2016年7月13日水曜日

福島原発事故が起きた翌々年、2013年06月21日から06月25日の「阿智胡地亭の非日乗」の記事

2013年06月25日(火)
阿智胡地亭便りから  「#73 JR六甲道駅-NHKのプロジェクトX」
2005.01.12作成・メルマガ発信。

1月11日の夜、何年かぶりでNHKの「プロジェクトX」を見ました。自分が大阪勤務時代、10年間通勤駅として利用したJR東海道線の六甲道駅復旧工事がテーマと新聞に紹介記事が出ていたからです。

 1) 「プロジェクトX」はだいぶ前に「新潟のコシヒカリ」をテーマにした番組を見てからは、ご縁があった古野電気さんの「漁船用魚群探知機の開発」の回を見たくらいで、後は殆どまともに見たことがありません。

「コシヒカリ」の開発のプロセスをテーマにした回は、開発者の苦労やプロセス自身は面白かったのですが、番組の構成とナレーションのシナリオに驚きました。

この回は「善玉」の開発者に対し、立ちはだかる障壁として「悪玉」に時の新潟県知事を配し、完全な勧善懲悪ドラマに仕立てられていました。何度も何度も大写しされ、全てに邪魔をし続けたかのように表現される悪代官ヅラそのものの当時の知事さんが、だんだん気の毒になってきました。もう亡くなれていたようですが、遺族の方々はとても正視出来ないだろう内容でした。構成には、なんのヒネリもわずかなエスプリもありませんでした。

地方にいけば、NHKの放送内容は間違いないと思っている日本人がまだまだ多いのに、こんな取り上げられ方をして、もし奥さんなど遺族が新潟に住んでおられたらお気の毒と思いました。そんな配慮は微塵も伺えませんでした。

このとき「プロジェクトX」も、番組の創生期に汗を流したスタッフが去って、安定して視聴率を取れるようになってから担当した第二世代の連中が、人気の上にあぐらをかいて傲慢で楽な方法で作りだしたなあと思いました。
 
2) もともとこの番組は、対象がどんなに素晴らしい開発や社会的功績のあるプロジェクトであっても、ラジオ番組ではなくテレビ番組ですから「映像」が入手出来ない場合は番組化出来ないという大きな制約があります。

つまり、成るか成らないかわからないままプロジェクトに専念し、記録写真やスナップ写真が残っていなければ、その事柄の価値とは無関係に番組として取り上げ得ないのです。

おそらく「プロジェクトX」という番組の企画を発案し、実現した初期の製作者とそのスタッフは、持ち込まれるネタではなく、自ら全国を走り回って対象を探し、しかも選別し吟味して製作していたような気がします。

番組スタート時に見ていた私は、文句をつける余裕も無く、♪風の中のすばる~と「地上の星」が流れだし、「ヘッドライト・テールライト」のエンデイングが消えていく時間まで、この番組にじっと身を浸らせてもらっていたような気がします。
 
3) 今回の<「鉄道分断 突貫作戦 奇跡の74日間」~阪神・淡路大震災~>を見ていたら、自分が「震災体験記に書いた「JRも阪急、阪神も甲子園あたりで不通になったため、始めは代替バスで一番近い駅まで行くしかなかった。

通勤ルートは毎日変わった。最寄りのJR六甲道駅は地震の瞬間に崩壊して東海道線がここで長いあいだ断絶した。阪神青木まで2時間ほど歩いた事もあった。」頃を思い出しました。

ここまで大変な工事だったことは、この番組を見るまで知りませんでした。

映像的には、震災で崩壊した駅のシーンは、当時を思い出してあまり見たくはなかったのですが、今も乗り降りする駅がこんなんだったんだと、自分が今は記憶から当時の情景を押しのけていることにも気がつきました。

そして最後の完成試験で、上下逢わせて4軌道のレール上を各2両連結の機関車が4台同時にスタートし、平行走行して、桁のタワミをチエックする場面は迫力がありました。

当時我々に聞こえてきたのは、東海道線がここでブチ切られ、日本列島全国輸送の大動脈が機能しなくなったことから、また戦争突発に備え、国家として威信をかけて金に糸目をつけない突貫工事にかかったという話でした。

この24時間昼夜を問わない、金に糸目をつけないお上の工事のため、重機や建設資材、工事人員がこの工事現場に独占され、阪急や阪神のような私鉄では、六甲道駅が復旧するまで工事の着手も出来ないということでした。

確かに阪急と阪神の復旧工事は大幅に遅れました。ただ利用者にとっては大阪と神戸の間のいわゆる阪神間には阪神,JR、阪急という3本の路線が平行して走っているため、どれか一本が復旧すれば何とかなるという面がありました。この震災の後、復旧費用がかさんだこと、乗客の減少などで両私鉄のバランスシートが一挙に劣化したことはまた別の話としてあります。

今回の番組のシナリオは、工事業者の奥村組が提供した工事記録ビデオと写真類をメインに構成されたためか、

余震をかいくぐり短時間で大変な工事を貫徹したという美談仕立てに終わり、番組制作者の固有の視点が初めから終わりまで感じられませんでしたし、近辺の住民からの感謝と暖かい応援という添え物の時間も結構長く感じられました。なんか作る方に「泣かせるノン作ったやろ、人間の思いやりの気持ちを思い起こそう」という、上からさとしてくれるような傲慢さがあるのを少し感じました。

ほぼ5年間、同じコンセプトのドキュメンタリー番組を作り続けるのはしんどい。毎週毎週、企画当時のレベルを維持するのは、ネタ切れもあり、もう無理なんだろうとも思いました。

浮かれ節(講談の前身)のイントロではありませんが、テレビは、

「・・・これじゃからとて皆様方、現場見てきてやるのやおまへん、昔作者が暗い行燈のその陰で書いて残した筆のあと、筆に狸の毛がまじる。嘘かほんまか知らんけど、本当らしゅうにやりますさかいに聞く皆様もその通り、たとえ嘘じゃと思うても本当らしゅうに聞いてもらわにゃ仕様がない、一生懸命に勤めまするで、しばらくの間お遊びを給わる。」なんだと思います。

テレビが普及しだした頃に大宅壮一という人が、テレビのことを「電気紙芝居」と言いましたが、作る方もかっこつけずにそう思って作り、見るほうもそう思って見れば、テレビも「なかなかおもろいもんではないかいなア・・・・」
 
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大弦小弦]きのう、糸満市摩文仁の「平和の礎」を訪ねた…沖縄タイムス
2013年6月24日 09時36分

 きのう、糸満市摩文仁の「平和の礎」を訪ねた。大勢の人が刻銘された肉親らの名を確かめ、指でなぞり、手を合わせた。戦没者への哀惜と平和を願う気持ちが幾重にも折り重なる場だ

▼「慰霊の日」は毎年、晴れの印象が強い。厳しい暑熱が身を包むにもかかわらず、高齢者が子や孫に支えられて礎へと向かう。生きることを閉ざされた肉親や知人らの無念の気持ちに突き動かされるのだろう

▼戦後68年へてなお、戦争体験者の心の傷は深い。毎年6月になると、気持ちがふさぎ憂鬱(ゆううつ)になる方も少なくないと聞く。手を合わせたいという思いはあっても、慰霊の場に足を運べない人たちがいるということも忘れたくない

▼礎に刻まれた24万1227人の名前。戦争犠牲者の記録ではあるが、一人一人が痛ましい時代を一生懸命に生きていたという証しでもある。いや応なく戦火を生き、無念の死を遂げた方たちの生の刻印だ

▼礎の前に立つと、生まれてくる時代は選べないという厳粛な思いが募る。好むと好まざるとにかかわらず、戦争の火の粉は誰の身にふりかかってもおかしくない

▼しかし、未来は選べる。過去から学び、「いつか来た道」に流されない知恵と勇気を身につけ、次の時代へ続く道に過ちがないか目を凝らしたい。戦没者の無念に報いるためにも。(平良哲)
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校舎や店舗など仮設建築物 福島県、期限延長を国に申請 河北新報

福島県は24日、福島第1原発事故の避難に伴って応急的に建てた同県双葉郡の小中学校の仮校舎などの使用期限を延ばす「応急仮設建築物復興特区」の認定を政府に申請した。政府は7月上旬に認定する見通し。

 仮設建築物はほかに、仮設住宅の敷地に建てた店舗など。仮校舎も含めて福島市など県内24市町村に計111軒ある。

 県によると、建築基準法では仮設建築物の使用期限は完成から2年3カ月で、建築時期の早い建物は7月に期限を迎える。特区に認定された場合、1年ごとに期限を延長できる。
  
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裁判官が賄賂を懐に入れる中国と検察が法を曲げる日本
裁判官まで腐敗している中国
堕落は必然、「監視」の仕組みがない一党独裁

一部引用・・

 中国で最も危険な職業は何か。それは炭鉱夫ではなく、ダムや橋を建設する労働者でもない。実は、職業として最も危険なのは共産党幹部であるかもしれない。

 民主主義体制に移行していない現状では、共産党幹部の権限は日増しに膨張している。一方で何の監督・監視も受け入れないため、腐敗はとどまるところを知らない。汚職が摘発され、無期懲役や死刑の判決を受けることも珍しくない。ある調査によると、近年、法曹界も腐敗しつつあり、裁判官と副裁判官の約40%が汚職に手を染めているという。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

現在、アメリカの大学に留学する外国人留学生は中国人が一番多い。

アメリカ政府が調べたところ、中国政府の高級幹部のうち86%の幹部は自分の子供と孫をアメリカに留学させていると言われる。

しかも、その半分以上は中国に戻らず、アメリカに移民することを望んでいる。中国社会の「勝ち組」のジュニアたちは、国を捨ててアメリカへ新天地を求める。これは不思議な現象である。

2012年、失脚した重慶市共産党書記の薄熙来は、市民の前で資本主義を痛烈に批判しながら、息子をイギリスとアメリカに留学させている。

 共産党幹部において「裸官」という現象が見られる。「裸官」とは、妻子をアメリカやイギリスなどへ移民させ、自分ひとりが国内にとどまって収入を得る幹部のことである。裸官であれば、たとえ収賄などで逮捕されても、家族に飛び火することはない。

 これは家族のために自分を犠牲にする「家族愛」と言えるかもしれないが、「裸官」になる決意をした段階からその幹部は汚職に手を染めるつもりだとも言える。

安心・安全な食品を口にしている共産党幹部

 六十数年前、毛沢東が政権を取ったとき、共産党幹部は「人民の公僕」と言われていた。しかし、今の共産党幹部は特権階級になってしまった。

北京の中南海に住居を構える共産党指導者は米や肉などの食品について特別な供給を受けている。地方政府の役人には、農家との特別な契約により安心・安全な食品が供給されている。

 問題は普通の国民の食生活である。乳幼児の粉ミルクにメラミンが混入されても、その責任の所在は明らかにされない。普通の国民は、一体何を口にすれば安心できるのだろうか。

共産党指導者の家族も普通のスーパーや市場で買い物するようになれば、食品の安全性は相当高まるのではないか。

 昔と違って今はインターネットの普及により情報の伝達は予想以上に速い。共産党幹部の腐敗を国民が知らないわけではない。

 映画監督・小説家の梁暁声は共産党幹部の腐敗ぶりに怒りを覚え、「係長以上の幹部を全員逮捕しても冤罪にはならない。課長以上の幹部を全員処刑しても冤罪にはならない」と述べている。若干感情的で過激な言い方だが、それほど共産党幹部の腐敗が横行し問題になっているということだ。

 ただし繰り返し言うが、共産党幹部の腐敗は、幹部個人の腐敗というよりも、制度そのものの腐敗に根本的な原因がある。渦中にいる共産党幹部は、自らが直面する制度の危険性を十分に承知しているはずである。この危険性こそ共産党幹部にとってのチャイナリスクと言えよう。

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いまにしのりゆきのぶろぐ「まいど 商売繁盛笹もってこい」が面白い
その1 大阪地検証拠改ざん事件 裁判よりオモロイ会見 陸山会事件への思いぶちまけた大坪被告に拍手!

