2015年12月10日(木)
山内庸行 作成 参考情報篇 その2 1. 釈尊の“地動説(コペルニクス的転回)”の確かさを示唆するもの 承前 ⑤9月20日 NHKスペシャル『老衰死』 この番組で、Quality of Death(死をの質)と言う言葉を初めて耳にしました。この番組によると、特に死因となる病気も無く自然に死んでいく老衰死が世界的に増えており、老衰死では、細胞数が自然に減少するので食べても体重が減る現象が死の前の一定の期間に起きていること、死に伴う苦痛がどうも殆ど無いことなどが、研究で明らかになっているようです。 この番組で『死は負けだと思うがそうではない。安らかに死ねないのが負け、死に向き合う事で生は豊かになる』との文脈の中で“生を豊かにする死”の意味としてQOD(Quality of death)という言葉が使われていました。 “老衰死に何故苦痛が伴わないのでしょうか?”これはあくまで私の仮説ですが、『生命自体が死期を予感する⇒人間という複雑系を維持するために生命が創りだした自分と言うイメージの必要性が無くなる⇒生命自らが、人間という複雑系を保護するための仕組みである苦痛とかの感覚や細胞数などを減らしていき、最後に、自分というイメージも消し去り、生命自から大きな生命へと還って行く・・。』 苦痛や細胞数の減少だけでなく、死の過程では、生きている時にわれわれが頼り切っている概念や“自分が”という意識が、何の役にも立たないことは間違いないようです。これは予想通りとしても、この草稿で中心テーマにしてきた自分の気付きや体験知すらもどうも無用の長物のようです。 “自分が”と言う意識や概念は、どうも自分の誕生の際も、自分の死の際にも、また生においても寝ている間には、全く役に立っていません!日中の“自分が”と言う自他を分けた意識が、実在すると本当に言えるのでしょうか?生の質(QOL)と死の質(QOD)が、共に“安らかさ”を問うこととすれば、真の安らかさは、この疑いを根本的に明らかにする以外に手に入れるのは不可能ではないでしょうか! 意識が産み出している自他対立の自分ではなく、生命が生命をしているだけという自分の正体に自分が気付いてこそ、初めて真の安らかさは、生まれるということなのではないでしょか! 2. 釈尊の気付きが、“見る・聞くの前に、目に・耳に入るがある”との気付きで起きたことを示唆するもの ① 祖師方の“悟り”の逸話・修行を諦め坐禅をしていた釈尊は、明けの明星を見て、自分が光っている と感じて悟られた。 ・永年僧堂修行で悟れなかった香厳禅師が、悟りを諦めて庭を掃除していたら、ある日、箒が掃き飛ば してしまった小石が、竹に当たる衝撃音を聞いて、自分が鳴った と感じ、開悟された。 ・空海は、室戸岬で虚空蔵求聞持法の厳しい修行中、明けの明星が口に飛び込み悟りを開かれた。等々 ―悟りの逸話の共通点― ・我を忘れる修行あるいは修行に対する徹底的絶望が先ずあり、そして 悟りは、突然訪れた。それはつまり、永年の修行でも超えられなかった自分という概念や自分の外に目標として置いた悟りなどが、修行への集中あるいは絶望により、剥ぎ取られてしまい、“自分が見る・聞くの前に目に・耳に入る”との実感が、自分が鳴る、自分が光るまでに徹底して深まり、自他を超えるまでに至った・・・。のでは無かったのか。 ② 祖師方の説法 ◎盤珪禅師 血を吐く胸の病の中厳しい修行の末大悟され、その後『このお寺に、皆さんは、私の話を聴ききにこられたのだが、庭で犬がワンと鳴くと間髪入れずにワンと聞こえる、それが仏性じゃ』といった平易な説法をされたとそうです。説法中に丁度犬が鳴いたのを利用して、自分が聞いたの前に、自分の知らぬ間に犬の声が耳に入っていたこと、この生命の働きこそが仏性なのだと説かれたのだと思います。 ◎道元禅師 道元禅師は中国で“身心脱落”であると己事究明を決着され, 帰国後その心境を“眼横鼻直”と説かれ“只管打坐”を貫かれます。これこそが“目で見る・耳で聞くの前に目に・耳に入るがある”との気付きであり、その結果としての“自我と自他の壁の消滅”を物語るものではないかと思います。 ちなみに 道元禅師は、釈尊は悉皆成仏とおっしゃっているのに何故人は修行をせねばならいのかとの疑問の為に中国へ行かれたと言われています。 釈尊は、人間は、概念の世界で生きざるを得ないものの、実は、概念を超えた生命で生かされていると気付かれ、その生命を仏性と名付けられました。 このことを学ばれた道元禅師は、概念を超えた生命が生きている仏性の身でありながら、概念抜きには生きれない人間は、常に概念で無い世界に還る修行が必須である。つまり仏性があるからこそ、人は修行するのだ!と言わば逆転の発想で、その疑問を解決されたのだと思います。 そこで、一切の人為を排除し、悟るは勿論、自分とか、修行とかの計らいは全て捨てて、とにかく思いを手放し、只坐ることで、過不足なく人間は完結しているとして、“只管打坐”を貫かれたと思います。 |
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2015年12月10日 00時50分 【ニューヨーク共同】米誌タイムは9日、年末恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」にドイツのメルケル首相を選んだと発表した。ギリシャ財政危機などの経済的混乱と難民危機に直面する中、メルケル氏の指導力が「開かれた障壁のない欧州の維持、促進に貢献してきた」ことを理由に挙げ、「事実上のEU指導者」だと評価した。 他の候補には過激派組織「イスラム国」指導者のバグダディ容疑者、米大統領選の共和党指名争いで先頭を走る実業家トランプ氏、イランのロウハニ大統領、スマートフォンを使ったハイヤー配車サービス「ウーバー」創業者のトラビス・カラニック氏らが挙がっていた。 |
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2015年12月9日 13時59分 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉を目指し、地元福井県の住民たちが八日、国と訴訟で闘う意思を表明した。同県小浜市の明通寺(みょうつうじ)住職、中嶌哲演(なかじまてつえん)さん(73)は、二〇〇五年に最高裁で逆転敗訴した訴訟に続き、今回も原告に名を連ねる。「当時の原告は半数近くが亡くなり、弁護団や支えてくれた科学者も多くが故人になった。皆の無念や遺志を受け継ぎ、勝利を目指す」と話す。 (高橋雅人) 「(心の)防弾ガラスみたいなのをぶち破られた」。中嶌さんがもんじゅに特別な思いを抱く、その原点となった出来事がある。 一九六三年、東京芸術大から高野山大に編入した夏。安保闘争にも関心がなかった二十一歳の青年は友人に誘われ、和歌山での平和行進に参加した。そこで出会った男性の話に、ショックを覚えた。 元軍人で、被爆者だという男性は丸一日、生々しい被爆の様子や戦後の思いを聞かせてくれた。戦後、差別の対象にもなった被爆者の思いを詠んだ短歌は今もそらんじることができる。「死ぬる気で出征したるふるさとへ 隠れ病む身となりて帰りぬ」 大学卒業後、地元で「隠れ病む」被爆者を訪ね始めた。体験を聞き、被爆検査の費用を集める托鉢(たくはつ)も開始。放射線被ばくの問題も学んだ。ちょうど、そのころ、若狭湾岸で原発誘致の話が持ち上がった。反対運動に参加したが、いつしか、故郷は「原発銀座」と呼ばれるように。立地に金がばらまかれ、当時の敦賀市長は後に原発を「金のなる木」と表現した。中嶌さんは「金で批判的な意見や疑問を封じ込めてきた」と怒る。 八三年、高速増殖原型炉もんじゅに設置許可が出た。通常の原発と違いプルトニウムを使うが、それは「原爆の材料になる」。 明通寺の国宝の三重塔には、もんじゅの名の由来となった文殊菩薩(ぼさつ)が獅子に乗っている。「仏教の獅子は人間のエゴの象徴で、それを制御するのが文殊の知恵。それに対し、人間が原子力を完全に制御してみせるというのは何と傲慢(ごうまん)なのか。そういうおごりこそを、文殊菩薩は最も戒めている」 八六年四月二十五日、福井地裁で行われた前回もんじゅ訴訟の第一回口頭弁論。今は故人になった原告団長の磯辺甚三さんは意見陳述の最後にこう一喝した。「科学者よ おごるなかれ」。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故が起きたのは、その翌日だった。 もんじゅも二十年前の十二月八日、ナトリウム漏れ事故を起こした。そして、福島第一原発の事故…。 これまでの闘いは失望、絶望の連続だった。でも、諦めない。「放射能は子々孫々の世代まで負の遺産を残す。福島も、もんじゅも同じ過ちを繰り返してはいけない」 |
