしたら残念だ」としている。

原子炉への技術的判断は規制委 民自公、首相の指示権認めず 
2012/06/11 21:16 【共同通信】

原子力の安全規制を新たに担う「原子力規制委員会」の設置関連法案をめぐり、事故を起こした原子炉への緊急時の対応について、民主、自民、公明の3党が、首相の指示権による介入を認めない方向で合意したことが11日、分かった。3党の関係者が明らかにした。原子炉に関する対応は規制委が専門的、技術的に判断する。

 3党協議の最大の焦点が解決したことで、議員立法として今国会の法案成立の見通しがついた。

☆誰もそんな判断などしたくなかったのに、その任にある役人と東電幹部が職務放棄をしたからやむを得ず行動するしかなかった。

それが表に出ないようにこのような決着にしたのは原子力村の底力だ。
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小沢一郎、最後に「国民へのご奉公」は可能だろうか

小沢元代表 増税採決なら離党、新党 鈴木代表に可能性伝える
<北海道新聞6月10日朝刊掲載>06/10 12:01

 民主党の小沢一郎元代表が新党大地・真民主の鈴木宗男代表に対し、野田佳彦首相が消費税増税関連法案の衆院採決を強行した場合、法案に反対した上で離党し、新党結成に踏み切る可能性を伝えていたことが9日、分かった。

小沢氏は採決後の対応について、「当然、何らかの決断はしなければならない。その時は新組織だ」と鈴木氏に述べた。

☆やるだけやって悔いのない我が身の始末をつけようとしている。

ここまで官政財学報の複合体にやられてきた小沢さんには、もう失うものはないという強みがある。どうせ死ぬなら、相手の喉笛を噛み切って舞台から消える覚悟もいいのでは。
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業者と規制官庁が絶対つるんではいけない業界、原子力発電なのに 

「安全」を作文 原発情報を開示せよ
2012年6月6日 東京新聞社説

 全交流電源喪失。その対応がとれずメルトダウンに。だが、このような事態への対策を原子力安全委員会が自ら潰(つぶ)し、隠蔽(いんぺい)を続けていたとは。原発再稼働というのなら、情報の開示を実行すべきだ。

 原発の安全指針に、長時間の全交流電源喪失(SBO)対策を盛り込むか、どうか。東京電力は「ノー」という。それに対して、安全の総本山ともいうべき原子力安全委員会が「その理由を作文してください」と求める。

 国の安全指針といえば、安全対策の根源であるはずだ。東京電力はそれを厳守する立場である。その東電に、安全委が「作文しろ」と投げるのだから、無責任もはなはだしい。しかも、事実を書けとはいっていない。作文とは「文を作れ」ということだ。安全を軽視するにもほどがある。

 SBOは福島第一原発事故の最も重大な原因だ。もし、この時指針に取り入れられて、東電がそれをきちんと守っていれば、このような大惨事には、恐らく至らなかっただろう。福島の住民は怒りを通り越す思いに違いない。

 その上、安全委は、関連する全資料を公開したと説明しながら、このようないきさつが書かれた、都合の悪い資料は隠していた。東電の“墨塗り”資料公開以上に悪質だ。原子力ムラの隠蔽体質も、ここに極まった感がある。

 原子力とは、もともと危険なものである。だから、それを使っていくには、万全の制御と規制が欠かせない。

 安全対策には膨大な費用がかかる。営利企業である電力会社が、その負担を回避しようと考えるのは、経済原理でもある。だから、信頼できる規制機関が、立地地域や電力消費者の立場に立って、厳しく目を光らせるべきなのだ。

 電力会社だけでなく、この国の原子力安全行政への信頼は落ちるところまで落ちてしまった感がある。いや、さらに何か隠していないかと、国民全体の疑心暗鬼は深まるばかりである。

