2012年03月15日(木)
大飯原発 再稼働で政治判断へ 3月15日 4時0分 NHKニュース 野田政権は、福井県にある関西電力大飯原子力発電所の3号機と4号機について、国の原子力安全委員会が、近く「ストレステスト」の1次評価の検証結果を出すことを踏まえて、早ければ今月中にも再稼働に向けて政治判断する方針です。 定期検査で停止中の大飯原発の3号機と4号機の「ストレステスト」について、原子力安全委員会は、近く全国の原発で初めて1次評価の検証結果を示す方針です。 これに関連して、野田総理大臣は、原子力安全委員会の班目委員長が、1次評価だけでは不十分だという認識を示していることについて、14日、「班目委員長は1次評価をやっても2次評価をやっても安全とは言えず、『安全について不断の見直しをしなければいけない』と言っている」と述べ、1次評価の検証結果を踏まえて政治判断を行うことに問題はないという考えを示しました。 これを受けて、野田政権は、1次評価の検証結果で安全が確認されれば、早ければ今月中にも野田総理大臣が、藤村官房長官、枝野経済産業大臣、それに細野原発事故担当大臣と協議し、大飯原発の再稼働に向けて政治判断する方針です。 ただ、再稼働の鍵を握る地元の同意が得られる十分な見通しは立っていないうえ、NHKの世論調査でも運転再開に「反対」と答えた人が「賛成」と答えた人の2倍以上となっています。 このため野田総理大臣は、先の記者会見で、「政府を挙げて説明し、理解を得なければならず、私が先頭に立たなければいけない」と述べ、地元への協力要請ではみずからが先頭に立つ考えを強調しています。 ☆委員長を辞めると決めてから、斑目さんの発言は微妙に変わりつつある。それは原子力ムラにとって都合が悪い方向だ。そのためか早速「原子力安全委員会」を横に置いて、“政治判断”で大飯原発の再稼動を決めるという。 “政治判断”とはなんだろう。 全国民の生命と財産を守る決断が“政治”判断だと思う。 そういう意味で原子力ムラの方々の既得権益だけを守るような決断は、“政治”判断ではない。 いつ、どこで、次ぎにおきるかわからないこの地震列島で、また一つ農民と漁民から仕事を取り上げる、残酷な仕打ちの可能性を再開するのだろうか? 野田さん、貴方は自ら先頭に立って原子力ムラの旗振りをするのですか? そして藤村さん、枝野さん、細野さんはそれに同調するのですか? たった一人でもいいから、生活者の判断を持ってほしい。 首相、建設中原発の稼働も 「進捗で判断」 2012年3月14日 21時11分 東京新聞 野田佳彦首相は14日の参院予算委員会で、建設中の原発の扱いに関し「(建設が)九十数パーセント進んでいる場合もあり、個々の進捗を踏まえ判断するケースはあり得る。(建設中止か稼働かの)二者択一ではない」と述べ、ある程度建設が進んでいる原発については稼働、営業開始を認める可能性があるとの認識を示した。 ほぼ完成した状態にある中国電力島根原発3号機(島根県)が念頭にあるとみられる。 首相は、原発の新規建設は「基本的に困難との認識だ」と重ねて表明。ただ、建設中原発をめぐっては「いろんなことがあり得る」と強調した。「個別の判断で無くなるかもしれない」とも述べた。 (共同) ☆使用済み核燃料の始末のつけ方を日本の専門家は誰も知らない。 次の世代へ、核の排出物をテンコ盛で今日も増やしている原子力発電。 確かに完成した設備が稼働しなければ、電力会社は投資の回収は出来ないし、地元自治体への原発3法による国家からの給付金もおりない。 直接の利害関係者にとっては死活問題だ。 しかし原発事故の利害関係者には直接も間接もない。 放射能事故の可能性が他国よりはるかに高い地震大国で、いまさら 原発を動かすと言うのは「我が国の中には、おたくらとは別の日本があって、その我々の国さえ廻ればいい」という考えがあるとしか思えない。どうも野田さんは、「そちらの日本」の首相らしい。 |
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室内除染の想定なし 環境省ガイドライン 毎日新聞 3月14日(水)11時16分配信 今春から国が本格的に着手する東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の除染は、放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、福島県内の自治体が詳細な計画の立案を急いでいる。これまでの公共施設に加え、今回から約6万世帯が所有する住宅や店舗も対象となるが、同法には想定されていない問題も山積している。【日下部聡】 同法に基づいて環境省が定めたガイドラインは室内の除染を想定していない。「特措法は『環境の汚染』を前提としている」(環境省)ためだ。 だが、県内の公共施設の除染に携わる男性作業員は「室内の汚染は相当ある」と明かす。ロッカーの上やカーペットなど、ほこりがたまりやすい所を調べると、数万cpm(1分間当たりの放射線検出回数)が計測されることがあるという。国が定める人や物品の除染基準1万3000cpm(毎時0.1マイクロシーベルトに相当)を大きく上回る値だ。 男性は「換気扇や窓の隙間(すきま)など、外気に通じる部分があれば必ず放射性物質は入っている。放置すれば内部被ばくの恐れがある。室内の除染も義務づけるべきだ」と話す。 屋外の除染にも未解決の問題がある。 1月、郡山市で開かれた原子力損害賠償紛争審査会で、遠藤雄幸・川内村長は「家屋周辺の樹木を取り除かないと効果は上がらないが、補償はどうするのか」と訴えた。財物に対する賠償の方針が定まっていないため、住宅に接する山林の伐採ができないと訴える住民は多い。 山間部では沢の水を生活用水にしている住民も少なくない。同村の警戒区域内に自宅がある住民は「家の周りだけ除染されても水への不安が残る。山全体を除染できるのか」と疑問を投げかける。 浪江町赤宇木塩浸(あこうぎしおびて)で雑貨店と農業を営んでいた石井啓輔さん(69)は自宅の除染をあきらめた。一時帰宅時の測定では室内で毎時3マイクロシーベルト、雨どいは同30マイクロシーベルトもあった。同地区はほとんどが「帰還困難区域」に指定される可能性が高い。線量が低く、除染対象となりそうな集落もあるが、30戸ほどに過ぎない。 「そこだけ除染しても、周りに人がいないから生活できない。『除染はもういい』という人は多い」。帰還困難区域での土地買い取りも検討されているが、石井さんは借り上げを希望する。「売ってしまったら終わりだ。何十年先になるか分からないけど、子や孫のために残してやりたい」 ☆除染作業の発注と継続は、「八ッ場ダム」工事を復活させた国土交通省の官僚とゼネコンの強力タグチームの書いたシナリオ通りに進むと言う共通点がある。 そのダムや除染が現地で本当に必要か不要かは「判断基準」ではない。 それをやることで、税金が法律に則って、間違いなくゼネコンに流れるように道筋を作り、大義名分を立ててやるのが土建官僚の任務だ。 彼らは後に業界の会社に天下だって、現役時代の役職に見合った地位で大中小の企業に入り、70歳過ぎまで安定した生活を保障してもらう。 この非常時にそんな連中にやりたい放題にやらせてはいけないが、 決めるのは土建ムラの官・ゼネコン複合体であって、いまのところ政治家も一般の民も、手も足も出ない。そして日本の大手メディアはこのあたりにメスを入れる調査報道をしないことになっている。 こんな現状では、現地の被害住民は除染工事の作業員でやとってもらって食いつなぐしかない。こういうのを日本語では「踏んだり蹴ったり」と言う。 東日本出身の国会議員さんたち、この際、手を結んで「除染にあてようとする金を地元市町村に渡して、現地に判断を委ねろ」と声を上げたらどうですか。今は次の選挙の自分の当落だけを考えている時ではないです。 |