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東京の知人が第一回会合を傍聴した折のメモです。 特定原子力施設放射性廃棄物規制検討会 第1回会合(12/4)傍聴メモ 特定原子力施設監視・評価検討会(現在まで37回開催)からスピンアウトして、「放射性廃棄物」に的を絞った検討会として発足。 「監視・評価」では有識者がリスク管理を中心に選ばれていたが「廃棄物」では原子力工学の専門家が多い。 配付資料・参考資料は規制委HPに掲載。資料から離れた議論についてメモします。 議題1,2 検討会の趣旨(資料1)及び具体的内容(資料2) 1.規制庁・田中知委員からの開会挨拶のあと事務局から資料1,2の説明。 2.質疑 1)(議題説明のあと具体的な状況説明のなかで)複数の有識者から「資料2-1.3項」で「処 分方法の検討は対象外」の文言に疑義が提示された。 2)田中委員と事務局から、処分方法から入ると議論が拡散すると考えた。「保管・管理」を第一の焦点として、処分についてのrequirementは検討範囲だが方法の決定までには責任はない、との趣旨だが、文言の修正は検討する。 所見:会参加者(esp.有識者)の責任の限界を示した文言とも取れるが、有識者が「検討範 囲の制約」と受け取るのも無理はない。 議題3 1Fにおける放射性廃棄物の現状と今後の管理について 1.資料3.1~3.4について東電(石川・廃棄物対策GM)から説明。内容的には状態の変化が大きい瓦礫(固体廃棄物)が中心で、水処理二次廃棄物については数量説明が中心。 2.質疑 1)Q;瓦礫に土壌は含まれているか。 A:敷地内の剥ぎ取り土壌は含むが、全汚染土壌ではない。 2)Q:減容しても放射線量は変わらない、容積当たり高濃度化すると考えてよいか。 A:その通り。ここでは物量のみを集計している。 3)Q:固体廃棄物からの放射性物質漏洩について、「水」より「土壌」を計測すべきでは。 A:具体化の方法を検討する。 4)Q:屋外保管で「ガス抜き」管を設置しているが、内部での偏りをどう評価しているか。 A:コールド試験の結果から設計し、温度監視で補完している。 5)Q:資料3-2の「工事発生瓦礫(32万m3)」のうち「その他28万m3)」は何か。 A:事故対策設備や事務棟などの撤去から発生するものを想定。 6)Q:同資料の「建屋発生瓦礫」の発生量の根拠と汚染物質について。 A:3号機工事計画から推算。現実には現場調査不能、汚染物質はCs中心と考察。 7)Q;同資料にある「雑固体廃棄物焼却設備」の焼却対象物と汚染漏洩対策。 A:当面衣類(タイベックスetc)焼却から始める。バグフィルターのほかHEPAも装着。 8)Q:資料3-4,p2~4の「核種分析」は15年10月末で200件程度、今後の増強は。 A:現在は核物質取扱規定上の制約で1F外へ持出して分析依頼している。17年度末に は敷地内に分析設備設置予定で、年1,000件オーダーの分析が可能に。 9)Q:説明の限りでも対象が多岐にわたる。規制庁事務局で「MAP作成」をお願いしたい。 A:事務局、了解。 10) Q:廃棄物の物量が説明の大半だったが、汚染核種と汚染量の説明が欠けている。 A:初回で初参加委員の方も居られて、概要説明の積り。次回から個別に詳細説明する。 議題4 HIC(多核種辞去装置から発生するスラリーの格納容器)の不具合と対策。 1.東電から資料4に基づき説明。不具合発生メカニズムの解明と対策立案実施中。 2.質疑 1)Q:スラリー膨張による熱出力は?mた、ドライ化の方向への検討は? A:HICのスラリー保管の不安定性も考慮してドライ化の方向を検討対象に含める。 全体としての所見 1.「特定原子力施設監視・評価検討会」が1Fで発生する諸自体への逐次対応を求められ ることから、「放射性廃棄物」を単独の検討会としたことは有意義と考える。 2.今回の資料は包括・概括的なもので、初参加有識者への概要説明となっている。 3.それにしても「放射性廃棄物」について、核種と残留放射線量を明示しないのは雑に 過ぎる。ex.セシウム吸着塔682本(資料3-1,p36)は、Cs137を1015Bq/t含有10の15乗Bq/ton(資料 3-4,p6)している1F特有の高濃度放射性廃棄物であり他と同列には扱えない。 4.次回に東電が提出する資料と当日の議論の内容を待ちたい。 注)追加説明:Csの半減期は30年強だから、30年で1/2,60年で1/4,90年で1/8,一世紀で一桁下がる勘定になる。 10の15乗が10の5乗Bq/ton(100000Bq/ton=100Bq/kg)になるのに千年かかる。 仁徳天皇廟やピラミッドを作ってから安全に守り続けるほどの努力が必要。 スリーマイルズもチェルノブイリも冷却水はあったが河岸立地なので循環冷却していた。海水を使う福島とは条件が違う。この点が福島原初の問題であり、日本の原発の今後の課題であり、中国原発や韓国も同様。 以上 太字、下線は管理人。 |
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東京電力福島第1原発事故で発生した除染廃棄物の中間貯蔵施設が建設される福島県大熊、双葉両町が、施設受け入れに伴う国の交付金計850億円を活用し、2016年度から町民の生活再建支援事業を実施する方向で検討していることが9日、分かった。町民の申請に基づき、避難生活で生じる交通費などを補助する案が浮かんでいる。 交付金は、中間貯蔵施設建設の影響緩和などが目的で、配分は大熊町が461億円、双葉町が389億円。14年度末に国から直接交付され、それぞれ町の基金に積み立てられている。 双葉町の事業案では、原発事故時の全町民を対象に、避難に伴う経費などを補助する。町民交流のための交通費や宿泊費、就職に必要な資格の取得費用などを想定。年間限度額を設け、世帯ごとに給付する方向で調整している。当面、10年程度は継続する考えで、詳細を今後、国と協議する。 中間貯蔵施設の建設をめぐっては、福島県と大熊、双葉両町が受け入れ条件の一つとして自由度の高い交付金を含む地域振興・生活再建策を要望。国は30年間で総額3010億円の新たな交付金の拠出を約束した。影響緩和の交付金はその柱で、両町のほか、県に650億円が交付されている。 2015年12月10日木曜日 |