一部引用・・

「事件を決済した連中、八木にしても長谷川にしても、
ずさんな捜査とずさんな法解釈で私をやった」

「東京で自分たちが陸山会事件で立場になると、
田代の問題で自分が受ける立場になったら、
あのような対応。いったいなんなんだ、きみたち」

「八木は次席、長谷川は最高検として事件をとりまとめた。

あれらがわからんはずがない。彼らの責任は問われないのか」
と語った大坪被告。

「私なら言うても、ええやろう」とも話した。
オモロイやんか。

八木とは、当時の東京地検、長谷川とは、
最高検で大坪被告の事件の捜査をまとめる
立場にあった、幹部のえらい検事や。

陸山会事件、東京地検特捜部の田代元検事の
インチキ調書は不問、大阪地検はアカン。
検察は自分たちの都合によって、パクるか、パクらんか決める、
それは、アカンってことを大坪被告は、言うてる。

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その2 「東電に逆らうと天罰くだるぞ」と大新聞のベテラン記者から脅された。  

一部引用・・

原発事故のあった、2年前の6月といえば、福島第1原発に独自ルートで潜入する日が続いた。

それをまとめて書いたのは、9月やった。

「東京電力の敷地に取材許可なく入るのは、許せない。政府も許可してないと言っている。東京電力のや立場、事情をよく考えろ。取材はみんなで許可をもらい、きちんと政府やTEPCOの指示に従って邪魔にならんようにするのがルール」と文句言ってきた、大新聞のベテラン記者がいた。

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止まらない八ッ場、止まらないニッポン by マル激トーク
マル激トーク・オン・ディマンド 第635回(2013年06月15日)

ゲスト:中澤秀雄氏(中央大学法学部教授)

 民主党政権が高らかに「中止」を掲げながら結局は実現しなかった群馬県の八ッ場ダムの本体工事の入札が、5月17日、あまり大きく注目されることもなく公告された。7月には業者を選定し、年内にも本体工事に着工する予定だという。

 八ッ場ダムは民主党政権下で無駄な公共事業の代表例に位置づけられ、民主党のスローガンだった「コンクリートから人へ」の象徴だった。前原誠司国交大臣は一度は八ッ場ダムの建設中止を宣言したが、地元からの強い反対に遭いほどなくそれを撤回。八ッ場ダムの建設工事の継続は民主党政権下の2011年に決定されていた。

 しかし、とは言え、60年以上も前に計画されながら、地元の強い反対運動に遭い、国が反対派を切り崩しながらようやく事業決定に漕ぎ着けた頃にはもう、当初の目的だった利水や治水などの需要はほぼ消滅していた。今回の工事再開の決定は、ダムが必要だからではなく、ここまで話がこじれてしまった以上、無駄であろうが何だろうが、もはやダムを作る以外に選択肢がないという状態に追い込まれた結果だった。

 しかしそれにしても日本という国は、国が一旦やると決めた事業は、何があってもやり遂げられるようになっている。

それが今だに変わらない。山本リンダの歌ではないが、止めようにも、どうにも止まらないのだ。長良川河口堰もそうだったし、諫早の干拓事業もそうだった。ある意味で原発もそうだ。


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人生を無駄にするための10の方法     by ちきりん

1.やればできるとわかっていることばかりする

2.会えばどんな話になるか、(会う前から)わかっているような人ばかりと会う

3.楽しいとも思えないことを、お金や義務感や惰性のために続ける

4.将来のために我慢する

5.いかに昔がよかったか、みんなで語り合う

6.自分の環境を嘆く

7.恵まれている人を攻撃する

8.「スゴイですね!」「さすがですね!」と言ってくれる人ばかりの環境で長く働く

9.一緒にいてイライラする人から離れない

10.社会や政治や会社など「自分以外の誰かが問題を解決すべきである」、と一生懸命に主張する

引用元
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福島原発、滞留水問題の「いま」と「これから」 by 福島原発行動隊通信
一部引用・・

滞留水の基本的な役割は原子炉内の溶融燃料デブリの冷却です。

1~3号機のデブリ冷却に1日当り約350トンの冷却水が必要です。炉壁からスプレイ・注水された水は、デブリを冷却すると同時に放射性物質で汚染されます。

汚染を外部に広げないために建屋の破損隙間から地下水が流入するように水位を制御していて、このために地下水が1日約400トン汚染水に混ざり合計約750トンになります。

●循環路の短縮が課題

最大の汚染物質セシウムを除去し塩分を除いて、冷却水350トンはポンプ・管路・タンクを経て循環します。この循環路が約4kmあり、いまも仮設的要素が残っています。

循環路の短縮には、建屋近くのタンクへの切替え(約3km)・建屋内で循環(冷却管路はほぼ0)などが検討されていますが、環境線量が高く作業に至っていません。

全文はこちら

引用元はSVCF通信38号。
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共通番号法(マイナンバー法)が成立した。 概略内容と懸念
共通番号法(マイナンバー法)が成立――「社会保障」の理念は立ち消え
2013 年 6 月 20 日 5:42 PM

国民一人ひとりに番号をふり、納税や年金などの情報を行政が把握できるようにする共通番号法(マイナンバー法)が五月二四日、参議院本会議で成立した。社民、共産、生活の党などは反対した。

 二〇一五年一〇月から国民すべてに一一桁以上の個人番号がわりあてられ、税務署や自治体、日本年金機構などの行政機関がそれぞれ管理していた個人情報が、ネットワークでつながることになる。個人情報の民間活用や医療情報は今回は適用外だが、三年後の法改正時には認められる公算が高い。

 マイナンバー法は民主党政権時代には「社会保障と税の一体改革」という理念のもと、低所得者対策への活用が念頭にあった。しかし自民党政権になってこの構想は立ち消えた。

 衆議院本会議の質疑では自民、民主、公明、みんな、日本維新の会などの修正協議によって、法案に「行政分野におけるより公正な給付と負担の確保をはかること」という文言が付け加えられた。

 税金未納を防ぐ狙いもあるが、預金や非公開株、不動産などの金融資産は把握できないという。

 個人情報を政府が一手に握ることへの懸念に、安倍晋三首相は五月二三日、「国民に役立つ制度にするよう全力をつくす」と語った。

 法案成立をうけ、二八日には参議院議員会館内で法案採決に抗議する院内集会が開かれた。

「監視社会を拒否する会」共同代表で上智大学教授の田島泰彦氏は、「我々の情報が手の届かないところまでいっている。御上の意のままに情報が一元的に管理され、コントロールされていく。そういう段階にきている」と指摘。「憲法改正とも連動している」とし「盗聴法の適用拡大や秘密保全法の問題など全体状況を射程に入れ今後の対策を考えていきたい」と話した。

 同会は今後、システムを導入する自治体などに働きかけ、具体的な問題点を指摘していくという。

(野中大樹・編集部、5月31日号)

引用先
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小出裕章講演会 1/3 松本市 2013/6/09(日) 動画
2013年6月25日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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米兵の原発被爆訴訟、東電がアメリカ連邦地裁に書面提出
東電福島原発事故支援の米兵の被ばく訴訟、東電が争う姿勢 連邦地裁に書面提出 「トモダチを欺く東電」(各紙)

6月 22nd, 2013 | ◆◆◆

各紙の報道によると、東日本大震災の被災地支援で三陸沖に派遣された米原子力空母「ロナルド・レーガン」の乗組員らが、東京電力福島第1原発事故で被ばくして健康被害を受けたとして東電に損害賠償を求めた訴訟で、東電は21日、カリフォルニア州サンディエゴの連邦地裁に訴えを退けるよう求める書面を提出した。東電は訴訟で全面的に争う姿勢だ。

 提出書面によると、東電は原発事故をめぐる東電の行為と健康被害について、原告側は因果関係を説明していないと主張している。また裁判で争うなら、事故の現場がある日本で行うべきだ、とも指摘しているという。これに対して原告側は、東電が事故で放出された放射性物質の危険などについて正しい情報を伝えなかった、などと主張している。

米国での訴訟は、2012年12月21日、ロナルド・レーガンの乗組員8人が原告となって、レーガンが母港とするサンディエゴ海軍基地のある同市連邦裁判所に提訴された。その後原告数は増加し現在26名に増えている。さらに、100名以上が訴訟に加わる準備を進めており、賠償請求額の総額は20億ドル(約2,000億円)に達する見込みという。

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2013年06月23日(日)
今日は日本国沖縄県の慰霊の日
きょう慰霊の日 平和願い光の柱 糸満市摩文仁
2013年6月23日  琉球新報

「平和の光の柱」や「平和の灯火」で鎮魂の光に包まれる県平和祈念公園=22日午後8時半ごろ、糸満市摩文仁

 きょう23日は慰霊の日。一般住民を巻き込み、20万人余の尊い命、財産、自然を奪った沖縄戦から68年が経過した。

激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園で午前11時50分から、県と県議会主催の「2013年沖縄全戦没者追悼式」が開かれ、戦没者のみ霊を慰めるとともに、世界の恒久平和を希求する。

 追悼式には安倍晋三首相、岸田文雄外相と小野寺五典防衛相やルース駐日米大使も出席する。平和祈願慰霊大行進は午前9時に糸満市役所を出発し、追悼式に合流する。この日は県平和祈念資料館を無料で公開する。

 県内には全国の米軍専用施設の73・8%が集中する。政府は沖縄の基地負担軽減を唱えながらも昨年10月、米軍普天間飛行場に海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを配備した。

自民党が昨年発表した「自民党憲法改正草案」は、第9条の戦力の不保持と交戦権の放棄を削除し、「国防軍」の創設を掲げている。日本が戦争のできる国へとかじを切ろうとしている中、沖縄戦の教訓をかみしめ、反戦平和を誓う慰霊の日となる。