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関西TV スーパーニュースアンカーより。福島第一原発で懸命に働き作業員たちを撮影し続けるフォトジャーナリストがいる。 過酷な環境で働く作業員たちの思いと素顔に迫り、写真で伝えたいことがあるという。 その取材現場をいっしょに取材し、フォトジャーナリストの思いとは。 4月1日まで大阪市福島の「フォトギャラリーsai」で小原一真さんの写真展が開催されています。こちら |
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TBSテレビ系 報道特集 東日本大震災から1年の拡大版 「何が変わって、何が変わらないのか」 金平キャスターが警戒区域の大熊町からライブ中継。福島第一原発を抱える双葉町の住民。 全域が警戒区域となった町で畜産業を営むある夫婦の一時帰宅に同行。牛舎で夫婦が目撃したのは、あまりにも厳しい現実だった。 |
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【原発と国家】③試運転直前のクーデター 一部引用・・ 「19兆円ですよ。そんな巨額の金を、こっそりと電気料金に上乗せしていいんですか」。2004年の春、経済産業省の一室で上司に詰め寄る若い官僚たちがいた。使用済み核燃料を再処理、プルトニウムなどを取り出す核燃料サイクル事業。これに膨大な費用をかける愚かしさを、推進する立場の経産官僚が説いた。クーデターの始まりだった。 東京電力福島第1原発事故でサイクル事業も岐路に立つ。7年前の官僚たちの行動が、今再び、重い問いを投げかける。 最後のチャンス 「19兆円の請求書―止まらない核燃料サイクル―」と題する文書が霞が関や永田町を飛び交った。作成者は彼らだ。文書は①再処理工場を運用すると、総額で19兆円、場合によっては50兆円がかかる②高速増殖炉の実用化のめどが立っていない③放射性廃棄物の体積が大幅に増加する―などと指摘。「国は時代遅れになった政策の誤りを認められない。費用は国民の負担に転嫁されようとしている」と告発した。 青森県六ケ所村の再処理工場では、プルトニウムなどを使った試運転が始まろうとしていた。一度始まると施設が汚染され、中止にも膨大な費用がかかる。彼らは「今が最後の機会」と思った。 全文はこちら |
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地中30センチにまで浸透か 放射性物質、除染に影響も 2012/03/14 06:23 【共同通信】 東京電力福島第1原発事故で放出され地面に降り積もった放射性物質について、事故から3カ月後の昨年6月にはほとんどが地表から5センチまでの浅い場所にとどまっていたが、1年後の現在では10~30センチの深さまで浸透している可能性があるとの推定を、日本原子力研究開発機構のチームが14日までにまとめた。 雨水がしみ込む際に一緒に運ばれるとみられる。同機構幌延深地層研究ユニット(北海道幌延町)の佐藤治夫研究員は「除染活動が遅れるほど放射性物質は深く移動し、作業の負担を大きくする恐れがある」と警告している。 |
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NHK ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図5 埋もれた初期被ばくを追え」 福島第一原発事故は事故初期に大量の放射能を環境中に放出した。中でもヨウ素131は、チェルノブイリでは、体内に取り込んだ子供の一部に、甲状腺がんが現れるなど、その危険性は国際的に認められている。 しかし、今回の事故では、住民にヨウ素131の影響がどれだけあったのか、その詳細はわかっていない。ヨウ素131は半減期8日と短い間に消失してしまうため、早期の測定、調査が必要とされてきた。しかし、国は、事故初期の現場の混乱などによって、ヨウ素131の動きを十分に捕まえることができず、住民の内部被ばく調査も行うことがなかった。 浪江町津島地区は事故初期から大量の放射能におそわれた。環境中に大量のヨウ素131があったと見られる時期も、多くの住民にその情報は届いてはいなかった。無防備なままヨウ素131にさらされた可能性がある住民の間では、子どもへの影響を懸念し、どれだけ被ばくしたのか知りたいという声があがっている。 どうすれば事故初期の被ばくの実態に迫れるのか。取材を進める中で、事故初期に独自の甲状腺調査が行われていたことや、これまで公開されていなかった原発周辺のデータがあることが判明。放射能測定の草分け岡野眞治博士や気象シミュレーションを行う研究者たちとネットワークを築き、その解明に挑む。 ネットワークでつくる放射能汚染地図5(前) こちら ネットワークでつくる放射能汚染地図5(後) こちら |
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みんなの大疑問 イチからわかる放射能(前)こちら 仝 (後)こちら 関西TV 昨年3月に発生した福島第一原発事故による放射性物質の放出が人体に与える影響と、そのリスクについてわかりやすく解説するとともに、福島県やチェルノブイリの現地取材をまじえて、放射能と健康への影響についての最新情報をお届けします。 スタジオ出演: 今中哲二助教(京都大学原子炉実験所) 福本学教授(東北大学加齢医学研究所) 工藤博幸教諭(奈良学園中学校・高等学校) |
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2012年03月14日(水)
【福島原発事故 その時私は】[3・11~]内閣審議官 下村 健一さん(51) 2012年3月11日 東京新聞 ▲「菅さんに冷却水必要」とメモ 頭抱える班目さん。 固まった専門家たち 全電源喪失と聞いた時に、菅さん(菅直人首相=当時)は官邸の誰よりも早く反応しました。よく分かってたんですね。「これは大変なことだよ」と。以後、この言葉を何度聞いたか。独り言のように言い続けていた。 当時のノートに「なぜ非常用ディーゼルエンジン(発電機)まで止まるんだ」って書いてある。これ、菅さんの発言です。「菅さんに冷却水が必要」。かなりテンションが上がってましたが、あの段階では仕方ないと思います。何も分からなかったから。 とにかく早く電源車をかき集めないといけない。首相執務室にホワイトボードを持ち込んで、秘書官たちが手分けして電話して「インター通過」とか、どんどん書き込んだ。菅さんも携帯電話でどこかに電話して「必要な発電機の重さと大きさはどれぐらいなんだ」と。何で総理にそんなこと聞かせてるんだ…と思った。でも、専門家の人たちに「これってどうなってるの」と聞いても、「はい」って返事はするけど、固まって動かない。 仕方ないから僕が近くに行って「あなたの持ってる携帯電話を左手に持って、右手でボタンを押して相手の人にかけてください」と言うと、動きだした。これ、本当の話。こういうのが頭が真っ白って言うんだと思った。 組織としての備えがないから、電源車の用意さえ官邸が判断を重ねていったんです。 二十一時十四分の電話で、東北電力からの電源車の一台目が着いたと。庶務の女の人が「よかった!」って歓声を上げた。ホッとしました。これで何とかなると思ったんだけど…。 