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浜岡停止、脱原発。 再稼働に背向ける 中部電力浜岡原発=2011年5月13日、静岡県御前崎市で共同通信ヘリから 2011年5月6日午後1時ごろから始まった菅直人首相と海江田万里経済産業相との会談は、1時間近くに及んだ。福山哲郎官房副長官、細野豪志首相補佐官(現在は原発事故担当相)が同席した。 「浜岡原発の問題は自分で説明したい。記者会見の時間を設定し直してほしい」。首相は経産相にこう迫った。経産相が午後4時から記者会見を開き、中部電力浜岡原発の全面停止を発表することで、実務レベルの調整は終わっていた。だが首相は当日になって、自ら会見場に立つことにこだわった。 経産省には、首相と経産相の会談が長引いていると連絡が入った。「首相がいろいろ注文を付けているらしい」。午後2時には、経産相が中部電力の水野明久(みずの・あきひさ)社長に電話し、浜岡原発の運転停止を要請することになっていたが、この予定は大きくずれ込んだ。経産省幹部は「首相が浜岡原発の停止をためらっているのかと思った」と振り返る。 官僚が用意した資料には、経産省が3月30日に指示した緊急安全対策が実行され、浜岡以外の原発は安全性に支障はないと書かれていた。記者会見が首相官邸で開かれたのは午後7時すぎ。首相はこの点に触れないまま会見を終え、この日を境に、「脱原発」に軸足を移し始めた。 停止している原発が運転を再開しないまま、稼働中の原発も次々に定期検査に入れば、12年春には原発の火が消える。 「首相は自分の支持率を上げるために、記者会見を横からさらっていった」。海江田氏に近い民主党議員はこう漏らした。首相は原発再稼働に背を向け、原発を抱える自治体への説明に腰を上げようとしなかった。経産省では首相への不信感が一気に広がった。 二正面は困難 浜岡原発の全面停止が経産省の一部でひそかに検討され始めたのは、福島原発事故の発生から間もない11年3月下旬ごろ。東日本大震災の余震が続き、震源の南下が懸念されていた。 「原発事故の二正面作戦は到底できない」。福島第1原発の冷却作業や周辺の警備に大量の人員を投入していた警察庁や防衛省から、官邸や経産省にこうした意向が非公式に伝えられていた。 浜岡原発1号機が最初に運転を始めたのは1976年。国内では11番目の営業運転開始だった。「地震のメカニズムや予測はいまほど進んでいなかった。電力会社は自治体や住民が受け入れてくれるところから立地していった」(元通産事務次官)。福島原発事故の責任を負う経産省は、警察庁などの警告を無視できなかった。 経産省は4月下旬に一つのシナリオを練り上げた。海江田経産相が浜岡原発の立地の特殊性を強調し、他の原発の安全性を訴えることで、地元自治体の不安解消につなげる―。しかし記者会見を菅首相に取って代わられたことをきっかけに、歯車は逆回転し始めた。 怒りと執念 「東電やエネルギー業界の守旧派が、自民党と組んで倒閣をもくろんでいると、首相は考えている」。東電の賠償支援法案づくりに関与した財務省幹部は、首相に近い民主党議員からこう耳打ちされた。 福島第1原発事故の直後、原子炉への海水注入を首相が止めようとしたと報じられた問題が、首相の不信感を増幅したとされる。官邸周辺では、情報を漏らした犯人を捜す動きがあり、経産省の有力課長の名前が挙がった。 民主党の閣僚経験者は「電力守旧派への怒りと、退陣までに何かを成し遂げたいという執念が、首相の脱原発路線の根っこにある」と語る。 電力需給対策を話し合う各省庁の次官級会議が6月28日、官邸で開かれた。資源エネルギー庁が「原発の再稼働ができなければ、冬も電力の供給不足が生じる」と説明。参加者からは「西日本での電力使用制限令もいずれ検討課題になるかもしれない」との意見も出た。 首相はこれに対抗するかのように、休眠している火力発電所や企業の自家発電をかき集めた「埋蔵電力」によって乗り切る方向に走り始めた。7月13日の記者会見ではこう言い切った。「将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現する。今年の夏と冬の必要な電力供給は可能だ」(浜谷栄彦) (2011年掲載記事) 引用元。 |
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2015年12月09日(水)
山内庸行 作成 参考情報篇 その1 1. 釈尊の“地動説(コペルニクス的転回)”の確かさを示唆するもの ①福岡伸一さんの“動的平衡論” 『・・私たちはふだん自分は自分、自分のからだは自分のものと思っている。けれどほんとうは、・・私の身体は流れの中にある。・・・身体の中でもっとも高速に入れ替わっているのは外界との最前線にある上皮細胞で、消化官の上皮細胞は二日ほどで更新される。 ・・・脳細胞ですら例外ではない。・・・ゆえに記憶も実は流れ流されている。全身のあらゆる部位が常につくりかえられている。一年もすれば、物質的には私は別人となっている。・・・常に変転しつづけている。・・』 ⇒自分と言う意識は、大量の情報を体系的に整理し、変化して止まない生命を統一的に運営するために、生命が創りだした単なるイメ―ジであるとの証言のように、私には響いて来ます! ② 柳澤 桂子さんの“心訳般若心経” 『・・・私たちは、・・自己と他のものという二元的な考え方に深入りしていきます。・・一元的に見たらどうでしょう。・・・私たちは原子でできています。原子は動きまわっているために、この物質の世界が成り立っているのです。 ・・私・・あなた・・戸棚・・一面の原子が飛び交っている空間の中に、ところどころ原子が密に存在するところがあるだけなのです。・・』 ⇒厳しい闘病生活中の生命科学者が、夾雑物を除いて深く自分を洞察すると、ここまでになるのですね! ③ 櫻井 武さんの“睡眠の科学” 『・・色は光の波長、波長というこの物理特性を脳が色として感じて初めて色になる・・色は脳が創りだしたもの・・。視覚野は、視覚情報をまず、明るさ・線分の傾き・色・どちらの眼から入ったか・・など要素に分解して、別々のコラムでデジタル処理して、高次視覚野で再編成される。見ているのは全てバーチャルリアリティともいえる。・・』 『・・多くのヒトが、子猫・・花・・美しい景色・・心が動く。それは何故?・・大脳辺縁系は情動(感情)をつくりだすシステム。環境から入ってくる情報が、「自分にとってどれほどの意味があるのか」判断し、記憶の重みづけをするシステム。有益か否か、危険か否かを判断し、それに伴い感情が発生・・自律神経系や内分泌系の働きに変化が引き起こされる・・』⇒理性とか感情は、本当に自分のものと言えるのかと疑問に思わざるを得ません! ④ 10月6日の梶田さんのノーベル物理学賞受賞 翌日の朝刊には“ニュートリノの重さ証明”との見出しで、“宇宙が誕生した時、通常の物質と一緒に 反物質が同数生まれたはず・・”“ニュートリノ振動”などの記事が載っていました。勿論さっぱり私には分かりませんでした。 この記事を見ていて、私は、中世の人が、“太陽でなく地球が動いている”と聞いた時、多分殆どの人には、どこかの一部の学者のたわ言くらいに、無視するか聞き流していたであろうとの思いが、ふと浮かびました。われわれも実は余り中世の人と変わりはないのではないでしょうか!さすがに今回の物理学賞の受賞対象の研究を、たわ言を思う人はいないと思います。 しかし、殆どの人は、自分には無関係な遠くの難しい話しとしか聴いていなかったのではないでしょうか。 自分の起源である宇宙の物質の起源にかかわる話しなのにです。でもわれわれにとって、地動説は常識です。目には、東から陽は昇り、西に陽は沈むとしか見えていないのにです!! 地動説を信じるとは、同時に全ては、必ずしも自分の思いが描く通りにではないこと気付くことでもあることに現代人たるわれわれはそろそろ気付かなければならないのではないでしょうか! その時初めて一つのクオークから宇宙の全てが生まれたとする科学的知見や今回の物理学賞の発見が自分の人生に意味のあるものになるのではないでしょうか!また釈尊の教えが身近に感じられるのではないでしょうか! 釈尊は、人間中心・自己中心のわれわれの認識に、根本的な疑問を呈されました。更に釈尊の凄いところは、そんな自分なのに、生きているということは、生命の当の本人として、他との比較を超えて、自分だけの世界を生きているというこれまた、広い世界の一員として生きているだけとのわれわれの認識を、見事に否定されました。 更に晴らそうとするから恨みは晴れず、満たそうとするから物欲や名誉欲などは満たされないと、人間常識を根底からひっくり返す人生対処法を示されました。 本当の自分や生命や世界は、われわれの思いには映るモノとは随分違うのだとの釈尊の問いかけに、われわれ現代人は、もっと謙虚に耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。 |