 22日、県平和祈念公園では、平和の願いを込めたサーチライトを上空へ照らす「平和の光の柱トライアングル」が実施された。約7千本のろうそくを同公園、台湾、香港の3地域で同時にともす「平和の灯(ともし)火(び)」や灯ろう流しも行われ、公園全体が鎮魂の光に包まれた。

「島田 叡」という神戸人が沖縄最後の官選知事をした。『沖縄の島守』を憶う夕べ  

 こちら
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沖縄県民の「心の傷」  慰霊の日、琉球新報社説

慰霊の日 軍は住民守らず 「心の傷」抜本調査を
2013年6月23日

沖縄戦の組織的戦闘の終結から68年を迎えた。

 「ありったけの地獄を集めた」と表現される過酷な戦場から針の穴をくぐるように生還した方々が戦後、肉体だけでなく心がひどくむしばまれ、その傷が癒やされることなく生きてきたことが、ようやく実証された。

 沖縄戦トラウマ研究会が調査した沖縄戦体験者のうち、約4割が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症しているか、発症する可能性が高い深刻な心の傷(トラウマ)を抱えていた。


フラッシュバック


 比較可能なベトナム戦争に従軍した米兵、阪神・淡路大震災後の被災者の約2倍だという。その理由の一つが、沖縄に駐留し続ける米軍の存在だ。

 女性暴行や殺人など米兵が引き起こす犯罪によって、戦争時の記憶が突然よみがえるフラッシュバックにさいなまれる。米軍機や、強行配備された新型輸送機MV22オスプレイの爆音も同様だ。

 体験者にとって戦争はまだ終わっていない。私たちはこの現実を直視しなければならない。

 日本政府は、早急に全ての体験者を対象にしたPTSD調査を実施すべきだ。深刻な心の傷を抱えている方々に、適切な治療を施す責任がある。

 同時にPTSD発症の一因とされる米軍被害をなくすためにも、普天間飛行場の閉鎖・県外移設、日米地位協定の改定は不可欠だ。

 沖縄戦は「本土決戦」準備が整うまで、米軍を一日でも長く沖縄に引きつけておく「出血持久戦」(「帝国陸海軍作戦計画大綱」)だった。第32軍が司令部のある首里で降伏せず、沖縄本島南部の摩文仁、喜屋武一帯に撤退したのは、当時の大本営の方針に従ったからだ。

 第32軍は沖縄県民を守るために配備されたのではないので、住民保護の視点は決定的に欠落していた。「出血持久戦」によって、南下した非戦闘員が戦火に巻き込まれ、おびただしい人々が犠牲になった。

日本兵による食料強奪、壕追い出し、壕内で泣く子の殺害、住民をスパイ視しての殺害が相次いだ。

日本軍は住民から機密が漏れるのを防ぐため、住民が米軍に投降することを許さず軍と共に生き、軍と共に死ぬ「共生共死」の指導方針(「報道宣伝防諜(ぼうちょう)等に関する県民指導要綱」)を発令していた。

そのため戦場で日本軍による命令や、強制、誘導によって親子、親類、友人、知人同士が殺し合う惨劇が発生した。県民にとって沖縄戦の教訓は「軍隊は住民を守らない」だ。

離島奪還訓練

 尖閣諸島をめぐる日中の対立が高まる中で、自衛隊幹部が隊内誌に、沖縄戦を含む太平洋戦争中の島しょ防衛戦を分析、今後の作戦の教訓にしている。

沖縄戦は「特別攻撃、進攻遅延海・空戦闘と地上戦闘により一定の(米軍を沖縄に引き止める)遅延効果は認められた」という内容だ。
 「出血持久戦」を「一定の効果」があったと評価している。

だが実態は、暗号を解読されて作戦は筒抜け、生還が許されない海と空からの特攻、急造爆弾を抱えて突撃を繰り返した揚げ句、住民を巻き込んだ無残な戦争だ。自衛隊幹部の「評価」に違和感を禁じ得ない。

 別の論文によると、自衛隊が想定する島しょ防衛戦は、敵に離島(南西諸島)を占領された後、強襲上陸し奪還する。

「領域保全を優先」するため「住民混在」の「国土防衛戦」を行うと明記しているのだ。沖縄戦を想起させる。この考え方に沿って現在、米国で陸海空3自衛隊と米軍による離島奪還訓練が行われているとみられる。

 安倍政権は、改憲して自衛隊を国防軍に変更し、集団的自衛権の行使を容認し「戦争ができる国」づくりを進めようとしている。

沖縄戦を体験し、引き続き過重な米軍基地負担を強いられている私たちとしては、到底認められない。

 無念の死を遂げた方々に思いをはせ不戦の誓いを新たにしたい。

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何も進まぬ1年 政府に怒り 方針出して 東京新聞
2013年6月22日 07時46分

院内集会で記者会見する原発事故被災者ら=21日午後、東京・永田町の参議院議員会館で(北村彰撮影)

 東京電力福島第一原発事故の被災者を救うはずの「子ども・被災者支援法」が無力のまま、二十一日で成立してちょうど一年を迎えた。

超党派の議員提出で、衆院、参院とも全会一致で可決したのに、政府は具体化のための基本方針さえ作らない。今月には復興庁担当者のツイッターでの暴言も明らかになった。同日、東京・永田町の参院議員会館に集まった被災者や支援者は、怒りと落胆の声を上げた。 (柏崎智子)

 「成立した日は、革命が起きたかと思うほどうれしかった。これで私たちの生活が少しでも楽になる、苦しみがなくなると期待したが、変わらなかった」。福島県郡山市から札幌市へ自主避難している宍戸慈(ちか)さんは振り返った。

 災害救助法の住宅支援があるだけで、生活は苦しい。その支援さえ、来年三月には打ち切られるかもしれない。

 福島市から東京都練馬区へ母子避難している二瓶和子さんは、二人の子どもを別々の保育所へ預け、高い保育料を払いながら日中働き、夜も子どもたちが寝静まると内職する。支援法に期待し、国会議員や担当職員のいる集会で発言してきた。「何が大変ですかと聞かれ続けたが、大変さは改善しなかった」

 浴びた放射線が将来どう影響するのか、未知の部分が多い。だからこそ、子ども・被災者支援法は、被災地にとどまることも、避難することも、避難先から再び帰ることも、すべて被災者自身の決定を尊重し、必要な支援をすると決めた。特に、経済的な苦しさの上、古里を捨てるような後ろめたさを抱えがちな自主避難者に希望を与えたが、一年かけて落胆に変わった。

 宍戸さんは「もう期待していない、という声を聞く。とても気持ちは分かる。事故から二年たつ間に被災者の状況はどんどん変わる」と話す。

 この日の集会には復興庁の担当者も出席したが、基本方針の決め方の見通しが語られることはなかった。

 それでも「前に進むしかないと思っている」。郡山市から静岡県掛川市へ自主避難した長谷川克己さん(46)は、声を絞り出すように話した。身ごもった妻や子どもを守るために、仕事も地域の役員もやめて避難した。「被災当事者を交え、基本方針を協議する場を、定例でつくってほしい。今更だが、話を進めてほしい。それが私たちの希望であり、復興庁の誠意だ」
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アメリカの「ジェネレーションY」という世代を初めて知った。
『from 911/USAレポート』第632回

    「スノーデン事件と「ジェネレーションY」」

    ■ 冷泉彰彦:作家(米国ニュージャージー州在住)

 香港に潜伏しているエドワード・スノーデンによる、NSA(アメリカの電子スパ
イ組織「国家安全保障局」)のプライバシー侵害問題の告発は北アイルランドでの
「G8サミット」の重要な議題になると共に、サミット後にベルリンで行われた独米
首脳会談にもある種の「影」を落としました。

 アメリカでの報道によれば、ドイツ側の「NSAによる情報収集行為」への不快感
は相当なものであって、オバマはメルケル首相の抗議に対して防戦一方であったと言
われています。CNNなどでは「ドイツは戦前はヒトラーによる監視社会を、戦後も
東側は東独政府のシュタージ(秘密警察)による監視社会を経験」しているだけに、
プライバシーの侵害行為に対しては敏感だというのです。

 その一方で、ドイツ政府はオバマに対して前回は許可しなかった「ブランデンブル
グ門」前での演説を許可、そこでオバマは「米ロ交渉による戦略核弾頭の3分の1を
削減」という提案を行なっており「2009年以来の自分の核廃絶戦略」を更に進め
るのだとしています。

 オバマの「核廃絶」というのは久々です。2009年にチェコのプラハで「最終的
にはアメリカは核兵器を廃絶する」と宣言して、これが、同年のノーベル平和賞受賞
への流れになっていったことを思うと、隔世の感があります。

 隔世の感と言えば、オバマのノーベル平和賞などというのも完全に忘れ去られてい
ると言っていいでしょう。平和賞を受賞したにも関わらず、オバマは「アフガン戦争
における増派を実行」して行ったわけです。更に「無人機(ドローン)」作戦などの
「超法規隠密行動」を遂行するなど「思い切った」行動も続けています。

 そんなわけで、オバマ政権というのは2009年に多くの人が思ったイメージとは
ずいぶんと異なった姿を見せてきています。これは、逆にオバマに「理想の実現」を
託した若年層の期待については、これを裏切っているということも言えます。例えば、
2011年から起こった「ウォール街を占拠せよ」デモというのは、明らかに「反オ
バマ」の活動であり、同時に2008年にオバマに投票した層の「幻滅の表明」でも
ありました。

 そうした見方をするならば、今回の「スノーデン事件」に関して若年層を中心とし
てアメリカ国内でもスノーデンの行動に共感を覚える層が存在するというのも、広い
意味での「オバマへの幻滅」の表現であると言えると思います。

 スノーデンへの共感とオバマへの幻滅というのは、一体どんな世代に起きているの
でしょうか? それは「ジェネレーションY」という世代、つまり1983年から2
000年に生まれた世代、現在の13歳から30歳という大きな層と見ることができ
ます。

 1983年以降ということは、例えば1983年生まれの「Y世代の最高齢」の場
合、ウィンドウズ95の登場と共にインターネットが爆発的に普及した1995年に
は12歳であったわけで、正に「物心ついた時にはネット社会になっていた」世代と
いうわけです。

 ちなみにスノーデン自身が「ジェネレーションY」のこの最高齢ゾーンにいるわけ
ですが、彼は2001年の「911」の事件の時には18歳で、その後『ガーディア
ン』紙のインタビューで喋った内容が真実であるとすれば(前回お伝えしたこのイン
タビューですが、一部の政治家からは半分も真実ではないという証言が出ています)、
イラク戦争に従軍しようとしたとすれば「911に触発されて国を憂えた」最後の世
代ということもできるでしょう。