出入りの激しい執務室で、一瞬だけ菅さんと二人きりになった時に「(震災)現場に行くなっていう人が多いんだけど、どう思う」って聞かれた。僕は原発に降りることと気づかず、津波被害の状況把握を頭に置いて「ヘリで上空から見るんだったら、僕は(テレビキャスターだった時に)阪神大震災の初日からヘリでリポートしてたから、横で着目点の助言はできます」と言った。菅さんは「そうか」と。 1号機の爆発は、テレビをつけたらあの映像です。「爆発しないって言ったじゃないですか!」って、菅さんが班目さん(班目春樹・原子力安全委員長)に言ったら、これは映画かって思うくらい頭を抱えて。人生で一番ショックなシーンでした。この人が日本の最高権威なのかと。 専門家は何を聞いても、ふにゃふにゃしか言わない。菅さんから目をそらす。そんな中で唯一、明言していたのが「爆発は起きません」だったんです。 十五日に東電へ乗り込む時は、仮眠中で午前四時台にたたき起こされた。「東電が撤退するって言っているから、今から菅さんと一緒に行って」と。僕は後続の車。着いて二階に上がったら、秘書官が真っ青な顔をして「菅さんが今すごいこと言った」と、あの「撤退した時には、東電は百パーセントつぶれます」という演説のことを知らされました。 東電で案内された小部屋にはモニター画面があって、六分割されている。本店の非常災害対策室と福島第一原発の対策本部などみんな映ってる。官邸では様子が分からなかったのに「何だ、こんなのがあるの」って。菅さんは「いいね。じゃあ細野君(細野豪志首相補佐官=当時)ずっとここにいて」って言った。 菅さんのけんまくでまわりが言いたいことを言えなかったとすれば、本人にも問題がある。ただ、誰が首相でも、あれだけ情報が少なく矢継ぎ早に物事が起きる渦中では、語気が強まるのは当然と思う。 原子力を扱う人間にストレステストを課さなきゃだめです。スペースシャトルの乗組員は、想定外の状況で抜き打ちのトレーニングを受ける。今度何かが起きたとき、今の原子力技術のトップたちはまた何もできないだろう。一年たって強調しておきたいのは、「人間」の問題は何も解決していないということです。 混乱原因は「菅」より「官」 民間事故調報告書が伝えたこと 2012年3月11日 東京新聞 福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)が先月末、公表した調査・検証報告書。事故直後、混乱した政府対応の問題点として、菅直人前首相の「性格」を挙げた。 この点を根拠に、にわかに「菅叩(たた)き」が再燃した。だが、冷静に報告書を読むと、最大の問題はそこにはない。 問われたのは、情報を官邸に上げなかった経済産業省原子力安全・保安院幹部をはじめとする官僚たちの対応だった。 (小栗康之) 下村健一さんのより詳細なインタビュー記事があります。 危機に直面した日本の政治家、官僚、原子力専門家がそのとき取った 態度、行動などが細部にわたって語られていて必読です。 こちら 一部引用・・ ――ヘリコプターから見た被災地はどういう光景だったのでしょうか? まだ、震災翌日の朝ですから、津波の水がほとんど引いていなかった。例えば、海の中に巨大な波板が浮いているなと思って見ていたら、それが仙台空港の屋根だったりとか。つまり実際には”浮いている”わけじゃなくて、周囲の滑走路などが完全に水没していて、その時まだ仙台空港の建物は、”海の中”のように見えたんですよ。 また、浅い海面を目を凝らして見てみると、住宅の土台のコンクリート部分だけが水中にズラッと並んでいたりもしました。そういう光景が、途方もなく長く、飛んでも飛んでも延々と続きました。この点が、阪神大震災の時との決定的な違いです。想像を絶する世界でした。 菅さんがずっと官邸にいて、切り取られたテレビ映像を見ているだけだったら、あのスケール感は分からなかった。報告を聞いて地図を見て頭で捉えるのと、肉眼で「災害の大きさ」と「その中にいる人間の小ささ」を同時に目撃するのとでは、絶望感に揺さぶられる度合いが全く異なります。 前者のような観念的な認識の仕方では、自衛隊10万人出動という常識破りの決断には、あんなに速やかには踏み切れなかったのでは、とも思います。阪神大震災の時ほど遅れはしなくとも、”常識的”な小幅な増員を繰り返し、その間に、孤立した人々が飢えと厳寒の中でもっと生命を落としていたかも知れません。 現地を空から見たからこそ得られた、「自衛隊を出せる限り出さなければ太刀打ちできない」という強烈な実感。国防という本来業務との間でギリギリの調整を重ねて、この日の内に「2万人→5万人→10万人」と急速に増員を決断できた結果、実に1万9千人の命を助けることが出来ました。本当に、現地を見に行って良かった。 中略 あと、お尋ねの”周りのフォロー”ですけど、実際あの時、周りは一生懸命、なんとかフォローしようとはしてました。つまり、その萎縮してしまっている東電やら原子力保安院やら安全委員会の人たちに対して、もっと優しい言い方で、同じことを質問し直したりとか。僕もしましたよ。でも、やっぱり反応が同じなんです。 ――同じとはどういうことでしょうか? とにかく、思考が固まってしまってて、反応が異様に鈍いんですよ。その時に僕は「この人たちは、試験範囲内の出題なら100点とれるけれど、試験範囲以外の質問が出たら、いきなり0点になっちゃうんだな」と感じ、それこそゾッとしました。この構造を、何とかしなくちゃなりません。 ――それはまさに、事故当初に言われていた「想定外だったから」ということなのでしょうか? 「原発安全神話」っていうのは、周辺住民の反対を抑えるための方便として使っていたんじゃなくて、この人たち自身が信じ切っていたんだということが、あの時の機能停止ぶりで本当によく分かりました。 |
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愛媛県商議所が伊方原発の再稼働拒否 毎日新聞 2012年3月13日 東京朝刊 愛媛県商工会議所連合会(会頭、白石省三三浦工業会長)は12日、四国電力伊方原発(加圧水型3基、同県伊方町)の再稼働に反対する見解を発表した。運転開始から約30年を経た1号機(56.6万キロワット、77年運転開始)、2号機(同、82年)は再稼働させずに廃炉とし、94年運転開始の3号機(89万キロワット)は、電力の安定供給のために10年程度稼働した後、廃炉を要求している。 上部団体の日本商工会議所は、安全を確保した上での再稼働を求めており、「地方組織の再稼働拒否の声は聞いたことがない」としている。 |
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「さらにこの震災のため原子力発電所の事故が発生したことにより、危険な区域に住む人々は住み慣れた、そして生活の場としていた地域から離れざるを得なくなりました。
再びそこに安全に住むためには放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています。」 ☆現地に何度も足を運び、現場、現実、現物に触れた人でなければ言えないお言葉だと思う。 しかし原子力ムラの幹部や官僚連中からすると嬉しくない表現だ。 経済産業省、文科省の幹部官僚たちから宮内庁の幹部にクレームが出ているのでは? しかし宮内庁の官僚も、彼ら自身が官僚ムラの末端メンバーと言えども、天皇陛下が自らしたためられた原文に手を加えることまでは出来ない。 せいぜい大手新聞・テレビに報道規制をかけてこの部分を取り上げないように指令を出したのだろう。 おことばの全文
3月11日天皇陛下のお言葉