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2015年12月8日 12時53分 特定秘密保護法の成立前の2013年9月、会計検査院が、秘密指定を受けた書類が各省庁から提供されなくなる可能性があり、国の支出入全てを検査すると定めた憲法の規定上、問題があるとの懸念を内閣官房に伝えていたことが8日、分かった。 秘密保護法は同年12月に成立。特定秘密を指定した行政機関が安全保障に著しい支障を及ぼす恐れがあると判断すれば、秘密の提示を拒むことができるとしている。 一方で、憲法90条は検査院が毎年、国の収入や支出の決算を全て検査すると明示。検査院法も、検査院が書類の提出を求めた場合、応じなければならないとしている。 (共同) |
2015年12月9日 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2015年12月08日 09時23分 JST 「事件発覚以来、東芝が描いてきたのは、不正会計でも粉飾でもない『不適切会計』ということで、歴代3社長が責任を取り、それで幕を引くというストーリーだった。それが完結したということでしょう」 コーポレートガバナンスの第一人者である久保利英明弁護士は、不正会計問題に対する東芝の姿勢を痛烈に皮肉った。 11月26日、東京・霞が関にある弁護士会館の1室で、久保利氏が委員長を務める「第三者委員会報告書格付け委員会」の記者会見が行われた。この委員会は久保利氏や國廣正弁護士ら9人の委員が2014年に手弁当で立ち上げたもので、不祥事を起こした企業などが設置した「第三者委員会」が出す報告書が、日本弁護士連合会が定めるガイドラインに準拠するかなどを、委員がそれぞれの視点で「格付け」する。 反社会的勢力への融資問題でみずほ銀行が設置した特別調査委員会の報告書を2014年5月に格付けしたのを皮切りに、年4本ペースで報告書を評価してきた。この日は7件目となる結果公表で、東芝が設置した第三者委員会が今年7月20日に公表した「調査報告書」が俎上に上っていた。会見に多くのメディア関係者が集まったのは言うまでもない。 「評価に値しない」 格付け委員会の評価は、「A」から「D」の4段階だが、それに加えて、「内容が著しく劣り、評価に値しない」ものは「F(不合格)」としている。東芝の報告書の格付けに加わった8人の委員の評価結果は、「C」評価が4人、「D」評価が1人、「F」評価が3人というものだった。総じて低い評価だったわけだが、中でも委員長の久保利氏、副委員長の國廣氏と、委員であるジャーナリストの塩谷喜雄氏の3人が「F」としたのが目を引いた。 会見にも出席した3氏が最も問題にしていたのが、そもそも東芝の委員会自体が、「第三者委員会」と言えるかどうか。東芝の第三者委員会が出した報告書には、「本委員会の調査及び調査の結果は、東芝からの委嘱を受けて、東芝のためだけに行われたものである」と明言されている。 会社から離れた立場で事実関係を調査し、問題点を摘出するのが「第三者委員会」だと世間では思われているが、それを初めからかなぐり捨てている"異色"の報告書なのだ。これを3氏は「評価に値しない」と見たのである。 久保利氏は「社会、マーケット、従業員、株主、投資家のためという視点がまったくない」としたうえで、すべては東芝幹部が描いたストーリーに従って事が進んでいるとしたのだ。國廣氏も「そもそも第三者委員会を名乗ってはいけない」と手厳しい。「第三者委員会の皮を被って、あたかも中立公正かのように装っているが、そうではない」と切り捨てた。 3氏だけでなく、低いながらも一応「C」や「D」という評価を付けた委員にも共通しているのが、この第三者委員会の報告をもって、十分に全容が解明されたと見ていない点だ。格付け委員会の議論でも、「不正な会計処理に関与した歴代3人の経営トップなど関係者の動機面についての事実認定と評価が欠落しており、この点が、原因分析の浅薄さと再発防止策の実効性の欠如につながった」という指摘がなされたという。要は、なぜトップが不正を指示したのか、その動機が明らかにされていない以上、再発防止といっても意味はないというわけだ。 皆で一緒に「臭いものに蓋」 続きを読む。 |
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2015年12月8日 17時20分 居酒屋チェーンを経営するワタミ子会社の正社員だった森美菜さん=当時(26)=が2008年に過労で自殺したのは会社の責任だとして、両親が会社側に損害賠償を求め東京地裁に起こした訴訟は8日、ワタミ側が約1億3千万円を支払い、謝罪することで和解が成立した。 このケースをきっかけに過酷な労働条件に注目が集まり、労働者を酷使する会社に対する「ブラック企業」との批判も広がった。 訴状によると、森さんは08年4月、ワタミフードサービス(現ワタミ)に入社し、神奈川県内の店舗に配属された。休日がほとんどないまま午後から早朝にかけて長時間勤務が続き、同年6月に自殺した。 |
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2015年12月6日 ビジネス・ライフ テロリストにとって原発は格好の攻撃目標。とりわけ警備が手薄な日本の原発を制圧するのは赤子の手をひねるようなもの――原発保有国にとって現実的な脅威である「核テロリズム」の危険性を、元駐レバノン特命全権大使・天木直人氏と共にインターネット政党『新党憲法9条』の運営に携わる不破利晴氏が解説します。(『インターネット政党が日本を変える!』) 日本の原発を制圧するのは、赤子の手をひねるようなもの 原発保有国が対応すべき「核テロ」の脅威 韓国釜山市郊外には、建設中も含めると8機もの原発が立ち並んでいるという。 周囲には監視小屋が点在し、中には銃を構えた警備員が常駐している。途中からはこの警備員に加え、軍も警備に参画するようになった。 このような厳戒態勢は一重に核テロリズムから原発を守るためである。 言うまでもなく韓国は北朝鮮に隣接している。2010年8月に韓国海軍哨戒艦「天安」が、北朝鮮海軍のものと思われる魚雷攻撃を受け沈没。さらに、1年後の2011年8月には北朝鮮が韓国・延坪島に向け砲撃するという事件も起きた。今現在も北朝鮮によるミサイル発射実験が最も熱いトピックとなっている。 このような誠にシビアな地理的情勢の中、朝鮮戦争以来、韓国・北朝鮮間は今も独自の緊張感が支配的であり、事実、韓国は未だ法的には準戦時下体制の国家である。 したがって、原発警備に際しても当然のこととして“核テロリズム”を想定した厳しい体制が敷かれており、仮に北朝鮮の存在を抜きにしたとしても、極めて真っ当、かつ国際基準に遜色のない警戒態勢であると言える。 逆に言えば、原発保有国にとって“核テロリズム”はそれほどまでの脅威として映っているのである。 テロリストにとって「原発」は格好のターゲット さらに、テロリストにとっても“原発”は今後大きなターゲットになることは想像に難くない。「核」とはテロリストにとっての“宝石”である。 これほど彼らに恍惚感を与えるものは存在しない。いざとなったら放射線と共にその身を殉じることも容易いからだ。 よってこれまでは主として核原料や核弾頭にテロリストの耳目が集中していたところ、日本の3.11によって、基本的な潮流がもしかしたら“原発”にスイッチした可能性は極めて「大」と言えるのだ。 なぜ「韓国以下」なのか?日本の原発警備の手薄さに愕然 韓国は核テロリズムに対しても、十分な耐性を保持していると思われる。少なくとも、なんとかして保持しようと尽力している。では、我々の日本はどうか? 断言しても構わないが、日本の原発は少人数のテロリストによって、わずか数時間の内に制圧されてしまうだろう。これは揺るぎのない“事実”だ。 ホワイトハウスの当局者は、日本の原発警備の手薄さに驚き、銃で武装した警備要員の配置が必要であると力説しました。これに対する日本政府当局者の答えがふるっていた。 「日本の原発に、銃で武装した警備要員は必要でありません。なぜなら、銃の所持は法律違反になるからです」 ホワイトハウス当局者は小声で傍らの私にたずねた。 「これって、ジョークだよね?だったら笑った方がいいかな」 私は彼の耳元にささやいた。「たぶん、ジョークじゃない。笑わない方がいい」 ホワイトハウス当局者は神妙な表情でうなずき、日本政府当局者の発言をメモに取るふりをしていました。 出典:『決断できない日本』(著:ケビン・メア/文春新書) “平和ボケ”はもはや日本の専売特許となっている。およそ先進国というものは、特に外交面においてシリアスな局面の矢面に立っているが、日本においてはそれが全くない。俗に言うところの“アメリカの飼い犬”に成り下がっている。 そして、このような緊張感のなさは、原発の警備ひとつとっても十二分にありありと露出してくるのである。くり返すが、日本の原発を制圧するのはテロリストにとっては赤子の手をひねるようなものだ。 引用元。 |