 問題はスノーデン自身ではなく、この「ジェネレーションY」の世代が今回のプラ
イバシー侵害問題に対して、あるいはオバマ政権に対してどう考えているかです。世
論調査で出てくるのは、中高年の層と比較すると、まず「スノーデンの告発は支持」、
「従ってNSAのプライバシー侵害行為には反対」「無人機攻撃にも反対」というよ
うなデータが出てきます。

 また現在進行形で議会でのホットなテーマとなっている「移民問題」でも、世代に
よる意見はハッキリとコントラストを示しています。超党派が提案している「不法移
民13年で合法化への道を開く」という案に関してですが、6月18日のCNN・O
RCの合同世論調査では「ジェネレーションY」は54%が賛成していますが、65
歳以上では賛成は40%という「世代間格差」があるという結果が出ています。

さて、こうした種類の数字を前にすると、日本の感覚では、65歳以上の「高齢パ
ワー」が勝ちそうに見えます。ですが、アメリカの場合は人口ピラミッドが全く異な
るのです。「ジェネレーションY」というのは、実は日本には存在しなかった「第三
次ベビーブーマー」であり、一年刻みで300万人という「ベビーブーマー」以上の
分厚い層を構成しているのです。

 この「ジェネレーションY」がこれから、1年毎に300万人新たに18歳の選挙
権年齢に達していくと同時に、1年毎にドンドン社会に出て行くわけです。そう考え
ると、今回の「スノーデン事件」というのは「占拠デモ」に続く「ジェネレーション
Y」の反乱だと言えるでしょう。

 本論から外れますが、トルコのエルドアン首相に対する「公園再開発反対デモ」も、
人口の50%が若者というトルコの極端な人口ピラミッドの中で、若者の声を押さえ
つけようという強権型政治への「異議申し立て」と見るべきだと思います。

 アメリカの「ジェネレーションY」ですが、その特徴としては三点挙げられると思
います。まず、社会問題に関しては「理想主義的」です。勿論、世界の過去の歴史を
見ても「人口動態で相当なパワーを持った若年層」が「上の世代に挑戦」するときは
「理想主義的」になるのはお決まりのパターンなのですが、例えば1968年当時の
「若者の反乱」などと比較すると、主張はずっと実務的であり、実際的だということ
は言えるでしょう。

 また国際問題に関しては、これはアメリカの「ジェネレーションY」の場合ですが、
従来のアメリカ人と比較すると海外の情報を多く持っており、ヨーロッパやアジアの
カルチャーに対する興味も深く、国際的だと言えます。何と言ってもインターネット
に触れて育った中で、情報へのアクセス方法に慣れているということが大きいのだと
思います。

 もう一つは、これは「占拠デモ」という形でハッキリと出てきたわけですが、経済
や雇用の問題に敏感だということです。2008年のリーマンショック以来の景気低
迷、雇用の冷え込みという問題は、この世代を正に直撃しており、否が応でもその主
張の中にこうした景気や雇用の問題は反映し続けるでしょう。

 オバマの「核軍縮声明」というのは、こうした「ジェネレーションY」に対して
「自分は核廃絶という長期的な理想論を忘れてはいない」というメッセージとして発
信されたといって良いと思います。同時に、その裏側には「ロシアへの変化球的メッ
セージ」がある、つまりシリアでの行動は許さないが、核軍縮に関する交渉は応ずる
という姿勢を見せる一種の「アドバルーン」ということだろうと思います。

 ではオバマがそんな風に気を遣わなくてはいけないほどに、「ジェネレーションY」
はオバマを見限ったのでしょうか? 必ずしもそうではないと思います。ネット世代
であり、理想主義的であっても現実との整合性には敏感な世代として、オバマ流の
「理想と現実の間を背負う」というスタイルそのものには一定の理解はあるように思
います。何よりも、共和党や民主党の「長老政治家」よりは自分たちの世代に近いし、
消極的な支持は続いていると見るべきです。ですが、今回のスノーデン事件や、無人
機作戦、あるいは雇用の問題など個別の問題に関しては、下の世代として「しっかり
突き上げ」てくるということです。

 では、2016年の大統領選を遠望した場合に、この「ジェネレーションY」はど
う動いていくでしょうか? 勿論、2016年の選挙がどのような構図になるのかは、
まだ予測の先にある問題です。ですが、現時点では「ホワイトハウスの主に一番近い」
と言われているのがヒラリー・クリントンであるのは間違いないでしょう。

 問題は、このヒラリーが「ジェネレーションY」と必ずしも相性が良くないのです。
2007年から08年の予備選の際にもそうでしたが、2016年になれば有権者の
数で言えば300万かける8年分の「ジェネレーションY」が新たに選挙権を得るわ
けですから大変です。今回突然に「ツイッター」を始めたのも、その「焦り」の現れ
とも言えると思います。

 とにかく「保守的なお母さん、あるいは、おばあさん」というイメージから、どう
脱して行くか、これからのヒラリーは難しさを抱えていくことになるでしょう。例え
ば、ハリウッドにはヒラリーの若い時代のことを描いた『ロッダム(彼女の旧姓)』
という映画を作る動きがあるのですが、これはヒラリーの「ファン」による彼女の
「イメージのリフレッシュ」を狙ったもののようです。

 ですが、仮にリフレッシュすると言っても、ビル・クリントンの「ファーストレデ
ィー」から上院議員に転じた2001年以来ずっと「コワモテの軍事外交の中道保守
派」で売ってきた彼女が、オバマの「無人機作戦」や「SNS盗聴」を「リベラルの」
つまり「オバマの左」から批判するというのは難しいと思います。一貫性の問題とい
う以前に「ジェネレーションY」からは、「20世紀のフェミニズム的なリベラルと
いうのは古臭い」というイメージで見られる危険性があるからです。

 それはともかく、アメリカの「ジェネレーションY」ですが、雇用を気にしつつ政
治的には国際協調で、理想主義的というと、特に特徴はないように見えます。それこ
そ、トルコの若者、あるいはヨーロッパの若者と大きな違いはない、そんな印象にな
るかもしれません。

 ただ、アメリカの「ジェネレーションY」に大きな特徴があるとすれば、ITの世
界の先端技術を持った分厚い人材が含まれているということです。勿論、ヨーロッパ
にも最先端の人材はいますし、トルコにもいると思います。ですが、アメリカの場合
の人材の層の厚さというのは突出していると思います。

 アップルの成功はスティーブ・ジョブズという傑出した才能のためで、ジョブズの
ような人物を輩出できない日本はダメだとか、グーグルのブリンやペイジのような、
あるいはフェイスブックのザッカバーグのような「若手の起業家」を育てないとダメ
だという議論が日本ではあります。ですが、アメリカのITが先進的なのはそうした
リーダーだけでなく、分厚い技術者の層にあるわけで、そうした人材の層があり、
「ジェネレーションY」というのは、その層の広大な「裾野」として存在しているわ
けです。

 この「IT産業」という面でも、今回のスノーデンの事件は大きな影響を与えてい
くように思います。一つには、現在の「セキュリティ社会、監視社会」という現実を
直視した場合に、ITには限界があるという問題です。

 例えば、今回の問題が大きな衝撃を与えている背景には、現在のSNSというのは、
個人情報が飛び交うスケールが従来の「ウェブ+メール」とは格段に違うわけです。
人々はそのセキュリティ機能を信じてSNSを使ってきたのですが、それが「政府に
情報提供されていた」ということで、目が覚めたと言いますか「ネットを信じてどん
どん個人情報を書き込む」ことへの警戒心と言いますか、不信感のようなものが出て
きたと思います。

 例えば、グーグル社が提案している「グーグル・グラス」の問題があります。メガ
ネに高性能の動画とスチルの撮影可能なカメラと、目にダイレクトにイメージ提供す
る仕掛け、そしてこれを動かすコンピュータを仕込み、音声で動作指示をするという
のは、確かに「スマートな近未来」かもしれませんが、下手をすると「人間という判
断力を持った監視カメラ」を何百万台も世界に放つことになるわけです。

 同時に、個々の人間が「どこを歩いて、何を何秒間見たか?何を話し、何を聞いた
か?」という究極の行動記録を取ろうと思えば取れるわけで、ユーザーの行動が丸裸
にされるということでも、スマホとは桁違いに違うわけです。現在、グーグルは一部
のユーザーに「試用」させることで、様々な研究を進めようとしていますが、このマ
シンのインパクトというのは大変なものがあると思います。

 この「グーグル・グラス」ですが、スノーデンの事件のおかげで、アメリカ社会の
見方は非常に慎重になっていますが、それはそれでいい事だと思います。また今回の
スノーデン事件は、IT各社が「治安維持」という大義の前では政府機関の要請に
「従うしかない」という一方的な関係を変えるキッカケになるかもしれません。

 そうした中で、改めて多くの優秀な若者が「軍や諜報機関」ではなく、民間のIT
企業でのびのびと「新たな価値の創造」に進んでいくことになれば、アメリカの「ジ
ェネレーションY」は全く違うパワーを手にして世界を動かしていくことにもなるで
しょう。

 例えば、今月(2013年6月)にアップル社のWWDC(開発者会議)の冒頭で
発表された、アンキ(Anki)社の「アンキ・ドライブ」がいい例です。これは、様々
なセンサーを搭載したオモチャの自動車(ミニカー)が1秒に何百回もの頻度で、そ
の車の位置や他の車との位置関係を把握し、その情報を Blurtooth によって、
iPhone などのデバイスと交信、そのデバイスに設定された iOS のアプリをAI(人
工知能)として使うことで、高度な自動操縦を実現するというものです。

 こうお話すると、「何となく無人機と同じで、結局は軍事利用になるのでは?」と
いう印象を与えるかもしれません。ですが、アップルは、この技術を「ゲーム」にし
ようとしているのです。恐らくは、ソフトの様々なパラメータをユーザーが「カスタ
マイズ」する中で、「友だちとサーキットで勝負する」というような「遊び」を提案
して行くのだと思います。

 それはもしかしたら、現在のゲーム市場だけでなく、玩具市場やギフト市場を活性
化して、巨大なエコノミーを生み出すのかもしれません。その「楽しさ」が人間を豊
かにするのであれば、同じようなロボティクスのテクノロジーの利用としても、軍事
利用よりははるかに「まし」です。そこにアップルのカルチャーの「強さ」を今でも
感じることができました。

 ちなみに、WWDC でのデモでは、肝心の「最高性能のミニカー」を勝負させるシー
ンで、ソフトがうまく機能せずに「ハラハラ」させられましたが、アンキ社のボリス
・ソフマンCEOはアドリブで笑いを取りながら見事に乗り切っていました。結果的
にその「赤い強力なミニカー」は見事にパフォーマンスを発揮して場内の喝采を浴び
ていたのです。