「「東日本大震災から1周年、ここに一同と共に、震災により失われた多くの人々に深く哀悼の意を表します。1年前の今日、思いも掛けない巨大地震と津波に襲われ、ほぼ2万に及ぶ死者、行方不明者が生じました。その中には消防団員を始め、危険を顧みず、人々の救助や防災活動に従事して命を落とした多くの人々が含まれていることを忘れることができません。 さらにこの震災のため原子力発電所の事故が発生したことにより、危険な区域に住む人々は住み慣れた、そして生活の場としていた地域から離れざるを得なくなりました。再びそこに安全に住むためには放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています。 この度の大震災に当たっては、国や地方公共団体の関係者や、多くのボランティアが被災地に足を踏み入れ、被災者のために様々な支援活動を行ってきました。このような活動は厳しい避難生活の中で、避難者の心を和ませ、未来へ向かう気持ちを引き立ててきたことと思います。この機会に、被災者や被災地のために働いてきた人々、また、原発事故に対応するべく働いてきた人々の尽力を、深くねぎらいたく思います。 また、諸外国の救助隊を始め、多くの人々が被災者のため様々に心を尽くしてくれました。外国元首からのお見舞いの中にも、日本の被災者が厳しい状況の中で互いに絆(きずな)を大切にして復興に向かって歩んでいく姿に印象付けられたと記されているものがあります。世界各地の人々から大震災に当たって示された厚情に深く感謝しています。被災地の今後の復興の道のりには多くの困難があることと予想されます。 国民皆が被災者に心を寄せ、被災地の状況が改善されていくようたゆみなく努力を続けていくよう期待しています。そしてこの大震災の記憶を忘れることなく、子孫に伝え、防災に対する心掛けを育み、安全な国土を目指して進んでいくことが大切と思います。今後、人々が安心して生活できる国土が築かれていくことを一同と共に願い、御霊(みたま)への追悼の言葉といたします」 |
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行くも地獄、戻るも地獄 ~倉澤治雄が見た原発ゴミ~ 日テレ系 3・11大震災 シリーズ30 行くも地獄、戻るも地獄 ~倉澤治雄が見た原発ゴミ~「原発から出る〝核のゴミ〟をどうやって処分するのか?」福島第1原発事故が浮き彫りにした課題のひとつだ。番組では、原子力に詳しい倉澤治雄日本テレビ解説主幹が米スリーマイル原発の高レベル廃棄物の行方など「核のゴミ」を追っていく。さらに、当初は地層の「研究施設」を作るだけのはずが、いつの間にか「最終処分場」が近くに来ることになったフランスの実例。これと同様に、研究施設という名目で誘致が行われた北海道幌延町の現状。そして取材斑は、モンゴルにも飛んだ…。見えてくるのは、これまで細かい点を先送りして、巨額の費用を投入してきた核燃料サイクルの危うい現状と、「産業のない僻地」にカネを使って、処分施設を持っていこうという処分地選定をめぐる相似形だった。 |
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「番組を切られても本望」震災特番生放送で古舘伊知郎が“原子力ムラ”に言及し波紋広がる
一部引用・・ 大震災から1年となる3月11日、テレビ各局は軒並み震災特番を放送したが、その中で、テレビ朝日系『報道STATION スペシャル』での司会・古館伊知郎の発言が波紋を広げている。 話題になっているのは、番組の終了間際のエンディングトークの場面。震災で不通となった三陸鉄道南リアス線三陸駅のホームに立った古舘は、「この番組に関して後悔することがあります」と神妙な面持ちで語りだした。古舘はまず、“牛の墓場”となった牧場について撮影・放送しなかったことを「一つ目」の後悔として語り、その後に、「二つ目の後悔は原発に関してです」として、以下のように語った。 「『報道STATION』ではスペシャル番組として、去年の12月28日の夜、原発の検証の番組をお送りしました。津波で原発が壊れたのではなく、それ以前の地震によって一部、(福島)第1原発のどこかが損壊していたのではないかという、その追求をしました。今回、このスペシャル番組で、その追求をすることはできませんでした。“原子力ムラ”というムラが存在します。 都会はこことは違って目映いばかりの光にあふれています。そして、もう一つ考えることは、地域で、主な産業では、なかなか暮らすのが難しいというときに、その地域を分断してまでも、積極的に原発を誘致した、そういう部分があったとも考えています。
その根本を、徹底的に議論しなくてはいけないのではないでしょうか。私はそれを、強く感じます。そうしないと、今、生活の場を根こそぎ奪われてしまった福島の方々に申し訳が立ちません。私は日々の『報道STATION』の中でそれを追求していきます。もし圧力がかかって、番組を切られても、私は、それはそれで本望です。また明日の夜、9時54分にみなさまにお会いしたいです。おやすみなさい」
テレビ朝日の看板キャスターが生放送中に、原子力業界からの圧力で番組内容に変更があったことについて明確に認めるという異例の事態に、放送直後からネット上は紛糾。「古舘、よく言った」という賞賛だけでなく「今さらか」といった批判もあふれ、一夜明けた12日朝になっても活発な議論が続いている。 全文はこちら |
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NHK Eテレ「復興レポート 地域ミーティング 放射能汚染からの農業再生」全国の知恵者を被災地に招き、復興の課題について住民と議論する「地域ミーティング」。安全・安心の農作物の栽培は可能か、多くの農家が不安を抱えている福島県。番組では、チェルノブイリ原発事故で汚染された農村を支援してきた分子生物学者・河田昌東さんを南相馬市に招き、「放射能とどう向き合うか」「どうすれば農作物の放射能汚染を少なくできるのか」という知恵を学び、消費者との信頼関係を再構築していく道を模索する。※河田氏はチェルノブイリ救援中部の代表で、長年にわたりチェルノブイリ救援活動を行ってきた。菜の花プロジェクトでは汚染された土地の放射能を菜の花に吸い取らせて土地の汚染度を下げる試みも行ってきた。 http://www.chernobyl-chubu-jp.org/ |
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2012年03月13日(火)