 核に関する機密情報もある。しかし、今は、それを理由に不都合なことを隠しているのではないか、と心配になる。

 安全委は、本当に手持ちの原発情報をすべて開示して、国民の信を取り戻すしかない。

 さもないと、首相がいくら高らかに、原発の必要性や安全性を宣言しても、国民の多くは、それを受け入れないだろう。原発の再稼働は支持されない。
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2012年06月11日(月)

今夏の気象庁の西日本3か月予報は、気温が例年より高いのは40%という予想
全国 3か月予報

(6月から8月までの天候見通し)

平成24年5月24日
気象庁地球環境・海洋部 発表

<予想される向こう3か月の天候>

 向こう3か月の出現の可能性が最も大きい天候と、特徴のある気温、降水量等の確率は以下のとおりです。

 この期間の平均気温は、西日本と沖縄・奄美で平年並または高い確率ともに40%です。

6月 北日本日本海側では、天気は数日の周期で変わるでしょう。北日本太平洋側、東・西日本、沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い見込みです。

7月 北日本と東日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。東日本太平洋側と西日本では、前半は平年と同様に曇りや雨の日が多く、後半は平年と同様に晴れの日が多い見込みです。沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。

8月 北日本では、天気は数日の周期で変わるでしょう。東・西日本と沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多い見込みです。気温は、西日本と沖縄・奄美で平年並または高い確率ともに40%です。

☆国の機関である気象庁は、今年の夏の気温をこのように予想している。なるほど6月になっても朝晩は涼しすぎるほどだ。

何が何でも大飯原発を再稼動し、順次全国の原発を再稼動するというある集団の意志は、現実を見ない上で強行されようとしている。

野田政権は実はその集団の一員であることを、不覚にも最近まで気が付かなかった。我ながら悔しい。
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福島県内企業の休廃業・倒産が急増

県内企業、休廃業・解散493件 震災・原発影響
(2012年6月10日 福島民友ニュース)

 帝国データバンク郡山支店は9日までに、昨年度の県内企業の休廃業・解散動向調査の結果を発表した。倒産件数にカウントされない「企業活動の停止や消滅」を意味する休廃業・解散件数は、前年度比28.4%増、109件増の493件に達し、昨年度の倒産件数84件の5.9倍に達したことが分かった。

同支店は、東日本大震災、東京電力福島第1原発事故などの影響で、先行きの見通しが立たなくなった企業が急増し、倒産ではなく、休廃業・解散という形で表れたとみている。

 同支店のまとめでは、休廃業が365件、解散が128件。業種別では、建設業が171件で最も多かったが、前年度比では2.8%減。他業種は、全て前年度比で2桁台の増加率となった。
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経済至上主義で日本人は幸せになれる・・って?

[大飯原発再稼働]時計の針を元に戻すな
2012年6月10日 09時57分 沖縄タイムス社説

 この国は何も変わっていない。関西電力大飯原発(福井県おおい町)再稼働に向けた野田佳彦首相の8日の記者会見は、そう認識せざるを得ない象徴的局面となった。

 野田首相は「国民生活を守る」ことが、再稼働の「唯一絶対の判断の基軸」と言明した。真の意味で国民生活を守るのであれば、福島第1原発事故の検証や新たな安全基準体制の確立、脱原発への道筋の提示を先に行うのが筋だろう。

ところが、肝心の規制や体制刷新に向けた取り組みに関しては「国会での議論が進展することを強く期待している」と言及するのがやっと。「期待」しか表明できない状況で「国民生活を守る」と胸を張る心理は理解不能だ。

 論理矛盾はまだある。現時点で「政府の安全判断の基準は暫定的」と認めつつ、「夏場限定の再稼働では国民の生活を守れない」と恒常的な稼働に踏み込んだ。支離滅裂としか言いようがない。

首相会見は福井県の西川一誠知事の求めに応じるかたちで行われた。が、政府が再稼働を急ぐ本旨は立地自治体への配慮ではない。原発の必要性をアピールしたい電力会社をはじめ、節電や停電による経済への影響を懸念する財界の要請に応えるのが主眼だ。