 エドワード・スノーデンという人物は、決して時代を動かすような「傑出した人物」
ではありません。ですが、今回の暴露という事件は、社会の変化を促すある種の「触
媒」として大きなインパクトがあるように思うのです。「ジェネレーションY」はも
しかしたら、先鋭化したIT技術を「軍事利用」や「監視社会」といった「社会の闇」
に飲み込ませるのではなく、「アンキ・ドライブ」のように日の当たる場所に引っ張
りだし、アメリカに再度大きな経済・社会の発展をもたらすかもしれません。

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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家(米国ニュージャージー州在住)
1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学大学院(修士)卒。
著書に『911 セプテンバーイレブンス』『メジャーリーグの愛され方』『「関係の空
気」「場の空気」』『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』『チェンジはどこへ
消えたか~オーラをなくしたオバマの試練』。訳書に『チャター』がある。 最新作
は『場違いな人~「空気」と「目線」に悩まないコミュニケーション』(大和書房)。
またNHKBS『クールジャパン』の準レギュラーを務める。

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阿智胡地亭便りから 「#71兵庫県民会館から松方ホールへ① 」
2004.11.29作成、メルマガ発信

1) 松下幸之助さんが生きておられれば、その日が110回目の誕生日の日だとは知らずに、「松下幸之助の経営哲学」という演題の講演を聞きに行った。会場はJR元町から山側に歩いて元の知事公館の横を通ってすぐの県民会館にある「けんみんホール」だった。
 
 講演者は松下の社員ながら29歳から「松下邸の執事」に任命され、松下幸之助が朝起きて、夜、布団に就くまで松下家の屋敷で傍に仕えた高橋誠之助という人だった。彼は現在、松下社会科学振興財団の支配人で松下資料館の館長でもある。

うん、執事?そう言えば英国のお屋敷にはフロックコートに身を固めたバトラーがつきものだが、

執事とは何をする人?と、辞書で引くと、

(1)身分ある人の家にあって、庶務を執り行う人。
(2)内豎所(ないじゆどころ)・進物所(しんもつどころ)などの庶務職員。
(3)院司・親王家・摂関家・大臣家などの家司(けいし)の長。
と書いてある。

高橋さんは松下という大会社の社員でありながら、29の歳から、長年に渉り、幸之助家で上記の(1)の仕事に従事されたという珍しいというか稀有のキャリアをお持ちの方である。

従って外の誰も知らない松下幸之助と奥さんのムメノさんのエピソード2,3を含めて、ユーモアを交えながら、幸之助の人となり、考え方を、抑制された語り口で話された。

ご自分でも言われたが、確かに、壇上で「幸之助教」の宣教師を誠実に務めておられた。

私には「何故、いかにして、松下幸之助という人物が形成されたか」の話が一番面白かった。

やはり「人の縁・めぐり合いとその人が持つ感受性」がここでも顔を出した。
 
阿智胡地亭は小さい時から、おえらい方の伝記や事歴を、身体が受け付けないアレルギー体質なのだが、講演を聞いた後には、配布された「幸之助語録」を一度は読んでみようと思ったので、「94年を生きた松下幸之助さんという人の言動」を語るこの高橋さんは、やはりプロの語り部のお一人なのだろう。

2) 同じ日の午後から、「六甲男性合唱団」の演奏会が、JR神戸駅近くのハーバーランドの「松方ホール」であった。この演奏会を一緒に聞きに行くため、講演会の後に県民会館のロビーで相方と落ちあった。

昼食のため目指す店に向かったところ、会館を出て西に歩いてすぐのところに、レトロな建物があって木の扉が開いていた。

旧兵庫県知事公館が、秋の全館公開とかで一般に公開されていたのだった。明治35年に建設された西洋建築だが、今次の戦災で内部が焼け落ち、その後復元された建物だ。

県花のノジギクをモチーフにした豪華なシャンデリアが輝く大舞踏ホールや、貴賓室などを見て廻ったが、一番良かったのは、「小磯良平」「東山魁夷」「川西英」その他多くの地元作家の絵画を見ることが出来たことだった。

一階から3階までの壁面には、兵庫県出身や、ゆかりの書家・画家の作品が数多く掲示されていた。小磯良平の「メリケン波止場」の大きなタペストリーがあったが、昔この公館の知事室から見えた風景を描いたものですと、ボランテイアの方が説明してくれた。

この絵は六甲アイランドにある「小磯良平美術館」にはなく、ここで始めてみたような気がした。

玄関を出ると自分とほぼ同年配の男女のグループが30人程、庭園のあちこちや正門の前でイーグルを広げて公館を描いている。暑くもなく寒くもない、いい秋の陽が照っていた。

公館を出て兵庫県庁や県警本部を過ぎ、山手幹線を西へ15分ほど歩いて、お目当ての「カフェ・マルシェ」を見つけた。予想以上にカレーとランチのメニューの数が多い。カツカレーとエビカレーを頼んだ。

場所的に店の位置は、花隈の隈病院の通りを山側へ上がって、交差点を渡ってすぐ上の右手にあった。

ここは近隣の客が多いのだろうが、若い男女数人連れや、幼児を連れた家族、年配の女性一人客など、お客さんのバラエテイの幅が広い。

カレーもランチもどれもが単価900円前後だから、かなりいい値段だと思うが、良い材料を使って独特の味を出しているので、リピート客をしっかり掴んでいるように見えた。客は次々入ってきた。

味もよく、量もたっぷりのカレーにお腹が一杯になって店を出て、「どうやった」と相方に聞くと「小麦粉を使ってなくて材料に野菜と果物の割合が高いみたい。

おいしいけど、その分、甘みが強く出てしまっているようで、私はシャミアナのルーの方が好き」とのことであった。両方十分おいしいので後は好みだけねと。

この店のルーもただ辛いというのではない旨みを出していて、スパイスを上手に使っていると思った。

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2013年06月22日(土)
海外あちこち記から  「その十一 中国/北京篇 」
1979年8月入国  2001年に作成・メルマガ発信

1)はじめて中国に出張したのは今から20年ほど前です。北京の町はまだあの緑色の人民服の人たちと自転車で一杯でした。

マイクロバスで同行の人たちと交通部(運輸省)へ行く途中にえんえんと続く高い塀を巡らせ、門ごとに拳銃を吊るした紅軍の兵士が厳めしく門衛をしている広大なエリアがありました。

「ここは何ですか?」とアテンドの外事課のエリート役人の若いミス曹に聞くと「共産党のカンブー(幹部)が執務をしたり、住んでおられる中南海というところです」と敬意のこもった口調で教えてくれました。

自分がそれまで何となく持っていた共産主義の国は皆平等という概念がありゃこれは違うとまず感じた最初の一歩でした。

 女性の幹部も多く、男女差別は殆どないようでしたが、一般人と幹部クラスの生活は天と地ほどの差があるようでした。

例えば百貨店の玄関に、当時でもあまり見かけない「紅旗」という国産の運転手つき大型高級車が何台も女性や子供を乗せてやって来ます。

「あの人たちは誰ですか?」と聞くと、「幹部の専属車でご家族の方々が買い物に来られておられます」とミス曹はこれまた当然のように答えました。

2)技術交流という名目の費用当方持ちの勉強会ですから、先方も気を使って日曜日に万里の長城にマイクロバスで案内してくれました。

 まだ観光客相手のレストランもなく昼食もすべてバスに積み込んでありました。長城はさすがにこんなものを作った漢民族の底の知れぬ力と、これを作らせた匈奴の想像の出来ない恐ろしさ、威力の両方を思いました。

 7月の暑さでお湯のようになった心尽くしのビールで乾杯をして、パサパサのサンドイッチを食べながらの話の中で、「何百年もかけてこの長城をつくるために、中国全土から徴用された労働者を出来るだけ長く働かせるために、毎食食べさせたものがあります。

 また、もう一つ月からも肉眼で見える人工構造物であるピラミッドを造るエジプト人労働者に、同じく食べさせたものがあります。

それぞれわかりますか?」と聞かれました。両方の正解は誰も出来ませんでした。

答えは中国が「にんにく」、エジプトが「ゴマ」でした。
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「農民国家」中国の限界   by 川島 博之
格差はもはや是正不可能、政治の不安定化は必至
2013年06月10日(Mon)

中国経済の減速が報道され始めた。その原因としてヨーロッパ経済の不振に伴う輸出の減退や地方政府が抱える不良債権問題などが挙げられているが、よりマクロな視点から見たとき、景気減速は大きな変化の始まりと考えられる。

 筆者は、中国は「農民国家」の限界に突き当たったと考えている。それは短期的な調節ではない。乗り越えるには大きな努力が必要であり、政策のちょっとした変更程度では成長軌道に戻ることなどできない。

中国の農民はなぜ貧しいのか

 中国の戸籍は都市戸籍と農村戸籍に分かれている。現在、その制度は形骸化している部分も多いが、原則として農民戸籍を持つものは都市に移住できない。中国の人口は13億人だが農民戸籍を持つ人が9億人、都市戸籍が4億人である。農民戸籍が圧倒的に多い。そして農民は圧倒的に貧しい。農民は格差社会の底辺にいる。中国の奇跡の成長の恩恵を受けたのは13億人中の4億人でしかないのだ。

 多くの日本人は中国の農民がなぜ貧しいか、その理由を理解していない。また理解しようともしない。戸籍制度があるから貧しいなどと言っているようでは問題の本質を見失う。その根本原因は経済発展にある。

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福島沿岸の漁業 試験操業から1年   NHKNEWSweb
6月22日 7時19分

 東京電力福島第一原発の事故のあと、ほとんどの漁の自粛が続く福島県沿岸で、一部の魚介類に限って試験的に漁が始まってから22日で1年になりますが、水揚げは震災前の1パーセントにも満たず、本格的に漁が再開される見通しは立っていません。

福島県沿岸では、原発事故のあと魚から基準を超える放射性物質が検出されてほとんどの漁は自粛が続き、福島県漁連は、基準を超えることがなくなった一部の魚介類に限って試験的に漁を行っています。

試験的な漁は去年6月22日に始まってちょうど1年になり、販売先は東京の築地市場や関西にも広がっていますが、漁の対象はタコやカニ、コウナゴなど16種類にとどまっています。

主力のカレイ類やタラなどの漁が再開できていないため、この1年間の水揚げ量は250トンと、震災の前の年のおよそ2万6000トンに比べわずか0.9パーセントにとどまっています。

漁業者や流通・加工業者の経営のためには対象の拡大が必要ですが、16種類以外の魚介類は基準を超えることがあるため、対象が大幅に拡大され本格的な漁が再開される見通しはたっていません。

福島県漁連の野崎哲会長は「今は試験的な漁を続けて、福島県沖の魚を安全に流通させる態勢を作り消費者の理解を得ていきたい」と話しています。

取れる魚の種類拡大を

福島県の相馬双葉漁協で試験的な漁の検討委員会の委員長を務めている佐藤弘行船長は、この1年間の取り組みについて「当初に比べれば対象の魚介類の種類も増えて少しずつ前進していると感じている」と話していました。