今日は、67年前の昭和20年3月13日にアメリカ空軍が、大阪の非戦闘員市民を、焼夷弾投下の無差別絨毯空爆で殺戮した日です。この日が第一回目の無差別焼夷弾絨毯爆撃でした。1945(昭和20)年3月13日23時57分~14日3時25分(約3時間半) 大阪上空に飛来したB29は274機アメリカ軍の照準点は、北区扇町・西区阿波座・港区市岡元町・浪速区塩草に設定されていた。空襲警報とともに灯火管制がしかれ、大阪市は暗闇の中にいた。 グアムから飛び立った第314航空団の43機が午後11時57分から14日午前1時にかけて大阪上空に達した。従来の「高々度精密爆撃」という7500メートル以上の高空からの爆撃とは一変して「夜間低空爆撃」として約2000メートルくらいの低空からの一般家屋をねらった夜間爆撃である。先導機が大型の焼夷弾(ナパーム弾)を港区市岡の照準点に投下し、大火災が発生。他の機はそれを目印に次々と焼夷弾を投下した。内蔵した38個の小型焼夷弾が空中で分散して落下するようになっていて、木造の日本家屋を炎上させるために開発されたものであった。続いてテニアンから第313航空団のB29 107機が14日午前0時10分から3時25分にかけて爆撃。浪速区塩草を照準点として投弾した。さらにサイパンから第73航空団の124機が14日0時20分から2時25分にかけて爆撃。照準点は北区扇町と西区阿波座。すでに大火災が発生している中で、北区は米軍のねらい通りには爆撃できなかった(その分、他に被害を与えた)。主な被災地域 浪速区・西区・南区(現中央区)・港区・大正区・東区(現中央区)・西成区・天王寺区 被災面積 21.0平方キロ 被災戸数 136,107戸 被災者数 501,578人 死者 3,987人(浪速区では報告数よりも多い遺体が後日収容されて荼毘(だび)にふされている。このように、死者の実数はもっと多いと推定されるが実際の数は確かめようがない) 重軽傷者 8,500人(正確な数ではない) 行方不明 678人(確認できた数だけてあろう)第1回大阪大空襲による被災地域■赤の地域 (「新修大阪市史」第10巻の地図をもとに作成。ただし地形・区域は便宜上、現在の形。) OSAKA & KYOTO '1945-6・・・・・「おは朝・特番」だったでしょうか(司会は玉井孝と宮根誠司の新旧コンビ。 京都の画像では「洗い張り風景」が懐かしく(幼少のみぎり(笑うところ)大阪西区でもよく見た・・・S25年ころ)、キセル掃除の「羅宇仕替屋(ラオしかえや)」は演出臭いが珍しい。 短いですが大阪空中撮影のほうは「今宮」上空から「なにわ筋」を左に見ながら北上、湊町、道頓堀川を超え四ツ橋、雑喉場(ザコバ)魚市場(戦後は米軍滑走路、うつぼ公園)、西船場小学校、旧田簑小学校敷地(現在は大阪市立科学館)、赤みがかった大きい旧ダイビルあたりの中の島西地区で右奥が渡辺橋(対岸に新フェスティバルホールが入る中之島フェスティバルタワーが2013年竣工予定)。 |
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東電の原発安全性、審査見送り 報告大量誤記で経産相疑念
2012/03/13 11:22 【共同通信】 新潟県の東京電力柏崎刈羽原発1、7号機の安全評価(ストレステスト)1次評価結果報告書に大量の誤記載が見つかった問題で、枝野幸男経済産業相は13日「東電の作業の質全体に問題があったと疑念を抱かざるを得ない」と述べ、東電が再発防止策をまとめるまでは審査に入らない考えを示した。 東電は12日、2月までに見つかった158カ所に加え、新たに81カ所の誤りがあったと原子力安全・保安院に報告。使用済み燃料プールへの注水機能の揺れへの強度計算ミスも含まれていた。 枝野氏は「誤りの数が桁違い。内容も本質にかかわりかねない。安全性に対する姿勢をしっかり見直す」と述べた。 |
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「政府発表がないから報じられない」世界が呆れた日本の新聞
- NEWSポストセブン(2012年3月9日16時00分) 昨年来、原発事故報道で、新聞はひたすら大本営発表をたれ流した。世界から見れば非常識極まりない日本の大メディアの体質を、自身も日本経済新聞の記者経験があり、新聞社と権力との癒着を批判した『官報複合体』(講談社刊)の著者、牧野洋氏が指摘する。 * * * 東京電力の福島第一原発が津波に見舞われた翌日、福島県浪江町で数千人に上る住民は町長の指示に従って北へ向かって避難した。 この時、政府のコンピュータシステム「SPEEDI(スピーディ)」は放射性物質が浪江町の北へ向かって拡散すると予測していた。なのに、浪江町の住民はなぜ南へ向かって避難しなかったのか。 二〇一一年八月九日付のニューヨーク・タイムズ紙は「官僚の隠ぺい体質」と断じた。「不十分なデータを公表すると誤解を招く」といった理由で、政府は東日本大震災直後からスピーディのデータ公表を拒み続けていたからだ。同紙上で浪江町町長の馬場有は「情報隠ぺいは殺人罪に等しい」とコメントしている。 スピーディのデータ公表が遅れた責任は官僚に加えて新聞にもある。国民が知るべき重要なデータであるにもかかわらず、政府の発表を待たなければ国民に伝えられなかったこれが新聞の責任だ。 政府がデータの全面公表に踏み切ったのは大震災発生から一か月以上も経過した五月に入ってから。新聞が「隠されたデータ」を特報したのを受けて政府が発表に追い込まれたのではなく、政府が発表したから新聞がデータ内容を報道したのである。 福島原発のメルトダウン(炉心溶融)をめぐる報道でも新聞は本来の機能を果たせなかった。実際にメルトダウンが起き、専門家もその可能性を指摘していたにもかかわらず、政府・東電が否定したことから当初は見出し で「メルトダウン」という言葉の使用さえ控えていた。一斉に報じ始めたのは、政府・東電がメルトダウンを認めた五月中旬になってからである。 政府の発表を受けて書いているだけでは、権力側の発表をそのままたれ流す「発表報道」の域を出られない。発表報道に依存し過ぎると「大本営発表」と変わらなくなる。史上最悪の原発事故が起きている時にこそ、新聞は権力を監視しなければならないのに、現実には発表報道に終始した。 福島原発報道については海外からも批判が出た。たとえばニューヨーク州立大学オールドウェストベリー校教授としてジャーナリズムを教えるカール・グロスマン。四十年以上かけて「環境ジャーナリズム」の分野を開拓した論客である。米環境専門誌「エクストラ!」の二〇一一年五月号で次のように書いている。 「福島原発事故の影響についての報道はあまりにもお粗末だ。日本政府が『直ちに健康に影響はない』と説明すると、記者はそれをオウム返しに報じているだけなのだ」 なぜこうなるのか。単純化して言えば、発表報道の対極にある調査報道の伝統が根付いていないからだ。調査報道では権力側の説明をうのみにせず、独自調査の積み重ねで「権力側が国民に隠している秘密」を暴こうとする。権力の監視が報道機関に求められる基本機能だとすれば、調査報道こそ新聞報道の中心に位置していなければならない。 調査報道が根付かない理由としてよく挙げられるのが記者クラブである。福島原発報道であれば首相官邸や経済産業省などの記者クラブに張り付き、政府・東電側の動きを漏れなく報じるわけだ。このような記者クラブ詰めの記者については「権力側の速記者」と揶揄する向きもある。 記者クラブで発表報道に明け暮れると、記者は専門性をなかなか身に付けられない。記事の冒頭に「五W一H(誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どうして)」を詰め込む「逆三角形」を学べば、大抵のニュースを処理できるからだ。 記者は「客観報道」の指導を受けているため、記事に独自の分析や解説を入れるのを最小限にしようとする。結果、書く記事はプレスリリースを読みやすく書き直しただけのストレートニュース(速報ニュース)になりがちだ。 言うまでもなく、福島原発事故を報道する記者には、技術的な知識を含めて高度の専門性が求められる。専門性がなければ、政府・東電が嘘をついているかどうか判断することはままならない。それまで社会部で事件取材をしていた記者にいきなり原発報道を任せても、発表報道以上の仕事はなかなかできないだろう。(文中敬称略) ※SAPIO2012年3月14日号 ☆福島原発事故の後、本社が東京にある新聞テレビの記者や社員は、本社からの指令で即座に一斉に現地から逃げた。 現地に入り取材したり撮影したのは、外国の新聞や通信社の記者や契約記者、カメラマンだけで彼らの報道やツイッターがなければ現地の被害状況は全く伝わらなかった。 日本の大手マスコミは組合員をかかえる民間企業だから、危険となれば、社員の生命を守る義務がある。それは被害地の住人の現実を取材し報道するという商売よりは優先する、ということだろう。 それはそれで否定はしないけれど、ではこの商売が拠って立つ存在理由との兼ね合いはどうなのだろう。 12日の大手マスコミの一面記事を見ると、当時の自分たちが地元を見捨てて逃げた事実をなかったことにして、一見被災者に丁重な文面を作っている。売れればどう書いてもいいと思っている連中だと心底感じた。 記事の偽装商品そのものの劣化状況、お上の情報操作ツールであることがばれてきたことなどで、今のままでは大手マスコミは商売上がったりに近づいている。ちゃんとした人たちもいるはず。出来ることなら、日本と世界に通用する新聞やテレビになんとかなってほしい。 |