 周辺自治体や国民を対象にした世論調査では依然、再稼働に慎重な意見が根強い。首相自らが「国論を二分している」と認める状況下で、一方の主張に政府が全面的に肩入れするのは民主主義の根幹にかかわる問題である。日本の民度が問われる由々しき事態ともいえる。

 何よりも財界の「経済至上主義」の論理を優先する。これこそ原発再稼働の本質であり、戦後の日本人に骨の髄までしみこんだ価値観である。

 この概念は沖縄にも大きな影響を及ぼしている。安全保障分野における日米基軸が日本経済繁栄の土台である、との思考が刷り込まれているのは官僚やマスメディア幹部だけではない。政財界はじめ国民に広く共有されている。

 米主導のTPP(環太平洋連携協定)論議でも表面化したように、日本では「日米基軸」と「経済発展」が不可分のものと認知されている。そうした社会が続く限り、日米基軸路線も沖縄の米軍基地も日本側が主体的に転換を図ることは全く期待できない。

 だが今、原発問題が分水嶺(れい)となり、日本経団連に代表される財界の論理が、一般国民の利益や幸福追求と合致していない、と感じる人も着実に増えている。

 経済発展は物質的な豊かさをもたらすが、精神的な豊かさや幸福には必ずしも直結しない。脱原発や節電はこれまでのライフスタイルだけでなく、人々の価値観や人生観に転換をもたらす機会にもなり得る。原発に固執し続けることは、再生可能エネルギー分野など新たなビジネスの芽をつむことにもなる。

 会見で首相は「原発は重要な電源」と言い添えている。これでは脱原発に本気で取り組む気はない、と吐露しているようなものだ。民意に背を向け、時計の針を元に戻すのは政治の自己否定である。

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NHKの特集番組 「川で何がおきているのか」

NHK ETV特集
  ネットワークでつくる放射能汚染地図6 川で何がおきているのか

20120610 ネットワークでつくる放射能汚染地図6 投稿者 PMG5  

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川口商工会議所会頭、「東電はいったん倒産させるべき」

対東電 怒り収まらず 夜間 高い値上げ率「だまし討ち」
2012年6月10日 東京新聞朝刊

 東京電力が申請した家庭向けの電気料金の値上げに消費者の怒りと不信が収まらない。経済産業省が九日、さいたま市で開いた公聴会では、夜間の料金単価の値上げ率が大きいことや、東電の経費削減の努力不足に批判が相次いだ。

 公聴会では、東電が電気が最も使われる夏の昼すぎの電気料金を高くし、夜間を安くする新たな時間帯別料金を取り入れたり、主にオール電化住宅向けに夜間を安くした料金プランを作って夜間の利用を促しながら、申請した値上げでは夜間の引き上げ率が高いことに異論が続出した。例えば、時間帯別料金プランは夜間の値上げ率は約24・8%(値上げ後の料金は一キロワット時当たり一二・一三円)で、ピーク時の値上げ率は約18・0%(同五三・二九円)、昼間は約9・5%(二九・六六円)となる。

 会社員の福田哲三さん(55)は「夜間電力を積極利用して日中の使用は控えるように推奨しながら、夜間の値上げ幅が大きいのは許せない」と批判。佐々木啓明さんも「電気を夜に使おうと協力してきた利用者を裏切る行為で、だまし討ちだ。その場しのぎの利益確保としか見えない」と怒りをにじませた。

 これに対し、東電の西沢俊夫社長は「夜間は安いので、比率が高くなってしまう。夜間を安く、昼を高くという基本構造は変わらない」と答えた。

 川口商工会議所の児玉洋介会頭(68)は値上げの前提となる合理化策が不十分と指摘し、「いったん東電を倒産させて国と新東電が被害者への賠償や廃炉の費用を考えるのが筋ではないか」と述べた。

 東電は五月、家庭向け料金を平均10・28%値上げしたいと申請。枝野幸男経産相は公聴会の意見や第三者委員会で値上げが妥当かを審査した結果を踏まえて最終判断する。
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