 ただ、本来なら大きな収入源となるカレイ類やタラなどは今も国の出荷制限の対象になっていて、佐藤さんは「水揚げが少ないと漁業者の意欲も弱まってくるので、取れる種類を広げて水揚げ量を増やさないと試験的な漁そのものが下火になってしまう」と話していました。

この状況続けば撤退も

試験的な漁で水揚げされた魚介類は、地元、相馬市内の流通業者が作る組合が出荷・販売しています。

震災前から取引があった首都圏や関西などの市場に協力を求めて出荷先を確保していますが、競りは行わずに話し合いで価格を決めることが多く、価格は震災前の6割程度にとどまっているということです。

流通業者の組合によりますと先月の売り上げ総額は200万円余りで、運送費や人件費などの経費を差し引くと、利益はおよそ34万円しか残らず、活動に参加した12社で分けると1社あたりおよそ3万円でした。

多くの業者は他の県の魚や安全が確認されている川魚などを扱ってしのいでいる状況だということです。

組合に参加する流通業者の高力秀明会長は「試験的な漁の魚だけを扱っても経営は成り立たない。この状況が続けば撤退する業者も出てくるのではないか」と話しています。
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自民党の参院選公約が決まった  神戸新聞
画面クリックで閲覧容易な大きさに拡大。(上下あり)

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たかじんは偉大である     by 島田 裕巳
2013年06月16日 23:31

『たかじんNOマネー』という番組で、水道橋博士が橋下徹大阪市長の発言にきれ、生放送の終わりに、番組降板を宣言して、退席してしまったことが大きな話題になっている。

もっとも、東京に住む人間のなかで、この番組を見た人は少ないだろう。なにしろ放送されていないからだ。それは、もう一つの「たかじん」を冠した番組、『たかじんのそこまで言って委員会』についても言える。

私は、どちらの番組にも出演したことがある。NOマネーの制作者は、委員会はともかく、こちらの番組なら東京進出も可能だと考えていた。だが、いまだにそれは実現していない。私は、それはとても無理だと思う。

委員会は、日曜日の午後2時から放送されている番組であるにもかかわらず、毎回15パーセント前後の視聴率を稼ぎ出している。時間帯を考えると、あり得ない数字だ。

その秘密は、東京の番組ではとても取り上げられないようなことを話題にできる点にある。たとえば、私の関連で言えば、葬式についての番組なら東京でも可能だろうが、東京の番組で創価学会や幸福の科学について語ることは、現状ではほぼ不可能である。

委員会の番組は収録で、編集が入り、問題発言に処理が施されることがあるが、かなり過激な内容の番組であることは間違いない。だからこそ、関西では絶大な人気を誇っているわけである。

ところが、NOマネーでは、今回の降板劇が起こり、委員会のほうでも、レギュラーだった勝谷誠彦氏の降板という出来事も起こっている。いずれも、やしきたかじん氏が病気のため不在であるあいだの出来事である。

私は去年の11月、たかじん氏不在中にはじめて委員会の番組に出た。そのときは、ひかりの輪の上祐史浩氏が本を出版した直後で、パネラーから批判が彼に集中し、合わせて私にも批判が向けられたが、かなり番組の雰囲気がそれまでと違うように感じられた。

たかじん氏は、通常の司会者とは異なり、番組を仕切るわけではないが、どんな問題が出てきても、それを笑いに結びつけるという才能を有している。この才能は特異なもので、ビートたけし氏に近い部分もあるものの、それとも違う。それは、彼がいかなる立場に立つことなく、一定の主張にも与せず、少し引いたところから、その問題点やおかしさをあぶり出していくからである。

それにパネラーも影響され、あやふやな主張を展開するようなゲストがいると、いかにその人物から笑いになるようなネタを引き出すか、案外親身になって助けようとしたりする。番組を明るく面白いものにするということを、最大の目標とすることが共有されていた。

ところが、たかじん氏が不在だと、そうした番組全体の構造が崩れ、パネラーも自己の存在を主張しようとして、言論が過激になり、笑いに結びつけようという意図が消えてしまう。

その点で、これは当たり前のことではあるが、たかじんの番組にはたかじん氏が不可欠なのである。その代わりをつとめられるようなタレントは存在しない。それは、委員会やNOマネーが放送されている地域の精神状態にも何程か影響を与えているのではないだろうか。

やはりたかじんは偉大である。

引用元
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安倍政権の英語政策にモノ申す  by 山田 順 :ジャーナリスト
英語プアの日本人は、ますます下流化する

一部引用・・

日本人はどうやって日本人になるのだろうか? そんな誰もが意識したことがないことを、グローバル化という視点でとらえていくとどうなるだろうか? 21世紀のグローバル化が私たちに突きつけている問題は、国際標準語(英語)を話す国際人になることではない。

日本人という確固たるアイデンティティを持って、世界を舞台に活躍できる人材になることだ。

しかし残念ながら、日本で日本人の両親から生まれ、日本の教育を受けて育つと、真の日本人にならない。一人娘をアメリカと中国の教育で育てたジャーナリストが、その経験を基に、日本人とは何かを問いかける。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このような英語不要論者の言動を真に受けて、「英語なんて自分に関係ない」と思っている若い人に言いたい。英語不要論を唱える人々、あるいは「英語より、まずは仕事ができることだ」などと言う人々が、なぜそうした発言をするのか、考えたことがあるだろうか?

これは、彼らが「若者に英語をしゃべられたら困る」と、心のどこかで思っているからだ。つまり、若者に英語をしゃべられると、やがて自分たちの地位がおびやかされる。それが本能的にわかるからだろう。

日本の若い世代全体が英語のバイリンガルになったことを想像してみてほしい。ほとんどの識者や評論家、コメンテーターなどは不必要になる。

なぜなら、英語がわかれば、ハリウッド映画でも海外ニュースでもそのまま理解できる。英語の雑誌、本をそのまま読める。とすると、テレビや本でエラソーなことを言っている彼らの解説やコメントを聞かなくともよくなるだろう。

こう考えると、日本という国はわざと国民に英語を理解させないようにしているとしか、私には思えない。そうして、わざと若者を不幸にしているのだ。

たとえば、失業してハローワークに行くと、再雇用対策として職業訓練学校に通うための補助金が出る。しかし、英会話学校はその対象にはなっていない。かろうじて、入学金や受講料の一部が補助されるだけだ。

現在のグローバル経済では、英語教育こそ雇用対策である。インド人がグローバル経済の中で競争力があるのは英語のおかげが大きい。フィリンピンは世界有数の労働輸出国だが、それはフィリピン人は英語ができるので、世界のどこでも働けるからだ。

どうかこの際、安倍内閣は本気で英語教育に取り組んでもらいたい。そうでないと、やがて日本中に下流若者タウンが続々出現する。日本丸ごと下流社会、世界遺産になってしまうかもしれないのだ。

 全文はこちら
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米軍 夜間飛行合意違反でない   NHKNEWSweb
6月21日 19時9分

沖縄県のアメリカ軍普天間基地に配備されている新型輸送機オスプレイが、騒音防止協定で制限されている夜間飛行を行っていたことが確認された問題で、在日アメリカ軍は防衛省に対し、事実関係を認めたうえで、「任務達成に必要な最小限のもので、日米間の合意違反には当たらない」という認識を示しました。

この問題は、沖縄県のアメリカ軍普天間基地に配備されている新型輸送機オスプレイが、日米両政府が合意している騒音防止協定で制限されている午後10時以降の夜間飛行を行っていたことが日本側の調査で確認されたもので、防衛省は在日アメリカ軍に対し、事実関係の確認を求めていました。

これについて、防衛省の辰己報道官は記者会見で、21日、在日アメリカ軍から防衛省に対して回答があったことを明らかにしました。
この中で、アメリカ側は、事実関係を認めたうえで、「任務を達成するために必要な最小限のもので、日米間の合意違反には当たらない」という認識を示したということです。

防衛省は、地元ではオスプレイの安全性に対する懸念が強いとして、アメリカ側に対し、引き続き安全確保の徹底を求めていくことにしています。
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日韓「通貨スワップ」 打ち切りも    NHKNEWSweb
6月21日 21時0分

菅官房長官は午後の記者会見で、日本と韓国が金融市場の混乱などに備えて円とウォンを融通し合う仕組みについて、韓国側から延長の要請がない場合は、期限を迎える来月で打ち切る考えを示しました。

日本と韓国は、金融面での協力の一環として、金融市場が混乱し外貨が不足した場合などに備えて、互いに円とウォンを30億ドル分融通し合う仕組み=通貨スワップを設けていますが、延長することで合意しなければ来月3日に期限が切れることになっています。

これについて菅官房長官は、午後の記者会見で「期限を迎えるまでの間に、必要があれば延長するが、韓国側であまり必要がないということであれば、日本として判断する」と述べました。

そのうえで菅官房長官は、記者団が「日本側から積極的に延長する必要はないということか」と質問したのに対し、「日本側はそう思っている」と述べ、韓国側から延長の要請がない場合は、期限を迎える来月で円とウォンを融通し合う仕組みを打ち切る考えを示しました。
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全柔連の不正受給、計6千万円以上 27人は資格なし  朝日新聞デジタル
【阿久津篤史、野村周平】全日本柔道連盟の指導者が、指導実態がないのに日本スポーツ振興センター(JSC)からの助成を受けていた問題で、全柔連の第三者委員会(委員長=山内貴博弁護士)が21日、2007年度から12年度に受給した指導者延べ63人中27人計3620万円分について、受給資格が認められなかったとする最終報告書を全柔連に提出した。

 また、強化委員会が助成金の一部を指導者から徴収し、強化留保金としてためて飲食代などに充てた問題では、額を少なくとも3345万円と認定した。不正に受給したり目的外に利用したりした受給額は、重複分を除いて6055万円以上にのぼるという。

 最終報告書は、受給する指導者の選定は強化委トップが一方的に決めており、全柔連幹部が重い責任を負うべきだと指摘。

強化留保金への拠出についても、助成金の目的外使用で問題があり、支出の書面での報告も一切ない仕組み自体も明らかに不適切だとして、「全柔連の予算を補完する資金ともいえ、組織として出入金に関係ないとは到底言い難い」とした。

「全柔連が組織として順法精神を欠いていた」とした中間報告に続いて、上村春樹会長ら執行部の責任を厳しく問う内容となった。

全柔連、報告書の内容変更促す 矮小化狙って第三者委に


 【野村周平、阿久津篤史】全日本柔道連盟の助成金問題を調べる第三者委員会(委員長=山内貴博弁護士)に対し、全柔連が問題を矮小(わいしょう)化しようと、3回にわたって報告書の内容変更を促す要望書を送っていたことがわかった。