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20120310 世界からみた福島原発事故 NHK・ドキュメンタリーWAVE世界の原子力研究者たちは、福島第一原発の事故が起きたとき、何を思い、そして、事故をどのように分析したのかー 「恐れていた事態が起きてしまった・・・」アメリカで原子力の安全対策の研究を続けてきた科学者たちは、福島第一原発のような事故を想定し、そうした事故が起きることをずっと恐れていた。アメリカでは1979年のスリーマイル島の事故後、「メルトダウン」が実際に起こりうるものとして、様々な実験や研究が行われてきた。福島で起きたことはこれからも起こりうるのか、研究所では、福島の詳細な事故分析を行っている。スイス原子力保安当局は、「フクシマの教訓」と題する報告書を発表。その中で「ヒューマンエラー」の問題を分析している。番組では、アメリカ、スイス、フランスなどの研究機関、研究者に取材し、「各国は何を“教訓”としようとしているのか」、世界から見た福島原発事故を描く。 |
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20120306 新たなる原子力規制のありかたとは? CS朝日ニュースター「ニュースの真相」より。上杉隆氏がキャスターの番組で、ゲストは自民党元幹事長の塩崎恭久衆議院議員。 政府が提案する原子力規制庁の問題点と、国会事故調査委員会について聞く。 |
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中間貯蔵施設受け入れ、町村長ら足並みそろわず (2012年3月12日10時12分 読売新聞) 東京電力福島第一原発事故で放射性物質に汚染された土壌を保管する中間貯蔵施設の設置をめぐり、政府への反発から開催が中止となり、仕切り直しとなった意見交換会。福島県双葉町など原発立地自治体の3か所に貯蔵施設を設置する案に、出席した町村長は「従わざるを得ない」「受け入れは困難だ」と、足並みはそろわなかった。 会合は10日、郡山市で非公開で開かれ、午前10時半から約2時間にわたって行われた。 会合後、楢葉町の草野孝町長は「国側からは、中間施設や焼却施設で4か所、双葉郡内に設置したいという考えが示された。国の方向には従わざるを得ない」と述べ、国の案を容認する考えを示した。 双葉町の井戸川克隆町長は「責任の明確化と、設置しなければならない理由がなければ、受け入れは困難だ。いずれにしても持ち帰り、町でも8町村でも改めて話し合いたい」と述べた。 東京電力福島第二原発を抱える富岡町の遠藤勝也町長は「今のところは全くの白紙。昨年末、国は1か所と示したが、今回複数となり、一貫性がないのでは」と戸惑いを隠せない様子。 佐藤知事は「現地の調査をしっかりやって、国家プロジェクト並みの対応をしてもらわないと困る」と要望したことを明らかにし、国の案については、「細野環境相が説明していくということなので、話を聞きながら、対応していかないといけない」とした。 |
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1、IAEA事務局長 原発「より安全になった」 産経新聞 3月11日(日)7時55分配信 国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は9日、福島第1原発事故後、関係各国が対処法を学んで原発の安全強化に取り組んでおり、世界の原子力発電は「より安全になった」との声明を発表した。 IAEAによると、現在、約30カ国・地域で436基(検査中を含む)の原子炉が稼働し、中国、ロシアなど15カ国・地域で63基の建設が進んでいる。IAEAの予測では、世界で稼働する原発は2030年までに10年末より約90基増え、528基になるという。 また、米原子力規制委員会(NRC)は同日、米国内の原発に対し、福島第1原発事故を踏まえて安全対策の強化を命じた。 福島第1原発と同じ原子炉を持つ米原発に対し、ベント(排気)装置や電源喪失に対応できる装置の強化を義務づけている。(ベルリン 宮下日出男/ワシントン 柿内公輔) 2、IAEA事務局長「情報伝達で改善を」 日本テレビ系(NNN) 3月11日(日)8時58分配信 福島第一原発事故から1年にあたり、IAEA(=国際原子力機関)の天野事務局長が10日、NNNの単独インタビューに応じ、原子力の安全性は高まったとの認識を示すとともに、情報伝達には改善が必要だと強調した。 天野氏は、福島第一原発事故を振り返り、天災だけでなく、津波を過小評価していたことなど、人災の側面も数多くあったと指摘した。一方で、「問題があったということがわかったのはポジティブないい点で、問題がわかれば、それに対する対応策ができるわけだから、そういう意味で福島第一(原発)の事故前に比べて原子力は安全になっている」と述べ、事故の教訓を生かして原子力の安全性は高まったとの認識を示した。 また、「(福島第一原発事故では)情報の流れが十分でなかったと、最初から感じていた。日頃からもっと準備して、国内的、国際的にも、事故の際に情報を流す備え、訓練をしておく必要がある」と述べて、情報伝達の重要性を挙げ、今後、改善に向けて取り組んでいく考えを明らかにした。 天野氏は、IAEAとして引き続き日本への支援を行い、最終的には原子炉の解体に至るまで、長期的に協力していくつもりだとの考えを示した。 3、人為ミスで原発事故拡大 福島1年、IAEA天野氏 (2012/03/10 21:47) 神戸新聞 【ウィーン共同】国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は10日、東京電力福島第1原発事故から1年を前に共同通信と単独会見し、事故拡大の背景に経済産業省原子力安全・保安院の東京電力に対する監督不足など「数々の人為的ミスがあった」と強調した。 また、福島事故で世界の人々が原子力発電に「不安を感じたのは間違いない」と述べ、日本での新たな原発建設の可能性についても「国内世論が受け入れるような雰囲気にはないと感じている」と話した。 IAEAは原子力の平和利用促進を設立目的としており、事務局長として踏み込んだ発言。 |