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加藤嘉一 【第66回】 2015年12月8日 習近平政権中期の政権運営を占う 経済・社会政策をめぐる3つの政治会議 政権中期に差しかかる習近平体制の政治運営の行方を、最近北京で開催された3つの重要会議から読み解こう 習近平が共産党総書記に就任して3年の月日が流れた。 いわゆる習近平政権を2012年~2022年の10年間だと仮定した場合、政権初期が終焉し、これから政権中期に入っていくというのが、現状の意味するところであるように思う。 過去の約1ヵ月、習近平政権中期における運営を見据える上で重要な出来事があった。主に経済・社会政策をめぐる3つの政治会議が北京で開催された。 (1)10月26~29日、共産党中央委員会第五回会議(五中全会) (2)11月9日、中央全面深化改革領導小組第18回会議(深改組) (3)11月10日、中央財経領導小組第11回会議 五中全会では《中共中央の国民経済と社会発展の第十三次五ヵ年計画制定に関する提言》が審議された。毎期の五中全会は、歴史的に五ヵ年計画の策定と実施につなげるブリッジとしての役割を担ってきた。2015年は第十二次五ヵ年計画の最終年であり、第十三次は2016年~2020年という期間であり、習近平政権の中期に相当する。ここでどのような業績や成果を演出し、政権後期につなげていくか。 2021年は共産党創設百周年に当たり、仮に習近平政権が十年だとすれば、2022年は見納めの年である。この後期では、具体的な政策よりも、象徴的、政治的、さらにはイデオロギー的なレトリックやパフォーマンスに覆われる可能性が高い。 要するに、習近平政権全体を彩りに満ちたものにするためには、これからの5年間が肝心であり、そしてこれからの5年間の政権運営を占う上で、過去の1ヵ月に起きた政治会議をある程度レビューしておくことは有意義であるように思える。 本稿では、上記3つの会議から今後の5年に影響を与え得るエッセンスを抽出しつつ、3つの視角から、習近平政権の現在地からみた行き先を模索してみたい。 1つ目は、習近平総書記が掲げる経済発展観についてである。 第十三次五ヵ年計画の《提言》に関する《説明》を自ら行った習近平は、これから5年間の経済情勢・政策・目標について次のように語っている。 「《提言》はこれからの5年間、中高速成長の目標を掲げたが、主に考慮するのは、2020年時における国内総生産と国民平均所得を2010年時の2倍にする目標であり、そのために必要な成長の速度は必ず保持しなければならない。 国内総生産の倍増からすれば、2016年から2020年における経済年平均成長のボトムラインは6.5%以上、国民平均所得の倍増からすれば、2010年の都市部と農村部における純収入はそれぞれ1万9109元と5919元であり、これらを2020年に倍増するためには、国民所得成長と経済成長を同時進行させる要求に沿って言えば、十三五期間の経済年間平均成長は少なくとも6.5%に達する必要がある」 次のページ →習近平総書記が初めて行った「5つの提言」の中身 |
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イギリスでは世襲議員は恥ずかしい行いとされチャーチルとベンの二人だけしか例がない ニューズ・オプエド2015年5月8日 上杉隆 世襲政治家 野々村竜太郎 引用元 |
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東大を抜いた「学費・家賃タダ」の大学の正体 林 イム 哲矢 :ハーバード大学ケネディスクール学生 2015年12月08日 東大を世界ランキングで追い抜いた、「学費・家賃」無料の学校とは? 「学費も家賃もタダです。お小遣いとして毎月10万円渡します。引っ越し代、渡航費も出します。まじめに勉強すれば大学院卒になれます」。 あなたのもとに、こんな夢のような留学の誘いが舞いこんだらどうするだろうか。しかもその大学は東京大学より上とされる、あの大学。果たしてどこの大学だろうか。 学費、家賃タダ!しかも東大より上位の大学とは? 東大より上位の大学といえば、ハーバードやスタンフォード、ケンブリッジ大学などが思い浮かぶに違いない。だがその大学は、トップ校が集まる欧米ではなくアジアにある。 羽田空港から直行便で約8時間、赤道直下の国、シンガポールにあるシンガポール国立大学(National University of Singapore、通称NUS)だ。 世界の大学ランキングで有名な英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションによると、東大は世界で43位。一方でNUSは26位。タイムズと同じく大学ランキングの指標として有名な英国クアクアレリ・シモンズ(QS)でも東大は39位、NUSは12位だ。 東大は昨年まで、タイムズのランキングでアジアトップの23位だった。だが今年はランキングを20位も落とした。その結果NUSは両ランキングで東大を上回り、アジア1位の座を確かなものにしている。 私は昨年、冒頭の条件を示したNUSからの甘い誘いにつられ同校に進学した。合格メールをみた瞬間、「ほんまかいな」とビックリし、「何か裏があるのでは」と疑いの目で慣れない英文を何度も読み返してしまった。同時に、ここまでして生徒を集めるNUSの姿勢を目の当たりにし、「日本の大学は絶対にかなわないな」と痛感した。 全文を読む。 |
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2015年12月08日(火)
「立地」により地域社会に大きな変動をもたらした原発。その稼働を実際に支えたのは、高い放射線量下の危険な作業を担った労働者だった。定期検査のスケジュールに合わせ全国の原発を転々としながら、事故後の今も生まれ育った地元への愛着を捨てないでいる。 福島県楢葉町の原発作業員、今田和義(23)=仮名=は大震災発生時、定検中の第1原発4号機原子炉建屋2階で配管工事を終え、高さ約4メートルの足場で後片付けをしていた。突然襲った激しい揺れ。柱に必死にしがみつき、事務所まで逃げた。 翌3月12日朝から千葉や東京に避難。下旬には社長や従業員の家族ら約20人と石川県・志賀原発近くの能登半島の町へ。 元請けから「人が足りない。来てくれ」と催促があったが、作業や補償の内容がはっきりしなかったので社長が断った。 父子で 今田は中学を卒業後、いわき市の土木会社に就職。東北各県のダム建設工事にかかわっていたが、公共工事の受注が減り、約4年前からは原発作業が中心になった。 父(62)も約30年間、「全国すべての原発で働いてきた」と今田。仕事の話は全くしない。同じ道に進むと決めたとき、「次は原発だから」「ああ、おめもか。ほかに仕事もないし、しゃんべ(仕方ない)」と話したぐらいだ。 今田も原発を東海、浜岡、島根、福島第2と渡り歩いた。日当は1万円。8千円から始まり500円ずつ上がるのがうれしかった。会社は5次か6次下請けと思うが、正確には分からない。 初夏にはアユ釣りをした大好きな木戸川。よく泳いだ美しい海。一時帰宅は3月末に一度、果たしたきり。