第三者委が最終報告書を提出した21日、明らかにした。山内委員長は「現場の意向を聞かず物事を決める上層部の体質はいまだに改善していない」と、全柔連のガバナンス(組織統治)の不備を断じた。

 第三者委は4月の中間報告で「順法精神が欠けている」などと指摘していた。これに対し、全柔連は上村春樹会長名などで再三、反論文書を提出。

「強化留保金は強化スタッフの互助会的資金」「個人助成への対応を『順法精神の欠落』とするのは安直過ぎる」としたほか、責任について職員の意見として「たった1人の常軌を逸した人物により組織の問題として問われることになった」と記した。

 要望に対し、第三者委は「留保金は全柔連の予算を補完する資金」「指導者個人に責任を押しつけるのは無責任」と切り捨て、改めて不適切な行為が組織ぐるみと認定した。

書類は理事会を経ずに提出されており、望月浩一郎委員は「一部の意見が組織の意見として走ってしまうことに問題がある」と指摘。

「世間からどう見られるか分かっていない。世間の常識とのずれが一連の問題の根っこにあるのでは」と語った。
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2013年06月21日(金)
阿智胡地亭便りから「#70いかなごレシピの蜂の子のつくだ煮 」
2004.10.19作成・メール発信

信州産ではなく、メイド・イン・コウベの「蜂の子のつくだ煮」を買いました。

阪急電車の御影駅から阪神電鉄の御影駅へほぼ一直線に下りるバス道が、国道2号線と直交する角に東灘警察署がある。歩くと家から30分かかる。入院前の33キロ速度違反による一ヵ月免停期間(*)が終了したので、免許証を受取りに警察署へ行った。

免許証を返して貰ってから、信号を渡って署の真向かいにある「ハチミツ屋」に入った。この「ハチミツ屋」は震災前にはあったような気がするが、中に入ったのは初めてだった。

東灘警察署に免許証を提出する期限の日が退院してすぐだったので、私は歩くのがまだ覚束なく、本人の代わりに、買物ついでに、相方と娘が行ってくれた。そのとき「蜂の子のつくだ煮あります」という大きな紙が、店のガラスに貼ってあるのを見つけたのだそうだ。

相方は蜂の子が私の大好物であることを知っているから、店に入りかけたが、「歳を考えないでスピード出して捕まって、罰金払って家計に大損害かけた人に、買うことないよ。甘い顔見せたら駄目だよ」と次女から言われて、その日は買えなかったとも相方から聞いていた。

店に入ると、菜の花、アカシア、レンゲ、みかん、クローバー、ソバ、トチ、オレンジ、ユーカリなどのレッテルが付けられた大口瓶が並んでいる。ハチミツに、こんなに種類があるのかとびっくりした。値段も一瓶600円くらいから5000円くらいまでの幅があってこれまた驚いた。

店先に人は誰もいなく、奥に声を掛けると、中年の女性が出てきた。

「蜂の子のつくだ煮、どんなんか見せてください」と言うと店の端にあるガラスの冷凍ケースから、小さなガラス瓶を出してきた。蜂の子はきれいな飴色に仕上がっていて、見ただけで、質が良くうまそうだと思ったので「それ貰います」と言った。

「えっ、試食しないでいいんですか」と言うので、「自分は信州に縁がある者なので、見たら分かりますから」と言うと、女性の顔が急にほころんでニコッと笑い、「ああ、そうなんですか、実はこれ店におくとき、神戸で買うてくれはる人おるやろかて、チョット心配やったんです」と言った。

「それで売れてるんですか?」と聞くと、「お客さんみたいな年配の男の人が、時々入ってきて買うてくれはる。そして少数やけど何回も買いにきてくれはる」と言う。

「作ってもろてるとこ、“イカノゴのクギ煮”とおんなじ作り方でやってもろてるんです。仕上げにハチミツ使こてもらうとこだけは違うンやけど。

もうちょっと、カズ(数)売れたら値段も安うできるンやけど、なんせ手間かかってるよって、すみませんネエ」と心底恐縮しながら言った。

確かに50gで850円は高くて、主婦の感覚では買えず、酒飲みがツマミ感覚で買っていくしか、まだ売れないだろうと思った。それに元々神戸には、蜂の子を食べる人そのものが、殆どいない筈だしとも思った。

 瓶を包んでもらうのを待つ間、店に何枚も掲示されている蜂蜜取りの写真を見るともなく見ていたら、「父がもともと養蜂業者で、六甲山にミツバチ置いてやってたこともあるんです。95歳で今も、まだ元気ですワ。連合いの一族も阿蘇の山麓で昔から今もずっと養蜂やってます。」と言う。

今年の夏、岡山のM君からテレビの宣伝で有名になった通販のYD養蜂場が、中国から安い原料を輸入して、それを加工して大儲けしている。250億の売り上げで50億の純益を出しているが、製品出荷量と本来の養蜂場の蜂蜜生産量が、どうみても見合っていないと聞いていた。

蜂蜜の品質も、素人にはわからないから、なんだか選ぶのは大変だなあと思っていたが、こうして聞くと、こういう家族経営でやっているところなら安心だろうと思えた。

帰って早速食べたつくだ煮はなんの添加物の味もしない、蜂の子そのものの旨味が出ていた。

まさか蜂の子を「イカナゴのクギ煮」の作り方でつくだ煮にしているとは、それがこんなにおいしいとは思わなかった。

信州と神戸のフュージョンの傑作だなと勝手に思いながら、冷蔵庫から少しづつ出して、酒のツマミに一人で楽しんでいる。相方と娘は「カタチを見たらとても食べられない」のだそうだ。
 
(*)
岡山県の奥津温泉近くの一般道路で、7月に33キロオーバーでネズミ捕りにやられた。

1964年に免許を取ってから、県外を走るときは、地元ナンバーの車の後を走ったり、危ないと思う場所は必ず減速したりして、これまで40年間、近畿各地や四国、中国、信州・北海道を走ったが、一回も捕まったことはなかった。

 自分は大丈夫と過信するようになったのか、そうは思いたくないが歳相応に、注意力が落ちてきたのか、今回は、見晴らしの良い田んぼのど真ん中に、一箇所、大きな自動販売機ステーションがあり、その建屋の陰に彼らは巧妙に隠れていて、気づいた時は遅かった。

 警官から「神戸から、はるばるようきんさったのう。お蔭でノルマがはかどるが」と言う感じで、丁重かつ慇懃無礼に扱ってもらった。いまさら、おえんが。

罰金6万円・免停一ヵ月。免停該当期間が腹部大動脈瘤の手術後、退院してすぐの日程になったので、どうせ暫らく運転出来ないし、講習に行っても、まだ1日通して座ることも出来ないから、そのまま免停を受けて免許書を預けていたのだった。
 
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原発新基準:選別加速…老朽基、迫る廃炉   毎日新聞
2013年 06月19日 22時38分

 原子力規制委員会は19日、東京電力福島第1原発事故を踏まえた原発の新規制基準を決定した。7月8日施行という閣議決定を経て、同日から再稼働申請を受け付ける。毎日新聞が10電力会社に実施したアンケートや取材では、4社が6原発12基を7月中に申請する見通しだ。福島第1原発とはタイプが異なり、西日本に多い加圧水型(PWR)原発では、安全対策が一部猶予されているため、申請情勢は「西高東低」になりそうだ。

規制基準に加え、原発の運転期間を原則40年とする「40年運転制限制」も同時施行されるため、老朽原発を照準にした選別の流れは加速する。

 ◇規制委新基準決定

 7月中の申請が見込まれるのは、北海道電力泊1~3号機(北海道)▽関西電力高浜3、4号機と大飯3、4号機(ともに福井県)▽四国電力伊方3号機(愛媛県)▽九州電力玄海3、4号機(佐賀県)と川内1、2号機(鹿児島県)の12基。

いずれもPWRで運転期間は30年以内。このタイプは西日本を中心に24基あり、排気(ベント)時に放射性物質を除く「フィルター付きベント装置」の設置が5年間猶予されている。

 福島第1原発と同じ沸騰水型(BWR)は26基ある。格納容器の体積がPWRに比べると小さく、圧力が高まって危機的状況に陥るまでの時間が短く設置は猶予されていない。

東北電力は東通(青森県)、女川(宮城県)両原発について「見通しが立たない」と、7月の申請断念を表明。東京、北陸、中部、中国、日本原子力発電の各社も「申し上げる段階にない」と申請時期への言及は避けた。フィルター付きベント装置の設置には数十億円かかる。規制委に「直下に活断層がある」と認定された原電の敦賀2号機(福井県)以外はBWRで、原子炉のタイプが明暗を分けた。

 規制委は、事務局の原子力規制庁に3チームを設置して審査に臨む。基準を満たしていると判断すれば、地元自治体の同意を得たうえで、政府が再稼働の可否を判断する。基準では、これまで電力会社の自主努力に任せていた過酷事故対策を義務化。事故時に冷却を遠隔操作する「特定安全施設」の設置も求める。

また、活断層の真上に原子炉建屋などの重要施設を設置することを禁止した。

必要に応じ、調査対象も従来の「12万~13万年前以降」から「40万年前以降」までさかのぼるよう求める。このほか、老朽原発に多い可燃性ケーブルの交換など、火災対策を強化する。「40年運転制限制」も導入され、延長する場合は点検範囲を拡大する「特別点検」に合格しなければならない。

 日本原子力産業協会の服部拓也理事長は「電力各社は費用対効果を重視し、より若く、出力が大きい原子炉への設備投資を進めるだろう」と指摘。田中俊一・規制委員長は19日の記者会見で、「世界で一番厳しい規制基準になった」と自負した上で、審査過程について「(電力会社と適合の可否をめぐって)せめぎ合いがあるだろう」と語った。【岡田英、鳥井真平】
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毎日「抜き打ち検査」 アメリカの原発規制現場 ニュースステーション動画

毎日「抜き打ち検査」 アメリカの原発規制現場 投稿者 tvpickup
2013年6月21日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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高市氏発言/原発事故の教訓はどこに 神戸新聞社説
2013/06/21

 撤回して謝罪すれば許される発言ではない。自民党の高市早苗政調会長の原発再稼働をめぐる神戸での講演だ。

 「福島の原発事故で死亡者が出ている状況にない。最大限の安全性を確保しながら(原発を)活用するしかない」

 そうした発言に対し、今も15万人が避難生活を続ける福島県で怒りの声が広がっている。被災地をめぐっては、復興庁幹部の短文投稿サイト「ツイッター」での暴言が発覚したばかりだ。