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米、日本の原発事故対処能力疑う 福島4号機爆発で 2012年3月10日 19時12分 東京新聞 昨年3月15日に東京電力福島第1原発4号機水素爆発で作業員の大半が退避した時点で、オバマ米政権が日本の対処能力を疑い、対日支援リスト提示や米軍特殊専門部隊投入など本格支援に踏み切ったことが10日、分かった。 米側が、東京に放射性物質が飛散する最悪事態を独自に予測、日本が3月25日に作成した最悪シナリオを即座に入手していたことも判明した。複数の米政府高官が共同通信に語った。 日本政府は最悪シナリオを国民に知らせず封印し、今年1月まで開示しなかった。(共同) ☆経産省、外務省、文科省のいずれかは知らないが、自分の雇用主はアメリカだと思っているトップ官僚がいる。日本国民の生命と財産を守るのが日本のお役人様の本務だと思いたいが。 |
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「ふくしま宣言」全世界へ 佐藤知事、復興誓い発信 (2012年3月12日 福島民友ニュース) 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から1年を迎えた11日、佐藤雄平知事は、本県復興の誓いとして「再生可能エネルギーを推進し、原子力に頼らずに持続的に発展する社会を目指す」とした「ふくしま宣言」を全世界に向けて発信した。 県が同日福島市で開いた「3・11ふくしま復興の誓い2012」で表明した。宣言では、地震や津波、原発事故と、かつて世界が経験したことがない複合災害の教訓として(1)自然の脅威への備え(2)科学技術の力への過大な評価(3)原子力を扱うことの難しさ-を挙げ、「二度とこのようなことが起きないよう、県内の原発を全て廃炉とするよう求めながら、再生可能エネルギーを推進する」との考えをあらためて提示した。 その上で「私たちは必ず、美しいふるさとふくしまを取り戻します。活力と笑顔あふれるふくしまを築いていきます。このふくしま復興の姿を世界へ、未来へと伝えます」と宣言した。 |
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遺族会発足 東電の責任追及へ 3月12日 4時4分 NHKニュース 東日本大震災で150人が亡くなった福島県浪江町の遺族が、原発事故で救助活動が中断されたため家族を救うことができなかったとして、東京電力に責任を求めるための遺族会を発足させました。 原発事故で捜索中断“救えたはずの命が” 浪江町は、震災で150人が亡くなり、いまも34人の行方が分からないうえ、原発事故で町全域が避難区域に指定され、すべての住民が避難を余儀なくされています。 震災発生の当初は消防や警察による救助活動が行われたものの、原発事故の影響で翌日からは住民の避難誘導で救助活動が中断され、本格的な捜索が行われたのは1か月以上たってからでした。 こうしたことから遺族たちは、救助活動が中断されたために家族を救うことができなかったうえ、どのように亡くなったのかも分からないとして、11日、東京電力に責任を求めるための遺族会を発足させました。 遺族会の会長で、妻を亡くした叶谷守久さん(72)は、「救助活動が続けられれば生き延びていた人が多くいた可能性がある。原発事故が無ければもっと多くの命が救えたのではないか」と訴えました。 11日は、発足の前に東京電力の鼓紀男副社長が遺族らと面会し、「原発事故によって捜索に支障が出たことについて、深くお詫び申し上げます」と謝罪したということです。 遺族会は、今後、東京電力に謝罪とともに賠償を求めることにしています。 死因究明の動きも 福島県内で亡くなった1605人のうち、大半は津波による「溺死」と判断されています。 しかし、遺体を調べた複数の医師はNHKの取材に対し、「遺体に目立った不審な点がなければ、解剖など詳しい死因の究明は行わず、遺体が発見された場所や着ていた服の状態などから津波による『溺死』と判断した」と説明しています。 そのうえで、「溺死」と判断された人の中にも、津波の後、しばらくは生存していた人が含まれ、別の死因で亡くなった可能性があるとしています。 こうした問題を受けて遺体の死因を調べる医師などでつくる日本法医学会は被災地で遺体を調べた医師らを対象に、災害現場での体制面での課題や「溺死」と判断した遺体の中に、解剖などしてさらに詳しい死因を調べる必要があったケースがなかったかなどアンケートや聞き取りを行い、被災地での死因究明の課題について調査に乗り出しています。 ☆この一年、「福島原発事故は広島、長崎、チエルノイブリとは違う。それが証拠に死者は一名も出ていないではないか」と言う発言を多く見てきた。 こういう人の一人に池田信夫さんがいる。池田さん以外にも数は多い。 震災と原発事故被害当事者に対する想像力の欠如と、福島原発事故は大したことではないとしたい官僚国家日本への協力者たち。しかしこの人たちは自分の名前を公にしているだけまだましだ。 いまだに記事に署名しないまま、操作情報を垂れ流す、本社東京・記者クラブ加入談合業界に属する大手メディアは、経営幹部や記者と称する連中が顔を見せないだけタチが悪い。 浪江の遺族らが東京電力に精神的慰謝料請求へ (2012年3月12日 福島民友ニュース) 東日本大震災で犠牲となった浪江町民の遺族は11日、「東日本大震災浪江町遺族会」(叶谷守久会長)を設立。二本松市で開かれた追悼式前に総会を開き、東京電力に精神的慰謝料を請求することを決めた。 同会によると、原発事故に伴う避難指示で震災翌日から約1カ月にわたり同町沿岸部の捜索活動が中断。適切な捜索や生存者の救助ができなかった上、遺体が激しく損傷し遺体の尊厳を失う結果につながった。そのため東電に対し謝罪と慰謝料を求める方針という。 |
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東日本大震災:福島では1万6000人集結…原発反対集会 毎日新聞 2012年3月11日 22時35分 東日本大震災発生から1年、デモで反原発などを訴える人たち=福島県郡山市で2012年3月11日午後3時56分、尾籠章裕撮影 国内外で反・脱原発集会が開かれた11日。「『原発いらない』の声は痛恨の思いを込めた福島県民の叫び。この声を全国の心ある人に届けるのは、県民の使命であり義務だ」。 東京電力福島第1原発事故で、深刻な被害に苦しむ福島県で開かれた集会では、呼び掛け人代表の清水修二・福島大副学長がこう訴えた。未曽有の大災害が与えたショックは今も生々しく、各地で「原発反対」の声が上がった。(参加者数はいずれも主催者発表) 福島県郡山市の開成山野球場で開かれた「原発いらない! 3・11福島県民大集会」には、全国から約1万6000人が集結した。10代を代表し、県立あさか開成高2年、鈴木美穂さん(17)は「原発がなければ、被害に遭った人を助けに行けました。人の命も守れないのに、電力とか経済とかいっている場合ではないはずです」と訴えた。 鈴木さんは小3からサッカーを始め、福島第1原発から約10キロにある県立富岡高に推薦入学。原発事故後、避難を繰り返し、転校後も女子サッカー部に入ったが、昨年末に退部を申し出た。「富岡は部員が減っているのに、転校してサッカーをすることは仲間を裏切る行為」と思えたからだ。やり切れない思いを、鈴木さんはこの日の集会で吐き出した。「(昨年の)3月11日の朝、晴れていて、いつものような一日が始まろうとしていました。その日常に戻ることはできません」 東京、大阪、札幌、福岡でも大規模な集会やデモ行進があった。 東京都千代田区の日比谷公園周辺では、原発に反対する「3・11東京大行進」に約1万人が集まった。親子連れらが「子供を守ろう」などと書いたプラカードを掲げ、東京電力本店や経済産業省の前を行進。墨田区の石井啓子さん(61)は「原発推進の流れを作ってしまったのは私たち団塊の世代。若い人たちのために再稼働はおかしいと言い続けたい」。