自宅の町営住宅からは作業服と携帯ゲーム機だけ持ち出した。5月からはいわき市の姉の家に移り、停止中の東電広野火力発電所に通い、再稼働に向け作業用の足場づくりをしている。 「原発で働くことに迷いはない。社長にはお世話になっているし。ホウカン(放射線管理担当者)さんが線量を測ってくれるので、気にならないっすよ」と事もなげだ。 話が家族や故郷に及んだとき、あどけなさを残す顔がゆがんだ。父は東京の親戚宅に避難している。「家なし子になった。帰れないと考えたら、頭がおかしくなる」 怖いが... 前川雅己(54)=仮名=は20年以上原発で働く。南相馬市の工業高校を卒業後、地元のごみ焼却施設で働いていたところ、重機の運転の仕事を紹介された。48本のタイヤがついた大型車両で原子炉の圧力容器を志賀原発に運んだり、第1原発に燃料を搬入したりした。 大震災当日、4号機タービン建屋地下で、作業員たちの監視員をしていた。事務所へ向かう際、津波を恐れたが、周囲の作業員たちが意外なほど冷静だったので、皆と同じように歩いて逃げた。 妻(38)や息子3人は県内の避難所に。泣かない子だった三男(7)がちょっとしたことですぐ泣き叫ぶようになった。 会社が借りたいわき市のアパートから広野火力に通う。「作業員は戦時中の特攻隊みたい。 本音言ったら怖いけど、われわれみたいな下請け業者は一度断ると声がかからなくなる。声がかかれば行くしかないよね」 東京電力によると、第1原発の作業員は昨年7月現在で6778人。うち5691人が下請けの社員で、福島県出身は5174人だった。 2011年8月。 引用元。 太字、赤字は管理人。 |
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12月7日 21時41分 大気汚染が深刻になっている中国の北京市は、7日夜、重度の汚染が72時間を超えて続くことが予想されるとして、最も深刻なレベルの大気汚染警報を初めて出し、8日から市内を走る車の数や工場の操業などを厳しく規制することになりました。 北京では、6日から再び大気汚染がひどくなり、7日は1日を通して各地で大気汚染物質PM2.5の濃度が、日本の環境基準のおよそ6倍に当たる1立方メートル当たり200マイクログラムを超えています。 北京市政府は、日本時間の7日午後7時、4段階ある大気汚染警報のうち最も深刻なレベルの「赤色警報」を初めて出しました。この警報は、重度の汚染が72時間を超えて続くことが予想される場合に出すものです。 この結果、8日午前7時から、一般の車両はナンバープレートの末尾の数字によって通行が規制されるほか、汚染物質を排出する工場は操業停止になり、それ以外の工場でも電力使用量を減らすなどの措置が取られます。 さらに、子どもやお年寄り、呼吸器系の疾患を抱える人などは外出を控え、小中学校や幼稚園は休校にするよう勧告が出されました。 北京市政府は、石炭火力発電所を閉鎖するなど大気汚染対策を次々と打ち出していますが、深刻な汚染が続いていることに市民の間からは不安や不満の声が上がっています。 |
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チェルノブイリ周辺でいまなお続く差別、解決には科学が必要 2015.12.7(月) 森田 知宏 ベラルーシの首都ミンスクに住む方に話を聞く機会があった。ミンスクでは、「放射線汚染地域出身者とは結婚させたくない」という人がまだいるそうだ。 また、放射線汚染地域出身者が亡くなると、まだ「チェルノブイリのせいで死んだ」と言われるという。こうした負のイメージが、30年以上経過しても残っていることに驚いた。 その負のイメージへの対策は現地にあった。 これまで2回(1回目、2回目)にわたってお伝えしてきた「原子力被害の勉強会」で、ブラギンという村を訪れたときだ。この村は原発から40キロほど離れた地域だ。 30年以上経っても高い放射線量 空間線量は毎時0.1μSv(マイクロシーベルト)を下回っていたが、現在もキノコなどでは高い放射線量が検出される。 ここでは、現地高校生によってプレゼンテーションが行われた。身近にある作物を取って放射線量を測定した結果を発表するもので、普段から授業の一環として行っているそうだ。 この授業は非常に重要だ。 まず、自給農家が多いブラギンでは、自分の畑で収穫した作物の放射線量を計測する習慣が重要だ。若いうちから放射線教育をすることで、放射線量の高低や、どのようにして放射線量を下げるかなどの知識が自然と身につく。 その結果、不必要な放射線被曝を避けることができる。さらに、この知識があれば、言われなき偏見や差別から受けるダメージを少しは軽減してくれるだろう。 続きを読む。 |
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東北電力東通原発(青森県東通村)が8日、2005年の営業運転開始から10年を迎えた。東日本大震災以降の長期停止で実働は5年余り。東北電が17年4月以降を目指す再稼働は、敷地内断層をめぐる議論の長期化で道筋が見えない。原子力規制委員会は活断層の存在を前提とした審査を示唆しており、東北電は徹底抗戦か戦略転換かの岐路に立たされている。 (報道部・村上浩康) 11月27日、1年4カ月ぶりに開かれた新規制基準適合性審査会合。規制委側出席者からは東北電への厳しい発言が相次いだ。 「変形が見られる断層は、大体全て活動性があると評価せざるを得ない」。事務局の原子力規制庁の担当者が説明すると、東北電の出席者はこわばった表情を見せた。 東通原発敷地を南北に走る断層「F-3」と「F-9」について、規制委の有識者調査団が3月、両断層を活断層と認定する評価書をまとめていた。2年以上に及んだ調査団の会合で、東北電は一貫して活動性を否定。この日はデータを追加し議論を仕切り直そうとしたが、完全に機先を制された。規制庁の担当者は「評価書をスタートにしたいというメッセージだった」と振り返った。 F-3、F-9の活動性の議論に早々に決着をつけようとした規制委には、原子炉など重要施設直下の「f-1」「f-2」といった断層の議論に時間をかけたいとの狙いがあった。 直下の断層は活動性が認められれば廃炉に直結する極めて重要な問題。有識者調査団はデータ不足を理由にf-1などの活動性の判断を避けており、規制委は慎重な判断が求められる。 一方、東北電にとってはF-3、F-9をめぐる議論がまず重要だ。活断層となれば、基準地震動(最大想定の揺れ)の見直し、耐震補強の追加工事につながる。女川原発(宮城県女川町、石巻市)と合わせ三千数百億円に上る安全対策費が増大し、再稼働工程の再延期を招きかねない。 規制庁の担当者は「F-3などの活動性を争うなら審査に時間はかかる。一番重要な直下の断層の議論を進めるか、遠回りするかは東北電の戦略次第だ」と言う。東北電の笹川稔郎副社長は「納得できる解釈があればその段階から考える」と述べるにとどめた。 |
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2015/12/07 09:25 中間貯蔵施設建設予定地の地権者有志でつくる「30年中間貯蔵施設地権者会(門馬幸治会長)」は6日、いわき市の環境省中間貯蔵施設浜通り事務所で環境省側と9回目の交渉を行った。地権者会は30年後に土地を原状回復した状態で返してもらえるよう、地上権契約書の中に違約金の項目を盛り込むよう求めた。 交渉は非公開で行われた。 終了後、地権者会の越前谷元紀弁護士が取材に答え「土地を貸しても30年後に借地借家法に基づき契約が更新される可能性がある。損害賠償しようにも賃料相当金は微々たるもので永久に使われる恐れもある。違約金はそれを防ぐ意味で設けるべき」と話した。 土居健太郎環境省福島再生事務所長兼中間貯蔵施設等整備事務所長は取材に対し「関連省庁に違約金の項目のある法令があるか確認する」と述べた。 |