 原発事故による避難生活中などに死亡した福島県の「震災関連死」は認定されただけで1415人に上る。

 原発事故直後に情報がないために知らないまま被ばくした大勢の人が、不安におびえながら生活している。

 福島が直面する過酷な現実を知っていたら、できない発言だ。事故による直接の死者がないから原発を再稼働していいという意図があるとすれば、被災者軽視としか思えない。

 いずれにしても、与党幹部の発言として耳を疑う内容だ

 高市氏はエネルギーに関する発言を全て撤回するとした。講演の流れを見れば問題となった発言が原発再稼働と深く関わるものであることが分かる。

 発言の前段では「原発は廃炉まで考えると莫大(ばくだい)なお金がかかるが、稼働中のコストは比較的安い」とも話した。

 コストのために廃炉は先送りして稼働すべきというのだろうか。老朽化原発を多く抱え、使用済み燃料の保管場所も乏しいのが日本の現状だ。

 原発事故の現実があるのに、再稼働や輸出を進めようとする。気掛かりなのは、そうしたムードが自民党内で強まっているように見えることだ。安倍首相は首脳会談のたびに原発を売り込もうとしている。原発事故や被災者の現状を切り離した形で進む原発ビジネスに、被災者が危機感を覚えるのは当然だ。

 福島第1原発では今も、溶けた核燃料や破損した原子炉の状態を確認できず、本格的な原因究明はできていない。

 4号機では使用済み燃料棒が入ったプールを鉄骨で補強して支えている。1500本の燃料棒を運び出す前に直下型の大地震があれば非常事態に陥る危険性がある。緊迫した状況が続いているのだ。

 福島が置かれている厳しい現実を直視せず、生命や安全よりも経済を優先するようなことになれば事故の教訓は生かされない。新たな“安全神話”の素地を生み出さないよう、政治家は言動に責任を持たねばならない。
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法曹養成改革の失敗に反省のかけらもない「御用学者」 by 郷原 信郎
一部引用・・

この大学教授は、典型的な法務省の「御用学者」で、検察不祥事からの信頼回復のための法務省の「検察の在り方検討会議」にも委員として加わり、刑事司法に関して長々と大学の講義のような発言を行ったり、検察に厳しい意見を述べる江川紹子氏や私の意見に対して異論を述べたりして、会議の議論が抜本的な改革の方向に向かうことに抵抗してきた。

そして、今回の政府の法曹養成制度検討会議にも委員として加わり、「司法制度改革審議会報告書の提言の方向性は間違っていなかった」「現状で合格者が2000人にとどまっているのは、受験者の能力がないからに過ぎない」などと述べて、司法試験の年間合格者数を「3000人程度」とした政府目標を撤回することに反対している。

自分が主導して進めてきた法曹養成制度改革が根本的に誤っていたために、制度が立ち行かなくなり、国に膨大な財政上の損失を与え、多くの若者達を露頭に迷わせる結果になったことについて、何の責任もとることなく、反省をすることもない。そればかりか、その誤りを是正する政策評価の動きに対しても「学問の自由」を盾にとって抵抗し、制度改革の見直しを遅らせようとする。それが、法学の世界の「大御所」の実態なのである。

それは、前回の当ブログ【佐藤真言氏の著書『粉飾』で明らかになった「特捜OB大物弁護士」の正体】で取り上げた、「特捜OB大物弁護士」、すなわち検察OBの世界の「大御所」の問題と相通ずるものがある。

このような「大御所」が、法務・検察の「守護神」として存在している限り、司法制度改革による司法の世界の混乱は収まることはないし、真の検察改革は遅れ、不当な冤罪も絶えることはない。

それが、現在の日本の司法の「残念な現実」なのである。

全文はこちら
 
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日本の新聞を読む人たちは世界から見ると相当変わっている
特異な日本のニュースメディア環境、高齢化がさらに際立てる

一部引用・・

日本のニュースメディア環境は、欧米の主要国とはかなり異なる。

新聞紙やテレビ放送のような伝統的なメディアだけではなくて、オンラインメディアになっても欧米とは趣が異なる。

このほどReuters Instituteが公開した「The Reuters Institutea Digitl News Report2013年版」でも、多くの調査結果で違いを浮き彫りにしていた。(The Reuters Institute for the Study of Journalism(RISJ)は、2006年秋、the Department of Politics and International Relations at the University of Oxfordに設立.)

 今年のレポートもDigitl News Reportと題しているように、オンラインを含めたデジタルニュースの現況を調査している。

欧米の先進国(UK, US, Germany, France, Italy, Spain, Denmark)にJapanとBrazilを加えた9カ国のオンライン・ニュース消費者を対象に調査を実施し、その結果を多くのグラフで紹介している。

ここでは、その中のいくつかのグラフを取り上げるが、詳細はレポートを参照されたい。

 まずは、ニュースメディアのキングであった新聞紙の購読状況から。有料の新聞紙を先週購読した割合は次のようになる。

定期購読も含んだ割合のはずだが、やはり日本がトップである。

若年層の新聞紙離れが進んでも、日本では習慣で新聞を読んでいる高齢層の割合が多いから、日本のトップは安泰かも。

全文はこちら
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ドイツ人がドイツ国営放送で知る福島被災地の現状
切り捨てられる被災者……。ドイツの国営放送「DW」が報じた2年目のフクシマ(大貫 康雄)

原発事故から2年、DWの告発

第二公共テレビ『ZDF』、週刊誌『シュピーゲル』、『南ドイツ新聞』……。ドイツ・メディアの原発報道に共通するのは、被害者の立場、健康・環境への影響を重視した視点といえる。

その中でも国営国際放送『DW(ドイチェ・ヴェレ)』は、簡潔で要点を突く報道で知られている。

原発事故から2年、DWはドイツ・グリーンピースの専門家ハインツ・スミタール氏にインタビューし、福島では現在、日本政府による被害者切り捨てが進められていると厳しく批判している。

(1)最近の福島の線量について

●高濃度汚染地域の人々が避難している福島市も高濃度放射能で汚染され、地表の線量は事故前の200倍もある。

●除染効果は良くても20%~50%除去できる程度で、放射能は簡単にはなくならない。

●除染をするのであれば、福島市、郡山市など人口密集地で集中して行われるべきだ。

(2)人々の帰還の可能性について

●日本の人たちは何世代も同じ土地に住み、土地との結びつきが強い。今までの生活に戻りたいとの思いは理解できる。しかし、残念だが危険すぎて住むのは不可能だ。

(3)日本政府による情報提供について

●(政府は)人々の健康への危険性を過小評価して発表している。山や川がある広い土地から放射能を完全に除去するのは不可能であり、その中で内部被曝を防ぐことも不可能だ。

●それなのに政府は、人々に高い線量でも受け入れる(住む)よう働きかけている。政府が“放射線の健康への害はないから心配することはない”、と言っているのはそのためだ。

●今、原発事故・放射能災害の被害者は、危険な放射能下に住むのを促される形で(政府・体制によって)二重の被害者にされつつある。

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【読書感想】ドアの向こうのカルト    書評の紹介
一部引用・・

この本、『エホバの証人』の元信者が、9歳のときから25年間にわたる「信仰生活」そして、信仰を捨て、周囲の人たちを説得し、「日常」を取り戻していくまでのことが、かなり克明に書かれています。

こういう本は、「洗脳から抜け出した人」が、教団への怒りをこめて書いているものが多いのですが、著者は、かなりフラットに、そして、信仰していた当時の気持ちに正直に向き合っています。


著者は1971年生まれですから、ちょうど僕と同世代で、時代背景が僕の人生と共通しているというのも、読みやすかった要因かもしれません。

著者のお母さんは、もともと「綺麗好きで、潔癖性ぎみ」であり、「学生時代から、キリスト教などの宗教的なことに興味を持っていた」そうです。

海外赴任によって、アメリカで暮らすことになった一家が、現地の日本人コミュニティのなかの「信者」と接し、著者のお母さんの「聖書の勉強をするのは、悪いことじゃないでしょう」という考えから、『エホバの証人』への信仰に、家族が向かっていくことになったのです。

この本を読んでいると、『エホバの証人の信者』のあいだにも、さまざまな「温度差」があるのだということがよくわかります。

そして、信者たちは、自分たちが信じているのが「カルト宗教」だとは、微塵も疑っていないのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これを読んでいると、ある人がカルト宗教の信者になるか、ならないかというのは、まさに「紙一重」というか、ちょっとしたタイミングの違いが大きいのではないかと思うのです。

著者のお母さんだって、住み慣れた日本で生活していれば、たぶん、「普通の人生」をおくっていたし、宗教的なものに興味を持ったとしても、こんな形になはらなかったのではないでしょうか。

そして、これと同じことは、どこの家庭にでも起こりうることなんですよ、たぶん。

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“世界最高”の安全は実現できるのか   NHKクローズアップ現代

“世界最高”の安全は実現できるのか 投稿者 tvpickup
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「文句あれば保護費止める」 平塚 担当職員が受給者に  東京新聞
2013年6月20日

生活保護の就労指導をめぐり、平塚市のケースワーカーの不当な対応が明らかになった。以前から「俺に文句があるなら保護費を止めたって構わないんだぞ」と、受給者を脅していたという。行き過ぎた就労指導に、ホームレス支援団体は「人権侵害。就労指導に逆効果だ」と怒りを隠さない。(中沢誠)

 保護費を止められていた四十代男性は、平塚市内のアパートで暮らす。ホームレス生活から抜け出し、自立して働いていたが、二年前に失業。二〇一一年五月から生活保護を受給していた。

 ホームレス支援団体「神奈川全県夜回り・パトロール交流会」によると、保護費の支給が停止した昨年十月以降、男性は生活に困窮。しばらく三袋入り百五円のうどんを一日一袋で食いつないでいた。光熱費も払えず、電気も一時止められた。昨年十二月十九日夜、男性は痛めていた脚の具合が悪化し、救急車で病院に運ばれた。病院からは栄養失調の影響も指摘された。

 「仕事したくないから病院に行ったのだろう」。搬送された翌日、足を引きずって窓口を訪ねた男性に、ケースワーカーはこう言い放ったという。

 二日後、脚の状態がさらに悪くなり、再び病院へ。脚に血栓ができていることが分かり、緊急手術を受けた。男性は当初、アパートの不動産会社の従業員に「病院に行くとケースワーカーにまた嫌みを言われる」と、病院に行くのも拒んでいた。

 市生活福祉課によると、昨年四月から男性にハローワークに行くよう指導していたが、就労活動の報告書に記録がなかった。ケースワーカーは「違法なやり方と分かっていたが、就労活動に本気になってほしかった」と上司に説明している。

 川田安彦課長は「ハローワークに行った証拠を示せば支給するつもりだった。保護費を渡そうと何度も連絡を取ろうとした」と話す。しかし、支給されたのは二カ月半後。男性が救急搬送された後のことだった。

 支援団体の抗議を受け、市は「保護費を渡せなかったことで、生活維持に重大な影響を及ぼす結果を招いた」と責任を認めた。

 支援団体のメンバーの近藤昇さん(65)は「役所の都合ではなく、受給者の思いに沿った就労支援をしてほしい」と訴える。
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