大阪市では約7000人が参加。集会では福島県飯舘(いいたて)村から県内の仮設住宅に避難中の酪農家が講演し「事故を風化させてはならない」と訴えた。札幌市や福岡市でもデモが行われた。 全国最多の14基の原発が立地する福井県の敦賀市では、集会に約1200人が参加し、元原発労働者ら約15人が「原発のない未来に向かって進めていこう」などと訴えた。被爆地・広島市では、市民ら約2000人が「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・フクシマ、ノーモア・ヒバクシャ」と声を上げて歩いた。 脱原発を求める声は海外でも響いた。 昨年12月に原発建設候補地に選定された韓国東部の江原道(カンウォンド)三陟(サムチョク)市では、市民ら約1000人が建設反対集会を開いた。主催した「誘致白紙化闘争委員会」の李光雨(イ・グァンウ)さんは「フクシマ事故があってもまだ原発は安全だと言う政府には、憤りの気持ちでいっぱいだ」と話した。 台北市では若い世代を中心に約3000人が「人類は原発を制御できない」と声を上げた。フランスでも、約230キロ間で脱原発を訴える「人間の鎖」運動が行われ、仏国内から100団体、数千人が参加した。 |
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2012年03月11日(日)
人は死において・・
人は死において ひとりひとり その名を呼ばれ なければならない ものなのだ 石原 吉郎 |
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☆この論考は全く本質をついている。ここが直って初めて日本は本当の国民国家になる。全文の精読を勧めます。 選挙制度を変えない限り、何も変わらない 一部引用・・ もちろん、改革を切望した都市部有権者の票や若い世代の浮動票が民主党に流れたことは最後の決め手とはなりました。 しかしそれらの票はあくまでも”決め手”となっただけであり、そもそもの勝負の土台となる組織票なしに全国の小選挙区で議席を積み上げることはできなかったでしょう。だから政権担当後は、それらの組織票の意向に政策も政局も振り回されるのです。 では「抜本的な構造改革を求める勢力」の力だけで、政権をとらせることは不可能なのでしょうか? その実現には、2つの障害があります。ひとつは一票の価値の格差です。 抜本的な構造改革を求める勢力は都市部に多く、その票の価値は司法の場で違憲判決がでるほどに低いものです。まずは公正な票の重みを取り返さない限り、この勢力だけで支持する政党に政権を取らせることは困難です。 私は一票の格差は、今のこの国では「最も深刻な格差問題」だと考えています。 もうひとつの問題は、抜本的な構造改革を求める層に非常に不利な(時代遅れの)選挙制度です。 現在の選挙制度では、公示日以降にネット上で演説会のスケジュールを知らせることさえ問題といわれます。ツイッターやブログで政策の説明をしたり、有権者からの問いに答えるなどもってのほかです。 また選挙日には、わざわざ住民票登録された地域の小学校や公民館まで出向く必要があり、職場の近くでの投票もできないし、出先からスマートフォンや携帯で投票することもできません。 このため、平日の昼間から公民館に集まっての支持大会にでることが可能な人たちや、活動範囲の狭い人たちと比べて、土日も働いていたり、土日しか遠出できない多忙な都市部の人たちの選挙権行使コストが非常に高くなっています。 全文はこちら ◎ 2009年8月26日のエントリー「船橋市民は国政選挙で国民としては半人前以下の扱い」はこちら |
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原発賠償 未請求世帯は35% 3月9日 5時20分 NHKニュース 東京電力福島第一原子力発電所の事故から1年、賠償の基準に納得がいかないなどとして、今も請求をしていない世帯は全体の35%に上っています。 避難の長期化で生活再建が大きな課題となるなか、請求漏れを減らし、多くの被害者が納得する賠償に近づけることができるか、東京電力や支援をする国の対応が問われています。 福島第一原発の事故の賠償では、国の審査会が賠償の対象となる損害の範囲などを指針にまとめ、それに基づいて東京電力が具体的な基準を作り、去年9月から本格的に請求を受け付けています。 東京電力によりますと、このうち個人の賠償では、請求書を送ったおよそ6万4000世帯のうち、実際に請求したのは、先月24日現在で、4万1500世帯にとどまり、事故から1年になる今も35%が請求していません。 請求しない理由について、被害者側は、高齢者を中心に請求の煩雑さや、東京電力が示した賠償金額や基準に納得ができないことなどを挙げていて、請求漏れをいかに減らすかが喫緊の課題となっています。 一方、避難の長期化に伴って、大きな問題となっているのが生活の再建です。 これまでの賠償は、避難生活でかかった宿泊費や事実上の生活費など、いわゆる当座の費用を賄うという形でした。 しかし、避難が長引き、自宅にいつ戻れるか分からない状況の中で、被害者の中には「自宅に帰るのをあきらめ、新たな土地で生活を再建したい」と希望する人も多く、まとまった金額での賠償を求める声が強まっています。 これについて、賠償の指針を作っている国の審査会は、政府が今月末にも行う避難区域の見直しにあわせて、長期間、帰宅が困難な区域の不動産を事故直前の価格の全額で賠償することや、精神的な損害への賠償金を少なくとも5年分を一括で支払うことなどを盛り込んだ新たな指針をまとめる方針です。 東京電力は指針を受けて、来月賠償額の計算の元になる算定基準を公表する方針ですが、被害者が納得する内容になるかどうかは不透明で、東京電力や支援をする国の対応が問われることになります。 今後の賠償に向けて、東京電力は「1年間の賠償業務で明らかになった課題を改善し、これまで以上に賠償を加速させたい」と話しています。 |
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3月9日7:42 NHKニュース スイスの行政裁判所は、運転開始から40年となる首都近郊の原発について、耐震性などに問題があるとして、来年までに運転を停止するよう電力会社に命じる判決を言い渡し、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、原子力政策を転換したスイスで、「脱原発」の動きが加速しそうです。 この裁判は、運転開始から40年となる首都ベルン近郊の「ミューレベルク原発」を巡って、政府が2年前に無期限の運転許可を認めたことに、地元の反原発団体が反発し、運転停止を求めていたものです。 スイスの連邦行政裁判所は、8日までに原子炉内の構造物にひび割れが見つかったにもかかわらず、完全に修理が行われていないことや、耐震性が十分でないことから原発の安全性に問題があるとして、来年6月までに運転を停止するよう電力会社に命じる判決を言い渡しました。 スイスは、東京電力福島第一原発の事故を受けて、「脱原発」へと方針を転換し、2034年までに国内にある4つの原発をすべて、順次廃止する方針を決めています。 今回の判決は、この原発が稼働し続けることに「問題はない」としてきたスイスの安全規制当局の判断に真っ向から疑問を示すもので、スイスでは、反原発の機運が一層高まり、脱原発に向けた動きが加速しそうです。 |
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