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2015年12月07日 14時00分 JST 20世紀のアメリカで有名な写真家をリストアップするなら、アンセル・アダムスを入れないといけない。 彼のアメリカ西部のモノクロの風景写真は、ポスターやカレンダーによく使われているためすぐに見分けがつく。だが、アダムスが第2次世界大戦中にドキュメンタリー写真に挑戦していたことはあまり知られていない。 カリフォルニア州マンザナにある日系アメリカ人の強制収容所で、人の命をテーマに写真を撮っていたころのことだ。 アダムスのモノクロ写真は、人々が日常どんな生活を送っていたかを伝える。防火訓練をする子供たちや、ジャガイモ畑で働く農家の人々、制服を着た看護師の姿――。次の写真は、全50枚ある作品のうちの数点だ。この「マンザナ:アンセル・アダムスの戦時写真」という写真集は、ロサンゼルスのスカーボール・カルチャーセンターにある。 china poster アンセル・アダムス「マンザナへの入り口(1943年)」提供:Photographic Traveling Exhibitions アダムスは目標を持ってマンザナに行った。「彼は、当時あった反日のイメージと人種差別の感情とは対照的に、力強さや不屈の精神を見せたかったのです」。スカーボール・カルチャーセンターの学芸員助手リンデ・レーティネンはそう話す。 「彼は日系アメリカ人がアメリカ市民であるということを見せたかったのです。すさまじい不当な仕打ちを受けながらも、コミュニティを作っている彼らが」。 全米日系人博物館には、ドロシア・ラングや宮武東洋など、アダムス以外にも数人の写真家の作品がある。その他、遺品など、マンザナでの生活を思い起こさせるものが展示されている。マンザナは、アメリカ西部とアーカンソー州に10件あった「移住センター」のうちの1つだった。 全文を読む。 |
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2015.12.7 視聴時間 02:06 「アメリカのありふれた一日」――。米カリフォルニア州サンバーナディーノで今月2日に起きた銃撃事件を報道するなかで、BBCのクック記者が使った表現が米国で波紋を広げた。 共感と反発両方の声が上がったのは、銃による凶悪事件が相次ぐ米国で国民の心の琴線に触れたからではないかと、現地で取材する同僚記者は話す。 動画ニュース。 |
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30~40代の親は「逃げ切れない」と認識せよ 加藤エルテス 聡志 :RISU Japan共同創業者 2015年12月06日 情報化の影響は社会で求められるスキルにも変化を及ぼす 物心のついた頃からインターネットやパソコンが普及していた世代を「デジタルネイティブ世代」と言う。日本では1990年代半ば以降の生まれを指す。そんなデジタルネイティブな子どもたちを囲む情報化の波は、まだまだ勢いが衰える気配はなく、公教育もその波に合わせて変わっていかなければならない。情報化の影響を受けて現代社会で求められるスキルも変化してきた。 では、これからの社会にはどのようなスキルが求められるのか、またそれを子どもに身につけさせるうえでの公教育の立場とはどのようなものか。本連載は算数サポートサービスの「RISU」を立ち上げた筆者が、そんなテーマに迫っていく。第1回は「公教育に求められること」をテーマに東京大学大学院 情報学環 学際情報学府の山内祐平教授との対談インタビューをお届けする。 テクノロジーの影響は学校外で広がる 加藤エルテス 聡志(以下、加藤):これからの学習環境は、どういうものがどのくらいのタイムスパンで一般的になっていくのでしょうか。 山内 祐平(以下、山内):そうですね、テクノロジーが教育の現場にどれくらいのスピードで導入されるのかは私の関心事でもあります。デバイスの導入だけではなく、制度的・組織的な問題を解決する必要がありますので、ハードルが高く時間がかかるでしょう。授業を変えるためには、最終的には教員養成から変えなきゃいけませんから。 加藤:確かに、おカネをかければ環境は変えられますが、教員のレベルアップには時間がかかりそうですね。 山内:そうなんです。学校から一歩出ると、タブレットやスマートフォンも普及して、誰でも自由に学べる世界が広がっているので、必然的に学校外の環境の方がICTによる学習が子ども達に浸透するスピードは早いと思います。 続きを読む。 |
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―小津は「大東亜戦争はなかった」と考えたか― 半澤健市 (元金融機関勤務) ドイツの日刊紙『ディ・ヴェルト(世界)』は映画女優原節子の訃報記事に「日本人に対しては西洋的な美を、西洋には理想の日本人女性を体現した」と書いた(『東京新聞』、2015年11月27日夕刊、「共同」)。これは多くの日本人の感性に訴える妥当な指摘だと私には感じられる。 2015年9月に他界していた原節子はある種の「聖性」をもっていたと思う。ここで私のいう聖性は、宗教的でもなく神秘的なものでもない。 「日常性」、「大衆性」と対置できる「純粋さ」、「生活臭のなさ」、「抽象性」というほどの意味である。難しいことをいうつもりはない。 たとえば林芙美子の『浮雲』の主人公は高峰秀子によって見事に表現された。それが原節子によってヨリ見事だったろうという想像は難しい。これは高峰をおとしめるのではない。たとえば『或る夜の殿様』(衣笠貞之助)で高峰秀子は美しい令嬢を好演している。 優れた映画作家は彼女の聖性を重要な資源として、「理念」の映像化を図った。 今井正は『青い山脈』で、黒澤明は『わが青春に悔なし』で、木下恵介は『お嬢さん乾杯』で、吉村公三郎は『安城家の舞踏会』で、それぞれの手法で「戦後民主主義」や「自立する女性」や「新生活を受容する勇気」という理念を原節子を通して映像化したのである。 総じていえば、作家たちは原節子を「世間知らず」の世界から「日常性」の世界に引き入れる実験によって、戦後的「理念」を逆照射して観客に訴えたのであった。美人女優原節子の日常性への自己投入、または現実受容は一面で観衆に救済感を与えた。しかも現実の受け入れは、妥協ではなく戦後的理念の実現またはその再構成であった。 小津安二郎の場合は上記の作家たちとやや異なる。 理念と現実との微妙なバランスがその核心である。小津へ反発する若い映画作家としてスタートし、のちに小津の評伝『絢爛たる影絵』の著者となった高橋治は、「そこにあったものがなくなる」を描くことが小津の思想だったと書いている。 私はこの短い指摘を小津評価の最高の言葉として記憶している。私はそれを「最も美しいニヒリズム」と翻訳して記憶してきた。 NHKBSが、原節子追悼として放映した『東京物語』を観て、私は戦争が小津に与えた衝撃の強さを感じた。 日中戦争で毒ガス作戦にも参加し、中国人を殺めたであろう映画作家は、戦争を直接画面に表現することはなかった。戦後日本の映画界で、とりわけ戦後中期までは、戦前・戦中の小津は非力ながらも抵抗者として評価され、戦後の小津は戦争への考察や批判なしに小市民の生活を描く現実肯定派として評価されてきた。 『東京物語』の場合、原節子の扮した平山紀子は戦争未亡人である。 登場するときに彼女は既に日常性のなかにある。しかもその日常は八年前の夫の戦死によって傷ついている。だが未亡人として「家父長制社会」の秩序を守っている。 『堕落論』(坂口安吾)の戦争未亡人とは対極の生活をしている。尾道から上京した夫の両親(笠智衆と東山千恵子)の接遇は、多忙な町医者の長男(山村聡)と美容院経営の長女(杉村春子)によって紀子に任された。 彼女は両親に優しい態度で接した。それは夫への愛情表現の代償行為であったであろうし、同時に封建道徳への順応でもあった。 彼女に両親が再婚を勧めるのは善意からには違いないが、それは彼女を平山家から排除する言葉である。両親はその残酷さをどこまで意識しているのか。 日常性のなかで「純粋さ」を続けることに迷いが生じていることを紀子は義父に告白する。小津は、戦争未亡人紀子に「傷ついた日常性」から、自身で切り開く人生への選択を迫って映画にエンドマークを打った。紀子は義母の形見の時計を使うであろうか。小学校教師の次女(香川京子)は夏休みに東京の紀子を訪ねるであろうか。 小津安二郎は人間存在の普遍性を描いた映画作家として世界的に高く評価されている。とくに『東京物語』は、世界映画史上の最高作品という栄光に輝いている。私はそのことを誇りに思う。 同時にこの作品は、過ぐる戦争を背景にした静かな反戦映画であり、我々への問題提起であることを私は徐々に感ずるようになった。戦死した夫を「思い出すことのない日もある」という紀子の台詞は、我々の戦争忘却への警告だと思うようになった。 続きを読む。 |
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2015年12月7日 夕刊 朝鮮戦争に派遣され、北朝鮮・元山沖で沈没した掃海艇MS14号 太平洋戦争時と終戦直後の二回にわたり、乗り込んだ艦船が米軍の機雷で爆発する惨事に遭いながら生還した人がいる。 元海上自衛隊海将補の田尻正司さん(92)=横浜市金沢区=で、朝鮮戦争では米軍による機雷掃海の極秘任務に就き、僚艇が機雷の爆発で沈没する瞬間も見た。八日で太平洋戦争の開戦から七十四年になるのを前に「危険な機雷処理で多くの命が奪われたことを知ってほしい」と訴えている。 (編集委員・吉原康和) 戦争末期の一九四五年三月、当時二十一歳の海軍士官だった田尻さんは駆逐艦「響(ひびき)」に乗艦した。沖縄での特攻作戦に参戦するため、戦艦「大和」と一緒に山口県沖から出撃する直前、響は米軍の機雷に接触。下から突き上げるような爆音とともに、艦内は停電で真っ暗となった。航行不能となり、僚艦にえい航されて広島県の呉港へたどり着いた。 「奇跡的に乗組員に死者は出なかった。呉港に引き返さず沖縄に向かっていたら大和とともに撃沈されていたかもしれない」と振り返る。 二度目の触雷は、終戦後の四六年三月。響は復員輸送艦となっていた。定期検査のため、神奈川県・横須賀港から兵庫県内の造船所に向かう途中、大阪湾の沖合で米軍の機雷に触れ爆発事故に見舞われた。この時も、田尻さんを含め全乗員が無事だった。 太平洋戦争中、日本近海に日米両軍が敷設した機雷は計約六万六千個。戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指示で、日本政府による機雷の除去作業が始まったが触雷による事故は絶えず、戦後から六三年までに海保職員ら七十九人が殉職した。 田尻さんは四八年、海上保安庁に入り、翌年から機雷を除去する掃海任務に従事。五〇年六月に朝鮮戦争が起こると、米軍の要請で朝鮮半島沖に出動した海保の掃海母船「ゆうちどり」に指揮官付補佐官として乗り込んだ。 朝鮮戦争にも出動、田尻さんも乗り込んだ掃海母船「ゆうちどり」=いずれも『日本の掃海』国書刊行会より 海保の朝鮮戦争派遣は、新憲法下で違憲の恐れがあるため日米政府間により極秘裏に進められた。 同年十月十七日、北朝鮮・元山沖で掃海中、近くの掃海艇MS14号が機雷に触れて沈没。乗員二十二人中、一人が死亡、十八人が重軽傷を負った。「目の前でごう音とともに水煙がマスト(約二十メートル)より高くまで上がったと思ったら、あっという間に僚艇は海中に沈み、マストが斜めに見えた」 安全保障関連法をめぐる国会答弁で、安倍晋三首相は集団的自衛権行使の具体例として中東・ホルムズ海峡での機雷掃海を挙げながら、世論の強い反対もあって「想定していない」と事実上撤回した。 田尻さんは「機雷はいつどこで爆発するか分からない。除去の技術は進歩するが、機雷そのものも次々と新しいものができる。一番危険で最もいやな仕事だ」とした上で「機雷掃海は戦闘状態そのもので海外の派遣自体、違憲ではないか。今後も国会で十分な議論が必要だ」と警鐘を鳴らしている。 ☆[海保の朝鮮戦争派遣は、新憲法下で違憲の恐れがあるため日米政府間により極秘裏に進められた。] アメリカの要請を国家の憲法より優先する日本政府。当時も今も変わらない。日本が独立国家ではなく米国の従属国家であることを具体的に示す事例。 |
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「今後も起こり得る」 12/07 12:17 【紋別】紋別市内の20代の妊婦が紋別地区消防組合消防署の救急車内で男児を出産した。遠軽厚生病院に、まだ産婦人科常勤医がいた今年4月24日の出来事だった。 隊員3人の適切な処置もあって、母子はその後、健康に過ごしているという。同病院が分娩(ぶんべん)を取りやめた10月以降、こうしたケースは起きていないが、搬送先が遠距離になっていることから「今後も起こり得る」(同消防署)と、気を引き締めている。 男児を取り上げたのは大森政谷さん(39)、大原徳公(やすゆき)さん(31)、山田真也さん(26)の3人。 同日夜、妊婦の家族からの要請で救急車が到着したとき、すでに陣痛が切迫した状態だったという。健診している医療機関が同病院だったため、直ちに遠軽へ向かったが「出産のサイン」とされる2~3分間隔の陣痛が始まり、湧別町内で救急車を止め、お産に臨んだ。 山田さんが運転席で待機。大森さんが携帯電話で同病院の医師からの指示を聞き取り、救急救命士の資格を持つ大原さんへ正確に伝えた。「ゆっくりと時間をかけ、へその緒が首に巻き付いていないか何度も確認しながら分娩介助を試みた」(大原さん)という。 その後もクリップでへその緒を止めた上で、低体温を防ぐため乾いたタオルで何度も何度も新生児の体を拭きながら、同病院に大切な「二つの命」を搬送し任務を終えた。 大森さんは、無事に誕生した証しといえる「おぎゃー」という声を聞いた瞬間のことを、「安堵(あんど)感も喜びもなかった。1秒でも早く病院へ送り届けなきゃと必死だった」と振り返った。 同消防署によると、救急車の搬送時間は紋別から遠軽までが50分ほどだったのに対し、10月以降は最も近い北見までで90分、さらに旭川だと120分になる。 「最善を尽くすのが自分たちの仕事」(同消防署)としながらも、出産時につきまとう、さまざまな「想定外のケース」に言及。「初期陣痛の兆候があった時点で、かかりつけの医療機関と速やかな連絡を」を呼びかけている。(葛西信雄) |
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女性活躍推進法の成立を受け、女性の正社員や管理職の割合を高める企業が京都や滋賀で増えている。人手不足が慢性化する中、女性が働きやすい職場環境を整え、優秀な人材を確保する狙いがある。 中華料理チェーン「餃子の王将」を展開する王将フードサービス(京都市山科区)は、女性正社員の割合を現在の約1割強から、2020年をめどに5割程度まで引き上げる。パート従業員らを短時間勤務の正社員に登用する制度を新設したほか、新卒・中途採用でも女性の比率を高める。育児などが一段落した女性正社員を管理職に積極登用することも検討する。 女性活躍推進法は、大企業に来年度から女性登用の行動計画の策定などを義務づけている。 王将フードサービスの場合、女性のチームが新メニューを企画、女性店長も出始めた。内田浩次執行役員は「高い能力のある女性をしっかりと見極めて登用し、将来の経営に役立てたい」と話す。 下着大手のワコール(南区)は、現在18・9%の女性管理職の割合を18年度に20%台に高めることを決めた。介護や結婚で離職する社員を5年以内に再雇用する復帰制度を今年から拡充し、配偶者の転勤に伴う離職も再雇用対象に加えた。 下着大手のグンゼ(綾部市)も年間採用者数に占める女性の割合を3年後に4割にする。中小企業も知恵を絞る。樹脂包装材メーカーの甲賀高分子(湖南市)は従業員85人の約4割が女性正社員。時短勤務や柔軟な配置転換といった女性の離職対策に取り組み、将来は女性管理職割合で30%台を目指している。 |
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